■2009年05月

■スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

■ダービー・結果

2009年5月31日 3回東京4日10R
第76回 日本ダービー(GⅠ)
芝・2400m 曇・不良

 1着 ロジユニヴァース     横山典   2.33.7
 2着 リーチザクラウン      武豊    4
 3着 アントニオバローズ     角田    アタマ

単勝 1  770円(2番人気)
馬連 1-12 3760円  馬単 1→12 7870円
3連複 1-10-12 40320円  3連単 1→12→10 201960円

スポンサーサイト

■ダービー・予習

3歳馬の頂点に輝くのはどの馬か!? 競馬の祭典・第76回日本ダービーがいよいよスタートの時を迎える。
先週のオークスは世代の中心馬・ブエナビスタの“順当な勝利”で終わったが、ダービーに関しては「波乱含み」という声も多い。

皐月賞を勝ったアンライバルド。以前は気性面と折り合いが課題だったが、それも解消され、レースを走るたびに強さを増している。中でも、皐月賞で見せた瞬発力は特筆もの。馬群を抜け出してからの加速力は1頭だけ次元の違う走りだった。自分から動いて勝ちをもぎとったレースというところにも価値がある。
今回は大外18番に入ったが、脚質を考えれば問題にはならないはず。むしろ外から被される不利を回避できるため、プラスと考えていいだろう。
ただし、絶対の信頼を置けるというわけではない。この馬の瞬発力がダービー向きかといえば、一概にそうとも言い切れない。府中の直線は長くいい脚を使える馬に適している。したがって、アンライバルドの課題は皐月賞で見せたキレ味を持続できるかどうかがカギになる。
あとは、仕掛けのタイミング。仮に、瞬発力勝負に持ち込むならば、後方一気という形ではリスクが大きい。昨年のディープスカイのように、追う毎に加速していくタイプならば差し切ることもできるだろう。しかし、アンライバルドは中山コースで中山向きの脚しか見せていない。未知数の部分が多いのだ。東京コースであのキレ味をどう活かすか。ここで結果を出せば、“本物の中心馬”と呼ぶことができるだろう。

皐月賞2着のトライアンフマーチ。後方待機策が見事にハマったとはいえ、上がり3Fの脚はアンライバルドを凌ぐ34秒4。年明けデビューで重賞勝ちがない馬は過去のダービー馬の傾向にはあてはまらないが、伸びしろという点では、皐月賞からさらに成長が期待できる馬である。揉まれる競馬になった場合はどうかと思っていただけに、大外枠はプラス。自分のスタイルに徹すれば皐月賞以上の走りを見せてくれるかもしれない。
不安点はやはり“経験値”だろう。この世代のトップクラスと走ったのは前走の皐月賞のみ。しかも、離れた位置からの競馬で、競り合っての2着ではない。追い比べになった時に勝敗を決めるのは“経験値”と言われる。展開が向かなかった場合には、脆さを露呈して惨敗するケースも考えられる。

皐月賞3着のセイウンワンダー。この馬の長所はポジションの自在性だろう。皐月賞は先行馬が前に殺到したため後ろからのレースになったが、好位からの競馬もできる馬。今回のように外枠に差し・追込馬が集まるようなレースでは、外を回るグループと内を突くグループに分かれやすくなるため、内・外の位置取りの差が結果につながるケースも多い。中団から先に抜け出す競馬ができれば勝機が見えてくるかもしれない。
課題は距離。不安視する必要はないのかもしれないが、2歳時の走りを見る限りではマイラーの印象が強い。スローペースの弥生賞で大敗しながらハイペースの皐月賞で結果が出たのも、スピードに乗った方が走りが良くなるからだろう。位置取りには融通の利くタイプなので、あとは流れに乗れるかどうかである。

アプレザンレーヴはトライアルの青葉賞で非凡な走りを見せてくれた。直線で一度はトップカミングに交わされそうになったものの、再び差し返して、ゴール前では後続を突き離す伸び脚。青葉賞の勝ち馬はダービーでは来ないというジンクスめいたデータもあるが、馬に能力があればまったく関係ないことだろう。東京コースで2勝あげていることも強調材料だ。
問題は位置取り。1枠に入ったために、中団より後方から外に持ち出す競馬がしづらくなった。内を突ける差し脚があれば問題ないが、外目に持ち出そうとするとロスが生まれる。内田騎手がどのようにこの馬の差し脚を引き出すか。そこがポイントだろう。

伏兵と見られているのが、アントニオバローズナカヤマフェスタ
共に、調整の狂いから皐月賞はぶっつけ本番。そのため、皐月賞前の段階から目標をダービーに変更したことは間違いない。アントニオバローズは輸送とコースを経験するためにプリンシパルSに出走。ナカヤマフェスタは元々東京コースを得意としているため、ここまでじっくりと待機した。勝負気配に関しては、2頭とも買える材料を備えている。
ただし、ローテーションというものは一度狂うと後々まで影響する場合が多い。休養明け初戦に厳しい流れの皐月賞を使ったことが、馬の負担となって残っていなければいいのだが・・・。特に、アントニオバローズの場合、皐月賞から中2週続き。出走回避(弥生賞)の後の間隔を詰まったローテーションというのは少々気掛かりだ。

扱いが難しいのは、皐月賞で人気を裏切ったロジユニヴァースリーチザクラウン。おそらく、多くの競馬ファンが取捨選択に悩まされているだろう。
ロジユニヴァースの皐月賞惨敗の原因は体調の問題と言われている。当然、今回はどこまで立て直しができているかがカギになる。皐月賞は先行馬主導の厳しい流れだったが、ダービーはまったく違う展開になるはずだ。自分のリズムで走れれば強さを発揮できる馬。そのため、思い切ってハナを切るという作戦も考えられるかもしれない。万全の状態であれば巻き返しがあっても不思議ではない。
自分の走りができればという点では、リーチザクラウンも同じ。今回は逃げ宣言をしているが、過去の戦績から、この馬が逃げて勝つパターンはスローペース。となれば、ハイペースで差しの決まった皐月賞上位組には向かない流れになることも考えられる。レース展開はリーチザクラウンの出方次第。この馬を“買い”にするか“消し”にするかによって、馬券の買い目は大きく変わってくるはずだ。

