■2013年04月

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■冠婚葬祭黄金週間って・・・

『競馬のツボ<ブログ版>』にお越しいただき、ありがとうございます。
いよいよゴールデンウイークということで、「じっくり競馬を・・・」と思っていたのですが、今週末は結婚式参列の予定(遠方まで1泊2日)。
ちなみに、来週末には法事があり、2週続けてGⅠ不参加になってしまいます。

今週は京都で天皇賞・春が行われます。
中心はゴールドシップと考えて差し支えないでしょう。
相手候補の筆頭としては、フェノーメノが人気を集めそうですが、昨年秋に菊花賞ではなく天皇賞へ向かったローテを考えると、京都芝3200mが絶好の舞台と言えるかどうか。デビュー以来初となる関西遠征も気になるところです。
京都記念を勝ったトーセンラーも有力候補。菊花賞3着の実績もあり、〈3.2.0.1〉の京都巧者。この馬に関しては、一瞬のキレよりも長くいい脚を使えるタイプと思われるので、最後の直線に向けてどれだけポジションを上げていけるかがカギかもしれません。
他では、芝の長距離に転向してから好走を続けているデスパラード、前走・ダイヤモンドSが完勝だったアドマイヤラクティ、勝ち味に遅いものの安定感のあるムスカテール、9歳でも近走の成績が充実しているジャガーメイルあたりが圏内候補になりそうです。
「本物かどうか?」という意味で注目したいのは、別定戦(日経賞2着)でも結果を出せたカポーティスター(52キロの軽量で日経新春杯勝ち)と、前走で距離を延ばして一変したレッドデイヴィスの2頭。
レッドカドーについては、1200~1600mの外国馬ならば怖いようにも思えますが、長距離ではどうなのか。今回の参戦は次走のシンガポールGⅠへの叩き台という意見もあるようです。

個人的には、ヒモ荒れの可能性もありそうなレースのようにも思えます(あくまで印象ですが)。
皆様のご健闘をお祈りいたします。


安東 裕章


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■今週はお休みします

『競馬のツボ<ブログ版>』にお越しいただき、ありがとうございます。
今週はGⅠの谷間・・・。だからというわけではありませんが、仕事に都合もあり、『予習ブログ』はお休みさせていただきます。

日曜・東京ではオークストライアルのフローラS。
「今年のオークスは桜花賞組が絶対とは言えない」という意見もある中、ここを目標に優先出走権を獲りに来た馬たちには注目でしょう。特に、重賞のクイーンCとフラワーCの上位馬たちがどういう走りを見せてくれるのか。なかなか興味深い一戦になりそうです。

京都ではマイラーズC。
安田記念の前哨戦という意味も含めて、カレンブラックヒルの出走が話題を集めているようですが、マイル戦線の今後を考えれば、クラレント、サンレイレーザー、ファイナルフォームといった4歳・新勢力のチェックも必要でしょう。
個人的には牝馬・エーシンメンフィスの走りに注目。土曜の福島牝馬Sではなく、牡馬混合のGⅡに駒を進めてきたことは興味深く思います。今回の結果次第ではヴィクトリアマイルでも期待できるかもしれません。

それでは、皆様のご健闘をお祈り申し上げます。


安東 裕章

■皐月賞・復習

牡馬クラシック第1冠、皐月賞を制したのは1番人気のロゴタイプ。1分58秒0のレコードタイムで、朝日杯FSに続いて2回目のGⅠ制覇を成し遂げた。

レースはコパノリチャードが先手を奪い、1000m通過が58秒0。予想されていた通りのハイペースになった。
勝ったロゴタイプは3コーナー手前までは中団のイン。そこから4コーナーに向けてマクリ気味に進出すると、わずかなスペースを見つけて外目へ。直線では先に抜け出したエピファネイアを交わして、半馬身差でゴールを駆け抜けた。ひとことで言えば、完勝。まったく無駄のないレースだった。
『予習』では「不安点をあげるならば、馬群の中で揉まれる形になった場合」と書いたが、実際、向正面ではまわりを囲まれて、外に出せるかどうかという展開。そんな中、“マクリ気味に進出しながらわずかなスペースを見つけて外へ”。これはもう、M・デムーロ騎手の超一流の技術と言うべきだろう。中継カメラが直線入口のアングルに変わった時、「え? ロゴタイプはなぜ外にいるんだ?」と驚いたファンも多かったのではないだろうか。
もちろん、鞍上の指示に応えた馬自身の能力(鞍上いわく「クレバーな馬」)も高く評価できる。外から被せていたカミノタサハラが外に膨らんだ隙にスッと動けた瞬発力。そして、直線で見せた伸び脚。戦前には距離を不安視する声もあったが、まだまだ余力を残していそうな走りだった。1600m→1800m→2000mと距離を延ばしても、結果はすべて“強い勝ち方”。現時点では、ダービーに向けて視界良好という印象が強く残った。

