■2012年07月

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■残念ながら。。。

「競馬のツボ<ブログ販>」にお越しいただき、
ありがとうございます。
申し訳ありませんが、今週は都合によりブログを休ませていただきます。
もしかしたら、来週8月5日も更新できないかもしれませんが、
出張から戻ってこれるようでしたら、がんばります!

暑い日が続いております。
皆様、体調に気をつけてお過ごしください。

ご健闘をお祈り申し上げます。


安東 裕章
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■アイビスサマーダッシユ・復習

アイビスサマーダッシュを制したのは7番人気のパドトロア。
初の直線競馬だったが、道中は無理なく流れに乗り、先行馬を見る形で好位を追走。残り100mで仕掛けると一気に突き抜け、2着馬に1馬身半差をつける強い勝ち方を見せてくれた。

レースは好スタートを決めたハクサンムーンが逃げて、2ハロン目に9秒9を記録する超ハイペース。そのため、馬群は終始バラける形になり、どの馬も不利を受けることなく真っ直ぐ走れる展開になった。
言い換えれば、どの馬にも不利がなくスピードの絶対値が問われるレースになったということ。と同時に、そのスピードを持続したまま走り切れる底力も必要とされる一戦だったと言えるだろう。実績馬が上位にきた結果は、その意味で納得できるものだった。

勝ったパドトロアについては、『予習』の中で「スタートダッシュを決めて好位置をキープできるかどうかが課題」と書いたが、その点は見事にクリア。さらに、隣枠から先を行くエーシンダックマンが格好の目標になったこともあって、番手マークのような形でしっかりと追走できていた。走りに勢いがありながら、前を深追いせず、最後の伸び脚を温存させた安藤勝騎手の判断も絶妙。近走は復調に手間取っている感もあったが、今回はGⅠ2着の底力をいかんなく発揮できたように思える。

2着のエーシンダックマンは、持ち味のスピードを生かし切った内容。
1200mの快足馬が1000mを走ると、オーバーペースになって失速する場合もあるのだが、この馬は最後まで我慢ができていた。直線競馬の適性という点では合格と見なせるだろう。
さらに、今回の結果は「近走の敗因は馬場だった」という判断にもつながる。時計の速い良馬場ならば、今後もノーマークにはできない逃げ馬になりそうだ。

3着には昨年の勝ち馬・エーシンヴァーゴウ。
状態面がどうかと思われたが、いざレースになるとまったく不安を感じさせない走り。夏場が得意な馬とはいえ、休み明けでこれだけの結果を出せたのは、やはり地力の違いだろう。
今後の予定は、昨年同様、北九州記念→セントウルS→スプリンターズSとのこと。1走使ったことでさらに調子を上げてくるようならば、今年もサマースプリントの中心的存在になる可能性は大きいはずだ。

4着は3歳馬のハクサンムーン。
53キロということもあって、序盤から飛ばしてスピード勝負に持ち込んだが、さすがに最後は一杯になった。とはいえ、キャリアを考えれば大健闘と言える内容。非凡なスピードが証明されたことは間違いない。経験と積んで粗削りな面が解消された時、どのような走りを見せてくれるのか。今後の成長に期待したい。

5着はジュエルオブナイル。
前半は若干置かれ気味だったが、最後は渋太く伸びてきた。一時の不振からは完全に脱したようでもある。
もっとも、好位中団から末脚を発揮できる1200mがベストという印象も。今回のような“スピードの持続力”を問われるレースよりも、緩急のある流れの方が向いているように思える。

1番人気のビウイッチアスは10着。
「この距離では追走に余裕がなかった」という吉田豊騎手のコメントの通り、道中は追い通しでスピードに対応できなかった。この点に関しては、『予習』で述べた「直線競馬の適性への不安」が的中したと言えるだろう。
土曜日昼の時点で単勝1倍台。最終的には3.6倍に落ち着いたものの、「軽量の3歳牝馬」や「枠順」といった要素だけで過剰人気になっていた面も否めない。時計的に強調材料の乏しいバーデンバーデンCをこの馬のベストパフォーマンスと考えれば、今回の大敗は予想の範疇にあったはずである。

2番人気のアフォードは9着。
新潟直線1000mには〈1.1.1.0〉の実績があったが、今回は見せ場すらなかった。村田騎手は「オープン相手だと楽な競馬はできない」と力負けを認めるコメントを残しているが、久々の分、反応が鈍かったのかもしれない。
あるいは、『予習』でもふれたように、暑い時期の競馬が苦手という推測もできる。それに関しては、この夏の新潟開催中に自己条件を使った場合の結果を踏まえてから、改めて考えてみたい。