最後に、NHKマイルC組。
勝ち馬のジョーカプチーノは“短距離の逃げ馬”というイメージで見られているようだが、それにはこだわらない方がいいかもしれない。父・マンハッタンカフェ、母父・フサイチコンコルド。長い距離を走ったことがないだけで、こなせないとは言い切れない。おそらく先行策をとるものと思われるが、前が有利な展開で、この馬自身も折り合いがつけば、馬券圏内に残る可能性もあるだろう。
NHKマイルCでは不利を受けてレースにならなかったアイアンルック。今回は大きく人気を落としているが、勝負にならない馬と決めつけるのは早計だ。仮に、先に述べたように、リーチザクラウンがスローで引っ張る展開になった場合、その流れが最も向く差し馬はこのアイアンルックだろう。2走前の毎日杯は1800mのレースながら前半1000mの通過が63秒台。それを後方から一気に差し切った脚は見限れない。展開に左右される部分は大きいが、人気ほど実力が劣っているとは思えない。

あとは、当日の馬場がどうなるかだろう。
重が残るようであれば、やはり差し・追込馬には不利である(ファンとしては良馬場で行ってほしいが・・・)。基本的には、前に行くスピードと持続力を兼ね備えた馬と馬群の中で脚を溜められる好位差しの馬が狙い目と言えるかもしれない。
ともあれ、“選ばれし18頭”。
一生に一度の大舞台で全力を出し切ったレースをしてほしい。



■コメントのお礼・5.26

Tさん、いつもコメントありがとうございます。
オークスのブエナビスタには、私も鳥肌が立ちました!
もちろん、レッドディザイアにも惜しみない拍手を送りたいと思います。

今後が期待できる馬、
今後に期待を持たせてくれるレースというのは、
本当に感動を覚えますね。

これからもできる限りブログを続けていきたいと思ってます。
また、遊びに来てくださいね。


安東 裕章


■オークス・復習

ブエナビスタ2冠達成!
直線半ばで前との差は5馬身以上。届くのは物理的に不可能とも思えたその差を、ブエナビスタは一完歩ごとに縮め、最後は先に抜け出したレッドディザイアをハナ差逆転した。上がり3Fは33秒6。レースの上がりを1秒2も上回る驚異的な末脚だった。
安藤勝騎手自身が「失敗した」というように、4コーナーで内を突くか外へ出すかを迷った分だけ仕掛けが遅れた。馬群がバラける気配がないため外へ出したとのことだが、桜花賞の時のように外が伸びる馬場ではない。しかし、そうしたミスや不利をモノともせず、きっちりと結果を出すところがこの馬の強さである。
着差はハナ差でも、ブエナビスタの“凄さ”だけが際立ったレース。「内を突けない馬は強い馬ではない」という格言めいた意見もあったが、展開や馬場を問題にしない瞬発力は、そうした次元を超えていると言ってもいいかもしれない。
秋には凱旋門賞へ出走の予定。世界最高峰のレースでこの馬がどのような走りを見せてくれるのか、今から楽しみである。さらに、個人的な希望を言えば、できることなら年内で引退するウオッカとの対戦もぜひ見てみたい。

2着のレッドディザイアは完璧な走りを見せてくれた。インから徐々に進出し、直線では好位集団の一角。追い出しのタイミングも絶妙でアッという間に後続を突きはなした。普通に考えれば、寸分のスキもない“勝ちパターン”だが、今回の場合、相手が強すぎたと言うしかないだろう。
とはいえ、この馬のポテンシャルが相当高いレベルであることは、はっきりと証明された。ブエナビスタと共に、この世代の牝馬戦線の中心となる馬であることは間違いない。今後もブエナビスタの好敵手であり続けてほしい。

2着馬に3馬身離された3着にはジェルミナル。堅実性のある走りが結果につながった形である。スタート後は中団より前に位置取り、道中で少し下げて直線の末脚にかける競馬。この馬もまた完璧なレースができたと評価していいだろう。収穫は長くいい脚が使えたこと。決め手勝負では分が悪くても、必ず上位に食い込んでくるようなタイプになるかもしれない。

4着のブロードストリートは大健闘と言っていいだろう。中2週のローテーションで桜花賞組と差のない競馬ができたことは、今後の期待へとつながる。重賞戦線の場数を踏んでいけば、さらに走りに磨きがかかるはず。鞍上の藤田騎手も「これからもっとよくなる馬」と評価。個人的な印象で言えば、1~2年後のヴィクトリアマイルで狙ってみたいタイプである。

5着はオークスを目標としていたディアジーナ。内田博騎手は「この馬なりに頑張った」とコメントしたが、ファンが期待したほどの走りはできなかったような気がする。直線ではレッドディザイアに先に抜け出され、最後もジリジリとしか伸びていない。クイーンCやフローラSの時のように、自分のリズムが全体の流れになるようなレースでなければ、勝ち切ることは難しいかもしれない。

掲示板には載れなかったが、6着のデリキットピースには将来性を感じた。キャリア3戦目のGⅠで、番手で折り合い直線では先頭に立つレースぶり。馬群に吸収されても6着に踏みとどまる渋太さ。経験を積んでいけば、勝ちパターンを持った先行馬になれるかもしれない。今後の成長が楽しみだ。

秋にもう一度期待したいのは、ダノンベルベール。桜花賞で減った体重が戻らず、イレ込み気味。体調が万全でなかったとしか思えない。じっくり立て直して、以前のようなキレのある走りを見せてほしい。

終わってみれば、桜花賞とまったく変わらない1・2・3着。もっとも、この結果は十分納得できる。他よりも数段上のレベルにいる1・2着馬と、ひときわ競馬の上手い3着馬。現時点での力の差がそのまま結果になったレースだったということだろう。



■オークス・結果

2009年5月24日 3回東京2日11R
第70回 オークス(GⅠ)
芝・2400m 晴・良

 1着 ブエナビスタ      安藤勝  2.26.1
 2着 レッドディザイア    四位    ハナ
 3着 ジェルミナル       福永     3

単勝 7 140円(1番人気)
馬連 3-7 320円  馬単 7→3 440円
3連複 3-7-14 1250円  3連単 7→3→14 2430円

■オークス・予習

3歳牝馬・樫の女王を決める第70回オークス。東京・芝・2400mのレースにフルゲート18頭が顔を揃えた。
中心は牝馬クラシック2冠目を狙う桜花賞馬・ブエナビスタ。前売り時点では単勝1.5倍、断然の1番人気に支持されている。
牝馬限定のレースではここまで4戦4勝。うち2勝がGⅠ。前走の桜花賞では、4コーナー後方16番手から一気の差し切り勝ち。届きそうもない位置から徐々に加速して、坂上ではさらに後続を突きはなす伸び脚を見せた。
外差し+後方一気のイメージが強いが、内が有利だった阪神・チューリップ賞では早めに動いて快勝。馬場や展開に左右される脚質ではない。自分の走りができれば結果がついてくる。それが、この馬の強さと言えるだろう。
初の東京コース、初の長距離輸送、初の2400m。クリアしなければならない課題もあるが、これらは他の馬についても同じこと。陣営は「秋は凱旋門賞」というプランまで公言している。ならば、ここは単なる“通過点”にしなければならないだろう。一体どのような勝ち方を見せてくれるのか。ファンの興味もそこに集中しているに違いない。

