■2009年08月

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■新潟記念・結果

2009年8月30日 3回新潟6日11R
第45回 新潟記念(GⅢ)
芝・2000m 曇・良

 1着 ホッコーパドゥシャ     江田照   1.59.6
 2着 サンライズベガ        池添     クビ
 3着 メイショウレガーロ     村田     1/2

単勝 5  990円(5番人気)
馬連 5-6 4590円  馬単 5→6 9080円
3連複 5-6-8 36460円  3連単 5→6→8 196790円


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■新潟記念・予習

サマー2000シリーズの最終戦となるGⅢ・新潟記念。フルゲート18頭のハンデ戦は文字通り混戦模様。前売り段階での単勝1番人気は6.8倍(アルコセニョーラ)、10倍以下が6頭と人気も割れ気味で、おそらくレース直前までオッズは変動するに違いない。
このレースのポイントは3つ。
ひとつはサマー2000シリーズチャンピオンの争い。
現在トップのサクラオリオン(15P)を逆転する可能性を持った馬が3頭出走するが(ダンスアジョイ、ホッコーパドゥシャ、アルコセニョーラ)、当然ながら、3頭にとってはここが目イチの勝負となるはず。陣営のモチベーション(勝負気配)という点では、他馬よりも“買い”の材料があると考えていいだろう。
次に『競馬のツボ3』のレースサンプル(昨年の新潟記念)でも取り上げた“夏場の消耗度”。
「夏にベストの状態で走れるレースは2走まで」というのが基準になるわけだが、実際、過去5年間に新潟記念で馬券に絡んだ15頭のうち、7~8月に2走使って、3走目に新潟記念に出走した馬はわずかに2頭しかいない(2004年3着のトーセンダンディ、2008年3着のトウショウシロッコ)。他の13頭は夏2走目か2ヶ月半の休み明け(2006年・トップガンジョー)だった。買い目を決定する上での絶対条件とまでは言えないまでも、ローテーションについては一応の注意を払った方がいいかもしれない。
最後のひとつは展開。
前へ行くと思われる馬がメイショウレガーロとサンライズベガくらいしか見当たらないこのレース、専門紙の多くは「スローの上がり勝負になる」という見方をしている。となれば、ある程度速い上がりに対応でき、しかも新潟外回りの長い直線を走り切れる持続力も必要になってくる。各馬の脚質や近走のレースぶりについての検討が必要ということだ。

1頭ずつ考えてみよう。

アルコセニョーラは昨年の勝ち馬。前走の七夕賞は2着、夏2走目の出走となる。新潟芝実績は〈1.2.1.0〉。得意のコースでシリーズチャンピオン座を手中におさめたいところだろう。若干ムラ馬的な印象もあるが、上がりの速い競馬にも対応できるし、仮に馬場が渋っても、それなりの脚を使える強味がある。
気になる点は、斤量が54キロに増えること。420~430キロ台の小柄な牝馬だけに、少なからず影響があるかもしれない(昨年このレースを勝った時は52キロ)。陣営も出走登録の際に「ハンデが53キロ止まりなら」というコメントを残している。

前走、小倉記念を制したダンスアジョイ。夏は2戦目。このレースで連対すればチャンピオンの可能性が残されている。小倉記念勝ちは、馬群の開いた内を突いた角田騎手の好騎乗に因る部分が大きかったが、実績のなかった右回り+小回りで結果を出せたことは収穫だったに違いない。今回は得意とする左回り(新潟芝は〈0.1.1.0〉)。昨年秋のアルゼンチン共和国杯では3F32秒9の数字をマークしているように、上がり勝負にも向いている。
不安点をあげるならば、苦手のコース(小倉)で好走した反動。近走を見る限り、続けて好走するタイプではないことも気になる。加えて、2枠3番に入ったこともプラスとは言い難い。直線で内に進路を取るか、あるいは、コースロスを覚悟で伸びる外を回すか。コース取りが勝負の分かれ目になるかもしれない。

ホッコーパドゥシャは七夕賞3着、小倉記念2着と上位に入ってポイントを重ねてきた。4走前の福島でレコード勝ちがあるように、時計勝負には対応できる能力はあるだろう。
問題は夏3戦目となるローテーション。サマーシリーズを連続して目イチの仕上げで出走したとなれば、蓄積された疲労が心配だ。さらに、この馬の脚質は、どちらかと言えば一瞬のキレで勝負するタイプ。新潟外回りコース向きとは思えない。左回りコース実績〈1.0.0.8〉という数字も気になる材料だ。
前売り段階では9番人気。1~2番人気に支持された前2走よりも大きく評価が下がっているのは、そうしたマイナス材料が原因なのかもしれない。

実績ならばエアシェイディ。GⅠ戦線でも掲示板に載る馬だけに、ここでは間違いなく“格上”だ。
もっとも、今回は6カ月半の休み明け。背負い慣れているとはいえトップハンデの58キロ。目標も天皇賞・秋(陣営談)であることがわかっている。能力的には侮れないが、ここはあくまで秋本番に向けての“使い出し”と考えた方が無難だろう。

57.5キロを背負うマルカシェンクも実績上位の馬。休み明けの前走・関屋記念を叩いて夏2走目。近走はマイル戦が中心だったが、2000mでも〈2.0.0.0〉の距離実績がある。出遅れ癖のある馬なので、中盤までにポジションの修正が可能な距離延長は、むしろ好材料と考えられる。
ただし、ひとつのレースに向けてあまりにも変更点が多いのはどうだろうか? レース距離の変更に加えて、調教も坂路に変え、さらにブリンカーの着用。走りの面で効果が出るかもしれないが、馬自身が変化に戸惑う危険性もある。

