■2011年09月

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■先週の結果と今週のレース

まず、18日(日曜)に東西で行われた3歳クラシックのトライアルレースについて。

ローズSは1000m通過が61秒7の超スローペース。ブログでもふれたように、瞬発力勝負のレースになりました。
春の実績馬3頭は、いずれも前々での競馬をしましたが、大きく明暗が分かれる結果に。道中しっかりと折り合いがついて直線早目先頭から押し切ったホエールキャプチャは、いわば実力通りの走りを見せてくれましたが、桜花賞馬・マルセリーナは直線で伸びを欠き、オークス馬・エリンコートは直線入口で早々と失速してしまいました。

マルセリーナはプラス16キロ、エリンコートは同じく14キロ。本番を見据えた叩き台と言ってしまえばそれまででしょうが、負け過ぎの感も否めません。
瞬発力勝負よりも緩みない持久力勝負を得意とするエリンコートについては、本番の秋華賞での巻き返しを期待できるかもしれませんが、一方のマルセリーナの走りはどう評価すべきか。福永騎手は「いい位置でうまく流れに乗れたし次につながるレースはできた」とコメントしていますが、好位からの競馬で結果を出せたわけではありません。
マルセリーナの上がりは34秒3。勝ったホエールキャプチャよりも0.5秒劣り、レースの上がり・34秒1よりも遅い数字でした。末脚のキレが持ち味だった馬がその脚を使えなかったのですから、前々での競馬では勝ち負けは厳しいという判断もできるかと思います。本番ではどのようなポジション取りをするのか。状態面での上積みは見込めるでしょうが、京都内回りコースを攻略できるのかという点で、少なからず不安を残したのではないでしょうか。

本番の権利を獲った2着のマイネルイザベル、3着のキョウワジャンヌに関しては、ひとことで言えば“脚の溜め方の勝利”。スローの瞬発力勝負という展開が大きく味方した感もあります。本番の秋華賞は、走りの器用さも求められるレース。この2頭についてはそのあたりが課題になるでしょう。

一方、中山のセントライト記念は、ロイヤルクエストの大逃げによって、1000m通過が57秒5というハイペース。ブログにも書いたように、夏の新潟の直線勝負で勝ち上がってきた馬たちには厳しい展開となり、結果、自分から動ける力のある馬が上位を占めました。

勝ったフェイトフルウォーは中山適性を活かしきった印象。トーセンラーは内目をうまく抜けてきて、思っていた以上に順応性の高い馬と感じました。1番人気のサダムパテックは距離に不安がありましたが、鞍上の岩田騎手が脚を温存するレースに徹したこともあって課題をクリア。ただし、秋華賞とは逆に、直線の瞬発力勝負になりやすい菊花賞では、もうひとつキレが欲しかったようにも思えます(上がりそのものは速いのですが)。
終わってみれば、上位3頭はいずれも春の重賞勝ち馬。強力な上がり馬の出現はありませんでしたが、実績馬が順調に成長していたことを確認できたと思います。


さて、今週は阪神で神戸新聞杯が行われます。
注目はやはり2冠馬・オルフェーブル。本番の菊花賞をイメージできるような走りに期待です。
春と比べて順調度が違うと言われているウインバリアシオンも有力候補。デビューから3連勝中のフレールジャックは成長力がカギ。他では、春のクラシック前には“素質馬”と言われていたショウナンマイティ、スマートロビンあたりがどこまで迫れるかに注目です。

中山のオールカマーは少頭数の9頭立。
GⅠ馬となったアーネストリーは予定の札幌記念を使えなかった点が若干気掛かりですが、秋に結果を求める以上、それなりの競馬をしなければならないでしょう。個人的に注目したいのは、クラシックトライアルではなく古馬との対戦を選択した3歳馬のマイネルラクリマと格上挑戦のマコトギャラクシー。特にマコトギャラクシーは、後方からのロングスパートを得意とする馬なので、人気の先行勢をマークしながらレースを運べば食い込みがあるかもしれません。



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■本日のWIN5

ハンデ戦とトライアルレース。
今日は難しいですね。


●中山9R 初風特別
 アポロフィオリーナ、オクルス

●阪神10R 夙川特別
 シゲルソウウン

●中山10R 内房ステークス
 デュアルスウォード、サリエル

●阪神11R ローズS
 ホエールキャプチャ、ビッグスマイル

●中山11R セントライト記念
 トウシンイーグル、ヒットザターゲット


うーん・・・、とうとう買い目が10点を超えてしまいました・・・。
ひとつくらい当たりますように!