桜花賞2着のレッドディザイア。キャリアわずか2戦で臨んだ桜花賞で、ブエナビスタに0.1秒差という結果を残したことは、この馬の“潜在能力の高さ”を証明したと言っていいだろう。再戦となる今回、新聞各紙が取り上げているのは、桜花賞時よりも強い調教を行っている点。“打倒・ブエナビスタ”に向けて臨戦体勢に入ったことは明らかだ。デビューから一貫して余裕のあるローテーションを組んでいることから、桜花賞よりもオークスが目標だった可能性も高い。ブエナビスタが外へ持ち出すならば、この馬はエルフィンSの時のようにインを突くことも考えられる。
前走は「ブエナビスタと同じ戦い方をして2着」だったが、今回は「レッドディザイア自身の戦い方」を見せてくれるのではないだろうか。

ジェルミナルは桜花賞3着馬。器用な走りのできる馬という印象があり、どんな流れにも対応できる強味を持っているが、1・2着馬に比べると決め手に関してのインパクトに欠ける。前走は外から伸びてきたが、これは枠順(7枠15番)と外差し向きの馬場に助けられた部分も大きい。今回も外枠だが、今の東京の馬場は前回の阪神ほど外が有利ではない。前々でも競馬ができる馬だけに、どのようなポジションでレースをするかがポイントになるだろう。

トライアルのフローラSを制したディアジーナ。当初から桜花賞へは向かわずオークスを目標にしてきた。前走は先行して直線で抜け出すと、そのまま後続との差を広げる余裕の走り。しかも、プラス体重からもわかるように、出来は7~8分(陣営談)。折り合いを重視した“試走”だったということだ。
ブエナビスタとレッドディザイアが差しを身上としているのに対してこの馬は先行馬。ここ2週、東京で行われたGⅠはいずれも前残りの競馬が続いている(マイル戦ではあるが)。展開がどのように左右するかまではわからないが、脚質の違いは勝ち負けにつながる要素を含んでいる。さらに、今回は枠順にも恵まれた。ここ3走は先行馬には有利とは言えない外枠ばかり。4枠8番は陣営の言う通り「ベスト」に違いない。
あとは仕掛けのタイミングだろう。早めにスパートすれば脚が鈍る可能性もあるし、かと言って、追い比べで競り勝てるだけの伸び脚があるわけでもない。有力な差し馬をどのように凌ぐのか。勝負の分岐点になるはずだ。

先行馬ではもう1頭、デリキットピースの走りに注目したい。桜花賞と同日に行われたOP・忘れな草賞では、外差しが有利な馬場で先行して押し切り勝ち。デビュー2戦目ながら非凡な才能の片鱗を見せた。キャリアを考えた場合、3戦目でGⅠというのは敷居が高いが、未知数の部分が多いことも魅力のひとつである。外枠からうまく流れに乗り、前に目標を置いてゴール前で抜け出すような競馬ができれば、好勝負を期待できるかもしれない。
不安点は馬体の回復。関西遠征となった忘れな草賞ではマイナス12キロの馬体重。この中間も立て直しを優先したため実質の追い切り本数が少ない。体調が万全であることが、なによりも大前提になる。

新聞紙上では、伏兵陣の名前もいろいろと上がっている。
もっとも、連下候補としては面白い存在かもしれないが、有力馬の間に割って入るだけの力量があるかどうかは疑問である。
フローラSの2着馬・ワイドサファイアは、牡馬混合の毎日杯で好走した経験値は買えるものの、走りそのものに未完成の部分が多い(鞍上が大レースに強い岩田騎手だけに注意は必要かもしれないが・・・)。
ハシッテホシーノは2400mの距離経験と持続力については評価できても、競り合いで相手を振り切るひと押しが足りない。
忘れな草賞2・3着のブロードストリートサクラローズマリーは、ともにスイートピーSを使ったために、中2週のローテーションが気になる。

人気薄ならば、むしろ“桜花賞負け組”の巻き返しに期待したい。
1~3着馬がいずれも外差しで結果を残したように、桜花賞の馬場は外有利・内不利の極端な馬場だった。巻き返しがあるとすれば、内枠で競馬ができなかった馬だろう。
桜花賞で最内枠に入ったダノンベルベール。阪神JFではブエナビスタに0.4秒差の2着、クイーンCではディアジーナに着差なしの2着。桜花賞を除けばすべて連対という実績を持っている。加えて、桜花賞の時は早くから栗東に滞在しながらマイナス体重という誤算。今回は枠順の不利も輸送の心配もなく、明らかに条件は好転した。課題は距離。1600mまでの経験しかないため2400mのレースにどう対応するか。騎乗実績〈2.2.0.1〉の後藤騎手の乗り方が大きなポイントになる。また、この馬に関しても、馬体が戻っているかどうかのチェックが必要になるだろう。
逃げ馬のヴィーヴァヴォドカはコウエイハートに絡まれる展開になり、桜花賞では自分の競馬ができなかった。今回は単騎逃げが見込めるメンバーで、しかも、ペースが緩くなるため、力を発揮できる可能性は高くなるだろう。この馬も2走前のフラワーCではディアジーナを2着に退けた実績の持ち主。自分の形に持ち込むことができれば侮れない存在だ。
武豊騎手が騎乗するツーデイズノーチスも桜花賞では内枠に泣いた1頭。ただし、この馬の場合は、後方からの差し馬でありながら外に持ち出すこともできなかったことが減点材料。レースの流れへの適応力に欠けるという点で、上記2頭よりも評価を下げたい。

最後に大穴候補を上げるならば、最内枠のマイティスルー
もともと東京実績の高い馬で、未勝利戦では逃げ切り勝ちをおさめている。近走は後方からのレースが続き負け込んでいるが、最内枠を利して前々での競馬ができれば、違った結果になるかもしれない。今回の鞍上は、逃げ切りを含めて騎乗実績2戦2勝の小野次郎騎手。仮に雨が降って馬場が渋るようであれば、クロフネ産駒という血統背景も味方するかもしれない。



