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■2010年10月

■毎日王冠・復習

1着・アリゼオ、2着・エイシンアポロン。
GⅡ・毎日王冠は3歳馬のワンツーで決着した。

レースはシルポートが先手を奪い、1000m通過が58秒9。予想していた通り、平均的な緩みのないペースとなった。
勝ったアリゼオは中団のインで我慢の競馬。「行き脚がつかなかったので無理に出さなかった」(福永騎手)とのことだが、向正面では掛かり気味の仕草を見せたものの、3コーナー過ぎからはリズムよく脚を溜める走り。最後は内をすくうような形でエイシンアポロンをハナ差交わした。
はじめから“控える競馬”を試みようとしたわけではなかったようだが、前へ行かなくても結果を残せたことは大収穫。課題だった折り合い面での成長がうかがえる内容と評価していいだろう。
福永騎手は「逃げで勝ったこともあるし、馬が若いので脚質を決めつけない方がいい」とコメント。流れに応じて自在性のある走りができるようになるまでには、まだまだ経験を積む必要があるだろうが、今後が楽しみになったことは事実。さらなる成長を期待したい。

2着のエイシンアポロンは好スタートから先団での競馬。休養効果のせいか見るからに素軽い走り。距離がどうかと思っていたが、弥生賞の時のように内々をロスなく回り、最後まで脚色が鈍らなかった。
岡田調教師は「前々で競馬をした方がいいことがわかったのは収穫」とコメント。流れに乗ることを重視して、差し脚質にこだわらなかったことも好走の一因と考えていいだろう。
「惜しい」と思ったのは、直線で逃げるシルポートに馬体を併せにいったこと。シルポートが失速したために、結果として1頭抜け出す形になり、アリゼオの目標になってしまったようだ。
蛯名騎手は「2000mまではこなせる」とコメントしているが、スピードの乗り方を見るとやはり“マイル向き”かも。距離が延びた場合は枠順に注意。皐月賞の時のように、外目の枠から外々を回らされて距離損のうまれる展開になると厳しいように思える。
アリゼオと比較すると、現時点ではこの馬の方が完成度が高い印象。古馬混合のマイル重賞ならば、わりと早い段階で結果を出してくれるかもしれない。

3着はGⅡ3勝の実績を持つネヴァブション。
『予習』で書いたように、最内枠をいかして先行するかと思っていたが、意外にも後方待機策。長距離の先行馬だけに、1800mではスタート直後のスピードについていけなかったのかもしれない。
とはいえ、直線では最内に入って上がり34秒4の追い込み。見事な伸び脚を見せてくれた。
休み明け、距離不足といった不利な条件で、しかも本来の競馬と違う展開になりながらも馬券圏内に入ってきたのは、やはり「格と実績がモノを言った」と見るべきだろう(適鞍ではない条件で好走した反動が若干不安ではあるが・・・)。

1~5番人気馬が馬券に絡めなかったために、配当的には波乱となった一戦だが、「人気薄の激走」というよりも「上位人気馬が揃って凡走」という印象の方が強い。アリゼオとエイシンアポロンの成長は認めるにしても、「力でねじ伏せたレース」とまでは言えないように思える。当然ながら、人気馬の敗因を検証する必要があるだろう。

1番人気のペルーサはダービーに続いて痛恨の出遅れ。最後はメンバー最速の脚(34秒3)で追い上げてきたものの、勝ち馬に0.5秒差をつけられ掲示板に載るのがやっとだった。
評価は2つに分かれるだろう。
「ゲートさえまともに出ていれば勝ち負けだった」という評価と「出遅れがなかったとしても上位にこれたかどうか」という評価。後者については、「ゲートの出も含めてその馬の強さと考える」「仮に出遅れても結果を出すのが強い馬」という意見も含まれる。
『予習』を読んだ方はおわかりだと思うが、当ブログはペルーサの強さに関しては懐疑的である。潜在的な能力は評価できるにしても、“常に力を発揮できる”という意味での強さについては疑問を持っていた。
正直なところ、個人的には、今回出走してきた3頭の3歳馬の中で、もっとも評価していなかったのがペルーサだった(その一方で、強い競馬を見せてくれることをもっとも期待していた馬でもあるのだが・・・)。アリゼオとエイシンアポロンには、重賞戦線でローズキングダムやヴィクトワールピサと戦って揉まれてきた“経験値”という強味があるからである。
今回のレースで「さすがデビューから4連勝しただけのことはある」と思わせてくれる部分があれば、見方も変わっただろう。しかし、残念ながら、それは次走への持ち越しになったようだ。多くの競馬ファンが期待している逸材だけに、レースでも力を発揮できるよう、素質を開花させてほしい。

唯一のGⅠ馬・ショウワモダンは9着に惨敗。
一気の頂点まで昇りつめた反動と言ってしまえばそれまでだが、春のピーク時の出来には戻っていなかったようだ。杉浦調教師も後藤騎手もそのあたりは認めている。
2年ぶりに休養をとったことからもわかるように、元来、使われて使われて良くなるタイプ。次走についても、多少は変わってくるだろうが、一変まではどうだろうか。
休み明けで59キロは厳しい条件には違いなかったが、得意の重馬場(発表は稍重)で見せ場のひとつもなかったことは、さすがに“負け過ぎ”の感がある。

逃げたシルポートは注文通りの競馬に持ち込めたが、残り2Fで力尽きた。
1000m通過が58秒9というタイムは、2着に入ったエプソムCの時と同じ。決して無理なペースではない。酒井騎手は「まだ良化途上なのかもしれない」とコメントしているが、この馬もショウワモダンと同じくピークのあとに休養に入った馬。1走叩いただけでは調子が戻らなかったかもしれない。
あるいは、前走で距離の長いオールカマーを走って、中1週で再度関東遠征というローテーションが厳しかったのか。
それにしても・・・、この馬はなぜ内ラチ沿いを走らなかったのだろうか。1~3着馬はいずれも空いたインを突いた馬。エプソムCの時もキャプテンベガに潜り込まれたが(もっともあの時は内が荒れていたが)、もしかしたら、クセのある走りをする馬なのかもしれない。

スマイルジャックとアドマイヤメジャーは、シルポートをマークする形で先行策をとったが、結果的に、前へ行った分だけ脚を溜められず末脚が鈍ったように思える。
スマイルジャックの三浦騎手は「1800mよりマイルがベスト」とコメント。マイル戦の速い流れで後方で脚を溜める競馬の方が向いているようだ。もっとも、折り合いに関しては不安を見せなかったレース。気性的に大人になった印象もある。
アドマイヤメジャーは悪い馬場がこたえたようだが、重賞戦線で活躍するにはもう少し経験を積んだ方がいいかもしれない。まだまだ迫力不足の感があった。




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■毎日王冠・結果

2010年10月10日 4回東京2日11R
第61回 毎日王冠(GⅡ)
芝・1800m 晴・やや重

 1着 アリゼオ        福永    1.46.4
 2着 エイシンアポロン   蛯名     ハナ
 3着 ネヴァブション     田中勝   1+1/2
単勝 4  1580円(6番人気)
馬連 3-4 7680円  馬単 4→3 15970円
3連複 1-3-4 40990円  3連単 4→3→1 315200円



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安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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