■ローズS&セントライト記念・展望

今週の競馬は3日間の変則開催。注目は18日(日曜)に行われる3歳クラシックのトライアルレース。阪神ではローズS、中山ではセントライト記念が行われます。

ローズSは桜花賞馬・マルセリーナとオークス馬・エリンコートが早くも対決。さらに、桜花賞2着→オークス3着のホエールキャプチャも出走。春の実績馬がどのような走りを見せてくれるか、あるいは上がり馬の台頭があるのか、非常に楽しみな一戦です。

レースのポイントをあげるならば、「今年も末脚勝負の競馬になるかどうか」かもしれません。
阪神競馬場改装後、外回りの芝1800mで行われるようになってからの4年間は、いずれも瞬発力勝負の決着でした。最速の上がりをマークした馬はすべて2着、勝ち馬4頭の上がりも2~3位の数字を記録しています。これは、コーナー2回通過でスタート後とゴール前の直線が長いコース形態が要因になっていると考えられます。

こうした傾向を踏まえると、速い上がりに対応できる馬が有利という見方もできるでしょう。好位抜け出しから長い脚を使うエリンコートよりも、桜花賞で後方から追い込んだマルセリーナ、ホエールキャプチャが上位人気に支持されているのはそのためかもしれません。
ただし、マルセリーナに関しては、安藤勝騎手から福永騎手への乗り替わりをどう判断するか。オークス4着は結果的に位置取りが後ろすぎたことが敗因でした。鞍上を替えることによって、ここ2戦とは違った前目のポジションからの競馬を試そうという意図があるのかもしれません。内回りコースで行われる本番の秋華賞に向けて、脚質転換を試みる可能性もあるということです。松田博調教師の「内容のあるレースを期待」というコメントには、そうした含みがあるようにも思えます。仮にそうなった場合、マルセリーナはこれまで得意としてきた後方からの末脚勝負を封印するわけですから、馬自身が走りに戸惑って凡走するケースがあるかもしれません(あくまで仮定の上の仮定ですが)。

上がり馬で人気になっているのはビッグスマイル。
前走の500万勝ちは2着に0.7秒差をつける圧勝でした。瞬発力勝負になりやすい“ローズSの傾向”を考えれば、そして今年も同じ展開になると予想するならば、この馬の末脚には注目でしょう。
キレ味そのものならば、キョウワジャンヌも怖い存在ですが、ここ2走を見る限りでは1400~1600mがベストという印象もあります。
上記2頭に対して、前走1000万を勝ったリヴァーレは前へ行ける脚のある馬。最内枠を活かして自分のペースで進めることができれば、後方が牽制し合うのを尻目に粘り込むかもしれません。瞬発力勝負が予想されるレースでは、前残りの可能性のある馬に対するマークも必要になるはずです。

他では、デビューから4戦連続で1番人気に支持され、その素質を評価されていたドナウブルー。
春はイレ込みによる馬体減が原因で、力を発揮できなかったということ。夏場の休養がプラスに働き、心身ともに成長があるのならば軽視できない存在でしょう。どのような走りを見せてくれるか注目です。
チューリップ賞3着、桜花賞4着の実績を持つメデタシは、休養明けの前走が案外な内容。折り合い面の弱点が見えました。小回りの小倉コースよりも今回の方が競馬がしやすくなるとは思いますが、距離をこなせるかどうかがカギになりそうです。
人気薄ではハッピーグラスが面白い存在。
緩みのない持久戦だった忘れな草賞で2着、スローの瞬発力勝負となった前走で1着。実績こそ目立たないものの、どんな形のレースになっても対応できる馬という見方もできるでしょう。


