■2013年02月

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■少しだけ・・・中山記念

今週末は出張のため競馬には参加できませんが、GⅡ・中山記念の出走各馬の検討材料については簡単に書いておきたいと思います。

●タッチミーノット
前走、中山金杯1着。昨年の新潟記念2着、毎日王冠3着を経た上での重賞制覇ということで、充実期を迎えた印象も強い。好位で脚を溜めて最後に瞬発力を発揮するタイプ。ゆえに道中の位置取りがカギ。中山実績は〈2.1.1.0〉だが、すべて2000m。1800mは1コーナーまでの距離が短くなる分、ペースが上がる傾向があるため、外枠に入った今回、スムーズにポジションを取れるかどうか。後手を踏んで外々を回らされるような展開になると、持ち味を発揮できないリスクも。

●ダノンバラード
前走、AJCC1着。もっとも、直線の斜行が問題となったように、圧倒的な強さを見せた勝利とは言い難い。レース自体も、ルルーシュやアドマイヤラクティが“期待値”で上位人気に支持されていたこともあり、レベル的には疑問。GⅡ勝ちの実績は刻まれたが、“GⅢ好走馬”のイメージが拭い切れたかどうか。とはいえ、前走で懸念されていた中山の坂を克服できたのはひとつの収穫。1800への距離短縮でキレ味が増すタイプには見えないが、緩みのない流れになればモタレ癖を出さずに走りに集中できるかもしれない。

●ナカヤマナイト
〈3.2.0.1〉の実績を持つ中山巧者。唯一の着外は前走の有馬記念だが、この馬には距離が長かったようだ。1800mでは〈3.2.1.0〉(うち中山は2戦2勝)。3歳時の海外遠征や国内の中~長距離GⅠ出走歴から、経験値の高さという点では“格上”と見なすこともできる。問題は、今年初戦に予定していたAJCCを回避した影響がどうなのか。大外枠に入ったこともあり、オールカマーの時のように後方からマクって進出する競馬が予想されるだけに、道中で動いても最後までバテない状態にあるかどうかがポイント。

●ダイワファルコン
昨年秋はオールカマー2着、福島記念1着。中山には〈5.3.1.5〉の実績があり、1800mに限れば〈3.1.0.2〉。得意の条件であることは判断できる。近走は先行脚質が安定してきた感もあり、開幕週の馬場が味方するようであれば侮れない存在。ただし、力量的にこの馬がGⅡレベルかというと、少なからず疑問。昨年の『秋天・予習』にも書いたように、オールカマーのレベル自体が決して高いとは思えず、GⅠでの走りを基準にすれば、勝ったナカヤマナイトに比べると、まったく歯が立たない印象も。相手関係をどう読むかが、この馬の取捨選択のカギになるかもしれない。

●アンコイルド
現在4連勝中。勢いに乗る4歳馬。注目度ではメンバー1とも言えるだろう。連勝の内容に関しては、3勝がハナ差・クビ差といった接戦で、派手さがない分、逆に勝負根性のある走りを印象付けている。とはいえ、初の重賞挑戦となる今回は、課題が多いのも事実。初の中山コースでしかも相手強化。そして、デビューから8戦という経験の浅さ。2010年のこのレースでは、連勝で臨んだ4歳馬・キングストリートが1番人気に支持され7着に敗退したが、敗因のひとつとして指摘されたのが経験値が足りないことだった(アンコイルドと同じくデビューから8戦だった)。言うまでもなく、今回は試金石の一戦。

●トーセンレーヴ
良血で素質の高い馬なのだろうが、なかなか強さを見せてくれない。にもかかわらず、毎回「今度こそは」と思わせる期待感が備わっているため、馬券的にはかなり厄介な馬だ。前走は京都金杯7着。内が有利なレースで大外枠が響いたとのことだが、見せ場くらいは欲しかった。東京実績が高いことからもわかるように、直線の長いコース向きという印象も。中山の小回りに対応できるかどうか。ただし、有力馬の多くが外枠に入ったので、内をすくうように馬群から抜け出す競馬ができれば、結果につながる可能性もあるだろう。

●シルポート
昨年の2着馬。もっとも、重馬場で差し馬が不発に終わったレースなので逃げ粘れたという意見も多かった。その次走で稍重のマイラーズCを勝ってからは着外続き。スピードの持続力が影を潜めた感もある。とは言うものの、開幕週の逃げ馬は軽視できないのも事実。鞍上は、先週のエスポワールシチーで強気の競馬を見せてくれた松岡騎手。前半を33~34秒台前半の速いラップになると、直線で失速する可能性も大きいが、マイルCSで4着に踏ん張った時のように、35秒台の平均ペースで後続に脚を使わせる競馬ができれば、面白いかもしれない。あとは、状態面がどこまで仕上がっているか。連覇中のマイラーズCが目標というローテならば、前哨戦仕様の余裕残しということもあり得る。

●リアルインパクト
昨年の3着馬。3歳時に安田記念を制したGⅠ馬だが、その後の成績は今ひとつ。早熟という見解もあるようだ。NHKマイルCや毎日王冠でも好走しているため、東京巧者のイメージがあるようだが、キレ味も伸び脚もそれほどのものではない。むしろ、脚質的には、上がりのかかる中山の方が合っているようにも思えるのだが・・・。開幕週で内が荒れていないという条件ならば、今回の2枠2番はロスなく立ち回れる絶好の枠。脚を溜めてインから抜け出す理想的な競馬ができれば上位争いも可能だろう。前走はプラス20キロの太目残り。レースぶりも含めて“一変”が期待できるかもしれない。

