■2010年09月

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■今週末のブログについて

いつも『競馬のツボ<ブログ版>』にお越しいただき、ありがとうございます。
大変申し訳ありませんが、今週も仕事の都合によりお休みさせていただきます。
(これから出かけて出張先に着くのは昼過ぎくらいになりそうです・・・泣)

今週は菊花賞トライアルの神戸新聞杯が行われます。
ダービーの1・2着馬がどのような走りを見せてくれるのか、非常に興味があります。
シルクオールディー、ビッグウィークといった上がり馬がどこまで食い込めるのか。
後方一気の走りしかできなかったレーヴドリアンが、福永騎手の乗り替わりでどう変わるのか。
あるいは、レーヴドリアンから下ろされた藤岡佑騎手がネオヴァンドームで意地を見せるのか。
注目点の多いレースになりそうです。
馬券的には「春の実績通りなら・・・」と考えるのが普通ですが、先週のローズSのようなケースもあるので難しいですね。

中山のオールカマーも少頭数ながら見どころのある一戦。
左回りに良積のないドリームジャーニーは、中山で行われるこのレースと有馬記念が目標になると思われるので、59キロでも軽視はできないでしょう。ただ、宝塚記念の時と同じく、坂路だけの調教というのが気になります。
復活が期待されるシンゲンの走りももちろんですが、シルポート、ミステリアスライトの2頭も、今後重賞戦線で活躍できるかどうかを占う意味で注目です。
ジャミールは脚質的にどうなのかなという部分もありますが、少頭数になったことはプラス。スムースならば一気の差し切りがあってもおかしくないでしょう。

それでは、皆様のご健闘をお祈りいたします。


安東 裕章


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■ローズS・復習

ローズSを制したのは、4番人気のアニメイトバイオ。1~3番人気馬が揃って馬券圏外に消えたために、レースは波乱の結果となった。

アニメイトバイオの勝因として真っ先にあげられるのは、後藤騎手の好騎乗だろう。
「横並びで嫌な形になりそうだったので、一歩引いて競馬をした」という本人の言葉通り、道中は有力馬を前に見る位置取り。結果的に、後ろからじっくり折り合って進んだことが、最後の瞬発力につながった。
それにしても、見事な馬群の割り方。馬自身の勝負根性にも頭が下がるが、わずかな間隙を一気にこじ開けた後藤騎手の判断も素晴らしかった。
初の栗東入厩がどうかという不安もあったが、状態面は申し分なかったようだ。今後は秋華賞に向けて栗東滞在を続けるということだが、課題は状態を維持できるかどうかになるだろう。今回、休養明けの馬の多くが大幅なプラス体重であったのに対して、この馬は増減ゼロ。余裕残しのない完璧な仕上がりだったという見方もできる。この1走でさらなる上積みを期待できるのか、あるいは、激走の反動に注意を払うべきか。本番ではこのあたりの判断がカギになるかもしれない。

2着のワイルドラズベリーも、道中は後方で折り合いに専念する競馬。中を突いたアニメイトバイオにはアタマ差およばなかったが、メンバー最速の33秒4の上がりで大外から伸びてきた脚には非凡なものがあった。
流れを見て後方に下げた後藤騎手とは違い、自分の競馬に徹した乗り方ではあったが、馬の持ち味を発揮させたという点では、安藤勝騎手の巧さが光ったレースと言えるはずだ。
本番での課題は1F延びた距離での折り合い面。安藤勝騎手は「反応がいい馬なので3コーナーでちょっと動いただけでビュンと行ってしまった」というコメントを残しているが、道中どこまで我慢できるかがポイントになりそうだ。個人的には、マイル前後の距離でのキレ味勝負が向いているようにも思えるのだが・・・。

3着には5番人気のエーシンリターンズ。
この馬もまた、後方で折り合いをつけて直線で伸びてきた。福永騎手は「勝ちに行った分、差されてしまった」とコメント。春には好位から抜け出す競馬で結果を出していた馬だけに、末脚勝負になると少しばかり分が悪いのかもしれない。
とはいえ、持ち味である“レース巧者ぶり”を発揮できた一戦。本番の舞台は京都の内回りという器用さも要求されるコースなので、引き続きこの馬の走りには注目したい。

