■2009年01月

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■AJCC・復習

1年近くにも及ぶ骨折休養から復帰し、一昨年の日経賞以来となる重賞勝ちを手にしたネヴァブション。馬自身の復活にはもちろん賞賛を送りたいが、それ以上に素晴らしかったのは鞍上・横山典騎手のレース運び。
3番手の内にポジションをとり意識的に早めに動く作戦。ラチから離れないことによってロスを極力おさえたコース取り。レースの流れと馬場状態を考えた上での頭脳プレーである。
『AJCC・予習』の中で「ネヴァブションのポイントは騎手の乗り方」と述べたが、横山典騎手も「思い通りのレースができた」とコメントしているように、まさに“完璧な騎乗”と呼べるものだった。
本来、もっと距離があった方がいいタイプだけに、天皇賞・春の有力馬の一頭として期待できそうだ。

2着のエアシェイディは正攻法の競馬を見せてくれた。渋った馬場と58キロの斤量がこたえたらしく、3~4コーナーの追い上げ時の反応がもうひとつのようにも見えたが、それでもまだまだ力を発揮できることを証明したレースだった。8歳馬にしてこの走り。1走でも多くがんばってほしい。

トウショウシロッコはネヴァブションをマークするような形でインを突き、3着に入った。こちらも好騎乗と言っていいだろう。相手関係を考えれば大健闘。着実に力をつけてきたことがわかる。
「もう少し絞れていればよかったし、距離も少し長かった」という吉田豊騎手のコメント。好走条件が揃えば重賞勝ちもそう遠い日ではないかもしれない。

4着のマイネルキッツ。中央の重賞レースではどうしても“あと一押し”が足りない。『中山金杯・復習』でも書いたように、狙い目は平坦ローカルの重賞だろう。ひとつ気になるのは昨年の6月から使い詰めできていること。仮に夏のサマーシリーズを狙うのであれば、春は休養をとって備えた方がよさそうだ。

1番人気のドリームジャーニーはスローな展開と馬場に泣かされ持ち味が出せなかった。ただし、大外から差す競馬に徹したのは“判断ミス”ではないだろうか・・・。4コーナーで先行集団に追いつき直線で突き放すレースもできるだけに残念な結果である。

アルナスラインは4コーナーで一瞬伸びかけたように見えたが、そこからがサッパリだった。武豊騎手はレース後に「バテているわけではないのに追い出してから今ひとつだった」と語っている。やはり本調子ではなかったようだ。専門家からも期待されている素質馬。もう一度きちんと立て直すことが先決だろう。


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■AJCC・結果

2009年1月25日 1回中山8日11R
第50回 アメリカJCC(GⅡ)
芝・2200m 晴・良

 1着 ネヴァブション    横山典  2.13.9
 2着 エアシェイディ     後藤    2+1/2
 3着 トウショウシロッコ  吉田豊   クビ

単勝 3 700円(4番人気)
馬連 3-6 1650円  馬単 3→6 3640円
3連複 3-6-7 5340円  3連単 3→6→7 27530円
 

■AJCC・予習

別定GⅡの芝・2200m戦。斤量差や展開の紛れが少ないと考えれば、基本的な馬券の組み立て方は“実績重視”になるだろう。今回は前走GⅠ・有馬記念を使った3頭に人気が集まりそうだ。

有馬記念最先着(3着)のエアシェイディは、昨年のこのレースの優勝馬。中山芝・中長距離レースにおける勝ち方は「3コーナーからマクリ気味に進出し直線で抜け出す」ことが基本だが、昨年のエアシェイディのレースはまさにその通りの勝ち方だった。
不安点があるとすれば、昨年と臨戦過程がまったく違うこと。休み明けGⅢ→OP→GⅢという昨年のローテーションに比べて、今年は休み明けGⅡ→GⅠ→GⅠというように明らかにレベルの高いレースを使ってきている。年齢的な衰えは見られないとはいえ、エアシェイディもすでに8歳。斤量も前走よりも1キロ増になる。ピークの状態をどこまで維持できているかがポイントとなるだろう。

