■2013年03月

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■大阪杯・予習

日曜、阪神で行われるGⅡ・産経大阪杯。
オルフェーヴルの本年度初戦ということで注目されているが、他にも“GⅠ級”の重賞実績馬が参戦。各馬の今後の方向性・可能性を検討する上でも興味深い一戦と言えそうだ。

●オルフェーヴル
この馬にとって昨年は不本意なシーズンだったという声も多く聞かれるが、それでもGⅠ・宝塚記念の勝ち馬。休養前の前走・ジャパンカップはジェンティルドンナにハナ差の2着に敗れたものの、3着以下につけた着差を見れば、レースが“抜けた2頭”の叩き合いだったことは明白だろう。今回のメンバーならば能力最上位。これまでの実績通りに力を発揮できれば、“不動の中心馬”であることは間違いない。
気になる点をあげるならば、オルフェーヴルにとってのこのレースの位置付け。
陣営の元々の青写真は、昨年の凱旋門賞を勝って引退だったが、それが叶わず今年も現役続行。そして、昨年に続いて凱旋門賞挑戦を表明した。それゆえ、オルフェーヴルの今年の出走レースに関しては、凱旋門賞から逆算したローテーションが組まれることになり、実際、凱旋門賞を最大目標に置いたことによって、硬い京都の馬場を長く走らせるのは得策ではないという理由から、「春天出走せず」を示唆するコメントも聞かれている。
となれば、今回の大阪杯はローテーション的にどのような役割を担うのだろうか。
6月下旬の宝塚記念(現時点で出走予定)は壮行レースの意味合いも兼ねて、凱旋門賞へ向けての仕上げのステップになるが、大阪杯に関しては、「休養明けとなる現時点での馬の状態を確認する」「実戦の勘を鈍らせないために走らせる」といった要素が少なからずあるようにも思える。
たしかに、オルフェーヴルは“普通に走れば圧勝できる能力の持ち主”だろう。しかし、凱旋門賞から逆算して考えた場合、ここで目イチの勝負をかける必要があるだろうか。あくまで試走。ならば、心身ともに状態面が完調とは言えないケースも考えられる。
土曜日午後の時点で単勝は1.1倍。GⅡを取りこぼすはずはないとファンは期待している。池添騎手は勝利を義務付けられたかのようなプレッシャーの中での騎乗になるだろう。ジョッキーの精神面と馬の状態面。2つのバランスが保たれているかどうかがカギになるかもしれない。騎手と馬の歯車が噛み合わなくなるとどうなるかは、昨年の阪神大賞典の“逸走”が教えてくれている。                                                                                                                       

●エイシンフラッシュ
昨年の秋天を制し、GⅠ2勝目をあげた2010年のダービー馬。続くJCでは大外から届かず9着に敗れたものの、前走の有馬記念は直線先頭から見せ場十分の内容のある走りを見せた。目標は次走(4月28日の香港クイーンエリザベス2世C)だが、壮行レースのここでも結果を残しておきたいところだろう。
この馬に関しては、一瞬の脚をどのように生かすかがポイント。成績にムラがあるのは、ハマるか・ハマらないかの“振り幅”が大きいからとも考えられる。
秋天の勝因は脚を溜めるだけ溜めた上での最内強襲だったし、近走は「小回りコースをロスなく立ち回って直線で伸びるパターン」が好結果につながっている。その点では、阪神内回りコースはこの馬向きと言えるだろう(実際、阪神2000mは〈1.0.1.0〉の数字)。
あとは、レースがどのくらい流れるか。超スローのダービーを差し切ったイメージが強いが、実際はスローの瞬発力勝負では分が悪いとも思えるタイプ。確固たる逃げ馬が不在の今回、ペースが落ち着いて直線勝負のような形になると、追い負けするかもしれない。レースの流れを読んで、どのような位置取りからどんな仕掛けをするか。C・デムーロ騎手の手綱捌きに注目したい。