●スマイルジャック
8歳の古豪。着差こそ大きく離されてはいないものの、掲示板に載れない状況が続いている。ただし、5走前の京成杯AHでの2着(1分30秒9!)は、いまだに鮮烈な記憶として残っている。近4走と京成杯AHの一番の違いは位置取り。開幕週で最内枠の利もあったが、後方待機ではなく好位中団からインを突いたものだった。今回、同じようなポジションで競馬ができれば、再度この馬に激走を見ることができるかもしれない。確実に上がりの脚を使ってくる馬ではあるが、59キロから56キロへの斤量減を生かすのならば、早めに抜け出して後続を振り切る競馬の方が面白いように思えるのだが・・・。

●カリバーン
休養が多くなかなか本調子に戻れないが、一昨年の秋にはオールカマー3着、アルゼンチン共和国杯4着と、重賞戦線でも好走歴があった。1000万から3連勝でオープンを勝った実績もあり、通算すると連対率は4割以上。潜在能力は評価できるかもしれない。今回は去勢放牧明け。いきなり結果を求めるのは酷かもしれないが、予想を超える好走があっても不思議ではない。昨年は2戦しか走っていないので、実戦の勘が戻っているかどうか。去勢後でもあるので、直前の気配にはチェックが必要だろう。

●トシザマキ
前走は16ヶ月の休み明け。言わば、無事に回ってくることが大前提だった。休養前には、500万勝ち→1000万2着→1000万・1600万連勝という上昇を見せた馬。叩き2走目の今回、状態面が戻っていれば、見せ場以上を期待できるかもしれない。もっとも、休養以前はコース追いだった調教が、前走同様、坂路調教のみであるところを見ると、おそらくまだ脚元に不安があるのだろう。いずれにしても、次につながる競馬ができるかどうかには注目してみたい。



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■フェブラリーS・復習

GⅠ・フェブラリーSを制したのは、3番人気のグレープブランデー。
前走の東海Sで見せてくれた鋭い伸び脚が今回も炸裂。ゴール手前で粘るエスポワールシチーをきっちりと差し切った。着差こそ4分の3馬身にすぎないが、内容的には完勝と言っていいだろう。

レースはタイセイレジェンドが引っ張り、3F通過が34秒6のハイペース。『予習』でもふれたように、グレープブランデーに関しては「マイルGⅠの速い流れに対応できるかどうか」が課題だったが、内枠から好スタートを切り、置かれることも掛かることもなく、スムーズに流れに乗れていた。
さらに、一番のポイントとして『予習』で取り上げた「どのタイミングでどこから抜け出すか」だが、これについては“完璧”のひとこと。スタートダッシュで先団のインに取り付くと、道中では若干下げる形で7番手をキープ。そして直線では、少しずつ外へ持ち出し、前が開くと同時にゴーサイン。言うまでもなく、浜中騎手の好騎乗である。ペースの読み、コース取り、外目への進出と仕掛け。すべてが理想的だった。
昨年、リーディングを獲得したものの、GⅠでの成績は今ひとつだった浜中騎手。今回の勝利は本人にとって、大きな自信と弾みになるはずだ。今後の活躍を期待したい。
グレープブランデーも同様。骨折による長期休養からGⅠ優勝へ至る復活劇は、並の馬ではないことの証明とも思える。ニホンピロアワーズ、ローマンレジェンド、ハタノヴァンクールが不在のため、相手関係が楽だったという声もあるようだが、これら3頭との対決への期待感が高まる走りを見せてくれたことは紛れもない事実。もとより、マイルよりも1800~2000を得意としている馬である。帝王賞やJBCクラシックが対戦舞台の候補かもしれないが、毎年今ひとつ盛り上がりに欠けるJCダートでこそ、火花を散らす戦いを見てみたい。

2着は9番人気のエスポワールシチー。
「ピークを過ぎた8歳馬」という大方の予想をあざ笑うかのような激走を見せてくれた。
左回りのマイル戦というベストの条件だったとはいえ、全盛期を彷佛させるような素晴らしい内容。実績に裏付けられた“格の違い”と言うべきだろうか。共倒れになるリスクがありながら、逃げるタイセイレジェンドを直後でマークした、松岡騎手の強気の騎乗も見事だった。
個人的には、「JCダートの精彩を欠いた走り」と「集中力を欠いたためと思われる東京大賞典のスタートの躓き」から、「馬自身の走る気持ちが衰えた」と判断したのだが・・・。『予習』の中で「7歳と4歳の世代交代が注目されているが、どの馬にも多かれ少なかれ不安要素がある」と書いている以上、軽視してはいけない1頭だったかもしれない(反省!)。
もっとも、エスポワールシチーの走りにケチをつけるわけではないが、7歳馬と4歳馬があまりに期待を裏切ったという見方もできるだろう。特に4歳馬については力不足が露呈した一戦。エスポワールシチーの力強い勇姿を見ることができたのはうれしい限りだが、次世代の台頭という点では不満の残るレースだった。

3着には昨年と同じくワンダーアキュートが入った。
決して得意とするレース条件ではなかったし、連戦の疲れもあったに違いないが、最後は馬群の中から1頭分抜け出す伸び脚を見せてくれた。気迫のある走りは健在。本当にこの馬の勝負根性には頭が下がる。
和田騎手は「直線で捌き切れず脚を余した」とコメント。今回のように後方10番手あたりの競馬をするよりも、好位から抜け出して加速していく方がいいタイプ。やはり、序盤からベストポジションを取るためには、流れの速いマイルは距離が短いようだ。
ともあれ、7歳馬では最先着。エスポワールシチー同様、“格の違い”を見せてくれたようにも思える。

