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■スプリンターズS・復習

1分6秒7のレコード決着!
GⅠ・スプリンターズSは2番人気のロードカナロアが制した。

レースは前半3F通過が32秒7のハイペース。GⅠレベルならば乗り切れない流れではないものの、4~5頭横並びとなった先行集団にとっては厳しい展開だったと言えるだろう。
勝ったロードカナロアは今回も抜群のスタートを決め、ハナに並ぶ勢い。しかし、そこから一旦ポジションを下げ、3コーナー手前ではカレンチャンを外からマークする絶好の位置をキープした。
『予習』の中で「位置取りがポイント」「岩田騎手の手綱さばきに注目」と書いたが、流れとマークする相手を読み切った完璧なポジショニングを見せてくれた。ゴール板手前でエピセアロームに差されたセントウルSの経験を踏まえてか、今回は後続を引き離してからの仕掛け。最後は2着・カレンチャンに3分の2馬身差をつける素晴らしいレース内容だった。
もちろん、岩田騎手の好騎乗にこたえた、ロードカナロア自身の走りも賞賛に値するもの。『予習』にも書いたように、セントウルSではさらに力をつけたという印象が残ったが、今回はそれに加えて“強さ”を感じさせてくれた。春先に比べて大きく成長したことは間違いないだろう。
次走は12月の香港スプリントGⅠを予定しているとのこと。今回見せてくれたスピードとキレ味を存分に発揮できるレースを期待したい。

2着は1番人気のカレンチャン。
国内スプリントGⅠ3連勝は逃したものの、この馬のベストの走りは見せてくれた。馬体重はマイナス12キロ。不安要素があるかとも思われた状態面もキッチリと良化。GⅠ馬の貫禄さえ感じられた。
敗因をあげるならば、勢いの差かもしれない。成長を続ける4歳のロードカナロアに対して、この馬は5歳牝馬。直線半ばで先頭に立つ正攻法の“強い競馬”を見せてくれたが、相手はそれを上回る力を発揮したということだろう。完璧な内容、それで負けたのなら仕方がない。年内で引退とのことだが、この1年スプリント戦線の中心として活躍してくれたこの馬に、惜しみない拍手を送りたい。

3着は馬群を割って伸びてきたドリームバレンチノ。
道中はインで脚を溜めて直線で差してくるこの馬ならではの競馬。直線、巧く馬群を捌けるかどうかに注目していたが、狭いところを割って最後はカレンチャンを首差まで追い詰める根性を見せてくれた。
前走の大敗で人気を落としていたが、この夏の上昇度を考えれば驚けない走り。主戦の松山騎手に戻り、本番に向けて状態を上げてきたことも好走要因に違いないだろう。

4着には大外から追い込んだエピセアローム。
3歳のキャリアを考えると、GⅠを1分7秒0の時計で走破したことは評価できる。ただし、厳しい言い方をするならば、“枠なりの競馬(=外々を回っての追い込み)”しかできなかったようにも思える。自分でレースを作ったり、自在にポジションをキープできるようになるには、まだまだ経験が必要だろう。
まだまだ成長の余地を残している3歳馬。今後、どのように走りの幅を広げていくか、注目したい。

3番人気のパドトロアは8着。
安藤勝騎手は「返し馬から少し硬かった」とコメントしているが、あるいは、『予習』でもふれたように、夏場の消耗が影響していたのかもしれない。
マジンプロスパー(12着)は最内枠に入ったことで先行策を取らざるを得なかったようだが、もう少しポジションを下げる作戦もあったのではないだろうか。ダッシャーゴーゴー(16着)も同様。長く脚を使えない馬なのだから先行して押し切るのは無理があったように思える。
展開のアヤかもしれないが、この3頭については、ムキになって先を争っているようにも見えた。

ともあれ、今年のスプリンターズSは期待通り、いやそれ以上の熱戦だった。
馬の強さと騎手の技術を堪能できた一戦と言えるのではないだろうか。


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■コメント

■ありがとうございます。 [ちょび]