中山では菊花賞トライアルのセントライト記念。
次週に神戸新聞杯が開催されることもあって、春の実績馬が分散することが多く、それゆえ、上がり馬の台頭が目立つレースでもあります。

実績上位は皐月賞2着のサダムパテック。この馬の場合は距離が課題。ダービーでの7着敗退は、『ダービー・復習』の中でも述べたように「敗因は道悪よりも距離」のように思えました。中山コースに実績はありますが、頭が高く掛かり気味の走りをするこの馬が、外回りの2200mをどう克服するかがカギになるでしょう。

きさらぎ賞で見せた末脚が強烈だったトーセンラー。東京コースでの走りが期待されましたが、皐月賞が震災による輸送の影響、ダービーは道悪と、本来のキレ味を見ることができませんでした。
この馬の場合、中山の短い直線でキレ味を発揮できるかどうか。脚質的には外回り2400mの神戸新聞杯の方が向いているようにも思えるのですが・・・。

ダービー3着のベルシャザール。好位から競馬をする馬なので、最内枠から馬場の良いところを通れるのはプラスでしょう。ただし、皐月賞で惨敗したように、春先は体調の変動がそのままレース結果につながるタイプでした。休み明けの今回は、そのあたりの気配をチェックする必要があるかもしれません。

春のクラシックを使った組の巻き返しにも要注意。
中山で重賞勝ちのあるフェイトフルウォー。使い詰めだった春よりも休養効果がプラスになるかもしれないユニバーサルバンク。ラジオNIKKEI賞では不利のあった青葉賞2着のショウナンパルフェ。一線級との対戦という経験値を持つ馬たちが馬券に絡んできても不思議ではありません。

上がり馬では、ラヴェルソナタ、ハーキュリーズ、ショウナンバーズ、トウシンイーグルあたりが有力候補という見方が強いようです。たしかに、古馬との対戦で揉まれた経験が活きれば食い込みがあるかもしれません。ただし、新潟の上がりの競馬で結果を出しているタイプが多いので、それがそのまま今回のレースにつながるかというと、疑問な部分もあります。
むしろ面白そうなのは、北海道で連戦をこなしたヒットザターゲット。時計の速い瞬発力勝負では分が悪いでしょうが、スタミナを要求されるタフな持久戦になれば、長い距離を使ってきた経験がモノを言うかもしれません。





■セントウルS・復習

GⅡ・セントウルSを制したのは2番人気のエーシンヴァーゴウ。獲得ポイントでカレンチャンを逆転して、サマースプリントチャンピオンの座を手に入れた。

レースは前半3F通過が34秒1。スプリント重賞としてはかなり遅く、どの馬も楽に追走できたこともあって、馬群は団子状態で進む形となった。
こうした展開では脚質や枠順の有利・不利が生まれやすい。前が残りやすい流れは差し馬には厳しく、外枠に入った馬は密集した馬群の外々を回らされる形になる。今回のレースにも、こうした“展開のアヤ”が少なからず影響したようにも思える。

勝ったエーシンヴァーゴウは、スタートを決めて2番手へ。インをロスなく進み、手応えを残したまま直線を向くと、最後はゴール前の叩き合いをしのぎ切った。
最大の勝因は道中のポジション取りにあったと考えていいだろう。言い換えれば、この馬の持ち味である「スタートの速さ」が大きなアドバンテージを生んだということ。今回のような流れの緩いレースは、好位で脚を溜めてゴール前でひと伸びできる馬に最も向いている。結果論ではあるが、展開を味方につけられる“理想的な位置取り”で競馬ができたことが、勝利につながったと思われる。
もちろん、このレースに向けてベストの状態を維持させた陣営の努力や、最後まで渋太く粘らせた田辺騎手の渾身の騎乗も高く評価すべきだろう。『予習』の中で「夏場の激走の後に余力が残っているかどうか」と書いたが、「最後の手応えは一杯いっぱいでした」(田辺騎手)という言葉通り、ゴール前は本当にギリギリのところの“頑張り”だったようにも見えた。
スプリンターズSへの出走は定かではないが、仮に出走となればやはり“余力の有無”が課題になるだろう。個人的には「これだけの大仕事をしたのだから、できれば休ませてあげたい」と思うのだが・・・。
ともあれ、今年の夏、スプリンターとしての高い資質を持った馬が登場したことは紛れもない事実。今後の活躍に期待したい。