ドリームジャーニーは有馬記念4着。ステイゴールド産駒特有といわれる小柄な馬だったが、ここにきて馬体重の増加が続き「充実した」という下馬評も高い。重賞勝ち4回は出走メンバーの中では断トツの数字。実績面に関してはトップの評価を下しても問題ないだろう。
問題は脚質。スタートが悪く(6戦連続出遅れ)、どうしても後方からの競馬になってしまう。昨年の小倉記念や朝日CCの時のように早めに好位に取り付くレースができればいいが、馬群の外に出すことにこだわるあまりに直線で後方一気のような形になった場合には、“差して届かず”のケースもあり得る。

武豊騎手を鞍上に迎えたアルナスライン(有馬記念6着)。初の重賞勝ちを期待する声も多い。しかし、この馬は少々疑った方がいいかもしれない。
昨秋のアルゼンチン共和国杯で3着に敗れた時点で、陣営は「放牧に出して次走は年明けの日経新春杯」と明言。ところがオーナーサイドの意向で放牧途中で急遽有馬に参戦。当初の予定とはまったく異なるローテーションになった。550キロを超す大型馬だけに放牧明けを叩いた上積みは見込めるかもしれないが、本来はここが目標のレースではなかっただけに・・・。実際、調教では格下馬にあおられていた。

上記3頭が“有力”と評価される一方で、「有馬記念上位組は展開がハマっただけで能力が高いわけではない」という見方もある。他の出走馬についても考えてみたい。

中山芝・長距離実績を考えれば、日経賞勝ちのあるネヴァブション。前走の中山金杯(芝・2000m)はあきらかに距離不足。春の最大目標は天皇賞・春」(陣営コメント)であるのならば、ここで相応の結果を出しておきたいところだろう。
もっとも、距離実績<0・0・0・4>が示すように、2200mでもこの馬にとっては距離が短いと言わざるを得ない。となれば、ポイントは3走連続で手綱をとる横山典騎手の騎乗だろう。逃げたJC、控えた金杯。今回は一体どのようなレースをするか。瞬発力勝負では分が悪いタイプだけに早めに動く作戦をとるかもしれない。

中山芝2200mの重賞で2着・3着の実績を持つトウショウシロッコ。昨年秋のオールカマーでは、エアシェイディに先着している。絶対的な強さのある馬ではないし格下感は否めないが、近走は好位差しという自分の勝ちパターンが確立されつつある。相性のいいレース条件だけに軽視はできない。

先行策から後続を突き放し、1600万を勝ち上がってきたメイショウレガーロ。直線で前が詰まりながら5着に粘ったGⅡ・札幌記念の時のように、自分のリズムで走ることができれば馬券に絡む可能性も十分にある。

重賞戦線で常に上位に顔を出しているマイネルキッツも侮れない。昨年のオールカマー(4着)と福島記念(2着)で見せたように、3コーナーからマクって進出する競馬ができるタイプ。中山では<0・1・0・6>と結果が出ていないが、走りそのものは中山向きのようにも思える。馬群を割って伸びてくる根性のある馬だけに、もう一押しがあれば面白い。

最後にグラスボンバー。明け9歳馬だけにさすがに厳しい戦いになるとは思うが、時計のかかる荒れた馬場ならば大穴候補として浮上する余地もある(土曜10Rの時点で芝は重)。この馬もマイネルキッツ同様、後方からポジションを上げて結果を出している(福島記念・3着)。今回は13頭立ての少頭数。外目からスムースな競馬ができれば見せ場以上もあるかもしれない。


■日経新春杯・復習

“大胆不敵な逃走劇!”。
GⅡ・日経新春杯を制したのは、11番人気の伏兵・テイエムプリキュアだった。2歳GⅠ・阪神JF以来、実に3年ぶりの勝利である。
49キロの軽量。午後から降り始めた雨で緩くなった馬場。同型馬が番手に控えたからこそできた単騎の大逃げ。たしかに、この馬にとってプラスに働いた要素は多い。しかし、だからと言って、展開や条件に恵まれただけで勝てたというわけではない。

勝因は3コーナー過ぎからの加速である。
通常、逃げ馬が勝つ場合、道中でスピードを落として一度後続を引きつけ、同時に自らも息を入れ、直線で再びスパートをかけるというパターンが多い。ところが、今回のテイエムプリキュアは、速度を落とすべきところで逆に11秒台の速いラップを刻みはじめたのである。4コーナーから直線を向いた時には、後ろに7~8馬身をつけるセーフティーリード。「早め早めに動いて後続に差をつけることに心がけた」(鞍上・荻野琢騎手)という積極的な走りが勝利に結びついたと言えるだろう。