中京記念は外を回った差し・追込馬による決着。
良馬場発表ではあったが、1分35秒1の勝ちタイムを考えると、芝の状態はかなり悪かったと思われる。上位馬の末脚は評価できるものの、コース取りや道悪の巧拙がレースに影響したことも確かだろう。
サマーマイルSの次走・関屋記念は、過去10年、1分31秒~32秒台の決着。同じメンバーが顔を揃えるようであれば、今回の中京記念はある種“特異なレース”であったことを前提にする必要があるかもしれない。


■アイビスサマーダッシュ・予習

直線1000mのスピード勝負、夏の名物重賞・アイビスサマーダッシュ。
フルゲート18頭に快足自慢のメンバーたちが集結、今後のスプリント戦線を占う意味でも楽しみな一戦になりそうだ。

土曜日午後の時点で抜けた1番人気に支持されているのは、3歳牝馬のビウイッチアス
前走・バーデンバーデンCは、50キロの恵量だったとはいえ、古馬との初対戦をまったく問題にせず快勝。好位から直線で抜け出す正攻法の強い競馬を見せてくれた。
今回も51キロでの出走となり、斤量面でのアドバンテージは大きい。過去にも軽量を生かした3歳牝馬の好走が目立つだけに、有力候補と見なして差し支えないだろう。
あとは、直線競馬への適性があるかどうか。
陣営は「相当スピードのある馬」と分析しているが、持ち時計自体はそれほど速くはない。アイビスSDは前半・上がり共に3F31秒台後半から32秒台前半になるレース。この馬がマークしたこれまでで最も速い前半3Fは前走の33秒7(上がりは35秒8)。1200m戦で〈2.2.1.0〉の実績を残していることから、1200mこそが適距離という見方もできる。流れに対応できるかどうかがカギになるだろう。
3歳牝馬のテイエムチュラサン、サチノスイーティーがこのレースを勝った時は、いずれも7番人気で実力評価は低かった。つまり、この2頭は直線競馬でそれまで以上の能力を発揮できたということ。はたして、今回の条件で、ビウイッチアスが1200m戦を上回るパフォーマンスを見せられるかどうか(=これまで以上の能力を発揮できるかどうか)。そう考えた場合、単勝1倍台の人気というのは、いささか過剰のようにも思える。

昨年の勝ち馬でサマースプリントチャンピオンに輝いたエーシンヴァーゴウ
北九州記念3着の後、セントウルSを勝ってスプリンターズSでも3着。短距離馬として非凡な能力を見せてくれた昨年の夏の活躍は記憶に新しい。
新潟1000mは〈2.0.0.0〉の実績。得意の条件だけに連覇への期待もかかるが、不安に思えるのは状態面。
年明けの2戦はまったく精彩を欠く内容。加えて、今回は海外遠征帰りの休み明け。2連勝の勢いで参戦した昨年と比べると、臨戦過程は雲泥の差と言える。短距離のトップクラスと互角の戦いをしてきた力と経験の持ち主である以上、軽視はできないものの、少なからず割引は必要だろう。

前走、CBC賞7着のエーシンダックマン
近走は結果が出ていないものの、その敗因は、道悪(オーシャンS・CBC賞)と荒れて時計のかかる馬場(高松宮記念)と明白。年明けの淀短距離Sで見せたような、持ち前のスピードが生かしきれないレースが続いたと判断できる。今回、良馬場開催になれば見直しも可能だろう。8枠17番という枠順も、馬場の荒れていない外目を走れる点では好材料に違いない。
ただし、初の直線1000mで、これまでと同じように逃げられるかどうか。仮に先手を取れたとしても、息の入れ方などで戸惑うことはないか。この馬のスピード自体は評価できるものの、「直線1000mはコーナリングで息を入れやすい1200mとは明らかに質の違うレース」という認識は持っておきたい。
デビュー以来、ハナを譲ったことのない馬なので、番手からの競馬や揉まれる展開になった場合の不安もある。一気に行き切る可能性も捨て難いが、“1200mの逃げ馬”という形が出来上がっているだけに、初の直線勝負への対応がカギになりそうだ。