2着は香港馬のラッキーナイン。
ゲートで若干遅れたため、中団の後方寄り。1400~1600mがベストの馬という評価だったので、流れに乗れるかどうか注目していたが、3コーナー過ぎから馬群の中を縫うようにポジションを上げてきたのには驚かされた。最後は勝ち馬の内をすくうような鋭い伸び脚で、強力なインパクトを残した。59キロの斤量でこの走り。本番では怖い存在になりそうだ。
ただし、スプリンターズSで同じ競馬ができるかというと、はたしてどうだろうか。スタートから下り勾配が続く中山では、前半34秒1という楽なペースにはならないはず。陣営は「この馬にとってはペースがスローすぎた」とコメントしているが、スローだったからこそ道中で無理なく進出できたという見方もできる。その点については、本番直前にもう一度分析する必要があるかもしれない。

1番人気のダッシャーゴーゴーは3着。
4コーナー手前で外から進出し、直線を向いた時には「このまま突き抜けるのでは?」と思わせたが、そこからの伸びが案外。一旦はエーシンヴァーゴウの前に出たようにも見えたが、最後は逆に突きはなされた格好になった。
“強い勝ち方”を期待していたファンにとっては、おそらく不満の残る内容だっただろう。陣営や川田騎手のコメントにあるように、道中外々を回らされたロスが最後の伸びに影響したことはわかる。あるいは、本番を見据えた仕上げで、能力を出し切れなかったのかもしれない。
しかし、たとえ内外の有利・不利があったとしても、直線入口で好位に付けた以上は“勝てるレース運び”だったはず。この馬に対する期待が大きすぎたのかもしれないが、正直、物足りなさを感じた。
もちろん、本番での巻き返しが期待できないということではない。叩き台で0.1秒差の3着という結果は、決して悪いものではない。ただし、これまでのレースと比較して“明るい材料”があったかと言えば、そうとは言えないように思えるのだが・・・。

本番につながるという意味では、メンバー最速の上がりで追い込んだサンカルロの脚が光っていた。
久々の分もあって前半はモタつき、道中は馬群の中で動けなくなる場面もあったが、やはり能力のある馬という印象。1走叩いた次回はもっとスムーズに走れそうだ。
14着に降着になったとはいえ、香港馬・グリーンバーディーもまだまだ侮れない存在であることをアピールしたと言っていいだろう。
3番人気に支持され、個人的にもどういう走りを見せてくれるか注目していたエーシンリジルは6着。
インで流れに乗って直線で前が開く理想的な展開にも見えたが、直線では伸び切れず失速。このあたりは、『予習』でもふれた「激戦を経験した馬や実績馬との力差」なのかもしれない。


■セントウルS・結果

2011年9月11日 5回阪神2日11R
第25回 セントウルS(GⅡ)
芝・1200m 晴・良

 1着 エーシンヴァーゴウ   田辺   1.08.5
 2着 ラッキーナイン      プレブル  アタマ
 3着 ダッシャーゴーゴー    川田   1/2
単勝 9  640円(2番人気)
馬連 9-13 4760円  馬単 9→13 8460円
3連複 9-13-14 3080円  3連単 9→13→14 26290円



■セントウルS・予習

いよいよ今週から秋競馬が開幕。阪神競馬場ではGⅡ・セントウルSが行われる。
サマースプリントシリーズ最終戦であると同時に、GⅠ・スプリンターズSの前哨戦としての位置付けも重要となるこのレース。夏の上がり馬とGⅠ戦線で活躍する有力馬が混在することから、“現時点での調子を加味した上での力関係”の見極めが予想のポイントになりそうだ。