■ヴィクトリアマイル・復習

2着に7馬身差の圧勝!
マイル女王決定戦のGⅠ・ヴィクトリアマイルは、1番人気のウオッカが能力と格の違いを見せつけて快勝した。不安視されていた体調面も万全。となれば、これは当然の結果である。普通に走ればウオッカの独壇場になることは予想できたからだ。2年連続のドバイでの敗戦は、輸送や環境を含めた「コース適性の悪さ」なのかもしれない。最も得意とする東京・芝・1600mで、ウオッカは自分の走りをした。それがこのレースの結論だろう。
谷水オーナーは「年内で引退」を明言している。歴代賞金女王の走りを見ることができるのもあと数戦である。次走は安田記念。ウオッカの輝かしい勇姿を記憶の中に植えつけておきたい。

離れた2着に入ったブラボーデイジー。前走の福島牝馬S勝ちは「不良馬場が味方した」とフロック視されていたらしく、11番人気の低評価だった。『予習』で述べたように、フロック勝ちよりもむしろ“不良馬場を激走した反動”が心配だったが、それを覆しての2着という結果。回復力も含めたこの馬の成長というものを認めたい。

3着は上がり馬のショウナンラノビアが逃げ粘った。準オープンを勝ち上がった前走の時計が優秀であったことはすでに述べた通りだが、今回の“先行有利で時計の早い馬場”は、この馬の持ち味を十分に発揮できる舞台だったということだろう。

2番人気に支持されたカワカミプリンセスは、3コーナーからマクり気味に上がってきたものの、直線で弾けずに8着に終わった。敗因は距離に違いない。前走の大阪杯ではメンバー中最速の上がりの脚を使ったが、2000m戦でキレ味を見せてからといってマイル戦で同じことができるとは限らない。道中のペースが違えば脚の溜め方も違ってくる。距離実績を持たない弱点がこのレースで露呈された形である。

3番人気のリトルアマポーラも見せ場なく6着。道中はウオッカをマークできるポジションにいたが、直線ではジリジリ伸びた程度だった。福永騎手は「1600mより中距離向き」とコメントしているが、はたしてどうなのか。仮に、エリザベス女王杯の時のように、流れに乗れて先行から抜け出すレースでなければ勝てないとしたら、馬券的には狙いにくい馬である。次走、どういう条件を使ってくるかはわからないが、そこでの走りに改めて注目したい。

強いウオッカを見ることができたという点に関しては、たしかに満足できるレースではあった。
しかし、ウオッカ以外の出走馬については、とてもGⅠとは思えない内容だった。ハンデGⅢを勝ったばかりの馬が2着。オープン初戦の馬が3着。ブラボーデイジーの成長は評価するとしても、この馬の時計は前日の1000万条件の勝ちタイムよりも遅い。
引退したダイワスカーレットとウオッカの2頭は牡馬相手に遜色ない走りを見せていたが、牝馬戦線全体のレベルは、実際にはかなり低いと考えてもいいだろう。
今週末のオークスにはブエナビスタが登場する。
次世代を担う“強い走り”を期待したい。


■コメントのお礼(5.17)

かねとさん、コメントありがとうございます。
ウオッカ、強かったですね!
能力の高い馬には、いつでもその力を最大限に発揮してほしいと思います。
素晴らしい走りというのは、感動を与えてくれますね。

これからもブログの更新がんばります。


安東 裕章


P.S.
『ヴィクトリアマイル・予習』、復元しました。

■お知らせ

当方のうっかりミスにより、
ヴィクトリアマイル・結果のブログを書いている途中で、
「予習」の記事を削除してしまいました。
すみません。

下書きのテキストは残っていますので、
近いうちに復元させたいと思います。


安東 裕章

■ヴィクトリアマイル・結果

2009年5月17日 2回東京8日11R
第4回 ヴィクトリアマイル(GⅠ)
芝・1600m 曇・良

 1着 ウオッカ          武豊     1.32.4
 2着 ブラボーデイジー    生野      7
 3着 ショウナンラノビア    柴田善     1

単勝 6 170円(1番人気)
馬連 2-6 5310円  馬単 6→2 6410円
3連複 1-2-6 19770円  3連単 6→2→1 80580円

■ヴィクトリアマイル・予習

年で4回目を迎える4歳以上の牝馬GⅠ・ヴィクトリアマイル。
断然の1番人気(前売り単勝1.8倍)に支持されているのは、昨年の年度代表馬・ウオッカ。ライバルのダイワスカーレットが引退した今、競馬ファンの同馬への期待の大きさがそのまま数字に表われているようだ。東京芝コースは7戦して3勝2着2回。勝ち鞍はすべて牡馬混合のGⅠ。マイル戦は7戦してすべて連対。レースの中心はこの馬と考えて間違いないだろう。
ただし、ウオッカの実績と強さは認めるとしても、絶対の信頼を置けるかというと、そうとも限らない。新聞各紙でも取り上げられているように、海外遠征を使ったローテーションの問題。特に、ドバイの2戦目(前走)の、直線で伸びを欠いて次々と後続に追い抜かれた“ウオッカらしくない”負け方が気になる。中間の調整に関しては「昨年よりもはるかに順調」と言われているが、体調面のみならずメンタル的なダメージに関しての不安は拭えない。
オーナーサイドが「春の最大目標はドバイ」と公言した以上、前走では気温30度を越す中で究極まで仕上げられたはずだ。5歳という年齢を加味すれば、上がり目も疑問。万全の状態であれば、ウオッカの圧勝に終わるとは思うが、他馬が先着する可能性がゼロとまでは言い切れない。

カワカミプリンセスは牡馬混合の重賞戦線を使われながら調子を上げてきた。前走の大阪杯ではメンバー最速の上がり33秒8を記録。まさに脚を測ったような走りで、横山典騎手による脚質転換(先行→差し)が実を結んだ形である。当然ここは目標のレース。ジリ脚だったカワカミに末脚のキレを身につけさせたのは、“対ウオッカ戦略”と見ることもできる。横山典騎手の乗り方に注目したい。
もっとも、この馬は骨折からの復帰後はいまだ未勝利。毎回「休養前の状態に近づいた」と言われながら勝ち切れないでいる。目に見えないダメージが残っているとすれば、好勝負はできても“あと一歩”を越えるのは難しいかもしれない。
さらに、距離の問題もある。マイルを走るのは実に2年ぶり、過去に1回経験しているだけだ。その時(2007年のVマイル)は休み明けではあったが、1番人気で10着に敗れている。レースの流れに乗れるかどうかがポイントになるだろう。

過去3年、このレースで馬券に絡んだ9頭をのうちの4頭が前走でGⅡ・阪神牝馬Sを使っていた。
今年、その阪神牝馬Sを制したのがジョリーダンス。すでに8歳になるが、走りを見る限り衰えは感じられない。右回りの1400mがベストとは思うが、東京コースの実績は〈2.1.1.5〉と決して悪いものではなく、芝1600mの持ち時計1分32秒7も東京で出したものである。
とは言うものの、前走の阪神牝馬Sは、本来ならばこの馬の引退レースだった。当然、仕上げのピークはそこに合わせていたはず。今回の出走に至るまでの経緯は定かではないが、初めからこのレースを狙ったローテーションが組まれていなかったことについては、少々割り引きが必要だ。