昨年のスプリンターズSで2着に入ったパドトロア
エーシンヴァーゴウ同様、昨年夏のスプリント戦線で目ざましい活躍を見せてくれた。
香港スプリントに参戦後、帰国してからのレースは着外が続いているが、3走前・2走前は58キロを背負って0.4秒差・0.5秒差。決して大きく負けているわけではない。前走の函館SS4着については、「間隔が空いてもうひとつピリッとしなかった」(陣営談)とのこと。叩いたことで順当に良化が見込めるならば、底力を発揮できる可能性もあるだろう。
もっとも、昨年の好調時に比べると、スピードの乗り方が鈍くなったように見えるのは気掛かりな材料。実際、前半3Fの時計は以前よりも遅くなっている。
今回の8枠16番は好枠には違いないが、直線競馬は外ラチ沿いに馬が密集する傾向があり、たとえ外枠に入っても序盤でポジションを取れない場合は、前が壁になって窮屈な競馬を強いられることもある。この馬自身、後方から末脚を生かすタイプではないので、スタートダッシュを決めて好位置をキープできるかどうかが課題になるだろう。

前走、CBC賞4着のオウケンサクラ
「距離を短くしてから集中して走るようになった」という陣営の言葉通り、前走でも最後まで渋太い競馬を見せてくれた。今回はさらに1Fの距離短縮。気性的には速いペースの方が得意とも思えるので、戸惑わず流れに乗ることができれば、堅実な脚を使えるタイプだけに侮れない。
もっとも、『CBC賞・復習』でも書いたように、今回の参戦は「これまで以上に速い流れを経験することで行き脚がつく効果を狙ったもの」という見方もできる。陣営も「ここの結果次第で次走を1400m(朱鷺S)にするか1200m(北九州記念)にするかを考える」とコメント。となれば、狙い目はむしろ次走のようにも思えるのだが・・・。

新潟直線1000mには〈1.1.1.0〉の実績を持つアフォード
1000万、1600万を連勝して臨む勢いは見逃せない。実際には降級して格上挑戦の形になるが、一昨年のケイティラブのように直線競馬の適性の高い馬がクラスを超えて勝つケースもある。前走の勝ちタイム54秒5は全体的に時計のかかっていた開催では立派な数字。鞍上は直線競馬を得意とする村田騎手でもあり、当然ここでもマークが必要だろう。
気になる点をあげるならば、この時期の競馬がどうかということ。
新潟直線1000m〈1.1.1.0〉は、9月、10月、5月でのレース。6~8月に走ったレースでは、人気を背負いながら5着、6着に敗れている。もちろん、これだけでは“暑さが苦手”といった判断はできないが、今回は2ヶ月の間隔が空いたこともあるので、直前の気配には注意した方がいいかもしれない。

前走、準オープンのテレビユー福島賞を制したジュエルオブナイル
デビュー3戦目で小倉2歳Sを勝った馬だが、その後の成績は停滞。昨年夏以降、ようやく力を発揮できるようになってきた。
この馬の強調材料は、5戦して〈3.2.0.0〉という6~8月の戦績(ちなみに、勝った小倉2歳Sの開催は9月6日)。牝馬らしく夏場に調子を上がるタイプとも判断できる。1200mの持ち時計も1分7秒6と悪くなく、同距離での9連対は同じ5歳牝馬のエーシンヴァーゴウを上回る。「最近は前に行けなくなったので直線競馬への対応がカギ」という陣営のコメントの通り、適性の有無は未知数ではあるが、快足馬の資質に注目すれば軽視できない1頭だろう。
あとは、福島遠征から中2週のローテーションがどうか。前走では馬体を減らしていただけに、「状態面が万全であれば」という但し書きが付きそうだ。

53キロで出走できる3歳牡馬は2頭参戦。

前走、古馬混合1000万クラス・出石特別の勝ち方が圧巻だったハクサンムーン
坂のある阪神1200mを、前半34秒0→後半33秒8の時計で、2着馬の5馬身差をつけて逃げ切った。ある意味、驚異的な走りだったと言えるだろう。
今回は初の直線競馬ではあるが、スピードの絶対値と斤量差を生かせるならば、好走の可能性も十分ある。
もっとも、格上挑戦はともかく、デビューから7戦というレース経験の少なさは不安材料。全成績〈3.0.0.4〉も安定感に欠ける数字に見える。未完成であるがゆえに、一発の魅力に溢れた馬であることは間違いないが、信頼性という点では劣るのも確かだろう。