土曜午後の時点で前売り単勝1番人気に支持されているダッシャーゴーゴー
昨年のこのレースの覇者であり、GⅠでも上位を争える実力の持ち主。休養前のCBC賞では58.5キロの斤量を背負いながら“貫禄勝ち”とも言える内容で1着。格と実績はメンバー1であり、今回のレースの中心的存在と見なして差し支えないだろう。
もちろん、目標はGⅠ・スプリンターズSに違いないが、セントウルSから本番まで中2週という間隔の短いローテーションを考えれば、すでに8~9分の仕上がり状態にはあるはず。したがって、「叩き台の今回は割り引き」という考え方は危険に思える。
陣営も「目標は次でも取りこぼせない一戦」とコメント。スプリント戦線を牽引していく役目を担うためにも、ここでは“強さを感じさせる走り”を期待したい。

このレースに勝てばサマースプリントチャンピオンの座を手にすることができるエーシンヴァーゴウ
北海道シリーズで大活躍したカレンチャン(現在シリーズ1位)とともに、この夏の上がり馬の代表格と言える。
3連勝でアイビスSDを制覇。前走の北九州記念では3着に敗れたが、牝馬で55.5キロという斤量の影響が大きかったようだ。それでも勝ち馬から0.1秒差。懸念されていた口向きの悪さも見せず、最後まで集中した走りを見せたこともあり、“負けて強し”という声も多い。たしかに、スタートから先行集団に取り付き、前半32秒台のペースを直線入口まで“持ったまま”で追走した走りは、スピードに対応できる柔軟性を持ったスプリンターの資質を感じさせるものだった。
この馬の場合、余力がどれだけ残っているかがカギだろう。
カルストンライトオのレコードタイムに0.1秒差(53秒8)まで迫ったアイビスSD。1分7秒3の好タイムで走った北九州記念。この馬の速さを証明する数字には違いないが、言い方をかえれば、いずれも“激走”である。しかも、前走は55.5キロの斤量を背負っての激走。今回、斤量が楽になると言われているのは、前走がそれだけ過酷だったことにほかならない。中3週の間にミニ放牧を挟んだとのことだが、これまでの消耗の度合いが少なからず気掛かりだ。

前走、北九州記念を制したトウカイミステリー。この馬にもサマースプリントチャンピオンの権利が残されている。
北九州記念は、一言で言えば「すべてがうまくいったレース」。52キロの軽量、滞在効果による馬体の回復、差し脚が活かせる展開。これらがいずれもプラスに作用した結果だった。
当然、今回は条件が厳しくなる。斤量増に当日輸送。開幕週の馬場を考えれば、脚質的に不向きな面も否めない。
ただし、ローテーションを重視するならば、夏場のシリーズを使った馬よりも叩いた上積みは期待できるはず。軽量だったとはいえ、自身の持ち時計を大きく更新できたのは、地力強化と判断することもできる。輸送減りをする馬なので当日の気配がポイントになるだろうが、“前走は恵まれた勝利”ということだけで軽視するのは危険かもしれない。

北九州記念2着のエーシンリジル
レース巧者であっても他を圧倒するスピードやキレには欠けるという印象だったが、ここ2走は1分7秒台前半の決着での連対が続き、馬自身の成長を感じさせる部分もある。前走はプラス16キロでの出走だったが、これも陣営の言葉を借りれば「成長分」。エーシンヴァーゴウのように脚光を浴びているわけではないが、この馬についても勢いのある“夏の上がり馬”という評価を与えてもいいだろう。
阪神芝コースは〈1.0.0.5〉と決して良い数字ではないが、そのうちの4着外は1400~1600m戦でのもの(1200m戦では〈1.0.0.1〉)。さらに、今回の最内枠は開幕週の馬場状態を考えれば好材料で、鞍上・岩田騎手が得意とする“空いたインを突き抜ける騎乗”もイメージできる。
サマースプリントシリーズで揉まれた馬との経験値の差、あるいは、実績馬との地力の差がどれだけあるかがカギになるが、個人的にはどのような走りを見せてくれるか興味深い1頭。

