■2009年07月

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■函館記念・復習

函館記念を制したのは4番人気のサクラオリオン。3月のGⅢ・中京記念以来の重賞2勝目を手に入れた。
このレース、上位3頭には共通するものがあった。それはジョッキーの“好騎乗”である。

1着のサクラオリオン・秋山騎手は、大外枠に入ったこともあって、無理に好位に付けるのではなく、道中は中団後方のインで脚を溜める競馬に専念。4コーナーを回って空いたスペースを見つけるとそこから加速、ゴール手前で2・3着馬を鮮やかに差し切った。スタートから1コーナーまでの間に内に入れた判断と直線での仕掛けのタイミングは実に見事。馬の力を信じているからこそできた乗り方と言えるだろう。
今回の勝利で札幌芝実績は〈2.1.1.0〉。次走の予定はGⅡ・札幌記念とのこと。相手関係は厳しくなるだろうが、7歳にして重賞戦線に参入してきた“遅咲き”の同馬には、ベストの体調で悔いのない走りをしてもらいたい。

2着のマヤノライジン・藤田騎手は、これ以上はないレース運びを見せてくれた。ペースが遅いと判断すると3コーナーからマクリ気味に進出。ゴールまで追い通す騎乗はまさに“剛腕”。最後まで渋太く伸びて2着を確保した。
好走の要因には『予習』でもふれた「陣営の勝負気配」も上げられる。メンコを外し、さらにリングバミを着用。馬が能力を発揮できるための“工夫”が結果につながった。レース後、藤田騎手は「ズブくなった今は2000mの方がいい」とコメント。8歳馬ではあるが、今回のように時計のかかる馬場では、伏兵としてのマークが必要になるだろう。

3着はメイショウレガーロ・岩田騎手。『予習』で述べたように、頭の高い走りをするこの馬にとって、理想はハナに立つこと。そして、今回はまさに理想通りのレースとなった。逃げ馬のドリームサンデーが控える形になったのも、実は岩田騎手が強引にハナを主張したからに他ならない。さらに、道中は平均的なラップを刻んで後続に脚を使わせる絶妙なペース配分。最後は1・2着馬の差し脚に屈したが、この馬の持ち味は十分に発揮できた。

1番人気のマイネルチャールズはまったく見せ場もなく12着。プラス14キロという馬体重からもわかるように、今回は仕上がり途上だったと考えられる。松岡騎手は「休み明けも洋芝もこの馬にはマイナス」とコメント。3歳時の走りには程遠い内容だったが、屈腱炎明けということもあって無理をさせなかったのかもしれない。このレースだけで評価を下すのは早計だろう。

同様に、ゼンノグッドウッドも見直せる余地がある。休み明け、出遅れ、大外を回るコース取りと、負ける要因が重なったレース。それでも、メンバー最速の上がり34秒6。瞬発力勝負が見込める条件になれば巻き返しは十分にあるはずだ。例えば、次走、差し馬有利の馬場になった新潟記念に出走してくるようならば、怖い存在かもしれない(もっとも、左回り芝は初になるが・・・)。

マンハッタンスカイは4コーナーまで理想的なポジションでレースを進めていたが、直線を向くと失速。芹沢騎手は「中1週というローテが影響したかもしれない」とコメントしているが、短期放牧明けの前走・巴賞がこの馬の状態のピークだったのかもしれない。
近年の函館記念は“巴賞・負け組”の活躍が目立っているが、仕上がり状態と中1週のローテーションが前哨戦と本番の逆転現象を生んでいるとも考えられる(今回の1~3着馬も、巴賞の3、5、6馬だった)。

インティライミは追って伸びずの競馬。長期休養明けから復調に時間がかかっているようだ。トップハンデ、初コースなど不安材料が多かったこともたしかだが、実戦を使っても調子が上がってこないのは“衰え”の兆候のひとつ。今後のレースぶりに注意したい。


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■函館記念・結果

2009年7月26日 1回札幌12日9R
第45回 函館記念(GⅢ)
芝・2000m 曇・良

 1着 サクラオリオン      秋山   2.00.6
 2着 マヤノライジン      藤田    1/2
 3着 メイショウレガーロ   岩田    クビ

単勝 16  650円(4番人気)
馬連 9-16 6600円  馬単 16→9 12950円
3連複 9-12-16 20140円  3連単 16→9→12 121200円



■函館記念・予習

サマー2000シリーズ・第2戦のGⅢ・函館記念。今年は札幌芝コースが戦いの舞台となる。
前売り段階での単勝1番人気は6.2倍で、7番人気までが1ケタオッズという人気の割れ方。確固たる中心馬が不在で、混戦の様相を呈している。

菊花賞5着以来、9ヶ月の休み明けとなるマイネルチャールズ。昨年のクラシック戦線では常に上位で活躍。同世代のディープスカイやスマイルジャックを物差しにするならば、今回のメンバー相手に抜けた能力を発揮しても決して不思議ではない。古馬との初対決となった昨年のGⅡ・札幌記念で6着に敗退してから約1年、馬自身がどれくらい成長したかという点にも注目だ。
ただし、馬券的には過信は禁物だろう。軽い症状だったとはいえ屈腱炎を患った影響は測り知れない(陣営は「豊富な乗り込み量」を強調しているが・・・)。「今回はあくまで“様子見”で、次走予定の札幌記念が“目標”と考えた方が無難」という新聞紙上の解説も少なくない。

前哨戦の巴賞を制したマンハッタンスカイ。「平坦小回りのローカルコース」+「逃げ馬マークの番手の競馬」という条件が揃った時には、抜群の力を発揮するタイプである。
もっとも、昨年の春(4歳春)以降、2走続けて馬券に絡んだことがなく、常に上位にくるという安定感はない。さらに、この馬の場合、ローテーションが気掛かり。昨年は15走、今年もこのレースが10走目。短期放牧は挟んでいるものの、長期休養をとっていないために疲労の蓄積がどうなのか。中1週のローテーションだけに、その点が心配される。

巴賞でクビ差2着のドリームサンデー。斤量が1キロ減の56キロになるため、“対・マンハッタンスカイ”に限れば逆転の目はある。同型の逃げ馬・コンゴウリキシオーが、このレースを回避したことも大きなプラス。自分のペースに持ち込めれば、前走同様の好走も期待できるだろう。
問題は距離。巴賞からの1Fの延長がどうか。1800mでは〈4.4.6.2〉の戦績に対して2000mでは〈2.0.0.5〉、近5走のうちの3連対はすべて1800m戦である(逆に2回の2ケタ着順はいずれも2000m戦)。直線を向いた時にどれくらいの余力を残しているかがカギになりそうだ。道中、他馬に絡まれるような展開になると苦しいかもしれない。