前走、函館SSで一線級の古馬と対戦したレオンビスティー
序盤から無理なく先行できたことは評価できるが、まだまだ敷居が高かったという印象も。
さらにこの馬の場合、1200・1400・1600のいずれの距離においても、時計がかかった方が好走につながることが多い。それゆえ、スピード勝負の直線競馬で力を発揮できるかどうかという懸念も生まれる。
もっとも、ダート戦で〈1.2.1.0〉の戦績をあげているのは面白い。掻き込むような走りで推進力に優れた部分がこの馬の本質であるのならば、直線競馬で一変する可能性もゼロとは言えないだろう。

人気薄では、直線競馬に実績のある馬に注意したい。
新潟直線〈1.0.0.1〉のナイアードは函館SSを使って叩き2走目。昨年秋の京阪杯ではロードカナロアに0.4秒差の4着という結果も残しており、徐々にクラス慣れができているようだ。
新潟直線〈1.0.1.2〉のシャウトラインも気になる存在だが、休み明けは〈0.0.0.6〉。積極的には狙いにくいかもしれない。
馬場の外目で先行勢がゴチャつくような流れになった場合には、展開を利して内から伸びてくる可能性のある1枠の2頭が面白い。
昨年のこのレースで11番人気ながら3着に入ったアポロフェニックスと、昨年5月の駿風特別を10番人気で勝ったセブンシークィーン。どちらも凡走続きの中、直線競馬で一変したタイプなので、再び激走があっても驚けないだろう。


中京ではマイルGⅢの中京記念。こちらはハンデ戦ということもあって人気が割れ気味だ。
先週あたりから外差しの決まり出した馬場状態を踏まえれば、末脚のキレるタイプには注目すべきかもしれない。

安田記念4着のダノンヨーヨーはスタートがカギ。中京の1600mは最初のコーナーまでの距離が短いので、出遅れは致命傷になりかねない。
昨年の関屋記念で長くいい脚を使ったエアラフォンは、休み明けの前走で本来の競馬をしなかった点が若干気になる。
フラガラッハは前走の上がり32秒6が秀逸。ただし、阪神C3着の実績があるとはいえ、オープン1勝馬に57キロのハンデは見込まれた感も。
前走逃げ切り勝ちのエーシンリターンズは前半3F37秒のスローペースが勝因。レッツゴーキリシマが出走する今回、どのような競馬をするかがカギ。
重賞3勝のレッドデイヴィスの近走は、輸送競馬が敗因という意見も。当日輸送の今回、どれだけの走りを見せてくれるか。
前走1番人気を裏切ったショウリュウムーンは大外枠が課題。近走は好位のインで脚を溜めて結果を出しているので、道中の位置取りがポイントになりそうだ。

人気薄で気になるのは3頭。
前走出遅れながらも久々に33秒台の上がりをマークしてメリハリのある競馬を見せたゴールスキー。前走より2キロ軽いハンデ53キロで出走するチャームポット。左回り芝コースでは〈3.0.0.1〉の実績があるドリームカトラス

いずれにしても、買い目を絞りにくい難解な一戦と言えるだろう。


■函館記念・短評

函館記念を制したのは4番人気のトランスワープ。
道中は中団のインでじっくり脚を溜め、直線で前が開くと、そこから一気に加速。メンバー最速の上がり(35秒7)をマークして、後続を振り切りました。

今回、レースの明暗を分けたのは“仕掛けのタイミング”だったように思えます。
最軽量のセイカアレグロが引っ張る展開で1000m通過は59秒1。時計のかかる函館の馬場としては厳しい流れだったと言えるでしょう。レースが動いたのは3コーナー過ぎ。ロードオブザリング、マイネルスターリー、トウカイパラダイスといったところがマクリ気味に進出したことで馬群が凝縮し、ゴールへ向けての追い比べになりました。
勝ったトランスワープはワンテンポ遅らせての追い出し。ペースを見極めた上で馬場の良い内ラチ沿いでギリギリまで脚を温存する競馬に徹しました。他馬と同じように早目に動き出していたら、最後の伸び脚を使えていたかどうか・・・。このあたりは、主戦・大野騎手の好判断を評価したいと思います。
個人的には「本来の先行策に戻すのかな?」と考えていたので、出遅れて仕方なく後方から進んだ前走と同じく差しの競馬をしたのは意外でもありました。今回の結果を受けて「どこからでも競馬ができる馬」という判断が必要になったことは確かでしょう。