阪神牝馬Sで2着に入ったザレマ。牝馬限定の重賞戦線では常に上位にくる安定株である。以前は逃げか番手の競馬しか出来なかったが、ここ3走続けて安藤勝騎手が騎乗したことで、控えるレースもできるようになった。520キロ台の大型馬だけに、馬群がバラけやすい広いコースの方が有利という見方もある。他馬を千切って勝つような圧倒的な強さはないが、連下には押さえておいた方がいいかもしれない。

“打倒・ウオッカ”“世代交代”という視点に立てば、成長過程にある4歳馬が浮上してくる。実際、このレースで馬券に絡んだ9頭のうち、3分の2にあたる6頭が4歳馬だった。
前売りの段階でカワカミプリンセスと並んで2番人気の支持を受けているのがリトルアマポーラ。昨年のGⅠ・エリザベス女王杯の勝ち馬である。休み明けの前走は牡馬混合のGⅡ・マイラーズC。結果は7着だったが、好位から上がり33秒6の脚を使って着差は0.4秒。カワカミプリンセス同様、今回のレースへの試走としては上々の内容だった。以前は差し一辺倒の走りだったが、ここにきて脚質に自在性が出たこともプラス材料。単勝人気の数字の通り、4歳馬の中では“打倒ウオッカ”の一番手と考えても差し支えないだろう。
ただし、戦績を見るとかなりのムラが目立つ。この馬の全成績は〈4.0.0.5〉。勝つか着外という極端な結果は、精神的に未熟な部分が残っているという見方もできる。好走する条件には「気分良く走れば」という但し書きが付くかもしれない。

昨年の桜花賞馬・レジネッタも実績では4歳のトップクラスである。前走、休み明けで出走した阪神牝馬Sは57キロを背負って5着。今回、斤量が2キロ減となるのは有利な材料である。
不安点は、昨年夏を境にして走りに勢いがなくなったこと。早熟という結論を出すのは早いが、叩き2走目で条件が好転する今回、どのような走りを見せてくれるか。3歳春の活力を取り戻していれば、ここでも好勝負が期待できるだろう。

人気のないところでは、チェレブリタムードインディゴが面白そうだ。
チェレブリタはハンデの恩恵があったとはいえ、重賞の愛知杯と京都牝馬Sで連続連対。前走は出負けしたため後方侭で終わったが、近走での成長力という点では侮れない存在だ。
ムードインディゴは昨年秋の3歳牝馬戦線における波乱の立役者。マイルは距離的に短いかもしれないが、府中の長い直線はこの馬向きだろう。叩き2戦目の今回、鞍上の内田博騎手の乗り方次第で馬券圏内に飛び込んでくる可能性も見えてくる。

当日の馬場状態も予想の上では重要な材料だ。予報では午後まで雨が残るとのこと。
仮に馬場が悪化したとすれば、不良馬場で行われたGⅢ・福島牝馬Sの1~3着馬が有利なようにも思えるが、どちらかと言えば激走の反動の方が心配だ。実際、4着に入ったピンクカメオは骨折が判明してこのレースを回避している。中2週のローテーションで体調が戻っているかどうか。不良馬場の阪神大賞典に出走した馬が春天で掲示板に1頭も載れなかったことは記憶に新しい。
重馬場になった場合に注目したいのは最内枠のショウナンラノビア。オープン初戦がGⅠというのは、常識的には厳しいが、この馬が1600万を勝ち上がった時の時計は3回中山開催におけるマイル戦のベストタイム。しかも、内が荒れた馬場での先行押し切りである。枠順を利して前々での競馬ができれば、粘り込みも期待できるだろう。
もう1頭上げるならばヤマニンエマイユ。近走の戦績から強調できる材料は見当たらないが、重馬場では2戦2勝の実績。さらに、芝のレースの全5勝はすべて左回りコースでうち2勝は東京という“くせ者”でもある。大外枠からスムーズにレースを運び、他馬が脚元を気にして伸びを欠いた場合には、外から突っ込んでくるかもしれない。


■NHKマイルカップ・復習

3連単238万の大波乱! 3歳マイル王決定戦を制したのは10番人気の伏兵・ジョーカプチーノだった。
レースは当初の予想通り、ゲットフルマークスがハナを切ってハイペースで飛ばす展開。ジョーカプチーノは離れた2番手を追走、直線で先頭に立つとそのまま後続を振り切った。2着馬に2馬身差をつける堂々の勝利。1分32秒4の時計は、キングカメハメハが作ったレースレコードを更新した。
『予習』では「番手追走から前走と同じような競馬ができれば残り目もあるかもしれない」と述べたか、まさか先頭でゴールしてしまうとは思わなかった。スピードを要求されるレースの流れになったことが一番の勝因だろうが、速さを身上とするマイルの新星が誕生したことには、素直に拍手を送りたい。

2着のレッドスパーダは調整過程が不安視されていたが、この馬らしいセンスのいい競馬(抜け出してから瞬時に加速する脚)を見せてくれた。ジョーカプチーノ同様、スピード勝負で力を発揮できるタイプ。今回は位置取りの差がそのまま結果につながった感もあるので、今後この2頭がどのような戦いをくり広げていくかに注目したい。

3着のグランプリエンゼルに関しては、正直ここまで走るとは思わなかった。1600mの距離経験がなく、1400mでも1戦して1着外。前々のポジションで競馬をすることはわかっていたが、直線で失速するタイプだろうと予想していた。先行馬に有利な展開ではあったが、最後まで渋太く粘った点は評価していいだろう。

それにしても、道中の馬群は異様な隊列だった。極端に言えば、逃げるゲットフルマークスはハイペース、ジョーカプチーノは平均ペース、後方の16頭はスローペースというふうに、同じコース上で3種類の違ったレースが行われているような感覚に陥った。
こういう形になると、後方集団のさらに中団以降に位置した差し馬は、折り合いに専念するだけになってしまう。脚を溜めるのではなく、動くに動けなくなってしまうからである。

1番人気のブレイクランアウトは、それに加えて集団の外々を回らされる展開。直線で伸びを欠いた理由は道中でストレスがかかりすぎたためという見方もできる。
アイアンルックに関しても同じだ。4コーナーの不利がなかったとしても、馬群のゴチャついたあの位置からでは前には届かなかっただろう。
好位でレースをすると予想されたサンカルロもポジションがあまりに後ろすぎた。流れに乗れないまま掛かり気味になって斜行。陣営の思惑とはまったく違った競馬になってしまった。
差し馬の中で掲示板に載ったのはフィフスペトルのみ。それも4コーナー5番手という普段よりも前目のポジションにいたことで、かろうじて名前が載ったという印象だ。