勝ち馬に3馬身半差をつけられた2着にはナムラマース。4コーナー14番手から3F・35秒3の最速の上がりで伸びてきた。今回も末脚勝負に徹したレースだったが、自在性がつけば重賞戦線でも十分に戦えるに違いない。戦前の評判通り、確実に地力をつけてきたようである。

3着のタガノエルシコは馬群で揉まれても我慢できたことが収穫だった。430キロ台の馬体に加えてキレ味で勝負する馬なので、この日の馬場はこたえたかもしれないが、自己条件(1600万)に戻って良馬場条件ならば、もはや“確勝級”だと思える。

アドマイヤモナークは5着。58キロの斤量、16キロの馬体増、雨の影響で緩みキレ味を殺された馬場など、悪条件が重なった形だが、何よりも自分でレースを作れないという弱点がそのまま結果に出たようだ。

1番人気に支持されたヒカルカザブエは、『予習』で懸念したように後方で内に包まれたまま動くに動けなかった。某競馬評論家のパドック解説によれば、コズミがひどく状態がかなり低下していたとのこと。まだまだこれからの4歳馬。4連勝でオープン入りした実力は証明済みなのだから、しっかりと調子を立て直して今後の重賞戦線を賑わせる馬になってほしい。

次走への期待という点では、4着馬のホワイトピルグリムだろう。3コーナーからマクリ気味に進出し、直線では3番手という“京都・芝・外回りコースの正攻法”で競馬をしたのはこの馬1頭だけだった。菊花賞以来のレース、差し脚が伸びない馬場を考えれば、先につながる内容のある結果である。

勝ち馬のテイエムプリキュアに騎乗した荻野琢真騎手はまだ20歳の若手。今回、重賞初勝利となった。同期の浜中騎手は昨年の小倉2歳Sで、また、宮崎騎手も昨年暮れの愛知杯で重賞初勝利を飾っている。三浦皇成騎手が大きく注目される中で、他の若手騎手たちも頭角を現してきたことは非常に喜ばしいこと。真剣で前向きな騎乗と熱気あふれるレースを期待したい。

■日経新春杯・結果

2009年1月18日 1回京都6日11R
第56回 日経新春杯(GⅡ)
芝・2400m 雨・良

 1着 テイエムプリキュア   荻野琢   2.26.6
 2着 ナムラマース       小牧     3+1/2
 3着 タガノエルシコ      藤岡佑  1/2

単勝 10 3440円(11番人気)
馬連 8-10 15190円  馬単 10→8 41360円
3連複 7-8-10 22460円  3連単 10→8→7 213570円
 

■日経新春杯・予習 (2009.1.18 京都11R)

京都・芝・2400mで行われる日経新春杯。クラスはGⅡだが、ハンデ戦ということもあって、“格”が優先されるレースとは言い難い。06年と07年は、2年連続して前走1600万条件を使われた馬が連対を果たし、逆に、前走がGⅠ・有馬記念だった実績馬については04年以降連対がない。

今回、トップハンデ58キロを背負うアドマイヤモナーク。前走の有馬記念では最低人気ながらダイワスカーレットの2着に入り、末脚が健在であることを示した。昨年のこのレースの優勝馬でもあり、実績に関してはメンバー中トップ。ただし、自分から動いて勝ちにいくタイプの馬ではないだけに、58キロの斤量が直線勝負になった時に負担となるかもしれない。
データ的にも不安材料が多い。前述の「前走・有馬記念を走った馬は不振」に加えて「トップハンデ馬は過去10年で<2,1,1,9>と結果が出ていない」という傾向。短絡的に“実績馬=馬券の軸”と考えるのは危険だろう。

ハンデ次位は56キロのナムラマース。2、3歳時には重賞2勝の実績を持ち、クラシック戦線でも期待された馬である。前走はGⅢ・鳴尾記念で2着。専門紙を見る限り“4歳秋になって本格化した”という見方が多いようだ。実績とハンデのバランスを見ると中心視できる馬ではあるが、差し・追込一辺倒の脚質が少々気になる。さらに休み明けの近2走はいずれも1800mのレース。2400mへの距離延長がこの馬にプラスに作用するかどうかは未知数だ。