2着のイケトップガンも道中は後方のインで脚を溜める走り。勝ち馬を見る形で進んでいましたが、直線はゴチャつかない外へ。結果としては、最後は“内外の差”という見方もできるかもしれません。
『展望』には「道中じっくり脚を溜めれば、52キロの斤量が末脚のキレに味方するかもしれない」と書きましたが、まさにその通りの内容。やはり、前走の巴賞で最速の上がりをマークしたことは、検討材料として無視できないものだったと思います。
この馬に関しても、トランスワープの大野騎手と同じく、他馬の動きに惑わされず末脚勝負に徹した丸田騎手の騎乗を評価できるでしょう。ハンデに恵まれた好走と言ってしまえばそれまでですが、この馬の持ち味を発揮できたレースだったことは間違いありません。

3着は早目先頭から粘り込んだミッキーパンプキン。
『展望』では「今回は舌と括ってレースに臨む」という陣営のコメントを取り上げましたが、その効果が結果いつながったようにも思えます。どこかモタモタしていた前走に比べて、走りに集中していたようにも見えました。
レースのVTRを見ると、この馬も外から馬群が動き出すのを確認してから追い出した感があります。1・2着馬のように、末脚を温存していたわけではありませんが、番手マークに徹して勝負どころまで動かなかったことが最後まで粘れた一因になったかもしれません。加えて、終始、馬場のいい最内を走れたこともプラスに作用したのでしょう。
時計のかかった春の阪神でショウナンマイティを退けた実績の持ち主。結果論にはなりますが、軽視できない存在だったようにも思えます。

1番人気のトウカイパラダイスは4着。
3コーナーから進出して直線で大外に出しましたが、期待していたほどの伸びはありませんでした。
敗因についてはさまざまな意見があるようですが、早めに動いたことで脚を使い過ぎたかなという印象もあります。どちらかと言えば、好位でじっくり脚を溜めたいタイプなので、道中揉まれる競馬を強いられて前に取り付けなかったことも誤算だったでしょう(この点は『展望』の中でも不安要素として指摘)。
あるいは、年明けから使い詰めの上に中1週というローテーションの影響もあったかもしれません。プラス6キロという馬体重を「前走後、楽をさせた」と判断するならば、状態面が必ずしも万全ではなかったという見方もできます。
いずれにしても、この馬の競馬ができたとは言えないでしょう。0.3秒差の4着ならば、決して悲観する内容ではありませんが、もっと広いコースでゆったりと運べる条件の方が向いているようにも思えました。

マイネルスターリー(3番人気)とロードオブザリング(5番人気)は、早めに動いた分だけ直線で失速したように見えました。特にロードオブザリングは、向正面からおっつけ通しで、いかにも小回りは窮屈といった印象。ペースが速かったせいもあるでしょうが、後方でじっくり構えて大外を回す競馬の方がよかったかもしれません。
2番人気のネオヴァンドームは見せ場もなく9着。浜中騎手は「今日は不利がすべて」とコメントしましたが、それほどのアクシデントがあったかどうか・・・。適性の問題だったように思えます。


■函館記念・展望

今週はハンデGⅢの函館記念が行われます。
このレースのポイントは、やはりコース適性と洋芝適性。エリモハリアーの3連覇(2005~2007年)に代表されるリピーターの活躍や、中央で凡走を繰り返していた馬が別馬のような走りを見せる要因は、“函館の芝コースを得意としている”ことにあると考えられます。ある意味、近走の成績がアテにならないレース。ハンデ戦ということもあって、難解な一戦と言えるでしょう。

前走、巴賞を制したトウカイパラダイス
長距離を中心に使われていたため、一気の距離短縮と初の洋芝がどうかと思われましたが、十分に対応できていました。2走前の目黒記念では2着。ここ2走の内容については、オープン入り初戦でGⅠ・春天を走った経験によって馬が逞しくなったという声も聞かれています。
斤量は前走より1キロ減の56キロ。滞在で中1週の競馬になりますが、この馬を管理する田所厩舎はかつてエリモハリアーを3連勝させた実績を持つ厩舎。仕上げに関しては“抜かりなし”と考えていいかもしれません。(もっとも、今年に入って9戦目になる使い詰めが多少気になりますが・・・)
不安点をあげるならば、フルゲート16頭でゴチャつく競馬になった場合。この馬の全6勝のうち新馬勝ちを除く5勝は12頭以下の少頭数。元々、長い距離をゆったり走るレースをしてきた馬なので、小回りコースで馬群が凝縮した時に一瞬で抜け出すような反応ができるかどうか。そのあたりがまだ未知数の部分のようにも思えます。