昨年の3着馬・トウショウシロッコ。休み明けの七夕賞5着の後、ここが夏2走目。GⅡ・AJCC3着の実績があり、一時は“本格化”を思わせる走りを見せた。新潟芝実績は〈0.1.1.0〉。斤量に関して言えば、据え置きの56キロは恵まれた感もある。
不安点は、休み明けの前走・七夕賞で24キロ減った馬体重。「休養前は太かった」(陣営談)とはいえ、勝ち馬に0.1秒差の4着という好走を見せただけに反動が気掛かりだ。さらに、この馬の場合、モタれ癖があるため、ラチ沿いに進める“好位のイン”がベストポジション。8枠17番に入った今回、道中その位置で競馬ができるかどうかがカギになるだろう。キレる脚を使うタイプではないので、外々を回らされ続けるレースになれば、思わぬ大敗もあり得る。

新潟芝実績〈3.1.0.0〉のデストラメンテ。以前は数字が示す通りの“新潟専門”の馬だったが、昨年秋には中山でも勝ち、前走の七夕賞でも0.2秒差の5着と、小回りコースにも対応できる走りの幅を見せるようになってきた。夏はこのレースが2走目。得意とするコースでの好走を陣営も期待しているようだ。
あとは相手関係だろう。オープン入り初戦の前走・七夕賞は外目の枠(11番)が有利に働いた部分も大きい。広いコースでの追い比べになった時に、この馬の能力・成長といったものが形として見えてくるはずだ。

前走1600万の日本海Sを勝って重賞挑戦となるサンライズベガ。もともと素質を期待されていた馬だが、近走は休養を挟んで4戦連続複勝圏に入り、成績に安定感が出てきた。夏は3戦目になるが、勢いがあり体調が良化中ならば、いい走りを見せてくれるかもしれない。
ポイントは展開。前走の日本海Sは先行馬に有利な内回りの2200m。今回は外回りコースで、馬場状態も差し有利となっている。直線でどれだけ粘れるかがこの馬の課題になるだろう。

新潟の長い直線がプラスに作用するという評価を受けている馬もいる。
まず、前走の小倉記念で2番人気に支持されたダイシンプラン。この馬が33秒台の上がりを使ったのは、京都(外)、阪神(外)、新潟。いずれも直線が長く広いコースだ。専門紙では、長くいい脚を使えるという見方がされている。
もっとも、前走(小倉記念)後に陣営は「距離はもう少し短い方がいいのかな?」という気になるコメントを残している。実際、近走の勝ち鞍はいずれも1800mだ。さらに、博多Sから中1週で小倉記念を走り、夏3戦目でここを使うローテーションも微妙。昨年は1番人気のダイシングロウが同じローテーションを使って18着に敗れている。
もう1頭はマイネレーツェル。阪神外回りのローズS勝ちがあるように、直線を向いてからスパートする競馬が得意の馬だ。小回りの小倉記念で0.1秒差の6着ならば、条件の向いた新潟コースではそれ以上の走りが期待できるかもしれない。
ただし、新潟は初コース。というよりも、初の新潟への輸送。410キロ台のマイネレーツェルに、この移動がどのような影響をもたらすか。昨年(3歳時)の夏は休養に充てていただけに、多少気になる点だ。

最後に軽量の人気薄についても何頭かふれておきたい。
53キロのイケトップガン。夏3走目だが、前走の関屋記念は馬体重・プラス10キロが示すように、あくまで叩き台(距離も合わなかった)。はなからここが目標のレースであったことは間違いないだろう。新潟芝実績は〈0.0.1.6〉とよくないが、上がりの競馬向きの脚質は要注意。もっとも、冷静に見れば、オープン入り後は結果を出していない馬。過剰な期待はどうか・・・。
52キロの牝馬・セラフィックロンプ。ハンデ戦+牝馬限定戦とはいえGⅢ・愛知杯の勝ち馬である。その後は結果が出ていないが、道悪あるいはGⅠ挑戦と理由ははっきりしている。前走のマーメイドSではメンバー最速の上がり(34秒8)。馬場のいいところに持ち出して末脚をいかせるレースになれば、軽量がモノをいうかもしれない。
最後に、小倉記念でも取り上げたハギノジョイフル(52キロ)。前走は直線で前が詰まり行き場を失ったレースだった。今回は広い新潟コース。立ち回り次第では激走の可能性もある。ただし、キレる脚質ではないので、1000万・1600万を連勝した時のように、先行馬の後ろに付けて直線で抜け出す競馬ができればという条件が付くだろう。



■札幌記念・復習

競馬ファン注目の札幌記念を制したのは、7番人気のヤマニンキングリー。
『予習』でも述べたように、“この馬がどのようなレースをするか”ということも、レースを見るポイントのひとつだったわけだが、今回の結果については高く評価していいだろう。道中は好位(3~4番手)の内にポジションを取ってロスのない走り。直線で抜け出す反応も鋭く、まさに正攻法での勝ち方。休養前よりも強さの面で“一皮むけた”印象を残した。
マイナス20キロの馬体重が人気を下げた理由のようだが、河内調教師の話では「使いながら体重が増えていくタイプの馬なので別に問題はなかった」とのこと。心身ともにリフレッシュされた後、しっかりと仕上げられたということなのだろう(数字から判断するのは難しいが・・・)。
むしろ気掛かりなのは次走。休み明け+マイナス20キロでの激走の反動が生まれるのではないか・・・。予定では、毎日王冠から天皇賞・秋を目指すということだが、今後のGⅠ戦線での活躍を期待する上でも、無理をせずベストの状態で出走してきてほしい。