4着のセイクリムズンと5着のシルクフォーチュンは、いずれも後方から追い込んだ馬。
セイクリムズンはインをロスなく進み、直線で最内を突く競馬。シルクフォーチュンは大外枠に入ったこともあって、最後方の外目から追い込む競馬。2頭のクビ差はコース取りの差と考えていいかもしれない。
興味深いのは、ともに1200~1400がベストの馬だということ。
「道中は後方で脚を溜めて直線勝負に賭ける」という2頭の走りが、マイルの距離をもたせるための作戦だったにせよ、掲示板に載った結果からは、レースの流れそのものが短距離の差し馬向きだったという見方もできる。つまり、マイルでは距離が短いと言われていたグレープブランデーにとっては、より不向きなペースだったということ。それゆえ、今回は、グレープブランデーの“ペースへの対応力”を高く評価できるレースだったとも言えるだろう。

期待された4歳馬はいずれも大敗。
イジゲンはまたも出遅れ。
ガンジスは『予習』で懸念していた通り、直線で脚をなくしていた。
そして、1番人気のカレンブラックヒルは15着。
砂適性がなかったといえばそれまでだが、それ以上にスタートで後手を踏むなど馬自身にキレがなかった。
休み明けにもかかわらず、馬体重の増減はなし。成長力を疑った方がいいという意見も出ている。
春の大目標は安田記念になるのだろうが、芝の前哨戦でどのような走りをするかには、注意が必要だろう。


■フェブラリーS・予習

2013年最初のGⅠ、フェブラリーS。
春のダート王決定戦と銘打たれてはいるものの、直近のGⅠを制したニホンピロアワーズ、ローマンレジェンド、ハタノヴァンクールは不在。正直、物足りない印象も否めない。
とはいえ、昨年の1~4着馬が揃って参戦。勢いのある4歳馬がどこまで古豪に迫れるかという見所もあり、今後のダート戦線を占う意味でも注目の一戦と言えるだろう。

昨年の覇者、7歳馬・テスタマッタ
3年前のフェブラリーSでも2着の実績があり、このレースとは好相性のイメージが強い。
前走の根岸Sは6着に敗れたが、休み明けで59キロを背負う厳しい条件の上、速い追い切りは2本だけという急仕上げ。それでも、外目から追い込んで0.3秒差なのだから、地力を証明した結果とも言えるだろう。叩き2戦目で2キロの斤量減は間違いなくプラス材料。レース史上初となる連覇の可能性もありそうだ。
もっとも、この馬の場合、常に圧倒的な強さを見せてくれるわけではない。
これまでダート戦での勝ち星は5勝。同じ7歳馬のワンダーアキュートは10勝、シルクフォーチュンは8勝、セイクリムズンに至っては14勝(8歳のエスポワールシチーと同じ)をあげている。つまり、どちらかと言えば、勝ち味に遅いタイプとも判断できる。
さらに、フェブラリーSを勝った後、交流GⅠとGⅡを4戦走っているが、着順は3、3、2、5と上位には来ているものの、着差は0.9、0.7、1.2、2.3秒。惜敗ではなく、むしろ完敗とも言える結果だろう。
昨年のフェブラリーSのように、ハマった時には強い走りを見せてくれるが、そうでない場合は案外モロい印象もある。この点が、かつて“古豪”と呼ばれ、中央・地方を問わずに好走を続けていたカネヒキリやヴァーミリアンと違うところ。「厳しい条件の前哨戦でそれなりの見せ場を作り、条件好転の本番へ」という流れは、強調材料として申し分ないが、常に能力を発揮できるという馬自身の信頼性については、少しばかり疑った方がいいかもしれない。

昨年2着の7歳馬・シルクフォーチュン
ダート戦でありながら34秒台の上がりをマークする驚異的な末脚の持ち主。
前走のカペラSは直線の短い中山での差し切り勝ち。「中2週のローテは負担になる」という陣営の判断から、昨年出走した根岸Sは使わずそのまま本番を目標に調整された。
追い込みタイプのため、どうしても展開に左右されがちだが、フェブラリーSはスタートから3コーナーまでの直線で先行激化となる傾向が強く、昨年のように前半を34秒台で通過するペースになれば、大外一気のパターンにハマるかもしれない。
不安材料をあげるならば、昨年と同等の力を発揮できるかどうかということ。
昨年の場合、前年7月のプロキオンSから前哨戦の根岸Sまでに6戦を消化して、〈2.0.3.1〉という結果を残していた。好調を維持したままの形で本番に挑んでいたことがわかる。
それに対して今回は、フェブラリーS後のかしわ記念から4戦して〈1.0.0.3〉。前走のカペラSは勝ったものの、それ以前の3走(特に武蔵野S11着)が精彩を欠いていたため、評価が難しい。カペラS自体もこの馬よりもさらに後方にいた人気薄のシセイオウジが3着に飛び込める差し馬向きの展開だった。
加えて、陣営の判断とはいえ、1200のGⅢから1600のGⅠというローテも、今ひとつしっくりこない感がある。元々は1200のスペシャリストだったこの馬に、本番での距離延長がプラスに働くのかどうか。持ち味の末脚を発揮できれば、十分に圏内候補とは思えるが、どことなく不透明な部分が気掛かりだ。