最後に、馬券には絡めなかったが、今後に期待できる走りを見せてくれた馬を2頭あげておこう。
1頭は、4着に入ったマイネルエルフ。前に馬を置いて好位で脚を溜める正攻法の競馬ができていた。最後は3着馬にクビ差届かなかったが、走りのスタイルが確立されてきたように思えるので、いずれは馬券圏内に入る有力馬の1頭になるかと思われる。
もう1頭は、ワンカラット(6着)。出遅れで後ろからの競馬になってしまったが、ゴール前で内から伸びてきた脚は見応え十分。メンバー中最速の上がり33秒5をマークした。牡馬との対戦、しかもベスト距離よりも長い1600mでこれだけ走れるのであれば、牝馬限定の重賞ならばアッサリと結果を出せるかもしれない。気の早い話になってしまうが、来年の京都牝馬S、阪神牝馬Sあたりが面白い。

■NHKマイルカップ・結果

2009年5月10日 2回東京6日11R
第14回 NHKマイルカップ(GⅠ)
芝・1600m 晴・良

 1着 ジョーカプチーノ     藤岡康  1.32.4
 2着 レッドスパーダ      横山典     2
 3着 グランプリエンゼル    内田博     2

単勝 3 3980円(10番人気)
馬連 3-13 14180円  馬単 3→13 39660円
3連複 3-10-13 318540円  3連単 3→10→13 2381660円

■NHKマイルカップ・予習

3歳春のマイル王を決めるGⅠ・NHKマイルカップ。以前はクラシックを使えない外国産馬中心のレースだったが、近年は大きく様相が変わってきた。前走の使われ方にしても、ニュージーランドT、皐月賞、毎日杯、桜花賞などバリエーションに富み、2004年の勝ち馬・キングカメハメハ、2008年の勝ち馬・ディープスカイのように、NHKマイルCからダービーへ向かう使い方も主流になりつつある。今年の勝ち馬となるのはどの路線を使ってきた馬か、そして、今後どの路線へ進むのか。興味深い一戦だ。

ブレイクランアウトは2月のGⅢ・共同通信杯を勝った後、このレースを目標に調整されてきた。昨年秋の東スポ2歳S(2着)当時から“クラシック級の器”と評価されていた馬。皐月賞をパスした以上、次走のダービーにつなげるためにも、ここできっちりと結果を残したいところだ。33秒台のキレる脚を使えるタイプだが、前走の共同通信杯で内から伸びてきたように、外差しにこだわるタイプではない。
不安点をあげるならば、8枠16番という枠順。馬群の外々を回らされると、直線では外差しのコースに限定されてしまう危険性がある(土曜日のレースを見る限りでは内の方が若干伸びがいいようだ)。自在性のある脚質をどのように活かすか。武豊騎手の乗り方に注目したい。あとは、各専門紙の指摘にもあるように、3ヶ月ぶりの休み明けがどう影響するかだろう。

スローペースのGⅢ・毎日杯を33秒6の上がりで差し切ったアイアンルック。1分48秒0の時計はディープスカイが勝った前年よりも2秒遅いために、レースレベルが疑問視されているが、0.2秒差3着のアプレザンレーヴが青葉賞を快勝、2着のゴールデンチケットもダート戦ながら兵庫チャンピオンカップを制しており、メンバー的には質の高いものだった。
問題は脚質。2走前のアーリントンCは一旦内に入りながら外に出しての追い上げ(4着)、前走も大外からの差し切りと、器用さに欠ける面がある。府中の長い直線だからこそ差し脚が活きると思われがちだが、エンジンのかかりが遅いタイプだけに、道中内に包まれて外に持ち出すのが遅れると“追い込んで届かず”というケースもあるかもしれない。

トライアルのGⅡ・ニュージーランドTを勝ったサンカルロ。2走前のスプリングSでは皐月賞馬・アンライバルドに0.2秒差(4着)の好勝負を演じている。近2走は中山でいい走りを見せているが、〈2.0.1.0〉というコース実績が示すように、元々は左回りの東京を得意としている馬。コース替わりは好材料と言えるだろう。「馬の後ろで我慢させたいので内枠が欲しい」という陣営の希望通りの枠順(2枠4番)も引き当てた。
この馬の不安材料はテンション。「馬の後ろで我慢させたい」というコメントは、裏を返せば掛かり癖があるということ。サンカルロより内枠に入った3頭はいずれも逃げ・先行馬のため、後ろにつけやすいとも言えるが、一方で、つられるように先に行きたがる面を出すかもしれない。実際、調教も「テンションを上げないための単走追い」(陣営談)。好位のポジションで折り合って、直線で逃げ・先行馬をうまくさばくことが、結果につながる条件になるだろう。

スプリングS、皐月賞を使って、このレースが休み明け3戦目となるフィフスペトル。GⅠ・朝日杯FSでの2着を含め実績に関してはメンバー1と言える。元来“マイル向き”と評価されていた馬だけに、近走よりも条件が好転したことは明らか。鞍上の安藤勝騎手も二度目の騎乗。新聞紙上のコメントから察するに、この馬の持ち味を発揮できる手応えを掴んでいるようだ。
ただし、フィフスペトルの場合、どちらかと言えば一瞬のキレで勝負するタイプ。府中の1600mがベストとは思えない部分もある。しかも、今回は大外の18番。追走に脚を使わされるような展開になると、最後のキレ味が鈍るかもしれない。

レッドスパーダは皐月賞出走権(スプリングS2着)を手に入れながら回避を表明。NHKマイルCを目標とした。スプリングSで見せたスピードの持続力は、先行押し切り型のマイラーの資質を感じさせるものだったが、熱発によって当初予定していたニュージーランドTを使えなかったのは大きな誤算。加えて今回は内枠の逃げ・先行馬がレースを引っ張る形になることが予想され、この馬が自分のペースで走れるかという点にも不安がある。他の有力馬が差し・追込脚質だけに、早め先頭から後続を引き離す競馬ができれば間違いなく好勝負になるとは思うのだが・・・。

桜花賞4着からこのレースに駒を進めてきた牝馬のワンカラット。1400mの実績が〈1.1.0.0〉であるのに対して、マイルでは〈0.0.0.3〉と結果が出ていないため、スピード+スタミナを要求される府中の1600mがこの馬の走りに向いているかといえば疑問である。ただし、ここ数年の間に、2005年のラインクラフトと2007年のピンクカメオの2頭の勝ち馬を出している“桜花賞→NHKマイルCのローテーション”は要注意。しかも、オークス出走の権利を持ちながらの参戦だ。マイルに実績がないと言っても、持ち時計はサンカルロと並んでメンバー中トップ。一概に軽視はできないだろう。