さて、問題は、上位人気馬の敗戦についてだが・・・。

アパパネは直線で一旦先頭に立ちながら伸びを欠いて4着。勝てるパターンに持ち込みながら後続に差されるという負け方は、印象として決して良いものではない。ゲート入りを嫌い、レース序盤は折り合いを欠き、直線ではレディアルバローザと接触するなど、スムースさに欠いた部分もあるが、それにしても“らしくない”止まり方だった。
オークス以降は放牧に出さずに美浦で調整し、中間は他馬よりもはるかに多い12本の追い切りを消化。それでいて馬体重がプラス24キロだったということは、かなりの“余裕残し”だったのかもしれない。蛯名騎手も「少し重めで最後はいくらか息切れしたけど、次はもっと走れるはず」とコメントしている。しかし、たとえトライアル仕様であったとしても、今回の負け方(抜け出して差される)にはどこか釈然としないものがある。陣営がこの敗戦をどのように分析しているのか。次走に向けてのコメントには注意したい。

2番人気のアグネスワルツは7着。
トゥニーポートにハナを譲る形で番手からのレースをしたが、直線で抜け出し切れずに敗退した。柴田善騎手は「春よりもフットワークが小さかった」とコメントしているが、番手で上手に競馬をさせようとしたことが裏目に出たのかもしれない。個人的には「ハナを切るのがベスト」と思える馬。器用な競馬をさせようとすると逆に不器用な走りになる気がする。本番では持ち味であるスピードを活かす走りを見せてほしい。

3番人気のオウケンサクラは8着。
道中は手応え良く走っているようにも見えたが、直線ではまったく伸びなかった。馬自身の覇気も今イチ。内田博騎手は「休み明けが敗因」とコメントしているが、本番までにどれくらい良化できるか。『予習』でもふれたように、この馬は使い込まれて良くなるタイプなのかもしれない。


後方で脚を溜めていた伏兵馬が上位を占めたように、少なからず展開に左右されたレースではあったため、春の勢力図が一変したかといえば、そこまでは言えないだろう。しかし、本番の秋華賞が混戦模様になったことも確かである。
賞金的に本番への出走が可能な上位人気馬が揃って負けたというのは、いかにも“トライアルレース”という感もあるが、一方で、今回の1~3着馬の成長も見逃せない要素。有力馬の巻き返しがあったとしても、力量差の判断が難しくなった。さらに、本番ではサンテミリオンやアプリコットフィズも参戦してくる。
今年の秋華賞、予想が難解であることは間違いない。





■ローズS・結果

2010年9月19日 4回阪神3日10R
第28回 ローズS(GⅡ)
芝・1800m 晴・良

 1着 アニメイトバイオ     後藤   1.45.8
 2着 ワイルドラズベリー    安藤勝   アタマ
 3着 エーシンリターンズ     福永      1+1/4

単勝 6  1160円(4番人気)
馬連 6-9 7300円  馬単 6→9 15280円
3連複 6-9-12 21080円  3連単 6→9→12 193040円


■ローズS・予習

秋華賞トライアルとなるGⅡ・ローズS。
頭数こそフルゲートに満たない12頭立てではあるが、春のクラシック実績馬の多くが顔を揃え、本番を占う意味でも楽しみな一戦となった。夏を越して各馬がどれだけ成長しているか。春の勢力図に変化は生まれるのか。しっかりと見極められるようにしたい。

春の2冠を制したアパパネ
阪神JFを含めればすでにGⅠ3勝の実績。昨年のブエナビスタほどのインパクトはないにしても、3歳牝馬戦線の中心的存在と位置付けていいだろう。
今回も従来通り早めに栗東へ入厩し、順調な仕上がりを見せているとのこと。牝馬3冠が目標でここはあくまで叩き台という見方もできるだろうが、自在性に優れた春の走り(ペースやポジションに左右されなかったこと)を見る限り、大きく崩れるタイプとは思えない。馬券的にはこの馬を中心に据えて、「先着するとすればどういうタイプの馬か」を検討するのが妥当かもしれない。