昨年3着の7歳馬・ワンダーアキュート
いい意味で“粘着質”な競馬を見せてくれる馬で、どんな展開になっても必ず上位に絡んでくる。一昨年のJCダートでは、好位先行型の脚質にもかかわらず、出負けした後方から馬群を縫うような追い込みを披露して2着に入った。
2011年以降は18戦走って〈3.7.2.3〉(うち掲示板を外したのは1戦だけ)。大崩れしない安定感は評価できるだろう。近3走で先着を許した3頭(ニホンピロアワーズ、ローマンレジェンド、ハタノヴァンクール)が不在ということで、中央GⅠ初制覇のチャンスという声も多いようだ。
不安材料は2点。
ひとつは、昨年のこのレース以来のマイル戦がどうかということ(マイル戦自体2戦の経験しかない)。1800~2000mを守備範囲として、前半36~37秒台で好位を追走するタイプ。それゆえ、序盤で置かれてしまい流れに乗り損ねるリスクもある。
もうひとつは、連戦の疲れ。昨年11月の休み明けから、ここまで4戦連続してダートGⅠを使っている。これはかなりハードなローテーションだろう。前走の川崎記念でも、3~4コーナーから上がってきたハタノヴァンクールに併せるように仕掛けたが、反応が鈍く追撃に遅れをとった。その際、陣営から出たコメントは「連戦の疲れがあるのかな」。今回はさらに中2週での出走となる。
勝負強さを身上としている馬なので、レースに行けばしっかりとした走りを見せてくれるとは思うが、厳しい戦いが続いた後のさほど得意ではない条件への出走は、少なからず割引と見なした方がいいかもしれない。

昨年4着の7歳馬・ダノンカモン
東京ダートを最も得意とし、マイル戦では〈1.3.3.2〉の実績。数字からは条件的に信頼できるようにも思える。
ただし、近走の内容を見る限り、全盛期と比較して陰りが出てきたことも事実。好位追走からゴール前でひと伸びする走りが持ち味だったが、行き脚が悪くなり後方からの追走を強いられるレースが目立ってきた。簡単には結論付けられないが、スタートダッシュでスピードに乗れないことは、衰えと判断するべきかもしれない。
昨年の夏には芝のレースにも参戦。このあたりのチグハグさが、陣営の焦りとも受け取れる。ハイペースの流れになり、後方からの競馬がハマれば結果につながるかもしれないが・・・。

昨年の1~4着馬がすべて7歳を迎えたことで、“世代交代”というテーマで注目されるのが4歳馬だ。

前走、根岸Sで2着に入ったガンジス
好位のインという絶好のポジションから抜け出し、ゴール手前では勝ったと思われたが、メイショウマシュウの強襲にハナ差敗れた。とはいえ、競馬そのものは理想的で、正攻法で勝負できる強さが垣間見えた一戦だったことも確かだろう。
ダート戦はここまで〈4.3.1.0〉とすべて複勝圏内。「抜け出して1頭になると気を抜くところがある」と精神的な未熟さを指摘する声もあるが、自分で競馬を作れる確実性をすでに備えている馬という評価も多い。
この馬については、前走の走りが本番でどうなるかを検討する必要がありそうだ。
前走・根岸Sの前半3F通過は35秒7。ダート1400mではスローの部類に入るペースであり、好位にいたガンジスにとっては最後まで脚を温存できる流れだった。一方、フェブラリーSの前半3Fの通過は、東京改装後の9年を平均すると34秒8。距離が1F延びるにもかかわらず、前半の通過は1秒近く速くなる。(今回はスプリントダート馬・タイセンレジエンドの参戦でおそらく流れは速くなるだろう)
根岸Sではゆったりとした流れを味方につけて直線で楽に抜け出すことができたが、本番でペースが速くなれば、前走よりも道中で脚を使うことになるはず。加えて1Fの延長。〈4.3.1.0〉うち〈4.2.0.0〉がダート1400の実績であるこの馬にとっては、最後にどれだけ脚を残しているかがカギになるだろう。はたして、差し馬の急襲を凌ぎ切れるレース運びができるだろうか。

2走前に武蔵野Sを勝ったイジゲン
前述のガンジスは正攻法で勝負するタイプだが、こちらは一発の破壊力を秘めたタイプ。言い換えれば、他を寄せつけずに勝ち切る可能性が魅力の1頭だ。
前走のJCダートは15着の大敗。出遅れて後方からマクる競馬を見せたが直線で失速した。武蔵野Sでも出遅れ癖を見せたが、この時は自分から動いて最後は突き抜けている。それを考えると、まったくリズムに乗れないまま終わったJCダートはかなり不可解な負け方にも思えた。
JCダートの敗戦については、「不器用なタイプなのでコーナー4回のコースに戸惑った」という意見が多い。そして、コーナー2回の東京マイルならば「仮に出遅れても道中スピードに乗れば直線で巻き返せる」という見解が続く。
しかし、圧倒的な勝ち方で“ダート界の新星誕生”と評された未勝利と500万の連勝(ともに出遅れ)は、小回り中山の1800mで行われたレースであり、1000万を勝ったのも福島だった。したがって、一概にコーナー4回の小回りコースは不得手とは言い切れないはずだ。
ならば、なぜJCダートであれだけの大敗を喫したのか。そして、直線が長くこの馬の持ち味が最大に生かせると思われた新潟のレパードSで、なぜ届かずの3着に終わったのか。そのあたりを考えなくてはならないだろう。
たしかに、2戦2勝の東京マイルはこの馬を見直せる舞台かもしれない。GⅠを勝てるだけの能力があることも否定できない。しかし、JCダート(およびレパードS)の敗因がはっきりしない以上、今回は必ず走るという判断は下せない。例えば、成績にムラがある馬は気性的にムラがあるという見方もある。まして今回はJCダートからのぶっつけ本番。精神面でベストの状態であるかどうかの見極めも必要になるかもしれない。