ミッキーパンプキンは重賞戦線でも常に掲示板に載る堅実派。ハイペースのアーリントンCでは後ろからの競馬、スローの毎日杯では前での競馬と、レースの流れに合わせた自在な脚を使える点も魅力だ。もちろん、これは鞍上の岩田騎手の技術に因る部分が大きい。1枠2番に入った今回、岩田騎手は「先行馬の後ろでタメを作る」とコメント。掛かりやすい気性が欠点と言われているが、スムーズに流れに乗れれば、最後に内からスルスルと伸びてくる場面も想像できる。

未知の魅力、あるいは成長力という点では、ニュージーランドT2着のティアップゴールドと2連勝中のラインブラッドの2頭が面白そうだ。共に単勝20倍台と評価は低いが、「遊びながら走ってる」(ティアップゴールド・池添騎手)、「返し馬の感じが今ひとつ」(ラインブラッド・福永騎手)というような前走の状態でもしっかり結果を出している。脚質が定まっていないというのは、プラスに考えれば、展開に左右される心配がないということ。有力馬がレースの流れに左右されるようであれば、複勝圏内に飛び込んでくるかもしれない。

最後に穴候補を2頭。
1頭目はジョーカプチーノ。初の1600m戦だった前走・ニュージーランドTでも、番手追走から3着に粘り込んだ。中山と東京ではマイル戦に求められる力が違うが、逃げ宣言をしているゲットフルマークスを行かせて、前走と同じような競馬ができれば残り目があるかもしれない。
もう1頭はスガノメダリスト。前走・ニュージーランドTは中山の外枠15番に入ったために、結果的に後ろからの競馬。持ち味の先行力を活かすことができなかった。2走前には東京の1400m戦でサンカルロに0.2秒差の2着。前走の負けで評価を落としているようだが、はっきりと敗因(=枠順)がわかっているだけに、今回巻き返しがあっても驚けないだろう。



■天皇賞(春)・復習

淀・3200mのゴール板をトップで駆け抜けたのは12番人気の伏兵・マイネルキッツ。3分14秒4というレース歴代3位タイの好タイムで勝利、最強ステイヤーの称号を手にした。
「長距離路線への変更」「早めの栗東入厩」など陣営の戦略ももちろん評価できるが、レースにおける一番の勝因は「流れに乗れたこと」だろう。
テイエムプリキュア、ホクトスルタン、シルクフェイマスがハナを奪い合う展開。前半1600mと後半1600mのタイム差がわずか0.4秒という厳しい流れは、スタミナ・スピード・決め手のすべてを要求されるレースになった。その中でマイネルキッツは、中団で脚を溜め2周目の3コーナー過ぎから前に進出し直線で後続を一気に突き離す“理想的な競馬”を見せた。
松岡騎手の好騎乗も光った。コースロスを防ぐためにとったポジションは終始“中団のイン”。逃げ・先行馬が退いてきた時に前が塞がるリスクを3コーナーからのスパートによって未然に回避。最終的に2着馬につけた“クビ差”は、内と外のコース取りの差と考えることもできる。

惜しくも2着に終わったアルナスラインも見事な走りを見せてくれた。折り合いを意識して前走着用していたチークピーシズを外してのレース。道中はマイネルキッツよりも前のポジションに位置していたが、直線で先頭に取り付く作戦は同じだった。最後まで集中力が途切れない走りができたのは、前走の日経賞で蛯名騎手が積極的なレースをしたことが実を結んだとも思える。こちらもマイネルキッツ同様、ジョッキーの腕というものが好走の一因になったという見方ができるだろう。

1着馬と2着馬に共通するのは、“長くいい脚を使えたこと”。スタミナ・スピード・決め手のすべてを要求されるレースでは、両馬が見せた走りが最も有効だったに違いない。3着以下のドリームジャーニー、サンライズマックス、ジャガーメイルは直線勝負に賭けたレースをしたが、今回の展開では0.3秒差まで詰めるのが精いっぱいだったようだ。モンテクリスエス(12着)、ゼンノグッドウッド(11着)の2頭は4コーナーですでに手ごたえをなくしていた。瞬発力勝負を身上とする馬にとっては、見た目以上にハードな流れだったのだろう。ゆえに、掲示板に載った3頭については、不向きの展開でもそれなりの結果を出したことを評価したい。

1番人気のアサクサキングスは9着、2番人気のスクリーンヒーローは14着に敗れた。敗因について、四位騎手も横山典騎手も「前走(阪神大賞典)の疲れが残っていた」とコメントしている。どうやら『予習』の中で述べた不安(前走の反動)が当たってしまったようだ。スクリーンヒーローについては、前走で無理をさせなかった分だけ回復が見込めるかと思ったが、2戦連続の関西への輸送、しかも今回はGWの渋滞に巻き込まれ予定以上の輸送時間を要したことが体調面に影響したのかもしれない。
先に述べたように、マイネルキッツとアルナスラインの共通点は、“長くいい脚を使えたこと”。そして、アサクサキングスとスクリーンヒーローも本来ならば同じ競馬をするタイプである。実際、直線を向いた時点で先頭に立ったのはこの2頭。マイネル、アルナス、アサクサ、スクリーンの4頭の叩き合いになってもおかしくない状況だった(それを見たかったファンも多いはずだ)。それがアッサリ失速したということは、やはり状態面が完全でなかったのだろう。

今回の出走馬は6月のGⅠ・宝塚記念で再び顔を揃えることになるという。
どの馬も能力を十分に発揮できる万全の体勢で臨んでほしい。



■天皇賞(春)・結果

2009年5月3日 3回京都4日10R
第139回 天皇賞(春)(GⅠ)
芝・3200m 曇・良

 1着 マイネルキッツ      松岡  3.14.4
 2着 アルナスライン      蛯名    クビ
 3着 ドリームジャーニー    池添   1+3/4

単勝 2 4650円(12番人気)
馬連 2-4 10200円  馬単 2→4 22530円
3連複 2-4-12 32390円  3連単 2→4→12 221080円

■天皇賞(春)・予習

6週連続GⅠ開催のトップを飾る天皇賞(春)。ステイヤーの資質を問われる京都・芝・3200mの長距離戦である。今年はフルゲートになる18頭が出走。近年、フルゲートで行われた春天は、2003年=1着・7番人気ヒシミラクル、2004年=1着・10番人気イングランディーレ、2005年=1着・13番人気スズカマンボと、波乱の傾向にある。前日売りの段階で1番人気に支持されているアサクサキングスの単勝は4.4倍で、10倍以内には6頭が入っている。どうやら競馬ファンは“抜けた馬のいない混戦”という見方をしているようだ。