エピファネイア(2着)は折り合いが課題だったが、今回も序盤で掛かり気味。向正面でようやく流れに乗り、早目先頭の正攻法で抜け出したが、最後は勝ち馬に交わされた。
福永騎手は「勝ち馬との差は掛かった分」とコメント。たしかに、その通りかもしれないが、現時点での馬の完成度の差のようにも思える。成長途上という印象も否めない。
とはいえ、未経験のハイペースに十分対応できたことは大きな収穫。このまま経験を重ねていけば、いずれは大きなタイトルを手にしそうな逸材とも思える。すでに「この馬はダービー向き」との意見も出ているようだが、課題の折り合いで若干ミソをつけた以上、距離延長がカギになりそうだ。

コディーノ(3着)は一応の結果を残したとも言えるだろうが、走りそのものは今ひとつだった気もする。最初のスタンド前で他馬と接触して力んだとのことだが、以前のような弾け方は見られなかった。
『予習』では、弥生賞を“試走”とした位置付けた上で、「“本番”でどう変わってくるかに注目」と書いたが、目に見える変化はなかったようにも思える。ひとことで言うならば、この“試走”も“本番”も余裕のない走り。ロゴタイプのような躍動感が伝わってこなかった。
気性的な問題が解消されれば、力みも取れるのかもしれないが、成長過程とはいえ、何となく壁にぶつかっているようだ。評論家の中には「2000mは長すぎる」という意見もあり、ダービーに関しては不明瞭な部分も多い。ただし、ローテを詰めてNHKマイルCに向かうとなれば、レコード決着の激走の反動があるかもしれない。

カミノタサハラ(4着)は、懸念していた通り、4コーナーでモタついていた。東京コースなら巻き返しの可能性もありと考えていいかもしれない。もっとも、上位3頭との差を考えると、コース替わりで逆転まであるだろうか。小回り中山だからよけいに目についたのかもしれないが、まだまだ粗削りな部分が多いようにも思える。

今後に期待できそうな走りを見せてくれたのは、後方からでもきちんと競馬をまとめたタマモベストプレイと、厳しいペースの中で先行しながらも最後まで頑張っていたクラウンレガーロ。この2頭に関しては、クラシックでは力負けするかもしれないが、古馬混合のレースに矛先を向ければ、中距離のGⅢあたりで活躍できそうな気もする。
メイケイペガスターは、前走に比べれば真面目に走っていたが、あまりに“折り合い重視”の競馬。ダービーにつながるレースができたかというと、微妙なところだろう。



■皐月賞・予習

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■桜花賞・復習

桜の女王の座に輝いたのは、7番人気の伏兵・アユサン。95年のワンダーパヒューム以来となる1勝馬の桜花賞制覇を成し遂げた。

レースはサマリーズがハナを切り、3F通過が34秒8。良馬場発表とはいえ、雨の影響で荒れた馬場状態を考えれば、かなり速い流れだったと言えるだろう。
勝ったアユサンは、懸念されていた出遅れもなく、スッと先団へ。その後、抑え気味に下げて、馬群の中でしっかり折り合うことができていた。無理に外へ回すこともなく、直線で前が開くと同時にスパート。最後はレッドオーヴァルに詰め寄られたが、内から渋太く差し返し、クビ差で栄冠を手に入れた。
主戦の丸山騎手が落馬負傷のため、急遽乗り替わったC・デムーロ騎手の会心の騎乗。特に、前半のポジショニングと直線の仕掛けのタイミングは見事だった。弱冠20歳の若手ジョッキーとは思えぬ落ち着いた判断力。インタビューでは丸山騎手への感謝のコメントも述べ、プロのアスリートとして非常に好感が持てた。
もちろん、馬自身の走りについても高く評価すべきだろう。
『予習』では、この馬のローテーションと潜在能力、さらに今回の仕上がりについて検討した上で、「伏兵として面白い存在」と書いたが、レースではその予想を上回る“強さ”を見せてくれた。ゲートを出てからの行き脚の鋭さはこれまでになかったし、前走で片鱗を見せた“勝負根性”はゴール前の追い比べで生かされていた。マイナス12キロの馬体重が嫌われたかもしれないが、裏を返せば、それだけ強い調教ができたということ。陣営がC・デムーロ騎手に告げた言葉を借りるならば「前走の3倍のデキ」。たしかに、馬体が醸し出す躍動感は出走メンバーの中でも目立っていた。
オークスは本来この馬が得意とする左回り。今回のように折り合う競馬ができれば、結果につながる可能性も高いかもしれない。もっとも、今年の桜花賞は近年稀にみる混戦(=抜けた馬がいない一戦)であったことと、多かれ少なかれ馬場状態の影響があったことを考え合わせれば、まだまだ予断が許せないだろう。

