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■宝塚記念・復習

本年度上半期を締めくくるGⅠ・宝塚記念は、2番人気のドリームジャーニーが2着馬に0.3秒差をつけて快勝。2歳時の朝日杯FS以来、2年半ぶりとなるGⅠ勝利を手中におさめた。
道中はディープスカイをマークする形のレース運び。4コーナーで外に持ち出すとキレのある末脚で一気に突き抜けた。「直線の短いコース+良馬場」という、この馬の決め手を活かすには絶好の条件が揃ったレース。加えて、大逃げのコスモバルクを除けば、全体的にスローな流れ。最終的に“瞬発力勝負”になった展開も大きく味方した。上がり34秒3は、言うまでもなく、メンバー最速である。
秋は中山のオールカマーから天皇賞・秋へ向かい、その後は香港遠征も視野に入れているという。中でも注目は天皇賞・秋。〈0.0.1.3〉という東京芝実績が示すように、同馬の“一瞬のキレ”は直線の長いコース向きとは言い難い。天皇賞・秋で結果を出せるかどうか。それによって、ドリームジャーニーの“GⅠ馬としての評価”が決定付けられるに違いない。

2着のサクラメガワンダーは完璧な競馬だったと言える。『予習』の中で不安材料として提示した「調教の反動」もなく、万全の仕上がりでレースに挑むことができたようだ。決め手勝負になれば、ディープスカイとドリームジャーニーに見劣りする以上、2頭よりも早めに動いたのは正解。福永騎手も「イメージ通りの競馬ができた」とコメントしている。GⅠの大舞台で“自分から動ける競馬”ができたことは何よりの収穫。6歳馬ではあるが、本格化が遅かった分、今後もGⅠ戦線での上位争いが期待できるだろう。

1番人気のディープスカイは3着。前をいくサクラメガワンダーをかわすこともできず、ドリームジャーニーには2走前の大阪杯と同じように外から差し切られた。鞍上の四位騎手も管理する昆調教師も「原因がわからない」とコメント。スポーツ紙の見解も「安田記念(1600m)からの距離延長に無理があった」「右回りが苦手」などさまざまだが、敗因はやはり、直線の短い阪神内回りコースにあったのではないかと思われる。
『予習』でも述べたように、ディープスカイの強さは<瞬発力+加速力>にある。直線が短いコースでは<加速力>が発揮される前にゴールになってしまう。エンジンが全開にならないまま終わってしまうわけだ。しかも、今回のレースのように、馬群が一斉に動き出すようなレースでは、最初の<瞬発力>でアドバンテージを得ることもできない。現時点では直線の長いコース向きの走りをする馬と考えていいだろう。
ウオッカの回避。その上、アグネスタキオンの急死によって強まった“弔いの一戦”という意味合い。単勝1.6倍という数字はファンの期待の表われに違いないが、この馬の走りと内回りコースとの適合性を考えれば、“人気の被り過ぎ”だった感がある。
ただし、まだまだ成長が見込める4歳馬。秋のGⅠで、得意の府中に舞台が移れば、当然巻き返しがあるはずだ。期待したい。

4着はカンパニー。8歳になるこの馬には本当に頭が下がる。2200mの距離は長すぎると思い、『予習』では取り上げなかったが、先行して最後まで止まることなく粘っていた。前走の安田記念でもハナ差の4着。常に持てる力を発揮してくれる馬。GⅠを勝ち抜くことは難しいかもしれないが、存在感のある伏兵として今後も頑張り続けてほしい。

5着のスクリーンヒーローも見せ場を作った。専門家のパドック解説によれば「本調子には戻っていない」とのことだったが、それでも本来の早め早めに動く好調時と同じレースをしてくれた。長い休養を挟んでいる馬だけに、5歳馬でもまだまだ伸びしろがあるはず。万全の状態に戻って、秋のGⅠ戦線を賑わす1頭になってもらいたい。

終わってみれば、今回のレースは「宝塚記念が春の最大目標」としていた馬の1~3着。目標のレースに合わせてローテーションを組むことの重要さを改めて認識する結果となった。
春3走目に照準を合わせていたディープスカイ、休み明けの金鯱賞を叩いてこのレースをピークに仕上げたサクラメガワンダー。ドリームジャーニーについては、昨年暮れの有馬記念から数えて6戦目というキツイ使われ方のように見えても、実は「長く休ませるとハードな調教が必要になるのでコンスタントに使った方が仕上げやすい」という陣営のコメントがある。(ちなみに、ドリームジャーニーの宝塚記念へ向けてのローテーションについては『競馬のツボ3』の中でも題材として取り上げている)
伏兵視されたアルナスライン(6着)とマイネルキッツ(7着)は、年明けの段階では重賞勝ちのなかった馬。当初から天皇賞・春を走った上で宝塚記念を目標に仕上げられてきたとは考えにくい。つまり、このレースでは余力がなかったということだ。
ウオッカがこのレースを回避した理由は、海外2戦とヴィクトリアマイル、安田記念は目標であっても、宝塚記念出走は予定に入っていなかったからである。それを考えれば、好走する馬(=宝塚記念を目標としてきた馬)はおのずと見抜くことができたはず。
当初から宝塚記念を目標としている馬と、春のGⅠで結果を出したことで出走可能となった馬。今後も、宝塚記念を予想する際は、“2つのタイプを見分けること”がポイントになるだろう。




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安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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