前走、1600万の彦根Sを完勝し、オープン再昇級となるエーシンホワイティ
夏場のレースを見送ってここを目標に調整されてきた点は、ひとつの強調材料だろう。3走前のCBC賞で3番人気に支持されていたように、潜在能力に対する評価も高い。そのCBC賞は4コーナーで大きく外に膨らんだロスがあり5着(0.4秒差)。まとまならばダッシャーゴーゴーと好勝負になったのではという声もある。
この馬の課題は、ハイペースに対応できるかどうか。
前走(1着)の1200m戦は3F通過が35秒2のスロー、2走前(2着)の1400mも36秒7である。3歳時にファルコンSを制しているが、この時もハイペースとはいえ、自身は前半34秒4。4コーナー10番手からの差し切りだった。
今回は、北九州記念を前半32秒4で走ったテイエムオオタカが出走する。開幕週の馬場を加味すれば、ハイペースは必至。そのあたりの流れに乗れるかどうか。展開が向くかどうかがポイントになりそうだ。

3ヶ月の休み明けでこのレースから始動するサンカルロ
ダッシャーゴーゴー同様、目標は本番のスプリンターズSだが、前述した通り、中2週のローテーションを考えればある程度の仕上がりで臨んでくるだろう。
芝1200mの実績は〈0.1.1.1〉と少ないが、これらはいずれもGⅠレース。昨年の高松宮記念4着、スプリンターズS3着、今年の高松宮記念2着という結果が光っている。阪神は〈1.2.1.1〉の得意コース。ステップレースとはいえ、能力上位の走りを期待できる条件だ。
不安点をあげるならば、休み明けでいきなり1200m戦を走る点。
この馬のスプリントGⅠでの好走は、すべて休み明けの前哨戦に1400~1600mを使っての2走目。つまり、1200mの鉄砲駆けの経験は今までないということ。これまでとは違ったパターンなのである。
元々、マイラーから距離を短くして頭角を現わしてきた馬だけに、スプリント戦での好走にも前哨戦からの距離短縮という要素がプラスに作用したのかもしれない。
まして今回は、陣営いわく「多少の余裕残し」。実力を発揮できれば好走の可能性も十分あるが、ハイペースに戸惑うのではないかという懸念もある。

開幕週の馬場では逃げ・先行馬が残りやすいという考え方が一般的だが、このレースでは必ずしもそうとは言い切れない。
阪神競馬場改装後の4年のデータを見る限りでは、4コーナーを先頭で通過した逃げ馬が馬券に絡んだのは、2008年のスプリングソングの3着のみ。最後方からの直線一気はないものの、4コーナー5番手以降の馬でも圏内に届いている。開幕週ということでジョッキーの意識が前に向かうため、テンが速くなりやすいというのが逃げ粘れない理由のようだ。
とはいえ、本質的には逃げ・先行馬が有利ということは頭に置いておくべきだろう。

北九州記念でハイラップを刻みながら0.2秒差の4着に踏み止まったテイエムオオタカ
その走りから、レース後には“強い逃げ馬”という評価が高まった。開幕週の馬場を味方につければ、さらに粘りを増すと考えるのは妥当だろう。マイペース(他馬にとっては速いペース)に持ち込めれば、勝機を見出す可能性もあるはずだ。
ただし、この馬もエーシンヴァーゴウ同様、余力の有無がカギ。
北海道→美浦→九州と移動を繰り返し、今回も美浦から関西への遠征。前走の北九州記念では外へモタレ気味の走りをしていたが、それについて陣営はハッキリと疲労によるイレ込みがあったと認めている。陣営は続けて「今回は立て直した」とコメントしているが、はたしてどこまで状態が回復しているか。