武豊騎手を鞍上に迎えたことで人気になりそうな4歳牝馬のマイネレーツェル。3歳牝馬GⅡのローズSを勝ち、GⅠ・エリザベス女王杯4着、GⅢ・愛知杯3着と、ここにきて堅実な結果を残している。斤量も前走より1キロ減の54キロ。2週後に行われる牝馬GⅢ・京都牝馬Sではなくこのレースに照準を合わせてきたことに陣営の勝負気配を見ることもできる。問題は牡馬との力関係だろう。マイネレーツェルの場合、牡馬との混合戦を走るのは2歳秋の500万・白菊賞以来となる。「牡馬相手でも末脚勝負ならひけはとらない」と陣営は発言しているが・・・。

未勝利戦から4連勝で重賞に挑戦するヒカルカザブエも人気の一角。ハンデは54キロ。好位からレースを進めて直線で抜け出す競馬が身上だ。2走前に今回と同じ京都・芝・2400mを勝った時のタイムは2分25秒1。これは出走メンバー中3位の時計。さらに、ここ3走は馬体重を増加させながらの連勝で、1走ごとに成長していることが数字として表れている。不安があるとすれば、この馬の出遅れ癖。最内枠で出遅れた場合、予定よりも後ろのポジションになり内に包まれることも考えられる。

軽量52キロのタガノエルシコも注目されている1頭だ。前走は、それまでの追込型の競馬とは違って、好位から抜け出し後続を突き離す強い走り。430キロの馬体を考えれば今回の斤量は大きなプラスだろう。もっとも、今回は1000万を勝ち上がっての格上挑戦。馬柱表の数字は3、2、2、1と、常に馬券に絡んでいる信頼性の高い馬のように見えるが、あくまで1000万クラスのレースでの成績。過大な評価を与えることは危険かもしれない。実際、過去10年の間に、1000万を勝ちあがり、1600万を走らずにこのレースに出走して連対した馬は1頭もいない。

ある程度の人気にはなるかもしれないが、穴馬として面白いのはドリームフライト。逃げ切りでしか勝てなかった馬が、前走は番手から抜け出して勝つレースをして脚質に広がりを見せた。今回もメジロコルセア、テイエムプリキュアを先に行かせるレースになるだろうが、離れた3番手で自分の競馬ができれば有力な差し馬を抑えて粘り込む可能性もある。鞍上の西田騎手は重賞では役不足と思われるかもしれない。しかし、昨年1年で10勝だった西田騎手は今年すでに3勝と勢いに乗っている。

長距離戦は騎手の腕がポイントになるという観点から言えば、岩田騎手のメイショウクオリアとデムーロ騎手のアグネストレジャーにも注意を払った方がいいかもしれない。ともに京都コース実績の高い馬。近走は結果が出ていないことで人気にはならないと思われるが、このレースは過去10年で前走掲示板に載れなかった馬が7頭(20頭中)連対している。



■フェアリーS・復習

3歳牝馬のマイル重賞を制したのは、1番人気のジェルミナル。
前走の阪神JF(6着)は外枠に入ったため序盤から脚を使ったことが敗因とされていたが、今回は「1枠1番の絶好枠」(藤原英調教師)。スタートを決めるとすぐに好位のポジションを取り、直線で前が開くと瞬時に抜け出して後続を突き放した。2着馬に1+1/4馬身差をつける完勝。阪神JFでブエナビスタの“対抗”に支持された能力は本物だったようだ。
桜花賞までに3歳牝馬の勢力図がどのように変わっていくかは定かではないが、現時点では“ブエナビスタに続く存在”という見方をしてもいいだろう。何より、重賞勝ちによって賞金を加算できたことは大きなアドバンテージになる。今後は無理な使い方をせず、桜花賞本番に向けて順調に仕上がってほしい。

2着はアイアムネオ。新馬勝ちから重賞挑戦ということで半信半疑だったが、馬群をこじ開けるようにして伸びてきた脚(メンバー最速の上がり)はなかなかのものだった。鞍上の藤田騎手は「キャリアを積めばまだまだ伸びる馬」とコメント。末脚は確実なタイプと思えるのでこれからのレースぶりが楽しみな1頭である。

「フェアリーS・予習」の中で“大駆けがあるかもしれない”と書いたグッデーコパは、マイペースの逃げで3着に粘り込んだ。適距離で自分の競馬ができたことがよかったのだろう。ただし、今回のレースは多分に展開に恵まれた感がある。半マイル通過・48秒6は前日の芝・1600mのオープン・ニューイヤーSより1秒5も遅いペース。加えて中団以降の馬たちがゴチャついてスムースな競馬が出来なかったことも有利に働いた。逃げ・先行型として勝ちパターンを持つことができるかどうかは、この先のレース次第になりそうだ。