一昨年の勝ち馬で、函館実績〈2.0.0.1〉(札幌も含めた洋芝実績は〈7.0.0.5〉)のマイネルスターリー
昨年は1番人気に支持されながら8着(大外枠で出遅れ)という結果でしたが、全8勝のうち7勝が函館と札幌という洋芝巧者だけに軽視はできないでしょう。昨年の58キロより1キロ軽い斤量で出走できるのも好材料と考えられます。
この馬については、前走のエプソムC3着をどう評価するかがカギかもしれません。
額面通りに受け取れば、得意の函館に向けて調子を上げてきたようにも思えますが、他の馬が荒れた馬場を避けて外へ持ち出したのに対して1頭だけ内を突いて強引に先頭に立った内容を、そのまま力量として判断できるかどうか。むしろ、〈1.0.2.13〉と得意ではない左回りコースでの激走による消耗や反動の方が気になります。
一昨年の函館記念を勝った時はその前走から2ヶ月半、昨年の巴賞勝ちは約半年の休み明け。マイネルスターリーのここ2年での2勝はいずれもフレッシュな状態での走りだっただけに、今年のローテーションに関しては少なからず気掛かりな材料にも思えます。

57.5キロのトップハンデを背負うコスモファントム
GⅢ2勝の実績があり、GⅡでも差のない競馬をしている以上、この斤量は仕方ないでしょう。
洋芝でのレースは初。陣営は「十分にこなせる」とコメント。たしかに、走りそのものはどちらかと言えばパワータイプのように見えます。ただし、近2走の凡走がいずれも“時計のかかる”春の中京と阪神だったことは若干気になります。
さらに、この馬の場合、参戦理由がわかりにくいところがあります。
小倉を得意とする馬なので、目標はあくまで次走の小倉記念なのか。あるいは、夏場が苦手な馬(これまでは夏場を休養に充てていた)なので、涼しい北海道を選んだのか。競馬記者の間でもさまざまな意見が述べられています。地力は一枚上なので、有力候補には違いないでしょうが、洋芝も含めて夏競馬の実績がないため、半信半疑な部分も否めません。

前走の福島TVオープン3着のトランスワープ
スタートで後手を踏み後方からの競馬になったものの、メンバー最速の上がりで0.2秒差の3着。先行策で勝ち上がってきた馬だけに、脚質を自在に使えたという意味では収穫と呼べるかもしれません。
長期休養のために軌道に乗り遅れた印象のある馬ですが、今年に入ってからのレースぶりは見事。1000万→1600万の連勝は、それぞれ2着馬に3馬身、2馬身の差をつける快勝でした。
実績がないとはいえ、ハンデ54キロは恵まれた印象。洋芝に関しては札幌で〈0.0.1.1〉。高い適性とは言えないものの、レース経験があることはプラスと考えていいでしょう。
あとは、どのようなレースをするか。
前走では差す競馬を見せましたが、本来は逃げ・先行タイプ(鞍上が主戦の大野騎手に戻るので前に行くのではないでしょうか)。今回のメンバーには同型が多いため、そのあたりの兼ね合いがカギになるかもしれません。言い換えれば、重賞初挑戦で自分の競馬をさせてもらえるかどうかということです。

前走、オープンの都大路Sを勝ったネオヴァンドーム
3歳時にきさらぎ賞を制し、クラシック戦線にも名を連ねた実績の持ち主で、潜在能力についてはある程度の評価ができるかもしれません。
この馬の課題は、コーナー4回の小回りコースをどうこなすか。
良績は京都1800mに集中し、全成績〈4.4.0.10〉の8連対はすべてコーナー2回のコース。ここまではっきり数字が示されていると、コース形態への適性がかなり偏っているようにも思えます。
「昨年の札幌記念では0.5秒差の6着と健闘し、当時より馬体重が20キロ以上増えているように馬自身が成長を遂げている」という意見もありますが・・・。