2着は2番人気に支持されたレッドオーヴァル。
前走の馬体減を回復できているかどうかがポイントだったが、強い追い切りをこなした上でのプラス4キロ。状態面には問題なかったようだ。距離についても、十分対応できていた。
後方から追い込んでくることは予想通り。ただし、M・デムーロ騎手によれば「トーセンソレイユをマークしていた」とのことで、相手を切り替えて外を回った分だけ、脚を余計に使ってしまったようだ。
それでも、上がりはメンバー最速タイ。溜めれば弾けるこの馬の持ち味は十分発揮できていた。ゴール前で差し返されたのは、相手を褒めるべきだろう。
オークスに向けての課題は、距離が伸びても同じ末脚を繰り出せるかどうか。スローの上がり勝負になったチューリップ賞では不発に終わっただけに、オークスがどのようなペースになるかがこの馬にとってカギになるかもしれない。

3着は14番人気のプリンセスジャック。
この馬に関しては、デビューから2連勝を飾ったものの、近走の走りがパッとせず底が見えたようにも思えたため、『予習』ではひとこともふれなかった。脚質についても、好位先行が持ち味と考えていたので、後方から差してくる走りは、文字通り“予想外”だった。
もっとも、2連勝の後、ファンタジーSで1番人気に支持されたことを考えれば、簡単には軽視できない存在だったかもしれない。加えて、この馬も阪神JF→休養→チューリップ賞という“王道のローテ”を使われた1頭(結果的に、このローテーションを走った4頭はすべて掲示板に載った)。『予習』のアユサンの項では、阪神マイル経験(JFとチューリップ賞)に着目していたのだから、個人的には大反省である。
今回はオークスを意識した走り方だったという意見もあり、次につながる競馬はできたようにも思えるが、「こういう荒れた馬場には向いている」(福永騎手談)のであれば、良馬場の瞬発力勝負になった場合はどうか。そのあたり、直前に改めて検討する必要があるだろう。

4着は1番人気のクロフネサプライズ。
『予習』では「前半3F・34秒台のレースで、前走のような“もうひと伸び”ができるかどうか」と書いたが、結果としては、それができなかった。馬場の影響もあったかもしれないが、前半から行きたがる走りで、武豊騎手いわく「力んでいた」。外枠で前に壁を作れなかったことが大きかったようだ。
この馬の場合、前走のように自分でペースを作った方がいいのだろう。阪神JFでは2番手から粘り込んだが、あのレースは他の先行馬が力尽きた結果であって、自分から他馬を飲み込んだわけではなかった。
近2走より走りの内容が悪かった(ゴツゴツしていてリズムの悪い印象)ので、オークスについては、本来の姿に戻れば巻き返しの可能性もあるかもしれないが・・・。ただし、ゴール手前での止まり方を見ると、2400mは厳しいような印象も残った。

5着はローブティサージュ。
ペースが速かったこともあって、馬群の中で折り合いはついていた。ただし、内目の馬場が悪かったとはいえ、最後の伸びはもうひとつ。復調途上という見方が正しいかもしれない。
オークスに出走するならば、課題はやはり折り合い。レッドオーヴァル同様、道中のペース次第になりそうだ。瞬発力よりも長い末脚で勝負するタイプのようにも思えるので、NHKマイルCの方が面白いようにも思えるのだが・・・。