オークス3着馬のアグネスワルツ
骨折休養明けのフローラSでは“加速力のある逃げ”で2着。続くオークスではニーマルオトメにハナを奪われながらも番手で粘って3着。スピードだけではなく渋太さも兼ね備えた先行馬という評価ができるだろう。クラシックへの参戦は遅れたものの、すでに世代のトップクラスという見方もされている。
「追い切りでもかなり動けるようになった」という陣営の言葉通り、一週前には坂路4F・52秒7の自己ベストをマーク。状態面の良さが数字に表われたという解釈もできる。
あとはレースの主導権を握れるかどうか。オークスの時と同様、今回もハナへ行きたい馬が他にもいる。番手でも競馬はできるが、番手から勝つレースを経験したことはない。そのあたりの兼ね合いがポイントになるかもしれない。

桜花賞2着馬のオウケンサクラ
個人的に最も注目したいのが、この馬の走りである。というのも、春は間隔の詰まったローテーションのために、万全の状態で競馬をしていたとは思えないからだ(陣営も「春は使い詰めのせいで脚さばきが硬くなっていた」とコメントしている)。じっくりと休養をとった今回はその意味で楽しみな一戦である。
もっとも、逆の見方もできないことはない。つまり、この馬は使い込んでこそ能力を発揮するタイプという見方である。このあたりをどう判断するかが買い目を決定する際のカギになりそうだ。

昨年暮れの阪神JFでアパパネに0.1秒差の2着に入ったアニメイトバイオ
同じ舞台で行われた桜花賞は、直前の輸送の影響から大幅な馬体減となり結果を残せなかったが、オークスでは4着と健闘して、この馬の能力を示した。
今回は長距離輸送のデメリットを考慮して、アパパネと同じく早めに栗東に入厩。万全の状態でレースに臨めるよう調整されている。実績面では上位人気馬よりも一枚落ちる感もあるが、力を発揮できれば上位争いに加わるできる可能性もあるだろう。
ただし、輸送で馬体を減らす馬は精神面の脆さが原因という見方もある。したがって、早めの栗東入厩=環境の変化がこの馬にとってすべてプラスとは言い切れない(逆にナーバスになる場合もある)。状態面に関しては、直前の気配を確認した方がいいように思える。

桜花賞3着のエーシンリターンズ
オークスでは14着と大敗したが、距離の問題に加え、イレ込みも災いしたようだ。「オークス以外では2冠馬のアパパネと差のない競馬をしている」という陣営のコメント通り、距離短縮と関西圏でのレースという条件を踏まえれば、今回は見直すこともできる。阪神芝実績〈1.0.2.0〉、1800m〈1.1.0.0〉という数字的な後押しも無視できない。
勝ち切るだけの決め手には欠けるが、相手なりに走って馬券に絡むタイプ。レース巧者という印象も強いだけに、一応のマークが必要だろう。

牡馬混合の3歳OP・白百合Sを制したワイルドラズベリー
1400mの紅梅S(1着)と1600mの桜花賞(10着)の走りの比較から、距離に壁がある馬とも思われたが、1800mの白百合Sを勝ったことで折り合い面での進歩を証明する形となった。レース自体も、自分から動いて後続を突きはなす強い内容で、1分45秒3の時計も優秀。今回、人気にはなっていないが、伏兵として面白い存在かもしれない。
問題は、阪神コースとの相性。先週のセントウルSで注目したレディルージュもそうだったが、京都実績が高く阪神では今イチの馬というのは、京都の3コーナーからの下り坂を走りに利用するタイプが多い(それゆえ阪神では同じ走りができない)。2歳時から3歳春までの戦績だけで適性を決めてかかることはできないが、京都実績〈2.1.0.0〉と阪神実績〈0.0.0.2〉のギャップは、少々気になる材料だ。

前走、古馬混合の1000万・三宮特別を勝ったレディアルバローザ
春の実績では見劣るが、軽量52キロとはいえ古馬と戦って勝った経験値は大きいだろう。阪神芝に関しては、メンバー1の3勝をマークしている。
課題は距離。1800mは初距離になるし、2走前のエーデルワイズSでは、1600mでも折り合いに苦労しているようにも見えた。加えて、今回の鞍上はテン乗りの幸騎手。折り合い面に不安のある馬とうまく呼吸を合わせることができるかどうか。