巴賞3着のサクラオリオン。〈1.1.1.0〉のコース実績が示すように、札幌芝を得意としている。これは、大きなアドバンテージと考えていいだろう。
斤量は56キロだが、この馬にとっては、若干見込まれた感がある。3月のハンデGⅢ・中京記念を勝った時は53キロ。その後出走したレースで連対がなかったことを考えれば、「予想していたよりも重い」(秋山騎手談)。コース適性からは“買い”の馬と思われるが、他馬との斤量差が結果に影響するかもしれない。

55キロで出走できるのは、巴賞5着のメイショウレガーロ。休み明け3走目で状態も上がり、陣営も「前走とは中身が違う」と強気の発言をしている。札幌芝実績は〈1.1.0.2〉。昨年の札幌記念(5着)でも直線で前が詰まらなければ、さらに上位の着順があったはずだ。
この馬の場合、頭の高い走りがレースでの弱点になることが多い。単騎で逃げられる展開ならば問題はないが、馬混みに入るとさらに頭を上げて、行きたがったりひるんだような走りになってしまう。鞍上の岩田騎手がどのようなポジションでレースをするかがポイントになるだろう。

同じく55キロのマヤノライジン(巴賞6着)。2000mは長い印象があるが(距離実績は〈0.0.2.4〉)、「ズブさが出てきたので距離が延びた方がいい」と陣営はコメントしている。さらに、今回は行き脚をつけるためにメンコを外すとのこと。ちなみに、前回メンコを外したのは4走前のGⅢ・ダービー卿CTで、この時は12番人気で3着に入っている。8歳馬だけに上積みは見込めないだろうが、穴の1頭として面白い存在かもしれない。

トップハンデ・58キロを背負うインティライミ。GⅠ・宝塚記念3着の実績を考えれば、このハンデは妥当だろう。休み明け3走目。これまで夏場を休養に充てて秋のGⅠ戦線に備えていた馬が、あえてサマー2000シリーズに参戦してきたのだから、当然、注意は必要だ。
不安点はローカル小回りコースへの適性。中京コースには好走歴があるが、洋芝の札幌コースは初体験(重馬場巧者だけに洋芝には向いているという意見もあるが・・・)。もっとも、格上のレースで好走できる能力を発揮すれば、アッサリがあってもおかしくない。

インティライミと同様に、適性がカギになると思われるのは、GⅠ・天皇賞(春)以来3ヶ月ぶりのレースとなるゼンノグッドウッド。この馬の場合、コース適性に加えて距離適性もポイントになるだろう。休養前の3走はどれも2400m以上の長距離。2000mのレースを走るのは初めてである。
前売り段階では1番人気に支持されているが、小回りの2000mに対応できるという保証はない。開催6週目を迎え、週中の雨の影響で馬場が荒れてきたことを考えれば、この馬の差し脚はたしかに驚異ではあるのだが・・・。

レジネッタヤマニンメルベイユの2頭の牝馬については、“次走のクイーンSが目標”という見方が大半のようだ。とはいえ、レジネッタ〈1.1.0.1〉、ヤマニンメルベイユは〈2.0.0.1〉と、共に札幌芝に実績があることは見逃せない。
2頭のうち、狙って面白そうなのは、人気薄のヤマニンメルベイユの方かもしれない。2000mの距離実績が高く(〈3.0.2.3〉)、過去に牡馬混合の重賞・福島記念でも3着の結果を残している。対してレジネッタは、1800m以下の距離に良績が集中し、牡馬の一線級とは初対決。実績よりも経験値を重視した場合、ヤマニンメルベイユに軍配が上がる。

最後に大穴候補を上げるならば、ミストラルクルーズ。叩き3走目で“狙いどころ”だった前走の七夕賞は、荒れ馬場の最内枠が災いして11着。中1週のローテーションでの函館記念出走は想定外かもしれないが、53キロのハンデは魅力。鞍上は札幌コースを熟知している横山典騎手。<1.0.1.1〉の実績を持つ札幌芝コースで一発の大駆けがあるかもしれない。


■アイビスサマーダッシュ・復習

サマースプリントシリーズ第2戦・アイビスサマーダッシュは、昨年の覇者・カノヤザクラが見事に連覇を飾った。
掲示板に載った馬番は、17、18、12、16、14とすべて外枠。さらに、1・3・4着が牝馬で5着が3歳馬。終わってみれば、例年の傾向通り(=「外枠」「牝馬・3歳馬」の台頭が目立つ)の結果だった。

カノヤザクラはこのレースに向けてキッチリと仕上げられていたようだ。『予習』では「前走の負け方が気になる」と述べたが、橋口調教師いわく「1走叩いた上積みは予想以上」。昨年を上回るダッシュ力を見せ、好位から後続を突きはなす強い競馬で勝利をモノにした。
昨年はGⅡ・セントウルSを連勝してサマースプリントシリーズも制したが、今年も同様のローテーションでシリーズ連覇を狙うとのこと。状態の良さを維持できれば、その可能性は大いにあるだろう。

2着は大外18番のアポロドルチェ。結果にケチをつけるつもりはないが、この馬に関しては“パワーが必要とされる馬場”と“展開”に恵まれた部分が大きい。
特に“展開”は味方した。他馬が外側に寄らずにコースをまっすぐ走ったことで、馬群は左右に大きくバラけ、前が詰まることもなく外ラチ沿いをスムーズに進むことができたからだ。
レースの展開について、某競馬評論家は、「斜めに走ることは馬にとってかなりの負担になる。今回のような重馬場では外ラチ側へ寄っても脚を使うだけで有利にはならない」と解説していた。つまり、重馬場であったために、馬群が外に集まらなかったということ。“外枠有利”がそのまま結果につながった一番の理由と考えていいだろう。

3着のアルティマトゥーレは初の直線競馬にもしっかりと対応できていた。最後は外から伸びた馬に差をつけられたが、この馬のスピード能力ははっきりと見てとれた。もっとも、松岡騎手のコメントによれば「コーナーでリズムの強弱をつけながら走る方が向いている馬」。今回の結果も十分に評価できるものとは思うが、それ以上に1200m戦での活躍が期待できそうだ。