前走、1600万クラスの垂水Sを勝ってオープン入りを果たしたロードオブザリング
勝ち切れない面があり条件クラスに留まっていましたが、格上挑戦でGⅡ・京都記念で5着に入るなど、能力の片鱗を見せていたことも確かです。ロングスパートで長くいい脚を使えるのが持ち味。直線が長く広いコースの方が得意のようにも思えますが、京都・阪神の内回り2000mでも結果を残していることから、小回りコースはさほど大きなマイナス材料とはならないでしょう。
洋芝実績は札幌で〈0.0.0.3〉。跳びが綺麗な馬なので重い芝は苦手とも考えられます。もっとも、札幌の実績は2歳時(2戦)と3歳時(1戦)のもの。数字だけで判断するのは危険かもしれません。
枠順は7枠14番。先行勢で内がゴチャつくような展開になれば、得意のロングスパートで外々から一気に馬群を差し切る可能性もあると思います。一昨年の秋以来となる55キロの斤量も好材料でしょう。

昨年の函館記念1~3着馬も揃って参戦。コース適性の高いリピーターという条件から、一応のマークは必要でしょう。

昨年の勝ち馬・キングトップガン
函館記念1着以降は掲示板にも載れないレースが続いています。マイネルスターリーのように函館・札幌でしか好走しない馬もいますが、キングトップガンの場合は洋芝実績そのものが〈1.0.0.5〉。しかも、昨年は目黒記念を勝って勢いがある状態での参戦。斤量も昨年より2キロ増の56キロ。今回、一変を期待できるかというと、難しいようにも思えます。

昨年2着のマヤノライジン
函館記念は6回目の出走となる11歳馬で、昨年12番人気で2着に入ったことから引退を先送りにしたという経緯が伝えられています。ここまで無事に走ってこられたこと自体に敬意を表したいとは思いますが、今回好走できるかとなるとどうか。斤量も昨年より1キロ増えています。
これまでは函館入りして1走叩いてから本番に臨んでいた馬が、今回は2ヶ月近くの間隔を空けたことも気になる材料。休み明けの前走・メイSが18キロの馬体減だったことから、その後の立て直しを含めた状態面についての懸念も生まれます。

昨年3着のアクシオン
函館よりも札幌での良績が目立ちますが、それでも2場合わせて〈2.3.2.0〉。洋芝巧者と評価して差し支えないでしょう。近走は2ケタ着順が続いていますが、昨年の3着も3戦連続2ケタ着順からの巻き返し。斤量は昨年より1キロ減。軽視はできないと思います。
問題は状態面。今年で9歳ということでさすがに衰えは隠せないようで、陣営も「レース途中で走るのをやめるようになった」と精神的な部分での下降線を不安視しています。今回は対策としてチークピーシズを着用するとのこと。効果が見込めれば昨年と同じような激走が見られるかもしれません。

巴賞組の巻き返しにも要注意。
ミッキーパンプキン(6着)は舌を出したままで走りに集中できなかったことが敗因とのこと。今回は舌を括ってレースに臨む予定で、陣営は「まともに走ればもっとやれる」と強気のコメントを残しています。
5ヶ月半の休み明けを叩いたメイショウクオリア(10着)は〈1.0.2.5〉の函館実績の持ち主。順当に上積みを見込めるならば、侮れない1頭でしょう。ただし、近走のレースぶりを見ていると、以前のようにスムーズに先行できなくなっているようにも思えるのが不安材料。
リッツィースター(9着)も同様で、ここ3走は差しに転じて結果を出せない現状。52キロの斤量は魅力的にも見えますが、走りそのものに迷いがあるようにも思えます。
面白そうなのはイケトップガン(5着)。前走は出遅れて後方からの競馬になったものの、トウカイパラダイスと並ぶ最速の上がりをマーク。函館は〈0.0.0.2〉と結果が出ていなくても、いい末脚を発揮できたのは収穫と言えるでしょう。2走前の鳴尾記念では逃げの作戦に出ましたが、本来は差し馬。道中じっくり脚を溜める競馬ができれば、52キロの斤量が末脚のキレに味方するかもしれません。



■今週はお休みです!