1番人気(単勝1.5倍)に支持されたブエナビスタはクビ差届かず2着。その結果を受けて、陣営は「凱旋門賞回避」を表明した。
もっとも、この一戦でブエナビスタの評価が下がるとは思えない(評論家の意見も“休み明け初戦としては立派な内容”というものが多い)。最後もしっかり伸びていたし、直線の長いコースであれば差し切っていたことは間違いない。あえて、気になる点をあげれば、陣営も指摘していたように、思ったよりも馬体の成長が見てとれなかったことくらいだろう。
ブエナビスタの敗因を上げるならば、大外を回らされたこと。
安藤勝騎手は「マクって進出したマツリダゴッホが行き切ってくれなかったため馬群が団子になった」とコメントしている。レースのVTRを確認してみると、たしかに4コーナー手前でマツリダゴッホのスピードが鈍り、その後方にいたブエナビスタをはじめ、シェーンヴァルト、シャドウゲイト、マヤノライジン、タスカータソルテが、ブレーキをかけるような走りになっている。
掲示板に載った馬は、ブエナビスタ以外、すべて内を突いた馬(=マツリダゴッホが壁にならなかった馬)。不可抗力にも似た“展開のアヤ”があったわけだ。それでも、大外から追い込んでクビ差の2着。ブエナビスタの高い能力は示されたのではないだろうか。
今後の目標はGⅠ・秋華賞。牝馬3冠のかかったレースとなる。他馬を圧倒するような“強いブエナビスタ”の走りをこれからも期待していきたい。

3着は札幌巧者のサクラオリオン。この時点でサマー2000シリーズ・ポイントランキングのトップに立った。コース適性を味方につけたとはいえ、7歳馬にしてこの活躍は“立派”のひとこと。常に力を出し切る走りには好感が持てる。「中央のコースで同じ走りができるか」という課題はあるが、これからも長く無事で走り続けてほしい。

4着のマンハッタンスカイも自身の力を発揮できた1頭。好走要因のひとつは“最後まで馬の走りをもたせた”地方ジョッキー・吉田稔騎手の腕だろう。平均ペースの流れが向いたとはいえ、キレる脚がない馬をあそこまで粘らせた騎乗はさすがである。

逆に、本来ならばマンハッタンスカイの位置で競馬をしたかったはずのミヤビランベリ(3番人気)は14着に沈んだ。プラス10キロという太め残りのせいもあって、3コーナー過ぎからマクリ気味に動いたものの失速(もともとマクリが得意でないことは『予習』でも書いたが)。早めに好位に取り付けなかったのが痛い。今回は外目の枠も不利に働いたようだ。

2番人気のマツリダゴッホ(9着)はかなり深刻だ。横山典騎手も「ここまで走らないとは・・・」と絶句。状態面の悪さだけが目立った。
行き脚がつかず中盤まではブエナビスタよりも後ろの位置。3コーナー手前から得意のマクリを見せたものの、前述したように行き切ることができなかった。陣営は「もう一度立て直しをする」と語っているが、はたして復活が期待できるのだろうか・・・。“終わった”とまでは断定できないにしても、衰えは隠せないように思える。

タスカータソルテとシェーンヴァルトは外目から伸びずに終わったが、どちらも休養明けの一戦。ここを叩いた次走は変わってくるだろう。
穴の1頭として取り上げたシャドウゲイトは位置取りがあまりに後ろ過ぎた。三浦騎手は大事に乗りすぎたのかもしれない。ならば、主戦の田中勝騎手に戻った時に改めて見直したい。


■札幌記念・結果

2009年8月23日 2回札幌8日9R
第45回 札幌記念(GⅡ)
芝・2000m 曇・良

 1着 ヤマニンキングリー   柴山    2.00.7
 2着 ブエナビスタ       安藤勝    クビ
 3着 サクラオリオン      秋山      3/4

単勝 3  2820円(7番人気)
馬連 3-11 1600円  馬単 3→11 6060円
3連複 3-4-11 4050円  3連単 3→11→4 37460円



■札幌記念・予習

GⅡ・札幌記念。最大の注目は、言うまでもなく、3歳牝馬・ブエナビスタの参戦である。
世界最高峰の凱旋門賞を狙う以上、“壮行レース”となる今回は「負けられない一戦」(松田博調教師)。当然ながら、競馬ファンの期待も高く、前日売りの段階で単勝1.8倍の1番人気に支持された。
昨年11月の未勝利勝ちから5連勝。うち3勝はGⅠ勝利。ここまでの実績は申し分ない。古馬・牡馬とは初対戦となるとはいえ、斤量52キロは断然有利に見える。洋芝適性を問題視する声もあるが、春の阪神開催の芝状態が“(札幌に似て)重かった”ことを考えれば、それほどのマイナス材料とは思えない。
むしろ注意すべきポイントは、小回りのコース形態だろう。レッドディザイアをハナ差で退けたオークスに代表されるように、直線の加速力によって前の馬をかわしていくのが、ブエナビスタの近走の勝ちパターン。言うなれば、直線の長いコースだからこそ活かせる“決め手”と考えることもできるわけだ。実際、東京の直線は526m(オークス)、阪神外回りの直線は476m(阪神JF、チューリップ賞、桜花賞)。それに対して、今回の札幌コースの直線は266m。これまでのように、最後方から直線一気のパターンでは届かないケースも考えられる。
もちろん、その点については、陣営も安藤勝騎手も十分承知の上だろう。3コーナーからマクって4コーナーで先行集団に取り付く競馬、あるいは、直線入り口で先頭に立つ競馬。近走とは違うパターンになるかもしれない。ブエナビスタがこのレースで、どういう走りを見せてくれるのか。ともあれ見逃せない一戦である。

