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■札幌記念・予習

GⅡ・札幌記念。最大の注目は、言うまでもなく、3歳牝馬・ブエナビスタの参戦である。
世界最高峰の凱旋門賞を狙う以上、“壮行レース”となる今回は「負けられない一戦」(松田博調教師)。当然ながら、競馬ファンの期待も高く、前日売りの段階で単勝1.8倍の1番人気に支持された。
昨年11月の未勝利勝ちから5連勝。うち3勝はGⅠ勝利。ここまでの実績は申し分ない。古馬・牡馬とは初対戦となるとはいえ、斤量52キロは断然有利に見える。洋芝適性を問題視する声もあるが、春の阪神開催の芝状態が“(札幌に似て)重かった”ことを考えれば、それほどのマイナス材料とは思えない。
むしろ注意すべきポイントは、小回りのコース形態だろう。レッドディザイアをハナ差で退けたオークスに代表されるように、直線の加速力によって前の馬をかわしていくのが、ブエナビスタの近走の勝ちパターン。言うなれば、直線の長いコースだからこそ活かせる“決め手”と考えることもできるわけだ。実際、東京の直線は526m(オークス)、阪神外回りの直線は476m(阪神JF、チューリップ賞、桜花賞)。それに対して、今回の札幌コースの直線は266m。これまでのように、最後方から直線一気のパターンでは届かないケースも考えられる。
もちろん、その点については、陣営も安藤勝騎手も十分承知の上だろう。3コーナーからマクって4コーナーで先行集団に取り付く競馬、あるいは、直線入り口で先頭に立つ競馬。近走とは違うパターンになるかもしれない。ブエナビスタがこのレースで、どういう走りを見せてくれるのか。ともあれ見逃せない一戦である。

専門紙・スポーツ紙のこのレースについての見解は、「ブエナビスタの相手探し」という見方が多いようだ。
相手候補の筆頭として人気を集めているのが(前売り2番人気)、昨年の2着馬・マツリダゴッホ。近走はチグハグなレースが続いているが、今回の休養(4ヶ月半)で“リフレッシュ→立て直し”ができていれば、侮れない存在だ。札幌芝実績〈2.1.0.2〉が示すように、この馬にとっては数少ない得意コース。中山と同じく“3コーナーからのマクリ→直線先頭”の勝ちパターンがハマりやすいからだろう。鞍上は騎乗実績〈3.1.1.1〉の横山典騎手。人馬ともに“札幌巧者”である点は強調材料だ。なにより、これまで戦ってきた相手の格が違う。
ただし、好走の可能性があるのは、前述したように“立て直し”ができている場合。一般的には、一度ピークを迎えた6歳馬は力が衰える年齢と言われている。有馬記念を制した4歳冬をこの馬のピークと仮定すれば、全盛期の走りを期待するのは酷かもしれない。本来ならば使いたかったGⅡ・金鯱賞を鼻出血で回避したことも、状態面と調整度を考える上で気になる材料だ。

皐月賞4着、ダービー6着の3歳馬・シェーンヴァルトも人気の1頭。3歳牡馬=54キロの斤量は、たしかに魅力的だ。ブエナビスタ同様、古馬相手のGⅡ戦で、どのような走りを見せてくれるか注目したい。
もっとも、馬自身に関しては、まだまだ成長途上の感がある。クラシック2走では着順こそ上位に来ているが、いずれも勝負の決した後に後ろから差し込んできた結果。2000mという距離に関しても、この馬に向いているかどうかの判断が難しい(実際、重賞勝ちのデイリー杯は1600m)。今後、どういう路線に活躍の場を求めていくかを決める上でも、ここは試金石の一戦に違いない。