●ショウナンマイティ
昨年のこのレースの勝ち馬。対オルフェーヴルでは、宝塚記念(3着)で0.5秒差の結果を残している。
後方から確実に追い込んでくる脚が武器で、3歳クラシック以降(2011年の鳴尾記念から)はすべて馬券圏内の戦績。4歳(昨年)で本格化したという意見も多い。
オルフェーヴルをはじめ、他の有力馬が休み明けなのに対し、この馬は前走の京都記念で1走使っているのが強味。〈2.3.1.2〉と得意とする阪神コースに戻るのもプラス材料だろう。
もっとも、前走の京都記念の走りは決して誉められたものではなかった。
折り合いを欠いて向正面でハナに立つ、この馬のスタイルとはまったく異なる走り。それでも3着に粘ったことから、地力の高さを証明したという見方もあるようだが、自分の競馬を出来なかったことは減点と考えるべきではないだろうか。
陣営は「あれがいいガス抜きになった」とコメントしているが、『京都記念・復習』の中にも書いたように、鞍上が必要以上に折り合いを意識するようだと、今回、伸び伸びとした競馬ができなくなるかもしれない。つまり、昨年の春天のオルフェーヴルと同じリスクを抱えているということだ。持ち味を生かせれば上位を狙える馬であることは間違いないが、クリアしなければならない課題があることも確かだろう。

●ダークシャドウ
一昨年のこのレースで2着。同じ年の秋天でも2着と好走し、一躍“GⅠ級”の評価を得た。
昨年の秋シーズンは結果を残せなかったが、JCと有馬記念は距離が長かったことが敗因と言われている。今回、〈3.3.0.1〉とこの馬が最も得意とする2000mの距離に戻ることで、巻き返しを期待する声も多い。
この馬については、全盛時の走りを取り戻せるかどうかがカギだろう。つまり、衰えの有無である。というのも、昨年の秋天の走りが今ひとつ腑に落ちないからだ。
東京の2000mはこの馬にとってベストの条件だったはず。GⅠを取るのなら秋天だろうとも言われていた。しかし、前哨戦に札幌記念を使い、じっくり時間をかけて調整したにもかかわらず、4着に終わった。「海外遠征の疲れの影響が残っていた」という見方もあったようだが、オルフェーヴルもジェンティルドンナもいないレースならば、“勝ち負け”になってもおかしくなかったはずだろう。
今回の休養について「体調面をリフレッシュさせる効果があった」と分析する競馬記者も多い。2着に入った札幌記念も含めて、どこかピリッとしていなかった昨年秋と比較して、どこまで持ち直しているか。近走のレース内容が、一時的な状態面の問題なのか、あるいは年齢的な問題なのかを判断する上でも、重要な一戦になりそうだ。

●ヴィルシーナ
昨年の牝馬クラシックでは4戦連続でジェンティルドンナの2着。GⅠ奪取のチャンスと言われたエリザベス女王杯では伏兵のレインボーダリアに差されて2着。デビュー以来、馬券圏内を外していない安定感は評価できるものの、勝ち切れないイメージが付いてしまった感もある。
今回は牡馬一線級が相手。斤量面では有利かもしれないが、力量的には未知数というのが正直なところだ。
もっとも、他の有力馬が差し脚で勝負してくるのに対して、この馬は先行力が持ち味。そのあたりにチャンスがあるかもしれない。並ばれても簡単には抜かさない渋太さが身上。直線でどれだけ差をつけているか、ゴール前でどれだけ食い下がれるか。それによっては、好勝負も十分に可能だろう。具体的には、直線早め先頭から、もう一段階加速できる脚(いわゆる二の脚)がほしいところ。そのあたりの走りの進化があるかどうかにも注目したい。
あとは、状態面。春の最大目標はヴィクトリアマイルということもあってか、攻め量が不足という意見も多い。牝馬の使い出しが牡馬混合のGⅡというのは非常に興味深いのだが・・・。


その他のメンバーについては、GⅢクラスといった印象が強い。
ローズキングダムはGⅠ馬ではあるが、近走の走りを見ると手を出しにくい。
伏兵の台頭があるとすれば(有力馬の凡走が条件になるが)、時計がかかる展開になった時のトウカイパラダイスの前残りと、インに潜り込んでロスのない立ち回りを見せた時のヒットザターゲットあたりだろうか。
阪神得意のタガノエルシコにも若干の妙味を感じるが、有力馬と同じ脚質であることを考えると、力負けする可能性の方が大きいだろう。


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■高松宮記念・復習


レースはハクサンムーンがハナを奪い、前半3Fが34秒3。逃げ馬3頭による先行激化のために33秒台前半の通過が予想されていたことを思うと、これはかなり緩いペース。結果、後傾ラップの上がり勝負となり、後方待機策の差し・追込馬にとっては厳しい展開になった。