専門紙・スポーツ紙のこのレースについての見解は、「ブエナビスタの相手探し」という見方が多いようだ。
相手候補の筆頭として人気を集めているのが(前売り2番人気)、昨年の2着馬・マツリダゴッホ。近走はチグハグなレースが続いているが、今回の休養(4ヶ月半)で“リフレッシュ→立て直し”ができていれば、侮れない存在だ。札幌芝実績〈2.1.0.2〉が示すように、この馬にとっては数少ない得意コース。中山と同じく“3コーナーからのマクリ→直線先頭”の勝ちパターンがハマりやすいからだろう。鞍上は騎乗実績〈3.1.1.1〉の横山典騎手。人馬ともに“札幌巧者”である点は強調材料だ。なにより、これまで戦ってきた相手の格が違う。
ただし、好走の可能性があるのは、前述したように“立て直し”ができている場合。一般的には、一度ピークを迎えた6歳馬は力が衰える年齢と言われている。有馬記念を制した4歳冬をこの馬のピークと仮定すれば、全盛期の走りを期待するのは酷かもしれない。本来ならば使いたかったGⅡ・金鯱賞を鼻出血で回避したことも、状態面と調整度を考える上で気になる材料だ。

皐月賞4着、ダービー6着の3歳馬・シェーンヴァルトも人気の1頭。3歳牡馬=54キロの斤量は、たしかに魅力的だ。ブエナビスタ同様、古馬相手のGⅡ戦で、どのような走りを見せてくれるか注目したい。
もっとも、馬自身に関しては、まだまだ成長途上の感がある。クラシック2走では着順こそ上位に来ているが、いずれも勝負の決した後に後ろから差し込んできた結果。2000mという距離に関しても、この馬に向いているかどうかの判断が難しい(実際、重賞勝ちのデイリー杯は1600m)。今後、どういう路線に活躍の場を求めていくかを決める上でも、ここは試金石の一戦に違いない。

GⅢで4戦連続連対中のヤマニンキングリー。5ヶ月半の休み明けになるが、「ここを目標に順調な仕上がり」(河内調教師)とのこと。2000mの距離実績は〈2.2.1.0〉。中京、小倉、中山で結果を出しているように、小回りコースを苦にするタイプではない(札幌実績は〈1.0.0.1〉。相手なりに走れる強味があり、センスの良い馬という印象だ。
ポイントは今回の休みでどれだけの成長があったかということだろう。現在4歳。今後の重賞戦線で活躍するためにも、この一戦はひとつのハードルになる。GⅢレベルに留まるか、あるいは上を目指せる器なのか。この馬に関しても、“注目のレース”と言えるだろう。

昨年のこのレースを制したタスカータソルテ。マツリダゴッホを目標に絞り、直線で測ったように差し切ったレースは見事だった。しかし、それ以後のレースは今イチの結果。今回も海外遠征帰りの休み明けということで、常識的には手を出しづらい。
もっとも、だからと言って、軽視は禁物。2週にわたって岩田騎手が跨がった調教の内容を、多くの専門紙が高く評価している。昨年の札幌記念以降の国内での惨敗は、いずれも斤量58キロでの出走。馬体重450~460キロの同馬にとっては酷量だっただろう。今回は定量戦の57キロ。昨年勝ったコースで一変する可能性もあるかもしれない。

札幌記念はサマー2000シリーズの第4戦。途中経過でポイント上位の馬は、シリーズチャンピオンを狙って目イチの仕上げをしてくることが考えられる。今年の場合は、ミヤビランベリ(七夕賞勝ち)とサクラオリオン(函館記念勝ち)がその候補だ。
ミヤビランベリの前走は、57キロでの好走、好位から差し切りと、収穫の多いレースだった。札幌芝は初となるが、渋った力のいる馬場を得意としている馬なので不安はないという見方が多い。
この馬の場合、マクりの競馬を得意とするわけではなく、キレる脚も使えないため、序盤での位置取りがカギになるだろう。七夕賞は馬場が荒れて外枠有利が顕著だったレース。7枠14番に入ったこの馬は無理なく好位を進むことができた。今回はどうか。直線で内に入るか、外を回すか。コース取りが勝敗の分かれ目になるようにも思える。
サクラオリオンは〈2.1.1.0〉の札幌巧者。ここ2走では水を得たような走りを見せている。もっとも、不安点がないわけではない。それは7歳馬にとっての連戦の疲れ。2走前の巴賞がマイナス2キロ、前走・函館記念がマイナス4キロ。そして今回、調教後の計測でさらにマイナス4キロ。得意のコースということで目イチの仕上げが続いているのであれば、疲労の蓄積が心配だ。

函館記念で2着に入ったマヤノライジン。前回はリングバミ+メンコを外した効果もあって好走したが、はたして2走続けて“刺激療法”が効くかどうか。2キロ増となる斤量もマイナス材料だろう。
むしろ、怖い存在に思えるのはシャドウゲイト。前走の七夕賞7着は4コーナーでの不利が原因。3走前の大阪杯から走りに活気が戻り、2走前の金鯱賞ではサクラメガワンダー(宝塚記念2着)に0.2秒差の2着。海外GⅠを制した実績通りの力を発揮できるようになった。斤量が57キロに減るのも好材料。もっとも、「当日走る気になってくれれば」と陣営のコメントは控え目ではあるが・・・。
前走からの巻き返しという点では、函館記念5着のドリームサンデーも不気味。前走で逃げられなかった藤岡佑騎手から中舘騎手へ鞍上をスイッチしてきた。これは“逃げ宣言”と解釈できる。問題は距離。函館記念の際の『予習』でも書いたように、1800m〈4.4.6.2〉に対して2000mは〈2.0.0.6〉。ポイントはやはり、“逃げの中舘”の腕次第ということになるだろう。

とにかく見所の多いレース。心情的にはブエナビスタに“強い勝ち方”を見せてもらって凱旋門賞へ向かってもらいたいが、馬券的にはなかなか難しい一戦である。



■夏休みのお知らせ

競馬のツボ<ブログ版>にご来訪いただき
ありがとうございます。

大変申し訳ありませんが、
今週(8月16日分)のブログはお休みさせていただきます。
(人並みにお盆休みをとらせていただきます)