前記2頭について、少しばかり補足を。
イジゲンとガンジスは昨年秋の武蔵野Sの1・2着馬だった。
このレースの勝ち時計は1分36秒4。実は、過去10年で2番目に遅いタイムである。
昨年のフェブラリーSの勝ち時計はこれより1秒速い1分35秒4。あくまで数字としての比較にすぎないが、イジゲンとガンジスは昨年のフェブラリーSでは掲示板に載ることもできなかったことになる。
昨年上位を占めた7歳馬が1年経った今も同じ能力を発揮できるかどうか。そして、イジゲンとガンジスにどれだけの伸びシロが備わっているか。“7歳対4歳”という世代交代の構図を考えるならば、そのあたりがポイントになるだろう。

前走、中京ダート1800mのGⅡ・東海Sを制したグレープブランデー
特筆すべきは、抜け出しの速さとそこからの伸び脚。瞬く間に2着馬に3馬身差をつける圧勝だった。
3歳時には交流GⅠのジャパンダートダービーを勝ち、その素質が高く評価されたが、その後骨折により10ヶ月の長期休養。昨年春に復帰し、ここにきてようやく当時の期待値に応える結果を出したという意見も多い。7歳と4歳の世代交代が注目されているが、どの馬にも多かれ少なかれ不安要素がある以上、この馬が一気にダート界の頂点に立つ可能性もあり得る。
課題はマイルGⅠの速い流れに対応できるかどうか。
マイル戦の経験は3歳時のユニコーンSのみ。ジャパンダートダービーでは前半3Fを35秒2で通過しているが、復帰後は緩めのペースで流れに乗ることが多く、前走の東海Sでは3Fを37秒2で通過し中団で脚を溜める競馬に徹していた。まずは、無理なく追走できるかどうかがカギになるだろう。
1枠2番の枠順は、馬群を苦にしないタイプなので不利にはならないと思うが、逃げ・先行勢が直線で失速して前が壁になるような展開になると、外から追い込んでくる差し馬に先を越されるかもしれない。
いずれにしても、ペースを読んだ上で、どのタイミングでどのコースから抜け出すかがポイント。浜中騎手の手綱捌きに注目したい。

東海S2着のナムラタイタン
7歳馬だが、昨年のJCダートが初の中央GⅠ出走。そのため、オープン~GⅢで好走するイメージが強く、ここでは格下として扱われているようだ。
もっとも、適距離とは言えない暮れの東京大賞典で4着に入る(上位3頭には大きく離されたが)など、ここにきて馬が充実してきたという意見もあり、簡単には軽視できない存在にも思える。
東京ダート1600mは〈3.1.0.1〉の実績を持つ、言わばベストの条件。今回のレースに照準を合わせるかのように、レース距離を徐々に短縮してきたローテも興味深い。陣営は「抜けた存在のいない今回はチャンスがあるかもしれない」とコメント。ニホンピロアワーズでキッチリとJCダートを制した厩舎だけに、仕上がりの裏付けがあっての発言かもしれない。
近走の好走は先行・好位から直線で粘り込むパターン。前半34~35秒台で走った経験はあるが、そこからどれだけ渋太さを発揮できるかがカギになりそうだ。
この馬と前出のグレープブランデーについては、東海Sが前哨戦として重要なレースになるかという意味でも注目だろう。

3年前のフェブラリーSの覇者・エスポワールシチー。
ダートGⅠは地方交流も含めて7勝と、実績面では最上位と見なせるが、さすがに8歳という年齢的な衰えは隠せないだろう。競馬記者の中からは「最も得意とするマイル戦で復活を期待」という声も上がっているようだが、昨年この馬が勝ったかしわ記念や南部杯は中央のGⅠよりも明らかにレベルが落ちる。言い方は悪いが、前半35秒台半ばで逃げても勝てるレースのように思える。
今回は同枠のタイセイレジェンドが逃げ宣言をしている。スプリンターダート馬のタイセイレジェンドを追走し、直線で交わしてそのまま行き切れるだろうか。
もちろん、可能性がゼロとまでは言い切れない。しかし、中央のGⅠに限って言うならば、その着順は3着、5着、10着と下降線をたどっているのは事実だ。

最後に、土曜日午後の時点で1番人気に支持されている、カレンブラックヒル
ある意味、今回のレースで最も注目されている馬である。
芝における実績は改めて言うまでもないが、問題はやはり、初ダートがGⅠという1点だろう。「ダート向きの走りをする(特に調教では)」「主戦の秋山騎手が出走を進言した」「マイル戦を最も得意としている」「スタート後の芝の部分が有利に働く」など、さまざまな情報が提示されているが、正直、こればかりは走ってみないとわからない。
可能性を探る上でひとつの参考にしたいのは、メイショウボーラーとレッドスパーダ。
メイショウボーラーは2005年のフェブラリーSの勝ち馬で、芝からダートへ転向後、3連勝でGⅠ制覇を成し遂げた。
レッドスパーダは2010年のフェブラリーSに初ダートとして参戦。3番人気の支持を受けたが12着に敗れた。
この2頭には、いくつかの共通点があった。
先行脚質、500キロを越す大型馬、タイキシャトル産駒。ゆえに、レッドスパーダがダートに参戦した時には、メイショウボーラーとの類似比較から「ダートでも走れる」という意見が多かった。
しかし、実際には、2頭の走りは対照的だった。以下は、コース形態はダートと同じと考えても差し支えない東京芝マイル戦での2頭のラップ。