3番人気のトーセンソレイユは7着。
小柄な馬体には今回の馬場はこたえたようだ。ただし、2戦のキャリアを考えれば、今回のレースはいい経験になったはず。『予習』でもふれたように、まだまだ完成途上の印象だが、夏場に馬体が成長するようならば、秋は怖い存在になるかもしれない。個人的には、ローズSをブッちぎりそうなイメージを持っているのだが・・・。

4番人気のメイショウマンボは10着。
大外枠から内に潜り込めず、なし崩しに脚を使ったように見えた。『予習』で不安材料として指摘した通りの結果と言えるだろう。今回は極端な枠順だったので、見直せる余地はありそうだ。瞬発力勝負が予想されるレースで、早めにスパートして後続を振り切る競馬が狙い目になるかもしれない。

立ち回りの巧い印象があったクラウンロゼとウインプリメーラは内枠で馬場に泣いた印象。
今後、注目したいのはサウンドリアーナとコレクターアイテム。
サウンドリアーナはスピードの乗り方が前走よりはるかに良かったので、1200~1400に矛先を向ければ面白いかもしれない。
コレクターアイテムは直線で大きな不利があり、追えずに終わったが、浜中騎手がそれについてコメント(「あの不利がなければ」といったような)していないところから判断すると、まだ本調子ではなかったのかもしれない。仮にオークストライアルに出てきて、覇気のある走りを見せてくれるようならば、オークスでの巻き返しの可能性も考えられる。

■桜花賞・予習

有力候補と評価されていた馬たちが前哨戦で次々と敗退。力関係の判断が難しくなったことで、今年の桜花賞は近年稀にみる大混戦と言われている。週中のスポーツ紙を見ても、「実績」「素質」「成長力」など、予想のスタンス(=重視するポイント)は様々。競馬ファンにしてみれば、「絞り切れない」というのが、おそらく本音だろう。
加えて、この週末は雨予報。馬場状態によっては展開が左右される可能性も考えられる。どのようなレースになるか、その中で各馬がどのような走りをするか。言うまでもなく、難解な一戦である。

●クロフネサプライズ
前走、チューリップ賞1着(3番人気)。
レース史上2番目の速いペース(前半3F・34秒1)だった阪神JFでは、先行勢総崩れの中、直線先頭から粘って2着。チューリップ賞では自ら先手を取り、スローペース(前半3F・35秒9)に落として逃げ切り勝ち。阪神JF→休養→桜花賞トライアルという“王道のローテ”で結果を残していることから、「信頼性は高い」と評価すべきだろう。流れの異なるレースにそれぞれ対応できた点も、強調材料と考えていいはずだ。
問題は、この馬が後続にマークされる先行馬であること。本番でこれまでと同じような競馬をさせてもらえるかどうかがカギになる。
さらに、阪神JFもチューリップ賞も、人気を背負っていた(=能力を高く評価されていた)のは差し馬であり、その差し馬たちが本番で巻き返す可能性もあるという意見も少なくない。特にチューリップ賞は典型的な前残りのレースだったため、本番で流れが速くなれば着順は変わるだろうという見方もある。
トライアルで2着馬につけた着差は0.6秒(3馬身半)。これを、「能力の絶対値」と評価するか、「展開のアヤ」と判断するか。具体的には、前半3F・34秒台のレースで、前走のような“もうひと伸び”ができるかどうか。そのあたりが、この馬の取捨選択のポイントになるかもしれない。

●メイショウマンボ
前走、フィリーズレビュー1着(3番人気)。
新馬勝ちの後、中1週で挑んだ阪神JF(10着)は、さすがに力差を感じる1戦だったが、今年に入ってからのレースぶりは心身ともに成長を見てとれる内容。特にフィリーズレビューは窮屈になりながらも馬群を割って伸びてくる力強い走りを披露した。
陣営も前走・鞍上の川田騎手も「長くいい脚を使うタイプ」とコメント。エンジンの掛かりが若干遅いところもあるので、阪神外回りに向く脚質と考えることもできる。
この馬に関しては、大外枠をどう判断するかだろう。
陣営は枠順について「内で包まれるのが嫌だったので、むしろ歓迎」とコメント。折り合いに難があるようにも思えないので、前に馬を置けずに掛かるという不安も少なそうだ。
しかし、外々を回って直線での末脚勝負が、この馬の“勝ちパターン”かというと、どうだろうか。馬群の中で脚を溜めて徐々に進出する方が、持ち味を生かせるように思えるし、キレ味という点に限れば、レッドオーヴァルやコレクターアイテムの方が上という印象もある。良績もマイルより1400mに多いため、外々を回らされた場合の距離損が走りに影響するかもしれない。ゆえに、道中の位置取りがカギになりそうな気がする。