8月23日のGⅡ・札幌記念で復帰の予定です。
よろしくお願いいたします。

ちなみに、今週の重賞でなんとなく気になる馬(有力馬以外で)は次の通りです。

●北九州記念
 クールシャローン、サンダルフォン、コウユーキズナ
●クイーンS
 アメジストリング、マイネカンナ


暑い日が続いています。
体調に気をつけてお過ごしください。


安東 裕章

■関屋記念・復習

GⅢ・関屋記念を制したのは、2番人気のスマイルジャック。3歳春のスプリングS以来となる重賞勝利を手に入れた。
道中は折り合いに専念して後方からの競馬。直線で前が開くと、正に突き抜けるような伸び脚を見せ、大外から迫るヒカルオオゾラの追撃を退ける完勝だった。
このレースのために新潟に参戦した三浦騎手の騎乗も見事。後方での折り合い方、窮屈になった4コーナー過ぎでの落ち着き。とてもテン乗りとは思えない“馬の末脚を信じた”乗り方。三浦騎手もこれが重賞2勝目。人馬ともに秋に向けてさらなる期待を持たせてくれるレースだった。

1番人気のヒカルオオゾラは2着。武豊騎手も三浦騎手同様、折り合い重視の後方待機策をとった。大外からの直線勝負に出る作戦は成功と言えたが、ゴール手前では1着馬にさらに突き放されてしまった。残念ながら、今回の1馬身差は現時点での両馬の力の差という見方ができるだろう。
もっとも、レース後の武豊騎手のコメントは「キャリアの浅い馬だし、今日のような馬場で速い決着に対応できたことは大きい」と前向きなもの。たしかに、この馬は今回のレースが12戦目。まだまだ成長の余地を残しているかもしれない。勝ち切れなかったものの、このレースを含めての連対率は75%。マイル戦線の安定勢力として今後の活躍を期待したい。

3着には13番人気のマイネルスケルツィが入った。道中2~3番手で逃げるマイネルレーニアを追走し、直線で先頭に立つ競馬。この馬の持ち味が十分に発揮された内容だった。鞍上の石橋脩騎手は「渋った馬場がプラスに働いた」とコメントを残したが、馬場状態を考えて早目に逃げ馬を捕らえに行った好騎乗も光る。ノーマークの伏兵ではあったが、この馬の芝・1600mの持ち時計・1分32秒3はメンバー中2番目の数字。速い時計に対応できる能力は備わっていたと考えることもできるかもしれない。あるいは、3カ月の休養によって、馬自身がリフレッシュされていたことも好走要因に上げられるだろう。

長期休養明けでその走りが注目されたキャプテントゥーレは4着。評価は分かれるかもしれないが、ブランクの長さを考えれば上出来の内容だったと思われる。次走の予定は秋の阪神・朝日チャレンジCとのこと。とにかく、今後も無事に使われて、重賞戦線を賑わせてくれる1頭になってほしい。

5着はキャプテンベガ。馬場状態を考えれば“好走”ととらえてもいいかもしれない。吉田豊騎手は「手応えが良すぎて仕掛けが早くなった」と語ったが、脚の使いどころが難しい馬なのだろう。個人的には、“一瞬のキレ”で勝負できる直線の短いコース向きだと思うのだが・・・。

昨年の覇者・マルカシェンク(3番人気)は16着。『予習』の中で不安点としてあげた「出遅れ」が致命的だった。馬場状態も不向き。この1戦だけでは判断は難しいため、叩き2走目となる次走の走りに注目したい。

マイネルスケルツィ、キャプテントゥーレ、トーホウレーサーといった先行馬が上位に入ったことからもわかるように、差し馬には不利の稍重馬場で行われた今回のレース。その条件下で、スマイルジャックとヒカルオオゾラは、4コーナー14・15番手から32秒台の上がりの脚を使っている。勝ち時計は1分32秒7。新潟の芝そのものの状態が良いとはいえ、タイム的にも評価できるものだ。
結論としては、「1・2着馬の能力が抜けていた」ということになるだろう。



■関屋記念・結果

2009年8月9日 2回新潟8日11R
第44回 関屋記念(GⅢ)
芝・1600m 雨・やや重

 1着 スマイルジャック     三浦    1.32.7
 2着 ヒカルオオゾラ      武豊    1
 3着 マイネルスケルツィ   石橋脩   1+1/2

単勝 13  470円(2番人気)
馬連 12-13 810円  馬単 13→12 1740円
3連複 12-13-14 12990円  3連単 13→12→14 58290円



■関屋記念・予習

夏のマイル重賞・関屋記念。今年はフルゲートの18頭が揃った。

前売り1番人気は武豊騎手鞍上のヒカルオオゾラ。これまで11戦走って8連対という安定した成績の持ち主。マイル戦も〈4.1.0.1〉とベストの条件だ。この馬には不向きの外差し有利の馬場で格上馬(スーパーホーネット、カンパニー)を相手に戦った2走前のGⅡ・マイラーズCでは6着に敗れたが、それでも着差は0.4秒。今回のメンバーならば“主役級”と考えてもかまわないだろう。
もっとも、このレースに向けて万全の状態であるかは疑問。当初の予定では、GⅢ・エプソムCの後にOP・米子Sを使うはずだったが、熱発のために回避。短期放牧を挟んでの出走となる。ローテーションの狂いは仕上げにも影響を与えたようで、陣営も「オーバーワーク気味の調教になったのが気になる」とコメント。さらに、前走(エプソムC)のレース後に武豊騎手は「左回りだと掛かりやすいのかもしれない」と語った点にも注意。仮に、レースで折り合いを欠くようであれば、直線半ばで失速するケースもあり得る。