ロードカナロアは珍しく出遅れ気味のスタート。前を深追いせず中団キープの競馬。ハクサンムーンが直線でも手応え十分だったため、一瞬「差し切れるのか?」とも思ったが、馬群を抜け出してからの伸び脚は次元が違っていた。終わってみれば、2着に1+1/4馬身差。好位から抜け出して後続を突き離すイメージとは違っていたが、ゴール手前で見せた加速力は“圧巻”のひとこと。先行馬に有利な流れだったことが、逆にこの馬の“強さ”を際立たせたという見方もできるだろう。
岩田騎手によれば「この馬はまだ完成途上」とのこと。秋のスプリンターズS、そして香港スプリントの連覇が大目標になりそうだが、「進化したロードカナロア」がどのような走りを見せてくれるのか。今から楽しみにしておきたい。

2着はドリームバレンチノ。ロードカナロアを見る形でレースを進め、最後は外から伸びてきた。
『予習』の中で「外差しよりも内を巧く立ち回るタイプ」と書いたように、「カナロアマークの追い比べでは分が悪いのになあ」と思ったが、その後の松山騎手のコメントによると、「ロードカナロアより速いスタートが切れたのに、ハクサンムーンに前に入られたので控えざるを得なかった」とのこと。結果はどうだったかわからないが、ロードカナロアより前の位置取りから先に仕掛けるレースというのも、見応えがあったかもしれない。
ともあれ、高速決着のスプリンターズSで3着、時計の掛かった今回は2着という結果に対しては、スプリンターとしての高い評価を与えてもいいだろう。6歳馬だが、本格化が遅かった分、まだまだこの路線で活躍できそうに思える。期待したい。

3着は逃げたハクサンムーン(10番人気)。
「うまくペースを落とすことができた」という酒井騎手のコメントの通り、絶妙の逃げだった。1・2着馬には差されたが、好位につけた先行馬を振り切った粘りは評価できる。「楽に先手を取らせると厄介な逃げ馬」という印象が残った。
3歳でアイビスサマーダッシュに参戦してきたこともあって、“快足自慢”のイメージが強かったが、思っていた以上に走りに緩急をつけられるタイプなのかもしれない。かつて同じ厩舎に所属していたヘッドライナーのような、レースにメリハリを付けられる“癖のある逃げ馬”になると、この先の楽しみが増えそうだ。

サクラゴスペル(4着)は、緩い流れの上がり勝負が向きそうに思っていたが、最後の伸びは案外。このあたりは経験の浅さかもしれない。スプリンターとしての適性については現時点では判断が難しいが、仮に、得意とする東京1400m・京王杯SCに出走してきて結果を出せるようであれば、1200~1600で幅広く走れるタイプという見方もできそうだが・・・。今回の走りを見る限りでは完成途上という印象だが、その分伸びシロがあるようにも思える。

ダッシャーゴーゴー(5着)は、なんとか掲示板は確保したものの、直線では一瞬並んだロードカナロアに置き去りにされた。最後まで脚を使っていたが、外目から差してくるタイプではないので、厳しかっただろう。先行馬に有利なペースだっただけに、内目の枠でもうひとつ前のポジションにいれば、2・3着の可能性もあったかもしれないが・・・。ただし、GⅠを勝ち切るには、馬自身にもうひとつプラスアルファが欲しい印象は拭いきれなかった。

3番人気のサンカルロは33秒2の上がりで大外から追い込んだものの9着まで。展開が向かなかったとはいえ、序盤で行き脚がつかなかった点については、年齢を含めた状態面に問題があったかもしれない。
マジンプロスパーとエピセアロームは最内の馬場状態がこたえたようだ。ただし、エピセアロームに関しては『予習』で「軽い馬場向き」と分析していたので、サマースプリントに参戦してくるようならば怖い存在になるかもしれない。



■高松宮記念・予習

春のスプリント王決定戦、GⅠ・高松宮記念。
昨年の勝ち馬・カレンチャンは引退したものの、2~5着馬は今年も揃って参戦。さらに、スプリンターズSの出走馬(および結果)を見ても、この1年でスプリント戦線の顔ぶれに大きな変化があったとは言い難い。
勢力図通りならば、ロードカナロアの“1強”というのが大方の見解。現時点での力関係を考えれば、1頭抜けているのは確かだろう。実際、フルゲート18頭に対して登録馬19頭という少なさ(出走は17頭)に関しては、「他陣営が勝負を避けたから」という見方もあるようだ。