ウエスタンビーナス(4着)は見せ場十分の走り。アポロドルチェと同じく、力の要る馬場を得意する馬なので、この結果はまずまず順当と言えるだろう。無理にハナに立たなくても競馬ができたことは収穫。ここ2走のように安定感のある走りができれば、今後も上位争いに加わってくるに違いない。

1番人気のエイシンタイガーは途中まで抜群の手ごたえのように見えたが、最後は伸びずに5着。鞍上の内田博騎手は「敗因がよくわからない」と語っているが、道悪の影響というものも考えられる。あるいは、直線競馬の適性なのかもしれない。次走でどのようなレースを見せてくれるか。この3歳馬の実力についての評価はその結果を見てからの方がいいだろう。

8着に敗れたコスモベル(5番人気)は、直線競馬よりもコーナーのある1200m向きという印象を受けた。前に馬を置いて脚を溜め、直線で抜け出してくる競馬の方が能力(最後の瞬発力)を発揮できるタイプだと思える。この一戦で評価を落とす必要はないだろう。

直線・芝・1000mという特異な条件に加えて、当日の午後まで強い雨が残った馬場状態。各馬の能力を検証するには難しいレースだった。その中で、昨年以上の強さを見せてくれたカノヤザクラと近走以上の伸びしろが確認できたアルティマトゥーレ。この2頭に関しては今後を大いに期待したい。


■アイビスサマーダッシュ・結果

2009年7月19日 2回新潟2日11R
第9回 アイビスサマーダッシュ(GⅢ)
芝・直線・1000m 曇・重

 1着 カノヤザクラ        小牧太   56.2
 2着 アポロドルチェ      勝浦    1+1/2
 3着 アルティマトゥーレ   松岡      1/2

単勝 17  750円(3番人気)
馬連 17-18 4150円  馬単 17→18 7780円
3連複 12-17-18 9460円  3連単 17→18→12 67570円



■アイビスサマーダッシュ・予習

今年で9回目となる夏の風物詩・アイビスサマーダッシュ。4年連続で馬単万馬券という結果で、一昨年と昨年は2ケタ人気の馬が連対。難解な予想を強いられるレースである。
はじめに、直線・芝・1000mにおいて“狙い目”とされている3つの要素について復習しておきたい。

 (1)外枠
 (2)牝馬・3歳馬
 (3)ダート実績馬

「外枠重視」は、言うまでもなく、直線競馬の予想における代表的なセオリー。馬場の荒れていない部分を通れることに加えて、外ラチを頼ることで競走馬がまっすぐ走るようになることが大きなアドバンテージとなる。
「牝馬・3歳馬」は斤量差が有利に働く。過去5年のデータを参照してみても、複勝圏に入った15頭のうち10頭は牝馬もしくは3歳馬。『競馬のツボⅡ』でも述べたように、この傾向はアイビスサマーダッシュに限らず、サマースプリントシリーズにおける重要なポイントである。実際、2週前に行われた函館スプリントSも、3歳牝馬のグランプリエンゼル(51キロで出走)が制している。
「ダート実績馬」といえば、一昨年の勝ち馬・サンアディユがその典型だろう。ダートの短距離戦で問われる“一本調子のスピード勝負”への適性が、直線・芝・1000mで開花する場合があるということだ。

今回の出走メンバーを見てみよう。
前売り段階で1番人気(4.4倍)に支持されているのは、3歳馬のエイシンタイガー。前走のGⅢ・CBC賞では、差し馬有利な馬場で先行してクビ差の2着。古馬相手にも十分戦える能力を示した。53キロの斤量、7枠14番の枠順。好走できる条件は揃ったと見てもいいだろう。
問題は直線競馬への適性。エイシンタイガーを高く評価する記事には“センスのいい馬”という言い回しが多い。直線競馬はセンスよりもスピードの持続が求められる特異なレース。過去において前半3F・33秒台の経験のない同馬に、このレースの条件が向いているかというと、少なからず疑問である。とはいえ、ここでしっかりと結果を出せるようならば、サマースプリントシリーズはもちろん、秋の重賞戦線でも中心になれる素材であることは間違いない。どのような走りを見せてくれるか注目したい。

2番人気は5歳牝馬のアルティマトゥーレ。前走のテレビユー福島賞の走破タイムは翌日のOP・バーデンバーデンCよりも0.5秒速く、2着馬に0.4秒差をつけた逃げ切り勝ちは評価できるだろう。父・フジキセキ、母・エアトゥーレという良血(弟は皐月賞馬のキャプテントゥーレ)。ここにきて素質が開花したという見方も多い。54キロ、6枠12番の枠順も有利と言えよう。
この馬の場合、ポイントは相手関係。2走前の牝馬限定GⅡ・阪神牝馬Sでは2番人気で10着という結果。重賞ともなれば他の出走馬は一気に骨っぽくなる。さらに、近走の勝ち鞍はすべて2ヶ月以上の間隔を空けて出走したレースだが、今回は中2週のローテーション。人気の高さに対して未知数の要素が多い点が気掛かりだ。

連覇を目指す5歳牝馬のカノヤザクラ。昨年は大外枠の18番ゲートに入ったが、今年も8枠17番と枠順に恵まれた。7ヶ月半の休養からCBC賞を1走使ったローテーションを見れば、このレースを含めてサマースプリントシリーズに狙いを定めたことは歴然。有力候補の1頭と考えていいだろう。
あえて問題点を探すならば、前走の負け方。馬場状態を考えれば不利な内枠だったとはいえ、後方ままで全く伸びず11着という結果は物足りない。このレースが目標である以上、前走を度外視することもできるのだが、その分、叩き2走目でどこまで調子を上げているかがカギになる。本調子でない場合は、昨年よりも1キロ増となった斤量(55キロ)も微妙に影響するかもしれない。ちなみに、昨年は叩き3走目でCBC賞5着からの参戦だった。

GⅠ・高松宮記念5着以来の休み明けとなるコスモベル。5歳牝馬で54キロ、7枠15番。この馬にも有利な条件が揃った。「夏場に調子を上げる馬」「今年に入って本格化」と陣営の期待も大きい。
不安点は、エイシンタイガーと同じく、直線競馬への適性。2走前のGⅢ・オーシャンS2着、前走のGⅠ・高松宮記念5着は、いずれも最内枠から好位につけ4コーナーから内へ潜り込んだ結果。つまり、コーナリングの器用さが好走につながったという見方ができる。先にも述べたように、直線1000mのレースに求められるのは器用さよりもスピードの持続力。芝・1200mの持ち時計はメンバー中トップではあるが・・・。