●メイショウボーラー/NHKマイルC・3番手追走3着
 前3F・33秒9 → 上がり3F・34秒7
 自身の上がり・35秒4

●レッドスパーダ/東京新聞杯・2番手追走1着
 前3F・34秒8 → 上がり3F・33秒9
 自身の上がり・33秒5

レースの前後半の数字が逆なのである。メイショウボーラーはスピードを生かした粘り込み型でレッドスパーダは上がりの脚で勝負するタイプだったということ。
ダート戦で要求される能力は、言うまでもなく、前傾ラップを刻めるスピードの持続力。瞬発力ではない。つまり、メイショウボーラーは芝の走りでの持ち味をダートでも生かせた馬であり、レッドスパーダはその逆だったという見方ができる。

カレンブラックヒルはどちらのタイプに近いだろうか。
NHKマイルCは、前半35秒1→後半34秒6での逃げ切りだった。その前走のNZT(中山)は前半34秒6→後半35秒0。前後半の差がない平均したペースでの走りを得意としている。メイショウボーラーのようにスピードで押し切るまではいかないものの、瞬発力に長けているタイプではないようだ。となれば、砂を嫌う・嫌わないは別として、ダート戦の流れには対応できるのではないかとも思える。
レッドスパーダが敗れたレースでは、同じく初ダートとして参戦した“一気の逃げ切り型”のローレルゲレイロの方が上位にきている。さらに遡れば、気性的に一本調子の走りしかできなかったトゥザヴィクトリーが3着に入ったこともあった。
常識として考えれば、初ダートがGⅠというのは無謀だろう。しかし、カレンブラックヒルの持ち味がいわゆる“キレ味”でないのであれば、好走の可能性も否定できない。もちろん、馬がダートに戸惑わず、芝のレースと同じ走りができればという大前提はあるのだが・・・。




■京都記念・復習

GⅡ・京都記念を制したのは、6番人気のトーセンラー。一昨年のきさらぎ賞以来の重賞制覇を成し遂げた。
レースは大方の予想通りビートブラックが先手を取りスローペースに持ち込む展開。しかし、掛かり気味で抑えの効かなくなったショウナンマイティが向正面で先頭に立つと、そこからレースが動き出し、以降11秒~12秒台前半のラップが刻まれた。
この流れに最も上手く乗ったのが、勝ったトーセンラー。
3コーナーからの下り坂を楽な手応えで追走すると、直線は外目から一気の伸び脚。特に、直線入り口での反応は抜群で、後ろにつけていたベールドインパクトをアッという間に置き去りにする加速を見せてくれた。
『予習』では「近走は小回りコースで一瞬の脚を生かすレースが多い」と書いたが、今回はまるで別馬のような走り。やはり、休養を取ったことがプラスに働いたのだろう。状態面が良くなったことで、本来の持ち味であるキレと伸びを取り戻したように見えた。逆に言えば、昨年夏の競馬は、使い詰めだったために一瞬の脚しか使えなかったのかもしれない。
『予習』の中では「同枠のショウナンマイティと牽制し合うような競馬をすると伸び負けする危険性もある」とも書いたが、牽制する相手が前に行ってレースの流れを変えたこともこの馬に有利に働いたようだ。実際、武豊騎手は「途中からショウナンマイティが引っ張ってくれたことでレースがしやすくなった」とコメントしている。ヨーイドンの瞬発力勝負ではなく坂の下りから馬群全体が動く展開。それゆえ、実績〈2.0.2.1〉の京都巧者ぶりが生かされたとも言えるだろう。
ただし、今回の結果を受けて、GⅠでも通用する器と判断できるかというと、どうだろうか。たしかに、1馬身半の着差をつけた強い競馬ではあったが・・・。「重賞では今ひとつ」のイメージが強かった馬だけに、「4歳秋の休養がこの馬を大きく成長させた」といった判断を下すのは、次走の走りを見てからの方が賢明かもしれない。もちろん、GⅠ戦線の役者の1頭になってくれれば、うれしい限りだが・・・。

2着はベールドインパクト。
ゴール手前では鋭い伸び脚を見せたが、トーセンラーとの差は縮まらなかった。直線入り口での反応の差がそのまま結果につながったということだろう。長くいい脚を使えるタイプには違いないが、加速に至るまでがズブい印象が残った。
前に行けば終いが甘くなり後ろからでは届かずというのは、勝ち切れない“善戦マンタイプ”にありがちのパターン。この馬に関しても、もうワンパンチ欲しいところだ。そのあたりは、4歳の成長力に期待したい。
現状での狙い方を考えるならば、スタミナを要求される消耗戦だろうか。速い時計にも対応できる実績のある馬なので、平均ペースで緩みなく流れる展開の方が向いているかもしれない。

3着は途中からハナを奪い粘り込んだショウナンマイティ。
元々折り合い面に難があり、そのために後方一気の脚質に活路を求めた経緯のある馬。それゆえ、休み明けの今回(しかも前に壁を作りにくい外枠)は「テンションが上がって掛かるかな?」とも予想できたが、途中から先頭に立つ展開までは読めなかった。
スポーツ紙の記者評などを読むと「3着に粘ったのは力上位の証明」といった内容が多いようだが、自分の競馬をできなかったことは大きな減点だろう。次走、鞍上が必要以上に折り合いを意識するようだと、伸び伸びとした競馬ができなくなるかもしれない。そのあたりに、課題を残した一戦だったように思える。