ヒカルオオゾラが着外に敗れたマイラーズCで3着に入ったスマイルジャック。その後の2走(京王杯SC、安田記念)はいずれも道中で不利を受ける不完全燃焼の競馬だった。ダービー2着の実績が光るが、この馬にとってのベストの距離はマイル戦。秋に向けて賞金加算のためにも負けられない一戦だろう。
鞍上は三浦皇成騎手。同日に行われる函館2歳Sに出走するお手馬(キョウエイアシュラ、ノーワンエルス)の騎乗を断って、あえて新潟へ参戦する以上、ジョッキーにとっても“勝負駆け”という見方もできる。
ただし、スマイルジャックという馬がアタマから狙えるだけの力を備えているかというと、そこまでは言い切れない。戦績そのものに関して言えば、いまだ「2勝馬」である。むしろ、今回のレースはこの馬の能力を測る上での試金石という考え方をした方がいいかもしれない(もちろん、高い能力を発揮することができれば、それなりの結果がついてくるとは思うが・・・)。

今回、最も注目されていると思われるのが、昨年の皐月賞馬・キャプテントゥーレ。1年3ヶ月の骨折放牧明けとなる。牧場でも入念に乗り込まれていて、今週の調教でも好時計。専門紙の評価を見ても、概ね“順調”と書かれている。
とはいえ、いきなり好走を期待していいものかどうか。陣営も目標は秋に置いているだろうし、まずは無事に走ってほしいというのが本音だろう。条件的にも、初の左回り・初の長い直線など、クリアしなければならない課題がある。

昨年の勝ち馬・マルカシェンク。6ヶ月の休み明けとなるが、連覇を目標にしっかり仕上げてきているようだ。昨年勝った時も4ヶ月の休み明け。鉄砲実績(〈2.0.0.2〉)に関しては問題ないだろう。
ただし、この馬も予定していたローテーション通りとは言えない部分がある。本来ならば、マイラーズCを使う予定だったが、肩の出が悪いということで再放牧されたとのこと。そのあたりの影響がどうか。
さらにもう1点、気になる点を上げるならば、枠順である。昨年は12頭立ての大外枠からスムーズなレースができたが、今回はフルゲートで内目の枠(3枠5番)。2走前の京都金杯(1枠2番)では内をすくう競馬で2着に入ったが、出遅れ癖のある馬だけに、スタートで後手を踏むようなことになると、直線で行く手を塞がれる競馬になる危険性もある。

2走前のGⅠ・安田記念5着が光るライブコンサート。その反動のために中間楽をさせてことから、前走の米子Sでは1番人気に支持されながら14着に敗れた。前走で力を出していないのであれば、今回の巻き返しには注意を払った方がいいかもしれない。福永騎手が騎手実績〈5.2.0.10〉と“お手馬度”の高いマルカシェンクではなく、この馬に騎乗する点も見逃せない。
不安点を上げるならば、上がりの速い時計勝負への対応だろう。典型例は4走前のマイラーズC。自身も上がり33秒6の脚を使っているが10着に敗れている。土曜日に行われた3歳未勝利戦の勝ち時計は1分33秒8で勝ち馬の上がりは33秒6だったが、当日馬場が渋ることがなければ関屋記念はそれ以上のタイムと上がりが予想される。マイラーズC6着のヒカルオオゾラにも言えることだが、道中でどれだけ脚をためられるか、直線でどこまでキレるかがポイントになるだろう。

6歳になってようやく安定した結果を残せるようになった良血馬・キャプテンベガ。特に末脚に関してはキレるイメージがついてきた。前走の米子Sでは9着と人気を裏切ったが、陣営によれば「あくまで叩き台」。目標レースの今回は調教内容を濃くして臨んだという。ならば、変わり身を期待してもいいかもしれない。
もっとも、常に気性難(レースをやめたがる)が不安視される馬だけに、馬券的には狙いづらいところもある。スムーズに流れに乗れて、直線で他馬と併せ馬の形になるのがベスト。展開の向き・不向きが結果に影響しやすい点を克服できるかどうか。

1000万、1600万を連勝してこのレースに臨むタマモナイスプレイ。近4走はすべて馬券圏内と安定した結果を残している。成長著しい4歳馬。勢いという点ではメンバー1と言っていいだろう。
課題はやはり相手関係。過去1走しか経験のない左回りのレースで、スピード決着になった時に通用する力があるかどうか。連闘で勝った前走の反動も少なからず気になる。

前走・米子Sでは2着に逃げ粘ったマイネルレーニア。逃げ馬には有利な内枠(1枠2番)を引き当てた。さらに、前々走・59キロ→前走・58キロ→今回・57キロと斤量が減ることも好材料。さらに、前走では芝・1600mの持ち時計を更新(1分32秒6)。1400mがベストの馬には違いないが、ここでも侮れない存在だ。
あとは、自分のレースができるかどうか。新潟芝実績は〈2.0.1.3〉と目立っているが、2勝はいずれも芝・1400mの内回りコースでのもの(2歳時の未勝利戦とダリア賞)。外回りの長い直線を押し切れる走りができれば、馬券圏内に残る可能性は高い。

人気薄の伏兵についてもふれておきたい。
3ヶ月の休み明けで出走するキングストレイル。昨年夏は距離短縮の効果があって北海道の短距離戦で活躍した。近走、長距離戦とダートを使っているが、今回の条件替わりがプラスに作用すれば、昨年と同じように一変する可能性もあるかもしれない。
休み明けの七夕賞を叩いて参戦するイケトップガン。上積みが見込める今回は狙い頃のようにも思える。もっとも、陣営の目標は次走予定の新潟記念。マイル戦もこの馬には距離が短いし、ハンデ戦から別定になり斤量が3キロ増えるのもマイナス材料だろう。
左回りコースでは〈5.3.0.6〉の実績を持つ牝馬のヤマニンエマイユ。1600mはギリギリの距離だけに、大外枠に入った点が気掛かりだ。ただし、外差しを決め込んで脚を溜めるレースをすれば、直線だけの競馬で馬券圏内に入ってくる可能性もある。
1年3ヶ月ぶりの前走を勝ったトーホウレーサー。3歳時にはニュージーランドT1着、NHKマイルC5着の実績がある。未知の部分が多いため一概には判断できないが、速い時計と上がりに対応できれば大駆けがあってもおかしくない(ただし、長期休養明けで重馬場を逃げ切った反動も気になるが・・・)。