昨年のこのレースは、改修直後の中京特有の“時計がかかる馬場”で、勝ち時計は1分10秒3。今年の場合、先週の500万条件が1分9秒5の決着。これまでのレコード・1分8秒7は更新されるという意見も多く、ある程度のスピード能力が問われる形になりそうだ。と同時に、長い直線と上り坂はスタミナも要求される。スピード+スタミナの“総合力”“底力”が勝負のポイントと考えたい。

●ロードカナロア
昨秋のスプリンターズSに続き、暮れの香港スプリントも勝利。国内・海外のGⅠ連覇によって「頂点を極めた」という評価も多く、現状のスプリント戦線における“中心的存在”であることは間違いない。
前走の阪急杯は58キロを背負いながら完勝。過去に一度しか経験していない1400m戦を使ったのは、陣営いわく「タフな中京コースを念頭に置いた距離延長」。ならば、本番へ向けての上々の結果だったと言えるだろう。
この馬の最大の武器は、なんといってもスタートの速さ。最初の数完歩でハナを奪えるほどのダッシュ力があるため、無理なくポジションを取ることができる。スプリンターズSでも、中山1200では不利とされる大外枠に入りながら、すぐにカレンチャンをマークできる位置に付けていた。
さらに、速いスタートの後、一旦ギアを落とす(=位置を下げる)ため、道中は楽な手応えで流れに乗りながら脚を溜めることができる。そしてそれが、最後の直線の伸びにつながっている。
昨年の高松宮記念(3着)と函館SS(2着)では最内枠から窮屈な競馬を強いられたため、枠順がどうかという不安要素もあったが、6枠11番ならば特に問題はない。逃げ馬3頭を先行させて好位からレースを進める形がイメージできる。競走馬としてピークの時期にあり、“自分の勝ちパターン”を持っている馬。国内GⅠ連覇の可能性は十分あると言えそうだ。
あえて気掛かりな点をあげるとすれば、海外遠征帰り→1400m戦というこれまでにない使い方をしたところだろうか。緩めのペース(2番手集団以降)でありながら、あまりにもきれいに折り合って“おとなしく”見えた阪急杯。もっとも、“貫禄”と言ってしまえばそれまでなのだが・・・。
いずれにしても、この馬がどのような走りを見せてくれるかに注目。個人的には“最強スプリンター”の圧勝劇を期待したい。

●サンカルロ
昨年の2着馬。本来1400mがベストの馬で1200m戦での勝ち鞍がないにもかかわらず、スプリントGⅠでの差し脚を生かした好走が目立つ。高松宮記念は2年連続で2着。外差し不利と思われた昨年の時計がかかる馬場でも、最速の上がりをマークし、先行勢で占められた掲示板の中で存在感を強くアピールした。
阪神C→阪急杯→本番というローテーションは過去2年と同じ。となれば、3年連続で同じ力を維持できているかどうかがカギになるだろう。
そこで気になるのは、昨年秋のレースの使われ方。一昨年はセントウルSからスプリンターズS→スワンS→阪神Cというローテだったが、昨年はさらにマイルCSを走っている。この“1走多い分”が今年7歳という年齢の馬に何らかの影響を及ぼしていないだろうか。安田記念に出走しなかったことで(一昨年は出走)、夏場の休養は長く取れたとはいえ、消耗度という点で少しばかり懸念材料にも思える。
できれば当日の馬体にも注意したい。阪神C→阪急杯でプラス10キロは昨年と同じだが、前走の過去最高体重(516キロ)はさすがに重目の印象も。調教後の計測ではマイナス8キロとなっているが、実戦用に絞れているかどうかは要チェックだろう。好走期間が長く続くタイプではないので、状態面がポイントになりそうだ。