1600万→オープンを連勝してこのレースに臨むシャウトライン。2走前の直線1000m・駿風Sでは2着馬に0.4秒差をつける快勝。直線競馬の適性の高さを示した結果と言えるだろう。近6走は4勝2着1回。勢いという点では、エイシンタイガー・アルティマトゥーレと比べても見劣りしない。
ただし、こちらは5歳牡馬。牝馬・3歳馬との斤量差がどう影響するか。前走のバーデンバーデンC勝ちよりも2キロ増となる点も若干気になる。

51キロで出走する3歳牝馬のコウエイハート。6枠11番という枠順も悪くない。これまでのレースぶりを見る限り、スタートが良くハナに立つが他馬に絡まれると後退というパターンが多い。それゆえ、馬群がバラけやすくスピード重視の直線1000mは、この馬に向いているようにも思えるし、マイル戦(阪神JF・桜花賞)ではパッタリ止まってしまうことから距離短縮はプラスに違いない。
もっとも、今回は古馬との初対戦。過去にこのレースを制した3歳牝馬(テイエムチュラサン・サチノスイーティー)には古馬との対戦実績があった。大駆けの魅力もあるが、必要以上に期待するのは危険かもしれない。

大外18番に入ったアポロドルチェは昨年の3着馬。GⅠ・スプリンターズSでも5着。実績的には侮れない1頭だ。
ただし、昨年は3歳で53キロの斤量。今回は3キロ増となる。昨年の最内枠よりも条件が格段良くなったようにも見えるが、この馬にとっては、必ずしも大外枠が有利とは言えない部分もある。スタートがいい馬ではないため(前走と3走前には出遅れ)、馬群全体が外ラチに寄った時に前が壁になるリスクも生まれやすいからだ(これはカノヤザクラにもあてはまる)。

枠順に恵まれたと思えるのは、逃げ馬のウエスタンビーナス(8枠16番)。近走の1200mのレースでは外枠に入ることが多く、無理にハナを奪うレースが続いていたが、今回はスタートダッシュを決めれば先手を取れる条件。加えて、前走は好位からの競馬で0.1秒差(4着)という結果。仮にハナに立てなくても、前に馬を置いて脚を溜める競馬ができれば、上位に食い込める可能性もあるだろう。人気はないが注意したい1頭である。

前走・バーデンバーデンCで末脚の光ったクールシャローン、3年前の勝ち馬で叩き2走目でここに狙いを定めてきたサチノスイーティー、復活を期して参戦するGⅠ馬・ゴスホークケン、潜在的なスピード能力が評価されているアポロフェニックスなど、伏兵馬を上げればきりがない。
あえて面白そうな存在を上げるならばマルブツイースター。2年前の小倉2歳Sの勝ち馬だが、近走は中途半端なレースが続き2ケタ着順が続いていた。ところが、前走のバーデンバーデンCでは逃げを打って0.4秒差。今回、初めてブリンカーを着用するということは、前走同様思い切った競馬をすると思われる。できれば外枠が欲しかっただろうが(1枠2番)、有力馬が外枠に集まったことで内の馬群がバラけて逆に走りやすくなるかもしれない。最後まで集中力が途切れずに先行できるようならば、前々での残り目も考えられる。



■お知らせ (7.16)

暑い日が続いていますね。
皆様、体調にはくれぐれもお気をつけください。

昨日、このブログをサポートしてくれている出版社・総和社の担当の方から、「ブログの来訪者数が増えています」という報告を受けました。
本当にありがたく思っています。

改めてブログを読み返して気づいたことがあります。
それは、『レースの展望と検証』(予習・結果・復習)だけが並んでいた方が、競馬のブログとして読みやすいのではないかということです(特に初めてこのブログに来ていただいた人にとって)。
そこで、「コメントへの返礼」については、これまでのようにブログの本文ページではなく、皆様からいただいたコメントの下に付けるようにしたいと思います。
勝手ではありますが、何卒ご了承ください。

(電気羊さん、返事はコメントの下に付けておきました。よろしくお願いします)


安東 裕章

■七夕賞・復習

ハンデGⅢ・七夕賞を制したのは、1番人気に支持されたミヤビランベリ。昨年に続いての連覇となった。
53キロの軽量を活かして逃げ切った前年とは違い、57キロを背負って外目の好位から押し切る強い競馬。この1年で身につけた“自在性のある走り”が本物であることを証明した結果であり、戦前の下馬評にもあった通り、“本格化”と見ていいだろう。
若手の北村友騎手も好騎乗だった。4コーナーで膨らんだり直線でヨレたりはしたものの、道中のポジションと外目のコース取りは理想的。ジョッキーに関しても成長が見られたレースのように思える。
サマー2000シリーズ1戦目にして10ポイントを獲得。当然、シリーズ連覇への期待もかかる。ただし、57キロで勝ったことによって、今後のハンデGⅢではそれ以上の斤量を背負わされるのは必至。陣営もその点を考慮して「次走は別定GⅡの札幌記念」と公言した。別定GⅡとなれば、これまで以上の骨っぽい相手と戦うことになる。ワンランク上の条件でどのような走りを見せてくれるのか。ブエナビスタが出走予定の札幌記念は、さらに楽しみな一戦となった。

2着のアルコセニョーラは直線で馬群の間を縫うように差してきた。上がりはメンバー最速の34秒6。展開がハマった時(=時計のかかる上がり勝負)には最高のキレ味を見せてくれる馬である。例によって、道中は後方からの競馬だったが、馬場の荒れていない部分を通ってレースを進めたことが最後の伸び脚につながったと考えていいだろう。
次走はおそらく新潟記念。昨年同馬が勝ったレースである。ハンデは重くなるだろうが、結果如何ではシリーズ制覇の可能性も残されている。ぜひ、万全の状態で出走してきてほしい。

2番人気のホッコーパドゥジャはハナ差の3着。「もう少し前に行きたかった」という内田博騎手のコメントの通り、スタート後の位置取りが後ろすぎたようだ(レコード勝ちの福島民報杯では前々の競馬)。それでも、ゴール前の伸びには見所があった。元々、時計の速い馬場向きと言われている馬。この1戦で評価を落とす必要はない。

トウショウシロッコ(4着)は早めに好位に取り付き最後まで渋太く粘る競馬を見せた。24キロ減の馬体重だったが、関係者のコメントによれば「影響はなかった」とのこと。休み明けの分、若干掛かり気味で左右にフラつき審議の対象となったが、実力をアピールすることはできたと思われる。