■総和社よりお願い

当ブログを管理・運営している出版社の総和社と申します。
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■小倉記念・復習

波乱の小倉記念、ゴール前の混戦を制したのは16番人気・単勝64.7倍のダンスアジョイだった。
13着のダイシングロウまでが0.4秒以内の大接戦。どの馬が勝ってもおかしくないレースは、結果的に位置取りとコース取りの差が明暗を分けたと思われる。

勝ったダンスアジョイは最後方からの競馬。ロスの少ないコースの内側を進み、3コーナーから馬群が動き出した時も無理に外へ持ち出さず、直線では空いたインを突く戦法で鮮やかに差し切った。言うまでもなく、これは鞍上・角田騎手の好騎乗。馬場状態の良い外側に持ち出す馬が多いと判断した上でのコース取りである。角田騎手の騎乗実績は〈1.1.3.6〉。馬の能力、脚の使いどころを熟知していたからこそできた乗り方だろう。
近走、長距離を走っていた同馬にとって、淀みなくタフなレース展開も味方したのではないだろうか。レースの上がりが35秒8という数字からもわかるように、瞬発力よりもスタミナを要求される流れ。ゴール前の伸びは距離短縮の効果、すなわち脚を温存できたからだと考えてもいいかもしれない。

1番人気のホッコーパドゥシャはハナ差の2着。直線で一瞬反応が鈍くなったようにも見えたが、最後は鋭く抜け出した。やはり、このレースに合わせて状態を仕上げてきたようだ。サマー2000シリーズのポイント争いを考えれば実に惜しい2着だが、この馬の現時点での能力は発揮できたと見てもいい。ローカル重賞での連続好走によって、平坦・小回りの良馬場での強さは確認できた。今後の課題は、秋の中央開催で同じような走りができるかどうかだろう。

3着はクラウンプリンセス。戦前、管理する橋口調教師は「この馬に2000mは長い」とコメントしていたが、小回りコースと軽ハンデという有利な条件があったとはいえ、距離を克服できたことは大きな収穫に違いない(もっとも、リーチザクラウンの全姉なので距離はこなせるという見方もできたが・・・)。牡馬混合のOPと重賞で連続好走。牝馬限定の重賞(京都牝馬Sや中山牝馬Sなど)ではさらに期待できる1頭かもしれない。

ハナ差の4着はエーティーボス。『予習』の中では「マークが必要」と書いたが、前走と同じく3コーナーからマクって進出する競馬で、一瞬は“勝ったか?”と思わせる走りを見せてくれた。中央開催の別定重賞(例えば、朝日CC)でも好走できるという保証はないが、確実に力をつけていることは間違いない。

エーティーボスと同じく1600万勝ちでこのレースに臨んだ、ダイシンプランとテイエムアンコールの2頭は人気に応えることができなかった。
ダイシンプランに関しては、このレースが“適条件”のように思えたが、藤岡康騎手のコメントによれば「距離はもう少し短い方がいいし、跳びがきれいなので軽い馬場向き」とのこと。たしかに、直線ではモタレ気味だったし、手応えが良ければエリモハリアー(5着)と同じように大外へ持ち出すこともできたはずだ。あるいは、前走(博多S)から中1週というローテーションの影響もあったかもしれない。
テイエムアンコールは向正面ですでに走りが怪しくなっていた。当日になってジョッキーの乗り替わり(落馬負傷の浜中騎手から石橋守騎手へ)という不運もあったが、『予習』でもふれたように、体調面が万全でなかったことも考えられる。
ダイシンプランもテイエムアンコールも今後の活躍を期待したい馬。秋以降になるかもしれないが、しっかりと状態を立て直して、適鞍に出走してきてほしい。

ダイシングロウは昨年の状態には戻ってなかったようだ。ただし、折り合い面の進歩など徐々にではあるが復活の兆しが見られたと思う。
コスモプラチナは心房細動を発症したとのことだが、番手に突つかれる展開では自分のレースに持ち込むことは難しい。現時点では好走に条件のつく逃げ馬だろう。
マイネレーツェルは3コーナーから馬群が動き出した時に脚を使わされた。福永騎手は「コーナーでスピードに乗れなかった。直線の長いコース向き」とコメント。コース替わりで見直せるかもしれない。

終わってみれば、8歳馬と7歳馬の連対。9歳馬のエリモハリアーも掲示板に載った。
「混戦のレースでは“経験値”がモノを言う」と語った競馬評論家もいたが、たしかにひとつの見方だろう。そういう意味では、人馬ともにレース経験の少ないアンノルーチェには厳しいレースだったかもしれない。
勝ち馬のダンスアジョイの次走は新潟記念を予定。得意の左回りである。別定GⅡ・札幌記念に出走するミヤビランベリ、サクラオリオンの結果次第になるが、ダンスアジョイがサマー2000シリーズチャンピオンの有力候補に浮上したことは間違いない。



■小倉記念・結果

2009年8月2日 2回小倉6日10R
第45回 小倉記念(GⅢ)
芝・2000m 晴・良

 1着 ダンスアジョイ       角田   1.58.3
 2着 ホッコーパドゥシャ    武豊    ハナ
 3着 クラウンプリンセス    太宰    クビ

単勝 5  6470円(16番人気)
馬連 5-9 23030円  馬単 5→9 59990円
3連複 5-9-14 130710円  3連単 5→9→14 978500円