スローペースと道中のゴチャつきを考慮すれば、4着・カツヨトワイニングと5着・マイティースルーは健闘した言える範疇だろう。共に大外を回らされて直線で追い込むだけの競馬。広いコースでスムースな走りができればより上位に食い込む可能性があると思う。

終わってみれば、ジェルミナルの力が再評価されただけの一戦だった。
もっとも、ジェルミナルが強かったというよりも、他の馬たちが道中の不利などで力を発揮できなかったという見方が正しいかもしれない。
パールシャドウもイナズマアマリリスも窮屈な馬群の中で自分の競馬がまったくできなかった。ダイワバーガンディも審議の対象となる不利を受けていた。
今回“不完全燃焼”に終わった馬たちの巻き返しを、そして、今後の桜花賞トライアル戦線で新たな有力馬が現われることを期待したい。言うまでもなく、それは“ブエナビスタの牙城に迫る馬”である。


■フェアリーS・結果

2009年1月11日 1回中山4日11R
第25回 フェアリーステークス(GⅢ)
芝・1600m 晴・良

 1着 ジェルミナル   福永   1.36.5
 2着 アイアムネオ   藤田   1+1/4
 3着 グッデーコパ   田中勝  クビ

単勝 1 450円(1番人気)
馬連 1-3 1960円  馬単 1→3 3690円
3連複 1-3-4 25990円  3連単 1→3→4 132980円
 

■フェアリーS・予習 (2009.1.11 中山11R)

一昨年までは12月に行われていた2歳牝馬の重賞が、今年から3歳牝馬の重賞として年明けの中山で開催されることになった(昨年は施行されず)。
距離が芝・1200mから芝・1600mに変更されたことによって、「今後、桜花賞につながるレースとして位置づけることができるのか?」「マイルGⅠ・阪神JFの主力組は出走してくるのか?」など注目度はかなり高い。

力量上位として人気になりそうなのは、やはり阪神JF出走馬だろう。
イナズマアマリリスは道営から中央への転厩初戦となったGⅢ・ファンタジーSを制し、阪神JFでも5着に健闘した。2走とも内から馬群を割って伸びる走りを見せたことで、精神力の強さが評価されている。
道営時代に7戦を経験。豊富なキャリアがプラスに働くという見方もあるが、逆に疲労の蓄積(6月デビューですでに9戦)が懸念される声もある。

阪神JFで2番人気に支持されたジェルミナル。外枠で早めに動く形になったためにその分伸びを欠いて6着に終わった。とはいえ、この時期の牝馬にとってマイル以上の距離経験があり牡馬混合戦に勝っている実績は貴重である。順当に力を発揮できれば“勝ち負け”になる可能性は高い。
もっとも、中山・芝・1600mは阪神以上にトリッキーなコース。このブログを書いている金曜夜の時点では枠順が確定していないが、今回も外枠をひくようなことになると、前走と同様に脚をためられないまま終わるシーンも考えられる。

関東馬のカツヨトワイニングは阪神JFでジェルミナルからアタマ差の7着。400キロ台の小柄な牝馬ながら、関西への輸送があったことを考えれば大健闘と言っていいだろう。
前述の2頭が初の中山遠征であるのに対し、カツヨトワイニングは今回地元競馬となりすでにコースも経験済み。条件の好転が見込めるとなれば、2頭との逆転もあるかもしれない。

新馬から2連勝のパールシャドウも人気に一角に数えられている。前走のベゴニア賞は牡馬相手にスピードで押し切る競馬。異なったペースのレース(いずれもマイル戦)を2戦経験しているという強味もある。不安点を上げるならば、“先行→押し切り”という自分の形に持ち込めなかった場合だろう。

前走、東京・芝・1600mの未勝利戦を1分34秒7の好時計で勝ったマイティースルー。この馬もデビューから3戦ともマイルの距離を使われ、パールシャドウ同様に異なったペースを経験している。さらに、先行して抜け出す競馬と後方から差す競馬の両方で連対歴がある。まだまだ荒削りな面があるが、脚質の自在性という点ではパールシャドウよりも面白い存在かもしれない。