GⅢで4戦連続連対中のヤマニンキングリー。5ヶ月半の休み明けになるが、「ここを目標に順調な仕上がり」(河内調教師)とのこと。2000mの距離実績は〈2.2.1.0〉。中京、小倉、中山で結果を出しているように、小回りコースを苦にするタイプではない(札幌実績は〈1.0.0.1〉。相手なりに走れる強味があり、センスの良い馬という印象だ。
ポイントは今回の休みでどれだけの成長があったかということだろう。現在4歳。今後の重賞戦線で活躍するためにも、この一戦はひとつのハードルになる。GⅢレベルに留まるか、あるいは上を目指せる器なのか。この馬に関しても、“注目のレース”と言えるだろう。

昨年のこのレースを制したタスカータソルテ。マツリダゴッホを目標に絞り、直線で測ったように差し切ったレースは見事だった。しかし、それ以後のレースは今イチの結果。今回も海外遠征帰りの休み明けということで、常識的には手を出しづらい。
もっとも、だからと言って、軽視は禁物。2週にわたって岩田騎手が跨がった調教の内容を、多くの専門紙が高く評価している。昨年の札幌記念以降の国内での惨敗は、いずれも斤量58キロでの出走。馬体重450~460キロの同馬にとっては酷量だっただろう。今回は定量戦の57キロ。昨年勝ったコースで一変する可能性もあるかもしれない。

札幌記念はサマー2000シリーズの第4戦。途中経過でポイント上位の馬は、シリーズチャンピオンを狙って目イチの仕上げをしてくることが考えられる。今年の場合は、ミヤビランベリ(七夕賞勝ち)とサクラオリオン(函館記念勝ち)がその候補だ。
ミヤビランベリの前走は、57キロでの好走、好位から差し切りと、収穫の多いレースだった。札幌芝は初となるが、渋った力のいる馬場を得意としている馬なので不安はないという見方が多い。
この馬の場合、マクりの競馬を得意とするわけではなく、キレる脚も使えないため、序盤での位置取りがカギになるだろう。七夕賞は馬場が荒れて外枠有利が顕著だったレース。7枠14番に入ったこの馬は無理なく好位を進むことができた。今回はどうか。直線で内に入るか、外を回すか。コース取りが勝敗の分かれ目になるようにも思える。
サクラオリオンは〈2.1.1.0〉の札幌巧者。ここ2走では水を得たような走りを見せている。もっとも、不安点がないわけではない。それは7歳馬にとっての連戦の疲れ。2走前の巴賞がマイナス2キロ、前走・函館記念がマイナス4キロ。そして今回、調教後の計測でさらにマイナス4キロ。得意のコースということで目イチの仕上げが続いているのであれば、疲労の蓄積が心配だ。

函館記念で2着に入ったマヤノライジン。前回はリングバミ+メンコを外した効果もあって好走したが、はたして2走続けて“刺激療法”が効くかどうか。2キロ増となる斤量もマイナス材料だろう。
むしろ、怖い存在に思えるのはシャドウゲイト。前走の七夕賞7着は4コーナーでの不利が原因。3走前の大阪杯から走りに活気が戻り、2走前の金鯱賞ではサクラメガワンダー(宝塚記念2着)に0.2秒差の2着。海外GⅠを制した実績通りの力を発揮できるようになった。斤量が57キロに減るのも好材料。もっとも、「当日走る気になってくれれば」と陣営のコメントは控え目ではあるが・・・。
前走からの巻き返しという点では、函館記念5着のドリームサンデーも不気味。前走で逃げられなかった藤岡佑騎手から中舘騎手へ鞍上をスイッチしてきた。これは“逃げ宣言”と解釈できる。問題は距離。函館記念の際の『予習』でも書いたように、1800m〈4.4.6.2〉に対して2000mは〈2.0.0.6〉。ポイントはやはり、“逃げの中舘”の腕次第ということになるだろう。

とにかく見所の多いレース。心情的にはブエナビスタに“強い勝ち方”を見せてもらって凱旋門賞へ向かってもらいたいが、馬券的にはなかなか難しい一戦である。



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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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