西の前哨戦であるGⅡ・阪神大賞典を使った馬は6頭。上位馬を取り上げてみよう。
アサクサキングスはGⅡ・京都記念に続いて阪神大賞典も連勝。昨年秋の不振から完全に抜け出した印象がある。一昨年の菊花賞馬だけに長距離適性に問題はなく、コース実績に関しても、京都・芝のレースでは<3.0.1.0>と馬券圏内を外したことはない。昨年の春天では1番人気に支持されながら3着止まり。今年はその雪辱を果たしたいところだ。
ヒカルカザブエは直線の叩き合いでアサクサキングスに敗れたが、GⅠ馬相手に着差なしの2着は評価できるだろう。4連勝でオープン入りした勢いを買われて、年明けのGⅡ・日経新春杯では1番人気に支持された経歴の持ち主。4歳馬の成長力を考えると侮れないものがある。
ただし、この2頭に関してはレースの反動が心配だ。不良馬場で行われた消耗戦、最後まで息の抜けなかった競り合い。特にアサクサキングスは本来重馬場を苦手としていただけに、かなりの負担を強いられたと思われる。
実際、このレースで3着に入ったナムラクレセントは次走の自己条件で4着(1番人気)に敗退、春天の有力候補と見なされていたオウケンブルースリも歩様に異常が見られ秋まで休養することになった。あくまで推測ではあるが、ナムラとオウケンの近況は阪神大賞典でハードな走りを要求された代償という見方もできる。
その点、鞍上の横山典騎手が直線半ばで追うことを諦めた4着・スクリーンヒーローは、比較的ダメージが少なかったのではないだろうか。3ヶ月の休み明け、59キロの斤量、不良馬場という悪条件が重なった前走は参考外。むしろ今回は予定通りの上積みが見込めると考えてもいいだろう。
5着のトウカイトリックも今回が叩き2走目。近走の成績を見ると手を出しづらいが、2年前の春天で3着に入ったように、元々は3000m以上の距離を得意とする馬。7歳という年齢にしても、昨年はその大半(9ヶ月半)を休養に充てていることから、使い詰めによる疲労の心配はないだろう。ピークを過ぎた感は否めないが、スタミナ勝負の持久戦になれば、穴候補として浮上してくるかもしれない。

東の前哨戦はGⅡ・日経賞。このレースからも6頭が駒を進めてきた。
1着のアルナスラインは念願の重賞初制覇。アサクサキングス同様、昨年秋からの不調を立て直した結果だろう。以前に比べると、間違いなく走りに活気が出てきた。もっとも、この馬の場合、活気が弱点に変わることもある。蛯名騎手がスタートから気合いを入れたこともあって、日経賞の走りは中盤まで掛かり気味。距離が3200に延びた時に折り合いがつくかどうかがポイントになるだろう。
2着のマイネルキッツはそれまでの1800~2000から距離を延ばして結果を出した。早めに栗東入りするなど臨戦体勢も十分。この馬の課題は初の京都コースを克服できるかどうか。特に3200m戦は坂を2度超える特異なレース。スタミナは持つとしても脚の使いどころが難しい。
3着に入ったモンテクリスエスは2走前に、53キロの斤量ながら、芝3400mのGⅢ・ダイヤモンドSをレコード勝ち。長距離適性を証明した。京都コースに関しても〈1.1.1.0〉の実績。さらに鞍上には春の盾男・武豊。これだけの条件が揃えば、前々日売りで1番人気に支持されたことも不思議ではない。不安点をあげるならば、調教後に計量されたプラス18キロの馬体重(552キロ)。たしかに今週の調教は併走馬に遅れるなど動きが重かった。4歳馬の成長分ならば問題はないが、例えば関東遠征が続いたために中間楽をさせたといったような調整過程に原因があるのかもしれない。当日の状態にも注意が必要だ。
日経賞組からもう1頭あげるとすれば、1番人気に支持され7着に敗れたネヴァブション。早い時点から「目標・春天」を公表し、そのために有馬記念の出走を見送った経緯がある。前走の敗因は筋肉痛によるものだと言われているが、今回、目標のレースに対して万全の仕上げで臨むのであれば、軽視はできないだろう。

阪神大賞典と日経賞を使った組以外の注目馬はどうか。
前走GⅡ・大阪杯でディープスカイに競り勝ったドリームジャーニー。何度もこのブログで述べたように、ここにきてレースの走りに幅ができ、本格化を印象付けた1頭である。ただし、回転の速いピッチ走法だけに長距離よりも2000m前後のレースでキレ味を見せるタイプのようにも思える。実際、陣営は大阪杯のレース後に「次走は中京の金鯱賞」と公表していた。池添騎手の進言によって今回の出走になったようだが、このローテーションの変化をどう考えればいいか。春天を目標とした調整ができていれば、たしかに怖い存在ではあるのだが・・・。
昨年秋にJC馬のスクリーンヒーローと差のない競馬をしていたジャガーメイル。前走の香港GⅠでは大外を回るロスがありながら3着という結果を残し、改めて能力の高さをうかがわせた。今回はその香港以来の休み明け。海外遠征後の休み明けは基本的に割り引きではあるが、一方で、どのような走りを見せてくれるのかという期待もある。今後の長距離戦線を考える上でも注目の1頭だろう。
1000万条件から3連勝してGⅠに挑戦するゼンノグッドウッド。常識的に考えた場合、前走のハンデ戦・大阪ハンブルグCで背負った53キロから5キロ増という斤量も含めて、オープン2戦目の馬がいきなりGⅠで好勝負できるとは思えない。ただし、有力な先行馬に不利な瞬発力勝負になり、前走で見せた上がり33秒6の脚を使えるようならば、台頭する余地があるかもしれない。

レース展開のカギを握っているのは、ズバリ、テイエムプリキュアの逃げ方だ。
プリキュア自身が残れるような逃げになるか、もしくは、玉砕覚悟の大逃げを打つか。それによってペースは変わるし、後続の仕掛けどころにも影響がおよぶ。
先行馬に有利な展開になるか、差し・追込馬が一気に突き抜ける流れになるか、あるいはゴール前で横一線に広がるような大激戦になるか。プリキュアが逃げ残る可能性もゼロとは言えない。
馬券の検討については、いくつかのパターンを想定した方がいいかもしれない。




カレンダー

04 | 2009/05 | 06
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

カテゴリ

プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。