他では、札幌・大倉山特別を勝ったトゥニーボートと2歳時に重賞勝ちのあるタガノエリザベート
トゥニーボートの場合は、ハナを奪えるかどうかがカギ。同型のアグネスワルツが番手に控える形になり、マイペースのレースができれば、内々で粘り込む可能性もあるかもしれない。
タガノエリザベートは、中間の追い切りが少ないため状態面の不安があるが、最初から直線勝負に徹する競馬した時の大外からの追い込みが怖い。阪神芝は〈0.0.0.4〉だが、阪神JFでは最速の上がりをマークしている。

常識的に考えると、春の実績馬が力通りの走りをすれば、人気通りの堅い決着になりそうなレース。配当狙いの馬券勝負ではなく、前述したように「各馬の走りの成長」に注目すべきかもしれない。


中山で行われるセントライト記念は、クラシック出走馬がゲシュタルト1頭というメンバー構成。力量差が見えないだけに、こちらは波乱含みの難解なレースである。
中山2200mは長距離適性もさることながら、立ち回りの巧さも要求されるコース。ある程度前で流れに乗れる馬や、ポジションを上げて行ける馬が狙い目になるかもしれない。
ゲシュタルト、アロマカフェは一応中心視できる存在だろうが、好位でレースを運べるフェイルノート、シャイニンアーサーあたりにも注目。
一部で菊花賞候補という声も上がっているダークシャドウはスタートがカギ。単騎逃げが見込めそうなヤマニンエルフは、逆に目標になりそうな気もする。
穴は、一時は春のクラシックの有力馬と評されたこともあるヤングアットハートと、一貫して長距離を使われてきたファーストグロース。





■セントウルS・復習

セントウルSを制したのは、4番人気に支持された3歳馬の3歳馬のダッシャーゴーゴー。不利を受けて結果を残せなかった前走・北九州記念の“雪辱”を果たした。

レースは北九州記念と同じくケイティラブがハナを奪って先導。ただし、前半3Fのラップタイムは33秒9で、32秒1のハイペースで通過した北九州記念よりも2秒近くも遅い流れとなった。
こうなると、後方から末脚で勝負したい馬にとっては厳しい展開。それでなくても、先行有利の開幕週の馬場である。ショウナンアルバ、サンダルフォン、ストリートスタイルといった展開に注文のつく馬たちは、持ち味を発揮できないままレースを終えてしまった。

勝ったダッシャーゴーゴーは、好位のポジションに付け、4コーナー手前では自分から動き出す積極的な競馬。「後方から外々を回ったために不利が致命傷になった」という前走の敗因を踏まえた上でのレース運びであるが、今回の展開においては“前々から押し切ろう”という作戦は大正解だった。『予習』の中で指摘した「時計勝負になった場合の不安点」も、1分8秒0の決着ならば十分クリアできる数字。この馬にとっては、すべてがうまくいったレースだったと言えるだろう。(もちろん、作戦通りのレースを見せてくれた川田騎手の好騎乗と、鞍上に意に応えた馬自身の走りを評価した上での話であるが・・・)
今後の課題は、“楽ではないレースでどれだけの走りができるか”。時計面、相手関係といったハードルが高くなった時に、ダッシャーゴーゴーという馬ならではの“強さ”を見せてくれるかどうか。正直、現時点では“スプリント界の新星”といった称号は与えづらい。同じような勝ち方であっても、ワンカラットと比較するとインパクトに欠けるように思える。まだまだ伸びしろのある3歳馬、今後の経験と成長に期待したい。

2着は香港馬のグリーンバーディー。
最内枠で道中は動くに動けない状態。4コーナーでは12番手までポジションを下げたが、直線残り100メートルで外に進路を見つけると、そこからは他馬とは次元の違う伸び脚。メンバー最速の33秒4の上がりでダッシャーゴーゴーをクビ差まで追い詰めた。
「今回、最も強い競馬をしたのはこの馬」という声も多いが、たしかにその通り。いわゆる“格の違い”というものをまざまざと見せつけられた感がある。4ヶ月の休み明け、59キロの斤量、目標はスプリンターズSという“叩き台”の条件が揃っていながらこの走り。本番ではさらに怖い存在になりそうだ。
ただし、今回のような競馬で次は勝ち切れるかというと、疑問に思える部分もある。スプリンターズS(というより中山の芝・1200m)は基本的に先行馬有利。2005年の勝ち馬・サイレントウィットネスは3番手からの抜け出しだったし、2006年のテイクオーバーターゲットは逃げ切り勝ちだった。グリーンバーディーの脚質はスプリンターズS向きと言えるのかどうか。あるいは、先行できる脚があったとしても、前哨戦で違う競馬をしたことによる影響は出ないのか。この点については、本番の際に改めて検討してみたい。