逃げたビートブラックは4着。
向正面でショウナンマイティに交わされたのは誤算だっただろうが、その後は無理せず2番手の競馬に徹していた。ただし、番手から抜け出して突きはなす競馬をするには、58キロの斤量が負担になったかもしれない。内目のコース取りも不利だっただろう。
『予習』にも書いたように、この馬には緩みのない流れを作る逃げを打ってほしかった。後続も脚を温存できるスローな流れだと、どうしてもキレ負けしてしまうようだ。

5着は1番人気のジャスタウェイ。
ポジションも悪くなく折り合いのついた走りだったことを考えると、最後に伸びなかったのは、やはり距離の問題だろう。となれば、この一戦は参考外。今後、目標を安田記念に定めて、ローテを組んでくるようならば、改めてマークしたい存在だ。

カポーティスターとサクラアルディードは、現状では力不足という印象。ただし、カポーティスターに関しては、日経新春杯のように立ち回りの巧さを要求される条件であれば、見直せる部分もある。まだまだ成長が見込める4歳馬なので、今回の経験が糧になることを期待したい。
ジョワドヴィーヴルは体重こそプラス20キロだったが、見た目はまだ細い印象を受けた。レースを経験することによって実が入ってくることがまずは先決かもしれない。



■京都記念・予習

京都芝外回り2200mで行われるGⅡ・京都記念。11頭立ての少頭数ながら、なかなか興味深いメンバーが揃った。
はたして、中長距離のTOP3(オルフェーヴル、ジェンティルドンナ、ゴールドシップ)の牙城に迫れそうな馬が出てくるかどうか。今後を占う意味でも注目の一戦だろう。

昨年の宝塚記念以来、7ヶ月半ぶりの実戦となるショウナンマイティ
その宝塚記念は、勝ち馬・オルフェーヴルから0.5秒差の3着で、GⅠでも好勝負ができるという評価につながっている。
ここ5走はいずれも馬券圏内。安定感が増し、古馬になって本格化した印象も強い。
目標はまだ先とはいえ、休み明け〈2.1.0.0〉の実績を加味すれば、今回のメンバー相手に見苦しい競馬はできないはずだ。
もっとも、この馬に関しては、気掛かりな点もある。
それは後方一気の脚質。道中自分から動くと伸びを欠くところがあるため、直線を向くまで脚を溜める競馬に徹している。もちろん、3走前の大阪杯を豪快に差し切ったように、この馬の勝ちパターンであることは間違いないのだが、一方で、展開に左右される面は否めない。
まして今回は京都の外回りコース。3コーナーからの坂の下りを利用して馬群全体が動き出すケースも多く、菊花賞でゴールドシップが見せたような大マクりが勝ちに結びつくとも言われている。仮に3~4コーナーで馬群が動いた場合どうなのか。先行勢を射程圏から逃さずに追走する競馬ができるのか。そのあたりが大きなカギになりそうだ。
馬柱表を見れば、近走はすべて阪神でのレース。「下り坂で馬群が動く京都を避けたのでは?」と勘ぐりたくなる使い方でもある。外差しが決まりだした馬場状態はこの馬の末脚に味方するだろうし、少頭数であるため直線で前がゴチャつくようなこともないだろう。直線が長いため差し・追込が届くというイメージにとらわれやすいが、京都外回りコースで起こりやすい“馬群の動き”を考えた場合、この馬の脚質には不安材料があるようにも思える。

前走、中山金杯3着のジャスタウェイ
スローな流れで逃げ・先行勢が上位を占める中、4コーナー13番手からの追い上げを見せた。1番人気には応えられなかったものの、この馬の持ち味である豪快な末脚が改めて評価された一戦だったと言えるだろう。
昨年秋の東京での走りと比較しても、小回りよりも直線が長く広いコースの方が向くタイプ。斤量も1.5キロ減となり、条件は前走よりもプラスになることは間違いない。
問題は距離。
強豪相手の秋天で6着と健闘したことから、200mの距離延長はこなせるという見方が多いようだが、距離を延ばしても同じ脚が使えるかどうかは未知数。
何より気になるのはこの馬の3歳時の使われ方で、皐月賞ではなくNHKマイルC、菊花賞ではなく秋天というように、より短い距離のレースが目標にされていた。つまり、この馬の距離適性について、陣営は「短い方がいい」と考えていたのではないかということ。このあたりに若干の不安を感じる。どのような距離体系に向いているかを検討する上でも、今回の走りには注目すべきだろう。

前走、日経新春杯を勝ったカポーティスター
内枠の3頭で決着したようにコース取りの利があったものの、インでうまく立ち回った走りは評価してもいいだろう。52キロの軽量も味方したが、そのメリットを十分に生かした高倉騎手の好騎乗も光った。
もっとも、この馬も含めて格上挑戦組が半数近くを占めたように、レースのレベル自体は疑問。それゆえ、今回のポイントはやはり相手関係になりそうだ。
斤量増に加え、重賞で揉まれた経験値のある馬たちとの対戦。前走よりも荒れた馬場では、立ち回りの巧さよりもキレのあるパワーが必要になるはずだ。馬格のある馬とはいえ、そのあたりがどうか。
ただし、『日経新春杯・復習』でも書いたように、この馬自身の元値は“青葉賞2番人気”。一戦ごとに成長する4歳馬であることを加味すれば、前走はフロックというような軽視はできないだろう。
個人的には、有力馬が外へ持ち出す中、空いたインに果敢に突っ込んでいく、高倉騎手の“攻めの競馬”を見てみたいのだが・・・。