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急用のため、今週のブログは休ませていただきます。
申し訳ありません。

皆様のご健闘をお祈り申し上げます。


安東 裕章

■CBC賞・復習

CBC賞は2番人気のマジンプロスパーが快勝。道中2番手追走から直線坂上で先頭に立ち、そのまま後続を振り切った。
『予習』ではこの馬について「(距離経験が少ないため)スプリンターの資質をどう評価するかが予想のポイント」とした上で、「今回のレースは試金石」という見立てをしたが、十分に合格点を与えられる内容だったと評価していいだろう。高松宮記念では直線半ばで脚が上がって失速したようにも見えたが、今回は最後までスピードを持続。ひとことで言うならば“推進力のある力強い走り”を見せてくれた。
浜中騎手は「前走GⅠを使ったことでメンタル面でも強くなった」とコメント。経験値が馬を成長させるという意味では、その典型と言えるかもしれない。初のGⅠ挑戦で0.3秒差の5着という結果には、さらなる上昇の可能性が見えていたということだろう。
もっとも、当日の降雨によって馬場状態が重になったことは、パワー型のこの馬に有利に働いたという見方もできる。良馬場条件で1分7秒台の決着になった場合、同じような競馬ができるかどうか。あるいは、瞬発力を要求される展開で、馬群を抜け出してからさらに加速する末脚を使えるかどうか。高松宮記念もCBC賞も時計のかかる重い馬場だっただけに、高速決着および瞬発力勝負への対応が今後の課題になるだろう。

2着は大外から追い込んだスプリングサンダー。
「終い勝負に徹しようと思っていた」という四位騎手の“決め打ち”ではあったが、馬場状態を考慮すれば、33秒8の上がりは驚異的。キレ味を生かすという点では、1400mから1200mへの距離短縮は正解だったと言えるかもしれない。と同時に、1400mに実績があったからこそ、外々を回るロスにも対応できたと考えることもできるだろう。
ただし、勝ち馬を除けば前に行った馬が力尽きた感のあるレースなので、今回の結果だけでは判断しにくい部分もある。土曜日のような先行有利な開幕週の良馬場だったらどうだったか。スムーズに追走して外から届いたかどうか。そのあたりは、今後の課題として考える必要があるかもしれない。
とはいえ、『予習』でもふれたように「展開に左右されるものの勝ち切るだけの“武器(=末脚)”がある」ことは確か。今回の勝ち馬・マジンプロスパーをはじめ、カレンチャン、ロードカナロア、ダッシャーゴーゴーなど“正攻法の競馬”をするスプリンターが目立つ中で、対極的な走りをするこの馬の存在は面白い。次走は札幌・キーンランドCを予定しているとのことだが、追込馬には不向きとも思える直線の短いコースでどのような走りを見せてくれるか注目したい。

3着は1番人気のダッシャーゴーゴー。
ゴール前でもうひとつ伸びを欠いたのは、道悪で59キロの斤量の影響があったのかもしれない。
もっとも、気合いがカラ回りするほどの迫力を見せて“妨害→降着”を繰り返した当時と比べると、どことなくインパクトが薄れてきた印象もある。今回マジンプロスパーが見せた“力強さ”は、この馬の持ち味でもあったように思えるのだが・・・。
休み明けでトップハンデを背負いながら馬券圏内にとどまったことは、地力の証明と評価すべきかもしれないが、以前より強くなったと判断できるかどうか。この馬も次走は札幌・キーンランドCを予定とのこと。別定・56キロでの走りと良化の度合いがスプリンターズSを検討する上での物差しになるかもしれない。

4着はオウケンサクラ。
前走のバーデンバーデンCと比べると、序盤からうまく流れに乗れていたし、ゴール前では一度は交わされたダッシャーゴーゴーに再び迫る渋太さも見せてくれた。現時点ではまだ“スプリンターとしての自分の形”が出来ていないように見えるが、経験を積めば存在感のある伏兵になる可能性も。
次走は直線1000mのアイビスSDを予定しているとこのことだが、これまで以上に速い流れを経験することで行き脚がつく効果を狙った参戦かもしれない。となれば、アイビスSDの次のレースが興味深くなる。

逃げたエーシンダックマンは粘れず7着。
川田騎手は「敗因は道悪に尽きる。土曜の馬場ならば勝ち負けだった」とコメントしているが、持ち前のスピードで押し切るタイプだけに、パワーを必要とする馬場がマイナスに働いたことは明確。良馬場条件ならば、まだまだ見限れないように思える。

5着に入ったエーシンヒットマンは、マイナス12キロの馬体重、大外枠といったマイナス材料がありながら、そつのない競馬ができているように見えた。センスのある馬といった印象。重賞初挑戦でタフなレースを経験したことと4歳馬の伸びしろに期待したい。


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安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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