良血と評判の高い馬がどのような走りをするかにも注目したい。
アグネスゴールド・リミットレスビッドの妹にあたるエリザベスムーン。そして、ダイワメジャー・ダイワスカーレットの姪にあたるダイワバーガンディ。いずれも決め手には非凡なものがある。特にダイワバーガンディは2歳牡馬王者・セイウンワンダーが勝った昨年の新潟2歳Sで3番人気に支持された逸材。結果はともかく、素質の片鱗をぜひ見せてもらいたいものである。

最後に伏兵を1頭挙げるならば、グッデーコパ。前走大敗したホープフルS=芝・2000mから勝ち鞍のある中山・芝・1600mへの距離短縮。大駆けがあるかもしれない。


■中山金杯・復習

年明け最初の重賞・中山金杯を制したのは4番人気のアドマイヤフジ。昨年に続く連覇である。
最大の勝因は“底力がモノを言うレース”だったこと。
レースタイムの1分58秒5はコースレコードタイの高速決着。内から6mのところに仮柵を設けたCコースへの変更と洋芝を12cmに刈り揃えたことによって、暮れの開催とはまったく異なる“時計の出る”馬場状態になっていた。
“時計の出る”馬場とは、言い換えれば、“力が試される”馬場である。走りやすいコンディションであればあるほど、能力がそのまま走破時計に反映されると考えられるからだ。
「中山金杯・予習」の中でも述べたように、アドマイヤフジは出走馬中トップの実績を誇る馬。“底力勝負”のレースになれば他馬との差は歴然となる。実際、今回の勝ちっぷりは堂々の横綱相撲と言えるものだった。
ネヴァブション(3番人気・5着)、キングストレイル(5番人気・7着)の2頭も実績上位馬には違いないが、これまでの両馬の戦歴を考えると、レース距離の2000mはネヴァブションには短く、キングストレイルには長かったようだ。やはり、ベストの条件でなければ、その馬の実力を発揮することは難しいということなのだろう。

2着のヤマニンキングリー(2番人気)は確実に力をつけていることを証明した。近2走の連勝はいずれもスローペースの瞬発力勝負で展開に恵まれた感もあったが、このレースでは馬自身の強さというものを見せてくれた。中団にポジションをとり、3コーナーからマクって直線勝負。これは中山芝コースを勝つための走り方である。藤田騎手の好騎乗とはいえ、これまでとは違った“自分から動いて勝ちにいく走り”ができたことは高く評価できる。今後の古馬重賞戦線でのさらなる活躍を期待したい。

3着には人気薄(11番人気)のミヤビランベリが逃げ粘った。絶妙のペース配分だったと言えるだろう。この馬が後続に脚を使わせる“自分が勝つための逃げ”をうてる馬であることは、昨年夏の七夕賞の走り(逃げ切り勝ち)ですでに実証済み。ダイワスカーレットのように差し馬の脚を完封できるだけの強さは備えていないが、今回のように単騎逃げが見込まれるレースでは馬券圏内に渋太く残ることを想定しておいた方がいいかもしれない。

4着のマイネルキッツはコース適性の低い中山(0.1.0.5)でよく頑張った。が、やはり平坦コース向き。七夕賞・3着、新潟記念・2着、福島記念・2着という成績が示す通り、ローカル重賞でゴール前が混戦になるようなレースでは最後にひと伸びするタイプ。適鞍と判断できるレース(例えば、中京記念や新潟大賞典)では積極的に狙ってみてもいいだろう。

1番人気に支持されたオペラブラーボは6着。勝負どころでゴチャついて反応が鈍っていた。レース後、蛯名騎手は「中山にも勝ち鞍はあるが本質的には広いコース向き」とコメント。東京コースに替わればスムースな走りができるかもしれないが、モマれ弱さを解消するためには、もうしばらくオープンの厳しい流れを経験する必要がありそうだ。


■中山金杯・結果

2009年1月4日 1回中山1日11R
第58回 中山金杯(GⅢ)
芝・2000m 晴・良

 1着 アドマイヤフジ      川田   1.58.5
 2着 ヤマニンキングリー   藤田   クビ
 3着 ミヤビランベリ      吉田豊  1/2

単勝 1 830円(4番人気)
馬連 1-10 2860円  馬単 1→10 6500円
3連複 1-10-12 41980円  3連単 1→10→12 232760円
 