●ダッシャーゴーゴー
昨年の4着馬。スプリント重賞は3勝2着5回3着3回で実績面ではトップクラスの存在だ。
2走前のシルクロードSは休み明けで59キロを背負いながら2着とその能力をアピールしたが、前走のオーシャンS(2着)は叩き2走目で3キロの斤量減を考えると、本来ならば勝たなければいけなかったレース。直線の坂上まではサクラゴスペルを差し切りそうな勢いがあっただけに、弱点の“ツメの甘さ”が露呈したようにも見えた。
3歳時からスプリントGⅠで活躍していたため、ピークが過ぎたように思える時期(ダートに矛先を向けた時など)もあったが、近走の走りを見る限り“衰え”は見えていない。スプリント路線のメンバーに大きな変化がないのであれば、やはり上位を狙える有力馬と評価すべきだろう。
大外枠に入った今回の課題は位置取り。好位で流れに乗って末脚を発揮するタイプなので、ある程度のポジションはキープしたいところ。ただし、逃げ馬を追いかけるように序盤から脚を使うと、最後に伸びを欠いて失速するリスクも。実際、極端な前傾ラップを刻んだ昨年のオーシャンSとスプリンターズSでは大敗している。
陣営が「年齢的にもラストチャンス」と位置付けている今回のレース。降着で二度にわたって涙を飲んだ川田騎手の手綱捌きに注目したい。

●マジンプロスパー
昨年の5着馬。秋は精彩を欠く走りが続いていたが、2走前のシルクロードSで4着、前走・阪急杯2着とここにきて調子を上げてきた感もある。CBC賞を勝った舞台ということもあり、軽視はできない1頭だろう。
この馬に関しては、前走の走りをどう評価するかがポイントかもしれない。
それまでの“直線早目先頭”のレースとは違って、中団で脚を溜め、馬群を割って伸びてくる競馬を見せた。それゆえ、「脚質に幅が出た」と評価する競馬記者も多い。
ただし、あの1戦だけで控える競馬もできると判断するのはどうだろうか。個人的な意見を述べるならば、阪急杯は2番手集団の先頭にいたロードカナロアをその番手でマークして、そのまま流れ込んだレースという印象が強い。つまり、先行型の競馬だったということ。そして、ロードカナロアに突き離されたということは、この馬の持ち味は、やはり“直線早目先頭”からパワーで押し切る形なのだろう、とも思えた。
ハナを切りたい逃げ馬が3頭揃った今回、福永騎手は前を深追いせず差し脚を生かす競馬をするかもしれない。しかし、それがこの馬にとってのベストの形と言い切れるかどうか。直線を向いた時、ロードカナロアより前にいるか後ろにいるか。そのあたりが興味深い。

●ドリームバレンチノ
昨年のスプリンターズS3着馬。前走のシルクロードSは休み明けで58キロの斤量を背負って1着。直線、前が塞がったが、こじ開けるように伸びてきたのは、地力の高さをうかがわせる内容だった。
この馬の場合、中京のタフなコースへの対応が課題になりそうだ。
陣営は「長くいい脚を使うので中京向き」とコメントしているが、スプリンターズSとシルクロードSの走りからは、内々を巧く立ち回って馬群を割ってくる印象の方が強い。決め手で見劣りするというわけではないが、“大外一気”のようなタイプとは思えない。実際、3走前のキーンランドCでは外々を回らされて直線で失速。状態面が整っていないレースだったとはいえ、持ち味を発揮できないコース取りのように見えた。したがって、中京コースへの対応も、どのようなコース取りをするかがポイントだろう。
対ロードカナロアに関して言えば、函館SSで外から蓋をするような“攻撃的な競馬”で勝利を収めているが、坂のある長い直線で同じ戦法が使えるかどうか。むしろ、インに潜り込んで、内目から強襲する方が勝機を見出せるような気もする。

●サクラゴスペル
前走、オーシャンS1着。1600万クラスからの3連勝で、勢い・上昇度では最も注目の存在だろう。
昨年の高松宮記念は0.5秒差の9着。OP昇級初戦がGⅠ、経験の少ない1200mという条件であったため、能力の片鱗を見せたという声も上がっていた。今年は芝1200mを連勝した上での参戦。スプリンターの資質に磨きをかけたという見方もされている。
もっとも、連勝を飾った中山芝1200mと同じレースが、直線の長い中京でもできるかというと、そのあたりは未知数。たしかに、全7勝中5勝が左回りということで、「中山よりも条件が向く」という意見もあるようだが、その5勝はいずれも1400~1600m戦でスローの瞬発力勝負。中山1200の勝ちパターンとは大きく異なる。
さらに、〈5.0.0.6〉の数字からわかるように、左回りでは着外も6回。2・3着がないのは、ハマれば勝つが、そうでない場合は大敗ということで、言い換えれば、展開に左右されやすいということ。
冒頭でも述べたように、中京1200mはスピードとスタミナの両方を要求されるコース。これまでの左回りコースの実績が強調材料の“後押し”になるとは考えにくい。
もちろん、この馬自身の成長を踏まえれば、好走の可能性がないというわけではないが・・・。いずれにしても、スプリンターとしての能力を測る上での試金石となる一戦だろう。