3着は北九州記念を制したメリッサ。
このレースにシリーズチャンピオンがかかっていたこともあって、申し分のない状態に仕上がっていたようだ。斤量増やコース適性などの不安要素もあったが、馬群から抜け出してキッチリ3着を確保。地力強化の印象もある。他の馬が脚の使いどころに苦労する中で、最後に見せた伸び脚については、レースの流れを読んだ上で馬の持ち味を発揮させた福永騎手の好騎乗と評価してもいいだろう。
この馬に関しては、「アイビスSDのシンガリ負け」と「北九州記念勝ち」についての解釈がポイントだったかもしれない。
芝での3連対はすべて小倉コースであり、新潟の直線競馬で大敗を喫したことから、「相性の良い特定の条件でなければ好走できないタイプ」という見方があった。しかし、考え方を変えれば、大敗した次走の北九州記念を勝ったということは、敗戦のダメージにも屈しない“状態の良さ”と“強さ”が持ち合わせていたと捉えることもできたのである。
競馬はさまざまな角度からの検討が必要になる。小倉巧者という部分を偏重しすぎた点は、個人的に反省しなければならない。

4着は2番手で競馬をしたヘッドライナー。
函館SSが取消となり夏場のローテーションに狂いが生じたことから、状態面が不安視されていたが、前が楽な展開だったとはいえ4着に踏みとどまったことは、この馬の地力と評価してもいいだろう。若干行きたがっていたようにも見えたが、番手でレースができたことも今後のプラスになるかもしれない。
とはいえ、この馬の持ち味はやはりマイペースの逃げ。“勝ち負け”までを期待するのであれば、内目の枠で同型馬との兼ね合いを気にしないですむ条件の方が信頼度が増すはずだ。

1番人気のスカイノダンは6着。
前走同様、大外枠から果敢に前に押し上げていくレースをしたが、ペースが遅かった分だけ掛かり気味の走りになってしまった。直線の入口で先頭に並ぶもそこから伸びなかったのは、折り合って脚を溜められなかったからだろう。
上がり馬として期待した1頭だったが、『予習』でも述べたように実際には“格下の身”。自分でレースをコントロールできるようになるためには、もう少し経験を積む必要がありそうだ。もっとも、悲観的な負け方ではないし、4歳牝馬ならば今後の成長も十分期待できるだろう。

GⅠ・スプリンターズSの前哨戦という位置付けのレースではあったが、終わってみれば内容の乏しい一戦だったように思える。「本番の走りにも注目」という馬は、正直なところ、グリーンバーディー1頭。実力伯仲の“息詰まる電撃の6F戦”ではなかった。
サマースプリントシリーズ全般を見ても、新勢力(GⅠでも期待できそうなという意味で)と呼べそうな馬はワンカラットくらいだろうか。スプリント界の質量というものを改めて考えさせられる結果でもあった。
スプリンターズSには、グリーンバーディーとクビ差の接戦を演じた外国馬・ロケットマンも参戦する予定だという。すでに“日本馬劣勢”という声もあがっているようだが、ぜひとも意地を見せてほしい。




■セントウルS・結果

2010年9月13日 4回阪神2日10R
第24回 セントウルS(GⅡ)
芝・1200m 晴・良

 1着 ダッシャーゴーゴー  川田        1.08.0
 2着 グリーンバーディー  デュプレシス     クビ
 3着 メリッサ           福永          1

単勝 11  960円(4番人気)
馬連 1-11 3700円  馬単 11→1 7900円
3連複 1-6-11 14010円  3連単 11→1→6 88570円