上位3頭は馬場の伸びる外目を通った馬。結果的に、直線のコース取りが勝負を分けたレースだった。加えて、1着から9着までが0.5秒以内の混戦。七夕賞の着順だけで能力差を判断するのは早計だろう。
5着のデストラメンテ、8着のイケトップガンは直線で荒れた内へ進路を取ったために届かなかった。7着のシャドウゲイトは4コーナーの不利で外に振られるロスがあった。これらの馬には次走で見直せる余地が十分にある。2ケタ着順に終わったミストラルクルーズ、レオマイスターにしても、外目の枠に入っていれば違った結果になっていたはずだ。
七夕賞の結果は馬場状態に左右された部分が大きい。このレースに限らず、今開催後半の福島・芝のレースを走った馬の次走については、「荒れ馬場が有利に働いたか、不利に働いたか」という検討が必要になるだろう。荒れ馬場の福島での好走が、野芝で行われる高速の新潟・小倉での好走につながるとは限らない。



■七夕賞・結果

2009年7月12日 2回福島8日11R
第45回 七夕賞(GⅢ)
芝・2000m 曇・良

 1着 ミヤビランベリ       北村友   2.00.2
 2着 アルコセニョーラ     武士沢   3/4
 3着 ホッコーパドゥシャ    内田博   ハナ

単勝 14  460円(1番人気)
馬連 8-14 2090円  馬単 14→8 3970円
3連複 8-13-14 3780円  3連単 14→8→13 21170円



■七夕賞・予習

サマー2000シリーズの第1戦となるハンデGⅢ・七夕賞。大波乱とまではいかないものの、常に人気が割れるため、配当的には荒れる傾向にある。今回も前売り段階で1番人気の単勝が5.0倍(ミヤビランベリ)、10倍以下が5頭という混戦模様。中心馬の絞りにくい難解なレースである。

昨年のこのレースの覇者・ミヤビランベリ。前走のGⅡ・目黒記念では2着に5馬身差をつける圧勝。道悪条件に恵まれた部分もあるが、以前の逃げ一辺倒の走りではなく好位4番手から抜け出す強い競馬をしたことで、“本格化の印象”という声も上がっている。
福島芝実績は〈1.1.0.0〉、荒れ馬場を苦にしないタイプで、好走の条件は揃ったと言えるだろう。さらに、管理する栗東・加藤敬調教師は通算400勝にあと2勝という状況。記録達成を前に盛り上がる陣営のムードが追い風になる可能性もある。
問題はハンデ。昨年は53キロの軽量で楽な逃げ切り勝ちだったが今回は57キロ。前走からもプラス2キロになる。軽量馬の活躍が目立つレースではないが、斤量増で出走するのはこの馬だけということもあり、他馬とのハンデ差が結果に影響するかもしれない。さらに、この馬の場合、上位人気に支持されたことが少ないため、自身が目標にされるレースの経験がほとんどない。他馬からマークされる展開になった時に、先行・好位から押し切るレースができるかどうか。若手のホープ・北村友一騎手の乗り方に注目したい。

トップハンデの57.5キロを背負うシャドウゲイト。実績面ではナンバー1。ここ2走は斤量58キロのレースだっただけに、たとえ0.5キロでも軽くなることは有利に違いない。前走のGⅡ・金鯱賞では勝ったサクラメガワンダー(宝塚記念2着)に0.2秒差。GⅠ馬の“復活の兆し”を確認できた一戦だった。陣営によれば、前走は調整不足だったとのこと(馬体重はプラス6キロ)。叩き3走目で力を出せる状態ならば、アッサリ勝っても不思議ではない。
この馬に関しては、荒れ馬場への適性がカギになるだろう。近2走はともに良馬場で、上がり34秒台の脚を使って先行・好位から後続に差をつけるレースだった。荒れた馬場を苦にするようならば、重い斤量が影響して直線で伸びを欠く。そうなれば、軽量馬の外差しに出し抜かれるケースも考えられる。

実績面から言えば、トウショウシロッコも上位と見なすことができる。昨年のオールカマーで3着、今年のAJCCでも3着と、別定GⅡでも好勝負できる力を持っている。メンバー的にも有利になった今回、56キロの斤量は妥当と言えるだろう。
取捨選択については、「4ヶ月の休み明け」をどう判断するかがポイント。格上のレースが続いていたため、GⅢならば有力という見方もできるが、逆に、“当初からこのハンデ戦が目標なのか?”という疑問もある。ここはあくまで叩き台で、GⅡ・札幌記念から最終的には天皇賞・秋を狙っているとも考えられるからだ。あるいは、〈0.1.1.0〉の実績のある新潟のGⅢ・新潟記念(昨年3着)から中山・オールカマーという路線も想像できる。能力的には馬券に加えたい1頭だが、ローテーションの裏付けを見つけるのが難しい。

トウショウシロッコと同じく56キロを背負うホッコーパドゥシャ。2走前の福島民報杯(芝・2000m)をレコード勝ちで制している。もっとも、福島民報杯は内が伸びる馬場で好位抜け出しが決まったレースで、今の福島とはコンディションが大きく異なる。さらに、この馬の場合、重賞での好走実績もなく、オープンの勝ち鞍も福島民報杯のみ。斤量については多少見込まれたように思える。
もちろん、プラス材料もある。馬場のいい所を走れる外枠を引いたこと、そして、福島リーディングがほぼ確実の内田博騎手を鞍上に迎えたことは強味。また、間隔の開けた後エプソムCを使ってこのレースに臨むローテーションからも、勝負気配を見出すことができる。

アルコセニョーラは07年のGⅢ・福島記念勝ちの実績を持つ福島巧者(実績は〈2.2.0.5〉)。重賞2勝の実績(いずれもハンデ戦ではあるが)で53キロは恵量と言っていいだろう。夏に調子を上げる牝馬で、陣営も「サマー2000シリーズでの活躍を期待」とコメントしている。
とは言え、展開に左右されるムラ馬という印象はどうしても拭えない。近走はすべて4コーナー10番手以降の競馬。昨年の新潟記念を勝った時は直線半ばで抜け出して後続を突きはなしたが、直線の短い福島ではゴール前が混戦になった時にハンデ差を活かして外から差してくるパターンになるはず。はたして、注文通りの展開になるかどうか。押さえておきたい1頭ではあるが・・・。