■中山金杯・予習 (2009.1.4 中山11R)

新年の幕開けを飾るハンデ重賞・中山金杯。
ハンデ戦には“斤量の軽い人気薄の馬が馬券に絡む”というイメージがあるが、今年の場合、出走馬16頭中12頭が56~58キロの斤量を背負う。ハンデにそれほど大きな差がつかないのであれば、素直に“個々の馬の能力”を基準に検討すべきだろう。

まず、格上のGⅠ戦線を使われてきた馬について。
昨年のこのレースの勝ち馬・アドマイヤフジは、レコード決着となった天皇賞・秋でウオッカから0.8秒差(11着)。昨年春のGⅠレースでも常に勝ち馬から1秒以内の結果を残しており、実績面ではトップと考えて間違いない。好位から直線で抜け出す脚質は中山向き。昨年より0.5キロ増の58キロになるが、GⅠで背負いなれている斤量なので問題はない。
気になる点を上げるならば、前走でダート(JCダート)を走ったこと。馬自身のリフレッシュ効果につながっていればプラス材料とも思えるが、砂をかぶって嫌気がさした(陣営のコメント)ことが走りのリズムに悪影響を与える場合もある。

キングストレイルは天皇賞・秋でアドマイヤフジに先着(0.5秒差・9着)。GⅡ・オールカマーでは逃げて2着。近2走は先行脚質を活かして安定した結果を残している。
ただし、この馬の場合、中長距離では頭打ちになり、スプリント路線への変更によって活路を見出した経緯がある。決して芝の2000mが得意な距離というわけではない(3戦3着外)。前述のオールカマーは鞍上の横山典騎手の好判断によるスローな逃げによって2着を確保したが、レースの主導権を握れなかった時に自分の競馬ができるかどうか。

ネヴァブションは11ヶ月の休み明けから数えて叩き3走目。GⅡ・日経賞勝ちのある得意の中山コース。前走に続いて横山典騎手の連続騎乗。たしかに“買い”の材料は多い。
問題は前走・ジャパンカップで本来の“差し”ではなく“逃げ”に転じたこと。陣営は「ハナを切れたのはレース勘が戻った証拠」とコメントしているが、はたして額面通りに受け取っていいものか・・・。急な脚質転換によって馬が走りに戸惑いを覚えることもある。今回どのようなポジションで競馬をするか注目だ。

実績馬の相手として人気になりそうなのが、昨年秋から力をつけてきた勢いのある馬たちである。
明け4歳のヤマニンキングリーは古馬との初対戦となったOP・アンドロメダSを勝ち、さらにGⅢ・中日新聞杯を連勝。馬体重が1戦ごとに増加していることから“本格化”という見方もできる。
もっとも、不安要素がないわけではない。ひとつは直線に坂のある中山・阪神で結果が出ていないこと。もうひとつは、これまでの勝ち鞍はスローペースに恵まれた部分が大きいことだ。今回の結果によって、この馬の実力に対する評価が決まると言ってもいいだろう。

夏の新潟・1000万から3連勝でオープン入りしたオペラブラーボ。4歳秋に本格化して明け5歳。最も力を発揮できる時期と言えよう。前走・中日新聞杯は道中ゴチャついて外々を回らされての4着。展開が向かなかった参考外のレースという見方をする専門紙も多い。
しかし、展開に左右されるということは、確実性に欠けることでもある。ここ数戦の走りを見る限り、馬群がばらけやすくなる広いコース向きと思えるし、内に包まれやすい1枠2番という今回の枠順は有利とは言えない。スタート後の位置取り次第では、前走同様「外に出して差して届かず」というケースもあり得る。

人気薄の激走はあるだろうか。
面白そうなのは、昨夏のサマーシリーズの主役だった2頭、ダイシングロウミヤビランベリだ。ともに4ヶ月の休養をとり、ここを目標に仕上げられている。
どちらも逃げ・先行脚質。好位・中団でレースを進める人気の差し馬が牽制し合う展開では、ノーマークの逃げ馬が馬券に絡むことが多い。昨年3着のメイショウレガーロ(9番人気)はその典型例。アタマから狙えるタイプではないが、3着候補の資格は十分にあるはずだ。

実績上位馬か、勢いのある上がり馬か、あるいは人気薄の伏兵か・・・。
いずれにしても“激戦”であることは間違いない。


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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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