●レッドオーヴァル
前走、チューリップ賞7着(1番人気)。
出走レースはすべて最速の上がりをマーク。中でも特筆すべきは、2走前の紅梅Sだろう。重馬場にもかかわらず、1頭だけ次元の違う差し脚で直線ゴボウ抜き。2着のメイショウマンボに3馬身差をつける圧勝だった。
それを受けて前走のチューリップ賞では1番人気に支持されたが、結果は7着。前残りの展開とマイナス10キロの馬体減が敗因と見なされているが、馬体重についてはデビュー以来減り続けていることもあり、今回どこまで馬体が回復しているかには注意が必要だろう。「状態面が万全ならば一気に突き抜ける可能性もある」といった意見も多い。
もっとも、気になる点は他にもある。それは、距離。
初のマイル戦だった前走・チューリップ賞の敗因について、「距離が長かったのでは?」という声は一切聞こえてこない。たしかに、最後は脚を余した感もあり、距離不安を感じさせるものは見当たらなかった。しかし、初距離で大敗した場合、そのあたりを疑うのは定石でもあるはず。展開と馬体減の2つの敗因がクローズアップされたことで、盲点になっていなければいいのだが・・・。馬群を割って差してくる経験がない馬なので、なおさら“外々を回った時の距離”が課題になるようにも思える。

●ローブティサージュ
前走、チューリップ賞9着(2番人気)。
2歳女王の始動戦として期待された前走だったが、まったく見せ場もなく大敗。須貝調教師は「外枠だったため折り合いに専念するうちにポジションが悪くなった」とコメント。とはいえ、GⅠ馬としてはあまりにも負け過ぎ。同じく人気になっていたレッドオーヴァルが伸びる気配を見せていたのに対し、この馬からは覇気を感じられなかった。秋山騎手の「まったく反応しなかった」という発言も、かなり深刻に聞こえる。
もちろん、1走使った上積みも含めて、巻き返しの余地がないというわけではない。
阪神JFでは、インでじっくり脚を溜めるレースをしていたので、今回内目の枠に入ったことはプラス材料かもしれない。さらに、ほとんど馬なりの追い切りだった前走とは違って、一週前にハードな攻めを敢行したことで、反応が良くなることも期待できる。
問題は精神面かもしれない。
前述の「まったく反応しなかった」という秋山騎手のコメントもそうだが、“馬房で突然暴れ出す女王様”といったエピソードもあり、気性難のイメージが強い。こういう馬にはハードな調教が逆効果(追い切りで燃え尽きてしまう)になるケースもあるという。そのあたりがどうか。

●トーセンソレイユ
前走、エルフィンS1着(2番人気)。
ディープインパクトの半妹ということで、素質が注目されていたが、デビューから2戦2勝でGⅠに駒を進めてきた。
デビュー戦は先行策(前に壁を作れなかったため)をとったが、前走のエルフィンSでは、スローペースの後方から馬群の中を縫うように差し切り勝ち。上がり33秒5の瞬発力は強烈な印象を残した。
エルフィンSから直行のローテーションでは、マルセリーナやレッドディザイアが実績を残しているが、この馬の場合は、カイ食いが細くセーブ気味の調整で順調度を欠くため、トライアルを使いたくても使えなかったというのが理由のようだ。陣営も「体を減らさずに出走できるかどうかがポイント」と体質面の弱さを気にしている。
キャリア2戦というのも、GⅠでは減点材料かもしれない。
見事な末脚を見せたエルフィンSでは、内に斜行したためジョッキーが騎乗停止。このあたりは、まだまだ未熟で粗削りと考えてもいいだろう。さらに、前半3F・37秒台のスローペースしか経験していないため、本番の流れに対応できるかどうかという不安もある。
大駆けの可能性があり、混戦を制するニューヒロインの誕生も期待されているが、現状では「競走馬として未完成」の一面も否めない。