昨年の七夕賞で2着に入ったミストラルクルーズ。休み明けから別定GⅡ(金鯱賞)、別定GⅢ(エプソムC)を使い、3走目にハンデGⅢを走らせるというローテーションは、当初からの狙い通りだろう。勝負気配はかなり高いように思える。
不安点は最内枠。差し馬なので、一旦下げてから外に出す形になるだろうが、2000mよりも1800mに良績のある馬だけに、その分の距離損とコースロスは不利になる。
ちなみに、鞍上の柴田善騎手は土曜のメイン・松島特別(芝・2000m)でも1枠1番(アサヒバロン)に入り、そこでは馬場の荒れたインを突くレースをした(結果は4着)。ベテランジョッキーがどのような作戦を立てるか。その点については非常に興味深い。

サマー2000シリーズは5戦中4戦がハンデ戦。それゆえ、1600万を勝った馬が斤量差を活かして、シリーズのポイントを狙いにくるケースも考えられる。昇級戦の軽量馬にも注意が必要だろう。

1600万の阿武隈Sを勝って連闘で挑むレオマイスター(54キロ)。福島芝実績は〈3.1.0.1〉、3歳時にはGⅢ・ラジオNIKKEI賞勝ちがある。コース適性からは狙える馬だが、前走は12頭立てでスムーズなコース取りをできたのが勝因。フルゲートで、しかも馬場のいい所に馬群が殺到することが予想される今回、同じようなレースができるかどうか。
前走、休み明けのジューンS(東京・芝・2400m)を制して重賞に挑むシルバーブレイズ(54キロ)。叩き2走目の上積みが見込める。ただし、ローカル実績のない馬だけに、馬場の荒れた小回りの福島をこなせるかどうかがカギ。
3ヶ月半の休み明けになるイケトップガン(53キロ)。骨折放牧ではあったが、帰厩も早く1ヶ月半にわたって乗り込まれているならば、出来自体の心配はいらないかもしれない。福島芝実績は〈2.1.1.1〉。53キロの差し馬ならば穴馬の資格も十分。もっとも、陣営のコメントは「走りそのものは新潟の方が向いている」といくぶん弱気である。
デストラメンテ(54キロ)も昇級組の1頭。夏に調子を上げるタイプで侮れない存在だ。福島芝実績は〈0.2.0.1〉。脚質は先行。したがって、有力馬(ミヤビランベリ、シャドウゲイト)との兼ね合いがポイントになるだろう。仮に、このレースで上位に入ってサマーシリーズのポイントを獲得できれば、〈3.1.0.0〉の新潟芝実績を持つ同馬は新潟記念で勝負をかけてくるに違いない。つまり、今年のサマー2000シリーズの有力候補に浮上する可能性もあるということだ。まずは、今回の走りと結果に注目したい。

土曜日の福島・芝レースを見る限り、馬場の5分どころを境にして、外側が伸びる傾向が目立っていた。前述の松島特別を制したドリームノクターンも5分のラインを通っての勝利。七夕賞に関しても、そのラインを有効に走れるのはどの馬かという、展開面での予想が重要になってくるだろう。



■コメントのお礼 (7.9)

ジェイさん、Yoshiさん、
コメントをいただき、ありがとうございます。

ジェイさん、はじめまして。
『ツボ3』のご購入、ありがとうございます。
(出版社のまわし者のような言い方ですが・・・笑)
『競馬のツボ』が少しでも参考になっているのならば、うれしい限りです。
これからも、遊びに来てくださいね。

Yoshiさん、
毎回、心暖まるお言葉をありがとうございます。
自分の考え方に共感してくれる“仲間”(味方というよりも仲間という感覚です)がいることは、
大きな励みになります。
これからも、一緒に競馬を楽しんでいきましょう!
ところで・・・ひとつお願いがあるのですが・・・、
「安東様」という呼び方を、「安東さん」にしていただけないでしょうか?(笑)
なんだか照れ臭いですし、別に偉くありませんので・・・(笑)

とりあえず、レビューに関しての話はこれで“打ち止め”にしたいと思います。
皆さんの応援メッセージから、たくさんの力をもらうことができました。
ありがとうございます。

気がつけば、もう週末。
今週も競馬を楽しく勉強したいと思います。
(七夕賞、難しそうですね・・・)


安東 裕章


■コメントのお礼 (7.8)

ぶらんちさん、かなとさん、
コメントをありがとうございます。

ぶらんちさん、はじめまして。
「レースをやっつけてやろう!」という感覚、
とてもよくわかります!(やっつけるっていう表現、いいですね~・・・笑)
“馬券を当てたい”“配当を手にしたい”ではなく、
まず“レースを完璧に見切りたい”という気持ちですよね。
私自身も同じです。
そういった貪欲さを持ち続けて、
結果につなげていきたいですね。
これからも大いに競馬を楽しみましょう!

かなとさん、いつもコメントをいただき、
ありがとうございます。
『競馬のツボ』の意図をしっかり汲んでくださっているようで、
本当にうれしく思います。

Amazonのレビューに関しては、私自身はそれほど気にはしていません。
もちろん、決して愉快ではありませんし、
『ツボ』を評価してくれた読者までをバカにしたような言い方にも腹が立ちます。
たしかに、かなとさんのおっしゃる通り、読む人の価値観は十人十色ですし、
辛口の評価があるのも当然だと思います。
ただ、あのレビューについては、
「手の込んだサクラ」という言われなき一文があるために、
「こういう評価があるのか」ではなく、
「こういう人間もいるのか」という受け取め方になってしまいます。
出版社の人間も、ぶらんちさんと同じように
「やっかみですよ」と言ってくれました。

いろいろとご心配をおかけしてすみませんでした。
お心遣いを感謝いたします。


安東 裕章



■コメントのお礼 (7.7)

tarouさん、電気羊さん、コメントありがとうございます。

tarouさん。
『競馬のツボ』を高く評価してくださっているようで、大変恐縮です。
Ⅲを読み終えて、感想などありましたら、聞かせてくださいね。

電気羊さん。
宝塚記念の的中、おめでとうございます!
『ツボ』とは関係なく、はじめからドリームジャーニーを本命視されていた
ご自身のお力に間違いありません。
これからもその調子でがんばってください!