いつもフィードバックありがとうございます。
お陰様でスプリンターズS的中できました。

ただ反省も残りました。
パドトロワですが、アンカツさんのコメントが
明らかにトーンが弱かったんです。
やはり安東さんご指摘のように「夏の疲れは」は出ていたんでしょう。
ドリームバレンチノのように短期放牧を挟んでいませんからね。

厩舎や騎手のコメントは基本的に馬主さんに向けたもの
だったりで、あまり信用はできないと思いますが、
ここ最近のアンカツさんは騎乗馬を抑えていることも影響しているのか、
内容はまだしもトーンで判別しやすいんです。

アイビスSDを勝った後に、
「いつも力を発揮できる馬ではない」
と言っていて、確かに前走函館SSの時と、アイビスSDの
レース前のコメントはトーンが違ったんです。

で、その後のキーンランドCのコメントも
「良い状態」という趣旨で、トーンは自信有り。
で今回は「悪くはない」というちょっと弱気だったんです。

G1だから、相手関係で弱気の可能性も捨てきれず、
5頭目に入れてしまいました。
結果的に的中には変わりませんが、
安東さんも確か著書で書かれていたと思いますが、
点数は少なくしてこそ「予想」だと思うんです。

3連単ボックスでうまみ追求の為に点数が増えるのと、
対象馬を増やして点数が増えるのは訳が違います。

ここのところ調子が上がってきているので、
このまま秋競馬頑張ります!

8日の月曜日は府中の指定席チケットが
JRAのCLUB-A-PATのサイトで当選したんです♪
競馬場は去年の「府中の皐月賞」以来ですし、
何より初めての指定席なので、
じっくり楽しんできたいと思います。

■台風もいとわず [電気羊]


最近いまひとつの私の馬券成績について、“嵐の前の静けさといった感じでしょうか”とのコメントを頂きましたが、嵐のさなかにスプリンターズSの馬券を購入しに出かけました(笑)

当初はカレンチャン→ロードカナロア→パドトロワという見立て。
しかし<予習>を読み、ロードカナロアを本命に。パドトロワも、当日のパドック評も加味し評価を下げました(本当に<予習>を読んでおいてよかった!)。
で、3番手にダッシヤーゴーゴー。
幸い雨は降らず高速馬場だったので、マジンプロスパーは切り、4番手にはドリームバレンチノ。

ドリームバレンチノは夏場の3連勝を見て有力と思いつつ、キーンランドC7着は少々不満でした。
しかしながら、9月の中山1200Mでは父ないし母父タイキシャトル(ヘイロー系)の馬が大活躍。
そして直前の10Rでは3着馬(9番人気)がマイネルラヴ産駒。
こうなると、父がヘイロー系のロージズインメイ、母父がマイネルラヴのDバレンチノは絶対外せん!(笑)内枠も陣営の希望通りとのこと。かなりワクワクしながら馬券を購入しました。

結果、複勝、ロードカナロアとのワイド、3連複、おまけで1点のみ購入した馬連が的中。
3連複は5頭でフォーメーションを組むところを、強い2頭にダッシヤー・バレンチノをつけた2点に変更。しかし、書きかけてやめた4頭フォーメーションのマークシートまで投入といううっかりミス。当たって払い戻しが増えたからよかったものの、冷や汗ものです。

とにもかくにも秋のG1戦線緒戦、上々のスタートが切れました。馬友もワイド的中(勝負馬券はカナロア・カレンチャンの馬連)。メールした甲斐がありました(笑)
今回は、きちんと頭の中で序列をつけ、考えを整理することができ、そのため馬券も効率よく買えたように思います。もちろん、いくつかのラッキーと安東さんには感謝しております(笑)

PS.翌日のポートアイランドS、代休の同僚に買ってもらいました。5番手だったオリービンを3番手に、6番手のミキノバンジョーを4番手に上げ、オリービンの単勝・ワイド2点的中。代替開催のおかげでプラスアルファの収入が(笑)


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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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