●クラウンロゼ
前走、アネモネS1着(2番人気)。
デビュー以来3連勝。2戦目でGⅢ・フェアリーS勝ち。潜在能力を高く評価する声も多い。
前走のアネモネSでは、それまでの逃げから一転して好位から差す競馬で、脚質の自在性を見せた。印象としては、センスの良い馬という感じだが、同時に、フェアリーSのゴール前でサンプルエミューズを内から差し返した“勝負根性”も持ち合わせているように思える。アネモネSは桜花賞トライアルの中では評価が一枚下がるが、混戦の今年に限っては軽視できないかもしれない。2枠3番の枠順もポジションをキープする上ではプラスと考えてもよさそうだ。
前走後は栗東入りして調整。今年の関東馬はすべて早めに栗東に入厩しているが、直前輸送による馬体減やイレ込みが回避できるのは好材料だろう。
気になるのは、ローテーション。
デビュー前からソエに悩まされていたということで、これまでは短期放牧を挟みながら間隔を空けて使われていた。それが今回は、違う環境に置かれての中3週。追い切りは順調のようだが、目に見えない疲れやストレスの影響が少なからず不安材料になるかもしれない。

●コレクターアイテム
前走、クイーンC9着(1番人気)。
3走前の新設重賞・アルテミスSをレコード勝ち。その実績を買われて、阪神JFでは1番人気に支持されたが、外から差して届かずの4着。もっとも、勝ち馬から0.2秒差であるから、内外の差で敗れたものの力は発揮できたという意見が多い。デビュー2戦目の牡馬混合GⅡ・デイリー杯で0.2秒差の4着という結果からも、潜在能力の高さは評価されている。今回も末脚勝負になれば有力候補の1頭に違いない。
もっとも、前走のクイーンCの内容は、どうにも腑に落ちない。
他より1キロ重い斤量を背負い、展開も不向きだったとはいえ、直線で追い出してからが今ひとつ。陣営は「馬がぼけている感じだった」とコメントしているが、その原因が休養明けにあったとすれば、2ヶ月間隔が空いた今回に関しても、状態面の注意が必要だろう。
クイーンCから直行のローテーションでは、昨年のヴィルシーナ、一昨年のホエールキャプチャが共に本番で2着に好走しているが、どちらもクイーンCを勝った上で万全を期しての出走だった。クイーンC大敗から桜花賞で好走した例としては、2008年のエフティマイア(2着)がいるが、この馬の場合は8戦のキャリアがあったため、間隔を空けたことがリフレッシュ効果につながったという見方もできる。
コレクターアイテムはここまでキャリア5戦。今回の放牧が、大敗からの立て直しに効果的だったかどうか。「あえてトライアルを使わなかった」(陣営談)ことをどう判断するかが、取捨選択のポイントだろう。状態面がベストであれば、直線で大外一気というシーンも想像できるのだが・・・。

●ウインプリメーラ
前走、チューリップ賞2着(7番人気)。
休み明けでテンション上がり、チグハグな競馬になった3走前のフェアリーS(8着)を除けば、すべて馬券圏内を確保している堅実派。430キロ台の小柄な馬で、派手さはないものの、立ち回りの巧い好位先行馬という印象が強い。
近2走はいずれもスローの前残りで、展開が味方した部分もあるが、アルテミスS3着の時のように序盤のペースが上がっても、無理なくポジションをキープできる力がある。前走で3馬身半差を付けられたクロフネサプライズを逆転できるかはともかく、相手なりに食い下がる持ち味を発揮できれば、圏内の可能性も十分にあるだろう。
若干不安に思えるのは状態面。
この馬の場合、今年に入ってから3戦使われているが(他に5頭)、内訳はGⅢ・OP・GⅢトライアルとレベルは決して低くない。しかも、そのうちの1戦は関東への長距離輸送を行っている。休み明けで前哨戦を叩いて本番を迎える馬と比較すれば、かなりハードなローテーションとも言えるだろう。そのあたりの消耗度がどうなのか。当週の追い切りが軽すぎるという意見もあり、少々気になるところだ。