今回のお二人に限らず、心あたたまるコメントをくださった皆様には
本当に感謝しています。
「楽しんでいる」「参考になる」といった言葉をいただくと、
“少しは役に立ったのかな・・・”と思うことができます。

実は、ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、
数日前、ネットショップのAmazonの『競馬のツボ』に
酷評のレビューが付きました(評価は最低の星1つです)。
本を買って読んでいただく以上、
批判的な意見にも耳を傾けなければとは思いますが、
それでも
「バカでもわかる内容」「呆れて物が言えない」
「(Amazonで)高い評価を得ているのは手の込んだサクラ(=ヤラセ)」
とまで言われてしまうと、
自分の創作物を世に送り出すことは
実はとても怖いことなんだなと考えてしまいます。
(もちろん、サクラなど事実無根の言いがかりですが・・・)

『競馬のツボ』は、競馬の勝ち方や儲け方を教える本ではありません。
ですから、役に立たないと思われる方も多いと思います。
私自身が『競馬のツボ』で述べたかったこと、
それは“競馬の楽しみ方”です。

競馬というものは、考えれば考えるほど、
そして、見方が広がれば広がるほど、
レースや競走馬に対しての
興味や楽しみが増えていくものだと信じています。
それは同時に、馬券の的中につながる
知識やノウハウが身につくことでもあります。
『競馬のツボ』は、そうした知識やノウハウの“身につけ方”、
言い換えれば、予想における“ヒントの見つけ方”を
著者自身がモデルとなって読者に提案している本。
そのようにご理解いただければ、と思います。

長くなってしまいました。
これからも、できる限りブログを続けていきたいと思っています。
今後ともよろしくおねがいします。


安東 裕章



■ラジオNIKKEI賞・復習

荒れる3歳ハンデ重賞は今年も馬連万馬券の波乱となった。
最も大きなポイントと思われるのは、「内が荒れて外が伸びる馬場状態」。土日の福島で行われた芝・1200m戦がほとんど外枠の馬で決まっていることからもわかるように、馬場のいいところを通れるかどうかという“枠順の有利・不利”が、このレースでもはっきりと結果に表われた。
終わってみれば8枠2頭の連対。道中、馬場の荒れていない外目を進めたことが直線での伸び脚につながったのだろう。ちなみに、ラップの推移を確認してみると、ゴール4F手前から11秒台が2回続いている。これは、3コーナーから馬群が一斉に動き出した(=馬群がバラけなかった)ことを表わすもの。内に入った馬にとっては外に持ち出しづらい展開でもあったということだ。

大外から鋭い伸び脚を見せた1着のストロングガルーダ。元々NHKマイルCを目標にされていた馬である。トライアルのニュージーランドTを除外になったためにクラシック戦線に参加できなかったが、陣営期待の3歳馬であったことは間違いない。昨年11月から半年間休養して馬体の成長を促したことも、陣営が先々の活躍を見込める将来性を信じていたからだろう。今回、未経験だった右回り、そして小回りのコースを克服したことは大きい。秋はマイル戦線に矛先を向けるということ。古馬の牙城を脅かす存在になれるよう、さらなる成長を期待したい。

2着には波乱を演出した13番人気のサニーサンデー。近走はハナに立つ競馬が続いていたため、展開面で不利かと思われたが、このレースでは4~5番手で折り合い直線で抜け出す競馬を見せてくれた。福島開催で乗れている吉田隼騎手の好騎乗も光ったが、脚質に幅を見せたことは何よりの収穫だろう。前走の2000m・プリンシパルSでは大敗を喫しているが、それ以前は同じコース形態と言える中山・芝・1600m戦で未勝利・500万を連勝した実績の持ち主。それを考えれば、評価が低すぎたと言えるかもしれない。

2番人気に支持されたストロングリターンは、メンバー最速の上がり(35秒6)を駆使したものの、届かず3着。内田博騎手の「内枠で外に出せず苦しい競馬だった」というコメントの通り、直線で大外に持ち出すまでにずいぶんと手間取った。外目の枠を引き、スムーズなレースが出来ていれば結果は違っただろう。
最内枠に入ったワシャモノタリンの中村騎手とケイアイドウソジンの吉田豊騎手も「内枠が厳しかった」というコメントを残している。やはり“枠順の有利・不利”が結果につながる大きな要因だったわけである。

4着のイコピコはいいポジションでレースを進めていた。3コーナーからマクリ気味に進出したが、最後は届かず3着にクビ差。伸び脚の差は斤量(トップハンデ・57キロ)の影響と考えていいだろう。
1番人気のイネオレオは後方待機から直線勝負に賭けたが6着。北村宏騎手は「もっと積極的に動けばよかったかもしれない」とコメントしている。
もっとも、この2頭については、決め手の活かせる馬場になれば見直せる部分も多い。コース適性が向いていると思われるレース(例えば、新潟・東京・京都などの広いコース)で再度注目したい。

1~3着馬に関しては、レースの流れも味方したように思える。ハイペースではないものの、淀みのない展開になったことで、1800mのレースは2000m寄りではなくマイル寄りの流れになった。前走1000万のマイル戦(エーデルワイズS)を勝ったストロングガルーダ、先にも述べたように中山のマイルを連勝したサニーサンデー、前走オープン・葵S(芝・1400m)で1分20秒5の好タイム(4着)で走ったストロングリターン。いずれも、中長距離よりもマイル以下向きの適性がうかがえる馬。前に行きたいタイプが多いメンバー構成を考えれば、こうしたレースの流れと適性の向き・不向きを予想できたかもしれない(またひとつ勉強になった)。

馬場状態に大きく左右された今回のレースは、ある意味、“特殊なレース”と考えていいだろう。梅雨時の開催後半の荒れた芝の特長というものを、来年のためにもしっかり覚えておきたい。と同時に、次週開催されるGⅢ・七夕賞の予想にも、大きく反映される条件であるに違いない。



■ラジオNIKKEI賞・結果

2009年7月5日 2回福島6日11R
第58回 ラジオNIKKEI賞(GⅢ)
芝・1800m 曇・良

 1着 ストロングガルーダ    蛯名   1.48.3
 2着 サニーサンデー     吉田隼  クビ
 3着 ストロングリターン     内田博  1+1/4

単勝 16  1010円(5番人気)
馬連 15-16 16700円  馬単 16→15 26100円
3連複 3-15-16 50330円  3連単 16→15→3 347250円

■ラジオNIKKEI賞・予習

3歳のハンデGⅢ・ラジオNIKKEI賞。別定戦で行われていた時期から波乱の多いレースとして知られていたが、ハンデ戦となった3年前からさらにその傾向がより顕著になった。ハンデ戦である以上、実績を評価された馬は斤量を背負うことになるわけだが、過去3年でハンデが55キロ以上の馬は〈0.1.1.10〉と結果が出ていない。その理由については、複数の専門書が「ハンデを決定する対象レースが少ないため表面上の実績だけでハンデが決められている」と解説している。いずれにしても、データ的には「オープン勝ちやGⅠ出走歴のある重ハンデ馬よりも500万を勝ち上がった軽量馬の方が狙い目」ということになりそうだ。