●エピセアローム
昨年のセントウルS1着。このレースでロードカナロアに先着している。
前走の阪急杯は休み明けで1F長い距離。流れに乗れず折り合いを欠いたまま9着に敗れた。叩き2戦目でベストの1200mならば、当然上積みが見込める。4歳の成長期にあることも、ひとつの魅力だろう。
ただし、小倉2歳S勝ち、セントウルS勝ち、スプリンターズS4着という実績を見ると、高速決着の軽い芝向きという印象も否めない。480キロ台の牝馬なので、そこそこ馬格はある方だとは思うが、力を要するタフな中京コースと走りがマッチするかどうか。
1200mでは底を見せていない感もあるので、要注意の1頭には違いないが、スタミナやパワーという点に関しては半信半疑な部分もある。


今回のレースには、ハクサンムーン・メモリアルイヤー・アイラブリリのハナを主張したい3頭が出走する。いずれも外目の枠に入ったことで、序盤からポジション争いが激化する可能性もある。
となれば、差し・追込馬の食い込みにも注意を払う必要があるかもしれない。スギノエンデバー、ツルマルレオンも候補だが、距離短縮で挑むモンストールも面白い存在。
ダートから駒を進めてきたシルクフォーチュンは、芝で同じ末脚を使えるかどうかだが、まずは前半33秒台のラップに対応できるかが課題だろう。

逆に、序盤から逃げ馬の隊列が決まってそれほどペースが上がらない場合は、好位で巧く流れに乗った馬がゴール前で伸びてくるシーンが想像できる。
ダッシャーゴーゴー、マジンプロスパー、サクラゴスペルあたりに向く展開とも思えるが、この場合の大穴はミキノバンジョー。久々の1200で追走に戸惑うかもしれないが、内目をロスなく回って最後に伸びてくるかもしれない。フィフスペトルも一昨年のマイルCSのような競馬ができれば面白いが、休み明けのぶっつけでGⅠというのはさすがに厳しいだろう。

評価が難しいのがアドマイヤセプター。キンカメ×アドマイヤグルーヴの超良血だが、近走を見る限りでは、自分の走りのスタイルが完成していない印象もある。ルメール騎手が乗った京阪杯(2着)の評価が高いようだが、そつない競馬ではあっても“強さ”はあまり感じられなかった。距離も短いように思える。


■トライアルもいよいよ佳境

先週の競馬は、「波乱もアリかな?」と思われていたハンデGⅢ(中日新聞杯・中山牝馬S)が堅めの決着。対して、有力馬3頭の争いが期待されていたフィリーズレビューはサウンドリアーナとサンブルエミューズが敗退。今年のクラシックは牡馬も牝馬も混戦模様になってきたようです。
個人的に付け加えるならば、中山牝馬Sの1・2着馬が「新潟の上がり勝負で結果を出していた」ことが印象的。たとえ左回り巧者であっても、スローな展開が予想される場合は、瞬発力に一目置くべきなのでしょう。勉強になったレースでした。

さて、今週は土日で4重賞。
うち3つは3歳戦ですが、スプリングSとフラワーCは皐月賞と桜花賞を検討する上でも注目のレースです(土曜阪神の若葉Sも含めて)。
スプリングSは2歳王者のロゴタイプが出走しますが、この馬を含めて9頭が前走1着馬(もちろんクラスはマチマチですが)。上昇度や勢いといった点からも、面白そうな一戦だと思います。
残る1つの重賞は阪神大賞典。少頭数ということもあって、ゴールドシップの相手探しになりそうですが、どのような競馬を見せてくれるか楽しみです。