■セントウルS・予習

サマースプリントシリーズ最終戦となるGⅡ・セントウルS。
GⅠ・スプリンターズSの前哨戦という意味でも重要な一戦であり、今回は「キンシャサノキセキがどのような走りを見せてくれるのか」が注目点だったのだが、残念ながら疝痛のため出走取消。断然の実績馬が不在になったために、レースも一気に混戦模様となった。
まずは出走15頭中8頭を数える“前走・北九州記念組”から検討してみたい。

アイビスSDのシンガリ負けから一転して北九州記念を制したメリッサ
このレースを勝てばワンカラットを逆転してサマースプリントシリーズチャンピオンを手にすることができる。陣営も「GⅠではなくここが目標」とコメント。5000万円の賞金獲得に向けて目イチで臨んでくるだろう。
もっとも、前走より3キロ増の斤量に加えて〈0.0.0.3〉と実績のない阪神コース。条件はかなり厳しくなる。夏に強い牝馬とはいえ、猛暑の中で新潟、小倉の2戦を消化しているのも不安材料だ。ここ2年で馬券に絡んだレースは昨年の北九州短距離Sと前走の北九州記念のみ(ともに1着)。成績にムラがあることも信頼性という点において強調しづらい。

北九州記念2着のスカイノダン
4走前の1000万勝ちからここまで4戦連続連対。安定感・充実度ではメリッサよりも上と見ることもできるだろう。
前走はフルゲート18頭の大外枠となったが、スタートを決めてすぐに好位に取り付くレースができた(スタートの良さはこの馬の持ち味でもある)。今回も再び大外枠だが、スムースにポジションを取ることができれば、前回同様の好走が期待できるかもしれない。
あとは、3キロ増となる斤量がどう影響するか。前走よりも相手関係が極端に厳しくなったとは思えないが、この馬自身も前走は“格上挑戦の軽量ハンデ馬”。別定のGⅡでどれだけの走りを見せてくれるか、注目したい。

北九州記念では3着だったサンダルフォン
1・2着馬と4キロのハンデ差があったことを考えれば、0.2秒差の3着は評価できるだろう。「2ヶ月ぶりの前走を叩いて状態はアップ」(陣営談)となれば、GⅠ・GⅡで強豪に揉まれてきた馬だけに、侮れない存在だ。
ただし、阪神コースとの相性は〈1.0.0.5〉と良くない。さらに、開幕週の馬場は基本的に先行有利。差し・追込型のこの馬にとってはベストの条件とは言えない。前走で見せたようなマクリ気味にポジションを上げる競馬ができるかどうか。あるいは、逃げ馬のケイティラブ、ヘッドライナーが競り合う形になって差し馬向きの流れになるかどうか。取捨選択に関しては、展開の読みが必要になりそうだ。

北九州記念4着のストリートスタイル
8枠17番から終始外々を回らされる競馬となったが、最後の直線ではメンバー最速の33秒8の脚を使って0.3秒差の4着に食い込んだ。
阪神コースは〈1.2.1.2〉。休み明けを叩いて実績のあるコースとなれば、軽視はできないだろう。
課題はサンダルフォンと同じく脚質。上がり33秒台のキレ味を発揮するためには、どうしても展開の助けが必要になる。

シルクロードS2着の実績があるショウナンカザン(北九州記念6着)。
前走は厳しいペースを追い上げて直線では3番手。逃げたケイティラブとコウエイハートが失速した中で0.3秒差の6着に粘ったことについては、この馬の底力と評価してもいいだろう。叩き3走目の今回は状態面での上積みも見込める。元々、スプリント路線で期待されていた馬だけに、このあたりで結果が欲しいところだ。
問題は、近走のレースで見せているズブさ(近走騎乗したジョッキーも指摘している)。前走ではそれなりに行く気を見せていたが、1番人気に支持されたオーシャンSでも2走前のアイビスSDでも“追っつけ通し”の競馬だった。開幕週でテンのスピードも速くなることが予想される今回、流れに乗れるかかどうかがカギになりそうだ。