このレースを考える上でのポイント、それは“脚質”だろう。過去3年における1~3着馬のコーナー通過順位には、好走馬の特長がはっきりと表われている。

2006年
 1着 タマモサポート    4→4→4→2
 2着 ソングオブウインド  12→13→11→9
 3着 ステラマドレード    8→9→4→3

2007年
 1着 ロックドゥカンブ    3→3→2→1
 2着 スクリーンヒーロー  9→9→8→1
 3着 イクスキューズ    10→10→7→4

2008年
 1着 レオマイスター    9→8→4→3
 2着 ノットアローン      2→2→1→1
 3着 ダイバーシティ    4→4→7→6

このように、道中でポジションを押し上げていく“マクリの競馬”をした馬が馬券に絡んでいるのである。
土曜日(7月4日)のメインレース・阿武隈S(芝・2000m)の連対馬も同様の競馬をしていた。

 1着 レオマイスター    10→10→8→5
 2着 ダブルヒーロー    6→7→5→4

以上のことから、“マクリの競馬”ができるかどうかが、今の福島の馬場で好走できる条件のひとつと考えてもいいだろう。実際、土曜日の8Rに行われた500万下(芝・1800m)の連対馬の馬柱表を見ると、1着のトウショウデザートは2走前が「8→6→4」、前走が「5→7→2」。2着のユキノセントウは2走前が「11→6→5」、前走が「12→2→1」というように、“マクリの脚”を使った記録を残している。今回のラジオNIKKEI賞に関しても、その点に注目してみたい。

前売り段階で1番人気に支持されているのは、ストロングリターン(55キロ)。2走前の中山・500万下を「7→5→4」の“マクリの脚”で快勝、2着馬に0.4秒差をつけている。鞍上の内田博騎手は、前年の勝ち馬・レオマイスターに騎乗。福島コースでの勝ち方は心得ているはずだ。
不安があるとすれば、距離実績。内が荒れた馬場では外を回る形になるためコースロスが生まれる。したがって、コースロス分の“レース距離プラス1ハロン”の距離経験が活かされることが多い。ストロングリターンの場合、レース距離の1800mの経験が1走あるだけで、2000m以上の距離を走ったことがない。馬群の外から“マクリの競馬”をした時に距離経験の少なさがどのように影響するか。内田博騎手の乗り方がカギになるだろう。

前売り2番人気はイネオレオ。前走はオープン・白百合Sで3着。今回はそれより1キロ減の55キロでの出走になる。4走前は「4→4→2」の通過順位で未勝利戦勝ち。2走前はGⅡ・青葉賞で0.3秒差の5着。ダービーの権利獲りを逃しただけに、ここを勝って賞金を加算し、秋の菊花賞を目標にしたいというのが陣営の思惑だ。
イネオレオが3着に入った白百合Sを勝ったのがイコピコ(前売り3番人気)。3勝馬で57キロのトップハンデ。4走前に「16→14→10」、3走前に「14→11→7」という“マクリの脚”を使っている。
もっとも、この2頭の関西馬には共通する不安材料がある。それは、前走の白百合Sで、ともに上がり33秒台の脚で結果を残していることだ(イコピコの場合は、3走前の500万勝ちも上がり33秒6)。良馬場+スローペースだった白百合Sと、時計のかかる荒れ馬場で行われる今回のラジオNIKKEI賞とでは、あまりにも条件が異なる。白百合Sの2着馬・ヤマニンウイスカーが次走の古馬混合戦(HTB賞)を勝ったことから、レース自体の評価が上がっているようだが、パワーが要求される荒れたコースで決め手が活かせるかどうかは疑問である。

マイネルエルフ(56キロ)は1勝馬だが、重賞戦線でも掲示板に載ることができる堅実派。実績ではメンバー1と言ってもいいだろう。脚質も道中動いて直線で先団に取り付けるタイプ。クラシック戦線で揉まれた経験値を考え合わせれば、最も“買いやすい馬”かもしれない。問題は上積みと回復。春には一度ピークに仕上げられた馬だけに、現状の勢いといったものは望みにくい。リフレッシュ放牧を挟んで、どこまで調子が戻っているかが気になるところだ。

イコピコと同じく3勝馬のストロングガルーダ(56キロ)。前走は1000万のエーデルワイズS勝ち。この馬に関しては未知の部分が多い。全5戦が東京と新潟の「左回りの広いコース」に限られているからだ。小回りの福島向きの走りができれば“勝ち負け”になる力はあるかもしれないが、逆に、レース経験の少ない3歳馬がコース替わりに戸惑うことも考えられる。

52キロのワシャモノタリン。2連勝中の勢いを買われて穴人気になっている。3走前の福島戦では「6→5→3」の“マクリの脚”を使って0.1秒差の3着。伏兵の資格は十分にある。あとは、最内枠がどうかだろう。馬群の内に閉じ込められたまま直線を向く展開は今の馬場状態では不利。どこで外に出すか。騎乗成績〈2.0.1.5〉の主戦・中村騎手の乗り方に注目したい。

前走、東京・ロベリア賞(500万)で2着馬に0.3秒差をつけたケイアイドウソジン(53キロ)。阪神の未勝利戦では「7→5→4」のポジション通過で勝っている。この馬もワシャモノタリンと同じく内枠をどうこなすかにかかっている。

前3走、メンバー最速の上がりを記録したメイショウコウセイ(53キロ)。この馬の場合は、イコピコ、イネオレオと同じく、“決め手勝負の展開になれば”という注文がつく。加えて、芝ではマイル以上の距離経験がない。流れが速くなりゴール前が混戦になるようなレースになれば台頭するかもしれないが・・・。

無欲の一発があるとすれば、52キロのシャイニーデザート。出遅れ癖がネックだが、外枠に入った今回はそれほどの影響はないだろう。おそらく後方からの競馬になると思うが、先行勢がやり合うような展開になれば、軽量を利して外から突っ込んでくるかもしれない。
逆に後ろが牽制し合うようであれば、前走で福島の重馬場を逃げ切ったスーパーシズクン(52キロ)の粘りこみにも注意した方がいいだろう。




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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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