昨年夏の新潟記念の後、5ヶ月の休養を取ったトーセンラー
使い詰めだった昨年前半のローテを考えると、今回の休養はプラスに働く可能性もある。
新潟記念(7着)では1番人気の期待を裏切ったが、猛暑の中で福島・小倉と連戦を続けていたのだから、敗因は疲労だったという見方もできるだろう。
京都実績は〈2.0.2.1〉。きさらぎ賞勝ち、菊花賞3着がある得意のコース。適性から狙えると重い印を付ける競馬記者も多いようだ。
しかし、近走の内容を見ると、小回りコースで一瞬の脚を生かして馬券圏内に突っ込んでくるレースが目立っている。直線の長い新潟ではヨーイドンの競馬で2度の差し負け。瞬発力勝負向きかというと疑わしいところがある。したがって、京都の外回りで末脚を発揮できるタイプと断定するのは危険かもしれない。
ポイントは仕掛けどころだろう。
同枠のショウナンマイティと牽制し合うような競馬をすると、直線勝負に持ち込まれて伸び負けするリスクも。きさらぎ賞のデムーロ騎手や小倉記念の川田騎手が見せたような、3コーナー手前から動いて直線では4~5番手というようなレースがベストのようにも思える。

前走、中山のOP特別・ディセンバーSを制したベールドインパクト
菊花賞4着の実績からすれば、相手関係も楽で圧勝してもおかしくなかったが、結果はクビ差。「距離はもっと長い方がいい」というデムーロ騎手のコメントの通り、中山の1800では窮屈な競馬を強いられた感もある。
京都実績は〈0.1.1.2〉だが、芝2200mの京都新聞杯では2分10秒4の好時計で2着。長くいい脚を使えるタイプで道中で動ける強味もあるので、条件的には合いそうだ。
気になる点をあげるならば2つ。
まず、最内枠に入ったことで、終始馬場の荒れたところに閉じ込められないかということ。道中の走りに必要以上の負担がかかると、直線で失速するケースも考えられる。
もうひとつは、3000mの菊花賞から1800mの前走への大幅な距離短縮のあと再び距離を延ばすことで、馬自身が戸惑わないかという点。このあたりに若干の不安を感じる。

昨年の春天を勝った、GⅠ馬ビートブラック
それ以降、結果を残せていないが、使われてきたレースと闘ってきた相手を考えれば、ここでは実績最上位と評価すべきだろう。
今回のメンバーを見ると、ハナを主張して逃げる可能性も大きい。マイペースでレースを運べるようならば、粘り込み(あるいは逃げ切り)があっても不思議ではない。差し・追込系の有力馬が牽制するような展開になれば、さらに有利かもしれない。
あとは、どのような逃げ方をするか。
内ラチ沿いが伸びにくい馬場を考えると、多少のロスは覚悟した上で、馬場の真ん中を通った方がいいかもしれない。さらに、JCの時のようにスローに落とすのではなく、緩みのない流れを作って行き切ってしまった方がこの馬の渋太さが生かせるように思える。
コース取りとペース配分。石橋脩騎手がどんな騎乗を見せてくれるか、注目したい。

昨年の桜花賞以来、10ヶ月ぶりの出走になるジョワドヴィーヴル
ブエナビスタの半妹という良血で、新馬勝ち後の2戦目で阪神JFを制した逸材。とはいうものの、今回はさすがに厳しい条件かもしれない。
骨折休養明けで古馬混合のGⅡ、マイルしか経験していない馬にとっていきなりの距離延長。「まずは無事に走ってきてほしい」と陣営のトーンも上がらない。
もっとも、結果はともかく、注目度という点ではメンバー1とも言えるだろう。
特に、馬体がどれだけ成長しているかについては、今後の可能性を測る上でも興味深い。410~420キロの体では、タフなレースや厳しいローテに耐えられない懸念が生まれる。実際、3歳春は馬体が小さすぎるゆえに調整に苦労したとのことだ。GⅠ戦線で勝負をくり広げるためには、潜在能力の高さを生かせるだけの大きさと強さが必要だろう。
復帰初戦でいきなり結果を出す可能性もないとは言えないが(それを期待しているファンも多いようだが)、まずは素質だけで走っていた2~3歳時と比べてどれだけ変貌を遂げているかを確認してみたい。

前走1600万条件を勝ったサクラアルディード
昨年は6戦して4勝2着1回。オープン昇級初戦がGⅡという厳しい条件ではあるが、現時点での勢いは軽視できないだろう。まして今回は11頭中6頭が休み明け。順調度をひとつの基準に考えれば、馬券候補の1頭に挙げられるかもしれない。もっとも、この馬自身も中間にアクシデント(フレグモーネ)があったのだが・・・。
昇級馬の課題となるのは、やはり相手関係。しかも、ハンデ戦ではないので、斤量の恩恵といったものはない。
実際、GⅡ2着の実績をもつジャスタウェイとクラシックを戦い抜いたベールドインパクトが55キロで出走するのに対し、こちらは56キロ。少なからず不利なようにも思える。
好位で脚を溜めて、33秒台の上がりで抜け出してくる競馬は、正攻法の魅力に富んではいるが、はたしていきなり通用するかどうか。ここは試金石の一戦になるだろう。

前売オッズを確認すると、単勝1ケタが7頭という人気割れ(午後4時の時点)。
馬券的にも軸を見極めにくい難解なレースになりそうだ。



■今週はブログを更新します

家族の健康上の理由により、
2週間ほどお休みをいただきましたが、
今週は久々に「予習ブログ」を書きたいと
思っています。

よろしくお願いします。


安東 裕章

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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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