■小倉記念・予習

七夕賞、函館記念に続く、サマー2000シリーズ第3戦・小倉記念。今年はフルゲートの18頭が参戦、買い目を絞るためには慎重な検討が必要となりそうだ。

前走、七夕賞3着のホッコーパドゥシャ。ここで勝ち星を上げれば、サマー2000シリーズのポイント争いで大きくリードすることができる。それゆえ、陣営の勝負モードも高い。例えば、出馬登録の際に騎手を「未定」にしていたのは、スマートギアが除外(賞金不足)になることを見越した上で、同馬に騎乗予定だった武豊騎手を鞍上に迎えるための“作戦”であったことは間違いない。あるいは、2走続けて馬体重が増えたため中間の調教を強化したことからも、このレースに対する陣営の意気込みが伝わってくる。小倉芝実績は<1.1.0.1>。3走前にはレコード勝ちもあり、夏の小倉特有の時計勝負にも十分対応できる能力はあると考えていいだろう。
不安点を上げるならば、福島遠征(七夕賞)から中2週となるローテーション。一昨年、昨年は夏の時期を休養に充てていた7歳馬にとって、今回の使い方は少なからず負担になっているはず。それに加えて調教の強化。見えない疲労が心配だ。さらに、この馬の場合、今年に入ってからの連対は福島でレコード勝ちをした1戦のみ。馬券的に「絶対信頼できる」とまでは言いきれない。

牝馬GⅢ・マーメイドSで見事な逃げ切り勝ちをおさめたコスモプラチナ。夏に調子を上げるタイプでもあり、平坦小回りコースは条件的にもプラスと考えられる。ただし、マーメイドSは最内枠からマイペースのレースができたことが最大の勝因。今回はマークがきつくなるだろうし、内のニルヴァーナ、外のドリームフライトという同型馬の存在も気になる。さらに、土曜日の小倉のレースを見ると、内が荒れて外が伸びる傾向の馬場状態。ラチ沿いに進む逃げ馬には決して有利ではない。自分のペースで競馬ができるか、後続をどれだけ引き離すことができるか(直線までにセーフティリードをとれるか)。好走するためには、こうした課題をクリアしなければならないだろう。

前走、1600万・博多Sで2着馬に0.4秒差をつけて快勝したダイシンプラン。トップハンデを背負っての強い勝ち方だった。3歳時(昨年)にはクラシック戦線での活躍が期待されていた馬だけに、潜在能力は侮れない。33秒から34秒台前半の脚を使える差し馬。今の馬場状態にも向いている。
問題は大外枠。馬場の悪い所を走らされる内枠よりもいいかもしれないが、外々を回らされて道中で必要以上に脚を使うと、最後の伸びに影響しかねない。スタート後の位置取りが大きなポイントになるはずだ。

同じく1600万(垂水S)から勝ち上がってきたテイエムアンコール。1000万クラスからの連勝で勢いのある1頭だ。小倉芝実績は<1.2.1.0>。適性の高さが光る。ダイシンプラン同様、昇級戦でも軽視できない。
もっとも、気になる点もある。近5走のローテーションを見ると、中2週・中2週・中1週・中1週という詰めた使い方。今回、中4週の間隔をとったことは、楽になったようにも思えるが、逆にこれまでの反動が一気に出る危険性もある。実際、直前の追い切りは軽めの馬なり調整になっている。この馬に関しては、直前の状態をチェックした方がいいかもしれない。

上記2頭に比べると、同じ1600万勝ちのエーティーボスは人気が低い。ただし、前走の勝ちタイム・1分58秒5(中京・芝・2000m)は好時計で、3コーナーからマクって直線で差し切ったレースぶりにも進境がうかがえる。芝・2000mの距離実績は4勝で、出走メンバー中、古豪・エリモハリアーに次ぐ勝ち数。小倉芝実績も<2.0.0.2>と悪い数字ではない。手広く狙うならばマークが必要な1頭のようにも思える。

4歳牝馬のマイネレーツェルも小倉芝実績は<1.1.1.0>と優秀。2走前は休み明けでGⅠ、前走はゲート審査の関係で調整不足。叩き3走目の今回は状態面での上積みが見込める。
ただし、古馬になってからの牡馬混合戦は、日経新春杯で15着という結果のみ。相手関係がカギになるだろう。

昨年、このレースでドリームジャーニーの2着に入ったダイシングロウ。小倉芝は<1.1.0.1>と得意にしている。さらに、鞍上が騎乗実績<2.1.0.1>の川田騎手に戻るのもプラス材料。近走は結果を出せないでいるが、昨年夏の状態に戻っていれば馬券圏内に入ってきても不思議ではない。

1000万を勝って格上挑戦になるアンノルーチェ。2年前の小倉記念で軽ハンデを活かして3着に入ったアラタマサモンズのように、格上挑戦で馬券に絡むケースも少なくない。この馬の小倉芝実績は<2.1.0.0>。重賞初騎乗となる新人・松山騎手がどのようなレースを見せてくれるか。注目してみたい。

その他、伏兵の名前を上げればキリがないが、いずれも一長一短。
マストビートゥルーは小倉芝に<1.1.2.3>の実績があるが、大跳びの馬なので外枠の方が力を発揮できる(陣営も同様のコメント)。
クラウンプリンセスは前走で牡馬混合のOPを勝ったが、2000mの距離に不安がある。
シルバーブレイズは能力の高さは認めるものの、七夕賞の走りを見る限りでは器用さに欠け、平坦小回り向きのようには思えない。
むしろ、穴として面白そうなのはハギノジョイフル。前走のGⅡ・目黒記念は体勢が決まった後の1.1秒差3着なので参考にはならないが、1000万・1600万を連勝した実力、斤量52キロ、小倉芝実績<0.3.2.3>の材料には若干魅かれる。ゴール前が混戦になった時、軽ハンデを活かして複勝圏に飛び込んでくるかもしれない。




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安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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