今週もまた、出張のため競馬は不参加。
次週の高松宮記念はしっかり予習したいなあ・・・といったところです。
皆様のご健闘をお祈り申し上げます。


安東 裕章



■今週もほんの少しだけ・・・

先週の弥生賞は6番人気のカミノタサハラが勝利。
“2強”と言われていたエピファネイアとコディーノが共に連を外す波乱となり、「本番の皐月賞は混戦になるだろう」という見方が強まってきたようです。
弥生賞の結果がそのまま現時点での実力差とは言えない部分もあり、勝ったカミノタサハラにしても、直線入り口で一瞬置かれるなど走りに若さが見られましたし、どの馬よりも完璧に流れに乗れていた2着のミヤジタイガも本番で同じ競馬ができるかどうか。むしろ、3着のコディーノがもっとも本番を想定した乗り方だったという意見もあります。このあたりについては、皐月賞前にもう一度検討する必要があるでしょう。

今週も土日で3重賞。
チューリップ賞で有力馬が敗退したため、日曜・阪神のフィリーズレビューは桜花賞を占う意味でも注目のレース。1400のレースなので、ここで好走しても1F延長の本番につながるかどうかを、しっかり判断しなければならないでしょう。
人気になりそうなサウンドリアーナ、サンプルエミューズ、メイショウマンボの3頭は、いずれも阪神JFでは敗退した馬たち。当時と比較して走りに変化が見られるかどうか。要チェックだと思います。

毎年のように荒れる中山牝馬Sは、今年も難解な一戦。
実績ならばフミノイマージンでしょうが、条件的に向いているかどうか。中日新聞杯と両睨みでありながら、ハンデの重いこちらのレースに出走してきたことは、ある程度の勝算があるのかもしれませんが・・・。
マイネイサベル、スマートシルエットは“左回り巧者”の印象が強く、昨年2着のオールザットジャズにしても牝馬限定戦ならば格上とはいえ、時計がかかる馬場向き(昨年も重馬場での追い込み)という感もあります。
格上挑戦でも勢いのあるクイーンリヴィエラ、中山18002戦2勝のダイワズーム(前走は牡馬混合の小倉大賞典で0.4秒差)、ようやく馬体が安定してきたオメガハートランド、横山典騎手鞍上のオークス3着馬・アイスフォーリス、決め手の鋭いアカンサス、休養前の愛知杯ではオールザットジャズに先着しているサンシャイン、距離は微妙でも近走は確実な脚を使っているアラフネ・・・などなど。とにかく伏兵多数で馬券的には面白いレースになるかもしれません。

今週も仕事の関係で、残念ながら競馬は不参加。
皆様のご健闘をお祈りします。


安東 裕章


■ほんの少しだけ・・・ブログ更新

先週の中山記念は2番人気のナカヤマナイトが勝利。
終わってみれば、中山巧者のワンツーで、3着には開幕週の馬場を味方に逃げ馬が粘ったレース。わかりやすい結果だったと思います。
とはいえ、3頭横並びのゴールシーンはなかなか見応えがありましたし、勝ったナカヤマナイトについては、「序盤で外目から位置を取りに行っても掛からず折り合えた」という成長を見せてくれました。
1番人気のタッチミーノットは、戦前に懸念していた通り、位置取りが後ろになったことで、本来の走りができなかったようです。ダノンバラードは「もっと距離があった方がいい」、トーセンレーヴは「広いコースの方がいい」と、それぞれのジョッキーがコメント。人気馬の敗因もしっかり頭に入れておきたいと思います。

今週は土日で3つの重賞が行なわれます。
どれもGⅠに直結する注目のレースですが、中でも日曜中山の弥生賞は、東西の3歳トップホースの対決が話題になっています。
個人的には、スローの流れしか経験していないエピファネイアよりも、激流で揉まれたコディーノの方が信頼を置けるようにも思えますが、伏兵陣もなかなかレベルの高い顔ぶれで、馬券的には難しいレースかもしれません。キャリアは少ないものの、まだ底を見せていない感のある、サトノネプチューン、カミノタハサラ、キズナなどが“2強”に続く人気になりそうですが、距離をこなせるならば、シンザン記念で圧巻のイン差しを見せたヘミングウェイも面白い存在。また、どの馬がどんなペースでレースを引っ張るかによって、好走タイプが変わってくるような気もします。

今週も出張のため競馬は不参加(昨夜戻って来たばかりなのに・・・)。
皆様のご健闘をお祈りします。


安東 裕章



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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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