人気にはなっていないものの、個人的に面白そうに思えるのがレディルージュ(北九州記念7着)。
馬体重の変動こそなかったが、前走は陣営いわく「攻め不足の余裕残し」。今回は坂路調教で49秒6の時計が出たように、確実に状態面が上がっているようだ。
昨年の夏以降はOP・重賞でも人気になり好走していた馬。当時の能力を発揮できれば上位争いに加わってくるかもしれない。前へ行ける脚もあるので、開幕週の馬場も苦にはならないはずだ。

前走の北九州記念で2番人気に支持された3歳馬のダッシャゴーゴー(結果は11着)。
不利を受けての結果だけに、この馬の巻き返しを推す声も多い。前走は行きっぷりが悪く後方からのレースになったが、陣営は「今回は前で競馬をさせる」とコメント。ハンデ差があったとはいえ、CBC賞で古馬相手に結果(2着)を出した実績があるのだから、簡単には見限れないだろう。
もっとも、開幕週の時計勝負になるとどうか。持ち時計の裏付けもなく、CBC賞2着にしても荒れた稍重馬場で1分9秒の決着だった。今後の可能性という意味では期待したい1頭ではあるのだが・・・。


別路線組では、テレビユー福島賞を制したショウナンアルバが人気になっている。
3歳時に共同通信杯勝ちがあるものの、その後は気性難が災いして結果につながらなかった。折り合い面を考えた場合、距離短縮は正解だったと言えるだろう。
ただし、準オープンの1200mを1走勝っただけの馬が、別定GⅡのスプリント戦で即通用するかというと、そのあたりは疑問だ。まして今回は熱発取消明けの中1週。脚質的にも後方からの末脚勝負は開幕週向きとは言い難い。大駆けの可能性は秘めているものの、今回はスプリンターとして活躍できるかどうかの試金石的な意味合いが強いようにも思える。

阪神芝実績を基準にすれば、〈5.2.0.7〉のタマモナイスプレイも無視できない存在。
もっとも、この馬に関しては初の1200mがポイント。マイル戦でマイペースの逃げならば、六甲Sでスマイルジャックに0.3秒差をつけたような強さを発揮できるが、スプリント戦ともなれば馬群全体のスピードも変わってくる。番手あたりにつけてペースに乗れるかどうかがカギになりそうだ。

開幕週という条件を考えれば、先行馬の粘り込みにも注意したいが、CBC賞を勝ったヘッドライナーは函館SSを使えず順調さを欠いた点がマイナス(阪神実績も良くない)。アイビスSDを制したケイティラブも1200mは1ハロン長い印象がある。

最後に香港GⅠ馬のグリーンバーディーだが・・・。
4ヶ月の休み明けで59キロの斤量を考えると、条件的にはかなり厳しいように思える。目標がスプリンターズSであることは間違いないし、評論家からは「猛暑のために馬自身の体調も落ちている」という意見もあがっている。ここは叩き台と見た方が無難かもしれない。
もっとも、国際レーティングではキンシャサノキセキよりも上の評価。地力の違いが明白ならば、2006年のテイクオーバーターゲットのように、叩き台と言われながらも結果(2着)を出す可能性はゼロとは言い切れないだろう。


中山で行われるハンデGⅢ・京成杯AHも混戦模様。
人気のセイクリッドバレー、キョウエイアシュラ、サンカルロはいずれも差し馬。ならば、直線の坂に不安はあるもののファイアーフロートの逃げ残りには一応の注意が必要。
他では、スプリント戦を使ったことで“行き脚”がつき前で競馬ができそうなフライングアップルと、4走前の韓国馬事会杯のようなポジション取りができた時のキョウエイストームが面白いかもしれない。
穴は、ファイアーフロートを制してハナを奪うという条件付きで、ファストロックの逃げ残り。





■今週末のブログについて

いつも『競馬のツボ<ブログ版>』にご来訪いただき、
ありがとうございます。
大変申し訳ありませんが、仕事の都合により、
今週末のブログは休ませていただきます。
(ここ最近、休載が多くてすみません・・・)

今週は新潟と小倉で2歳重賞が行われます。
まだ適性の定まっていない若駒のレースだけに予想は難しいかもしれませんが、
暮れのGⅠや来年のクラシックを見据える意味でも、
しっかりと各馬の走りを見ておきたいと思います。

9月に入りましたが、まだまだ暑い日が続いています。
皆様、体調に気をつけてお過ごしください。


安東 裕章



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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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