もう1頭の逃げ馬・ヘッドライナー
前走の北九州記念ではテイエムオオタカにハナを奪われ自分の形に持ち込めなかったが、それでも好位で粘って0.2秒差の5着。収穫のあったレースという見方もされている。
今回はテイエムオオタカより内に入ったこともあり、陣営は“逃げ宣言”。近4走よりも斤量面で有利になることもあり、先手を取ることができれば侮れない存在だろう。
この馬に関しては、注目したい点がある。3走前のCBC賞での走りだ。
このレースでヘッドライナーは前半33秒8のペースでレースを引っ張り2着に残っている。実は、この馬が3F34秒を切って好走するのは珍しく、ここ2年は33秒台の通過では掲示板にも載れなかった。4走前のテレビ愛知オープン(1400m)のように、前半35秒2のスローに落として自身の上がりを33秒台にまとめるのがこの馬の勝ちパターン。大きな変化である。
前走にしても3Fの通過が33秒0での好走。あくまで数字上での判断になるが、前傾型のスピードに対応できる走りができるようになったとも考えられる。そういう意味では不気味な存在。スピードではテイエムオオタカに注目が集まっているが、この馬の逃げにも注意が必要かもしれない。
もっとも、サマースプリントシリーズでこれまでとは違った走りをした消耗度も考慮すべき点(特に慣れない直線競馬を使った影響は大きいはず)。余力があるかどうかという不安材料はこの馬にもあてはまる。

香港馬の取捨も予想の上でのポイント。
昨年、このレースで2着に入ったグリーンバーディー
すでに日本で実績を残していることは、輸送の経験や環境への適応といった部分も含めて大きなアドバンテージと考えられる。
ただし、国際スプリントGⅠを勝って勢いよく臨んだ昨年と違い、今年は近走の成績が今イチ。年齢的にも衰えを指摘する声も上がっている。
むしろ評価が高いのは4歳馬のラッキーナイン。近走の勢いを踏まえれば軽視はできない。
ベストの距離とは言えない1200m戦への対応、59キロの斤量といった課題があるとはいえ、近走の勢いを踏まえれば軽視はできないだろう。
両馬とも目標はスプリンターズSだろうが、日本のスプリント路線のレベルを考えると、香港馬2頭についてはたとえ前哨戦であっても一応のマークが必要かもしれない。

最後に人気薄を1頭あげるならば、スギノエンデバー
4ヶ月の休み明けで初の古馬対戦、しかもGⅡとなれば敷居が高いことは間違いない。
ただし、“大化け”の可能性がゼロかといえばそうとは言い切れないだろう。ファルコンSでの伸び脚の鋭さは印象的だったし、夏場を休養に充てたことによる“目に見えない成長”が開花するケースもある。
前走はオープン特別で5着に敗れているが、騎乗した四位騎手のコメントによれば「流れが遅くて力んでいた」とのこと。ならば、重賞の速い流れが走りに味方する可能性があるかもしれない。


中山ではハンデGⅢの京成杯AH。難解な一戦である。
前走・関屋記念の1・2着馬が人気になっているが、力みがちの走りをするレインボーペガサスはトリッキーな中山コースへの対応が課題。直線一気の差し脚を見せたエアラフォンは、開幕週の芝を考えれば位置取りがカギ。
夏至Sを逃げ切ったフィフスペトルも本来は差し馬。他に先行したい馬がいる今回は同じ競馬はできないはず。横山典騎手がどのようなポジション取りをするかに注目。
コスモセンサーは復調度がどうか。オセアニアボスは前走大外からスムーズに回れたことが勝因なので、内枠で揉まれた場合の走りがポイントになりそうだ。
個人的に気になるのは、タマモナイスプレイ。
近走好走歴のある阪神1200mのセントウルSではなく(登録はあったが)、あえて中山のマイル戦を狙ってきた意図は何か。軽ハンデではなく57キロを背負う以上、それなりの勝算があるのかもしれない。




■いよいよ秋競馬!

今週は久々にガッツリと『予習』を書きたいと思います!
よろしくお願いします。


安東 裕章

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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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