●アユサン
前走、チューリップ賞3着(5番人気)。
デビューからの戦績は〈1.1.1.1〉。出走18頭中、1勝馬は4頭なので、どことなく格下感がある。
もっとも、関東馬でありながら、4戦中2戦が阪神マイルというのは興味深い。能力的にも、アルテミスSで見せた大外からの伸び脚は、最内のコレクターアイテムよりも速い上がりであったし、前走では直線馬群に沈みそうになりながらも盛り返す勝負根性も見せた。先行策に対応できたことも評価できるだろう。
熱発やソエ、寝違えなどで、これまでベストな状態でレースに臨めなかった馬が、今回は「満足にいく仕上がり」(陣営談)。伏兵として面白い存在のようにも思える。
課題は右回りで見せるモタレ癖。
阪神JFは大外枠ということもあって、4コーナーで大きく膨らんでいたし、前走でもコーナリングでスムーズさを欠いていた。阪神コース3回目の慣れは見込めるとはいえ、直線入口で馬群の後方に置かれるようだと、厳しくなるだろう。
あとは出遅れた時のリカバーをどうするか(デビューから3戦連続で出遅れ)。腹を括って直線勝負を挑むのかどうか。主戦の丸山騎手が土曜の福島で落馬負傷したため、仮に乗り替わりになった場合、モタレ癖や出遅れ癖に対処できるかどうかという不安もある。

●サンプルエミューズ
前走、フィリーズレビュー11着(1番人気)。
4走前の牡馬混合OP・芙蓉Sを快勝した時には「桜花賞候補」という声も上がったが、その後勝ち鞍はなく、前走の大敗で一気に評価を落とした感がある。たしかに、前がポッカリ空いて、そこから伸びてくるパターンに持ち込みながら、ズルズルと後退した前走の走りには、まったく精彩がなかった。
陣営は「馬混みを嫌うタイプ」と分析した上で、「今回は極端な競馬をさせたい」とコメント。芙蓉Sで縦長の馬群を外から差し切ったことを踏まえれば、スムーズな競馬ができれば上位争いの可能性もあるかもしれない。名手・岩田騎手がどのような作戦をとるか。極端な競馬とは言えないが、ブラックエンブレムの秋華賞のようなロスのない競馬をされると怖いかもしれない。


他にも、堅実派のジーニマジックや、距離不安はあるものの立ち回りの巧いナンシーシャインも、自分の競馬ができれば好走の可能性もゼロとは言えない。
ファンタジーSの勝ち馬で、新潟2歳S3着の実績があるサウンドリアーナも気になる1頭だが、休み明けのトライアルでの大幅な馬体減が気になる。直線の伸び方から平坦向きという声も出ているようだ。
馬場状態によっては、前残りに注意する必要があるかもしれないが・・・。はたして、クロフネサプライズの追撃を凌げるかどうか。逃げ宣言をしているサマリーズは序盤でどこまで引き離せるか。フィリーズレビュー3着のティズトレメンダスにしても、初のマイル戦がGⅠというのは、条件的に厳しいように思えるのだが・・・。

冒頭にも書いたように、当日の馬場状態はレースに影響を与えるかもしれない。
道悪になった場合に注意したいのは、必ずしも“先行有利”になるとは限らないこと。いくつかの陣営のコメントにもあったが、重になれば内目の方が荒れやすくなる。つまり、極端にキレ味をそがれる馬場でなければ、外差しが決まる可能性が高くなる場合もある。実際、昨年のエリザベス女王杯がそうだった。

最後に、予想とは関係のないことだが・・・。
今回のレースには「社台の逆襲」というテーマが見え隠れしているという。というのも、前哨戦の勝ち馬(回避したフラワーCのサクラプレジールも含めて)は、すべて生産が“非社台系”だったからだ。それゆえ、本番では“社台・ノーザン”が巻き返しを図ってくる、ということ。あくまで憶測記事の受け売りにすぎないが、見方としては面白いかもしれない。


■大阪杯・復習

産経大阪杯を制したのは1番人気(単勝1.2倍)のオルフェーヴル。2013年の始動戦を内容のある走りでキッチリと結果を残した。

レースは最内枠のコパノジングーが先手を奪って、1000m通過が61秒5のスローペース。折り合いを不安視されていたオルフェーヴルだったが、若干行きたがる素振りは見せたものの、3コーナー手前から徐々に進出を開始して直線入口では先団の外目へ。追い出してからの反応に少しばかりタイムラグがあったが(このあたりは休み明けの影響だろう)、ゴール前で抜け出すと後続を突き離し、最後は手綱を緩める余裕のある完勝だった。
菊花賞や有馬記念で見せた“次元の違う強さ”を期待していたファンにとっては、物足りない内容だったかもしれないが、無駄なくソツなく鞍上の指示通りに動いた走りからは、馬が大人になったという印象が強く残った。
自分から動いて、外を回りながらも上がりの速いレースを差し切った競馬は、ひとことで言えば“横綱相撲”。3歳時の“躍動感のある強さ”から、“重厚感のある強さ”へ変貌した感もある。
「3冠馬は4歳での引退が常道」と言われる中、5歳のオルフェーヴルに、今後、競走馬としての上積みがどれだけ見込めるかはわからない。しかし、この一戦で精神的な成長を見せたことによって、凱旋門賞でのリベンジに期待がつなげられたことも確かだろう。今回、プレッシャーの中で素晴らしい騎乗を見せてくれた池添騎手は、近々腕を磨くために渡仏するという。“ひと皮むけた人馬”が目標の日に向けて、さらなる成長を遂げることを期待したい。

2着はショウナンマイティ。
前走・京都記念の内容から、折り合い面に不安材料があったが、後方から落ち着きのある走りができていた。陣営の戦前のコメント通り「1走叩いてガス抜きができた」ということなのだろう。
スローの上がり勝負だったとはいえ、大外からメンバー最速の32秒9の追い込み。自分の競馬に徹することができた時の末脚の破壊力は、やはり“一級品”と言える。
ただし、直線勝負に賭けるパターンは、先に動かれると“差して届かず”のリスクも。このレースでも、道中、オルフェーヴルをマークする絶好の位置にいながら、3~4コーナーで相手が進出を開始すると、置かれ気味になっていた。もっとも、今回は相手が強かったと言うべきかもしれないが・・・。
ともあれ、この馬の好走パターンが健在であることは証明できた一戦。あとは、オルフェーヴルやゴールドシップのように、自分から動いて後続を突き離す競馬ができる馬を相手にした時、どのような走りができるか。GⅠ奪取を目標にした場合の大きな課題になるはずだ。

3着はエイシンフラッシュ。
結果的には1・2着馬との決め手の差が出たということになるのだろう。折り合いもスムーズだったし、オルフェーヴルより前に位置して先に抜け出す作戦も予定通りだったはず。「もう後方で脚を溜めて瞬発力を生かしていれば」といった競馬記者の意見もあるようだが、個人的には『予習』で書いたように「ロスなく立ち回って持ち味を生かすタイプ」と思えるので、ベストの競馬だったのではないだろうか。
GⅠ2勝の実績はあるが、超スローのダービーと最内強襲の秋天での勝利。言い方は悪いが、正攻法で他馬を圧倒したわけではない。そう考えると、今回の着順も納得できるような気がする。
もちろん、GⅠで上位争いをできるだけの能力は持っている馬。6歳という年齢から、今後の上がり目は厳しいとも思えるが、「大仕事が出来そうな伏兵」という形で存在感をアピールしてくるかもしれない。
香港の参戦はメンバー的にどれくらいの評価を受けるかわからないが、この馬を自在に操った経験を持つミルコ・デムーロ騎手の乗り方には注目してみたい。

3番人気のダークシャドウは5着。
『予習』の中で「全盛時の走りを取り戻せるかどうかがカギ」と書いたが、正直、「ピークは過ぎたのかな」という印象が残るレースだった。
休み明けで完調手前、あるいは、スローペースで行きたがり普段よりも前目のポジションだったことが、敗因としてあげられているが、2000mベストの馬がこのレースを叩き台として使ってきたとは思えない。マイナス10キロの馬体重も仕上げてきたからこそだろう(輸送減りという意見も多いようだが)。前にいたトウカイパラダイスは実績的には格下。その馬を差し切れなかったのは、やはり物足りない。
次走、どこまで調子を戻してくるかがポイントになるだろうが、“らしくない競馬”が数戦続いたとなると、年齢的な衰えについても検討する必要があるかもしれない。

ヴィルシーナ(4番人気)は掲示板に載れず6着。
「牡馬一線級との実力差が出たレース」といった見方も多いようだが、この馬らしい“リズムの良さ”をまったく見ることができなかった。
個人的には「ハナを切るかな?」と思っていたのだが、スローペースでも先手を奪えない行きっぷりの悪さ。3コーナー過ぎではすでに手応えが怪しくなり、最後はどうにかなだれ込んだ感じに見えた。
1走叩いた上積みと牡馬に揉まれた経験値がプラスに作用すれば、次走で一変の可能性もあるが、今回のレースを見る限りでは、ヴィクトリアマイルの有力候補とまでは言い切れないだろう。
本番に向けて、どのような変わり身を見せてくれるか。レースの使い方も含めて、注目していきたい。


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安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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