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■セントウルS・復習

セントウルSを制したのは、5歳牝馬のアルティマトゥーレ。2着のスリープレスナイトに2馬身半差をつける快勝。デビュー10戦目にして重賞初制覇を成し遂げた。

『予習』にも書いたように、アルティマトゥーレの持ち味は“非凡なスピード”。今回のレースでは、それに加えて“緩急をつける自在性”を身につけたようにも思える。逃げ馬・ローレルゲレイロを先に行かせて、自身は3番手で折り合いをつける競馬。道中で抑えた分だけ最後の直線の伸びにつながったのは明らかで、言い換えれば、レースにおいてスピードの配分ができるようになったということだ。2走前の準OP(=逃げ切り勝ち)の走りと比べれば、大きな進歩と言っていいだろう。
大外枠も今回は有利に働いたようだ。序盤から脚を使わされることが懸念されたが、結果的には、内の先行馬を見ながらレースを運べる理想的なポジションに付けることができた。松岡騎手は「今後のためにもハナを切る競馬はしたくなかった」とコメント。思惑通りのレースだったに違いない。
次走はGⅠ・スプリンターズSが濃厚とのことだが、不安点を上げるならば、相手関係よりもこの馬自身の体調の問題。5歳にして10戦しか走っていない理由は、股関節に弱点があり疲れが残りやすい体質をカバーするために大事に使われてきたからである。セントウルSの激走の後、中2週で挑むGⅠは、この馬にとってこれまで以上に高いハードルとなるはずだ。もちろん、スプリント路線の新星として、できることなら超えてほしいハードルではあるが・・・。

2着のスリープレスナイトは、プラス22キロの馬体重での出走。太目感こそなかったものの、次走を考えた上での仕上げだったことは間違いない。とはいえ、スッと好位に付けるダッシュ力、直線で抜け出す瞬発力は「さすがGⅠ馬」という走り。休み明け+57キロの斤量という条件を考えれば、GⅠ・スプリンターズSへ向けてのステップとして及第点を与えられる内容だろう。
定量戦となるスプリンターズSでは、当然、今回以上の走りが期待できる。57キロでの好走による反動が若干心配ではあるが、万全の状態での本番の走りに期待したい。
それに対して、もう1頭のGⅠ馬・ローレルゲレイロは走りにキレがなく14着に惨敗。戦前の評判通り、何とかこのレースに間に合わせたといった印象だ。マイナス6キロの馬体重は直前の追い切りで負荷をかけたためだろう。スプリンターズS出走ということならば、中2週でどれだけ本調子に戻せるかが課題になりそうだ。

3着には11番人気のコスモベルが入った。出走メンバーの中では格下感が否めなかったが、単純に持ちタイムだけを比較すれば、実はメンバー1の時計(1分7秒2)の持ち主。開幕週の高速馬場がこの馬に向いていたという考え方もできるかもしれない。
この馬の場合、オーシャンS2着の時のような、内の好位から抜け出してくる競馬が身上。前走の北九州記念のように外枠(8枠15番)に入ると、好位を取れないため走りの良さが発揮できないことが多い。今回、『予習』でこの馬を取り上げなかったのも、“外枠=コスモベルには不利”が一番の理由だった。
ところが、いざレースがスタートすると、ハナを奪うかの勢いでポジションを取りにいく競馬。これは、北九州記念で前に行けなかったことを踏まえた上での佐藤哲騎手の好判断と言えるだろう。もちろん、最後まで粘り込めたのは馬自身の実力。思った以上に力を付けているのかもしれない。

サマースプリントシリーズ連覇を達成したカノヤザクラは4着。小牧騎手は「3~4コーナーでもう少し前に動けばよかったかもしれない」とコメントしているが、馬群が密集していたこともあって、追い出しのタイミングがワンテンポ遅れたようにも見えた。結果的には脚を余した形で、前が開くポジションにいれば2~3着もあったかもしれない。
アイビスSDの走りと比較すると、馬群が一団になるレースよりもバラけた方がノビノビと走っている印象が強い。上位3頭よりも力が劣るとは思わないが、展開に左右される面があるのは確かだろう。
橋口調教師はスプリンターズS出走も考えているようだが、夏の激走が続いた上でこのレースが目イチの仕上げだったとすれば、これ以上の上積みは見込めないはず。となれば、本番での評価は微妙である。

レースのラップを確認すると、前半33秒8→後半34秒0という、いわば平均ペース。開幕週の芝の状態を加味すれば、先行馬に有利な展開になったことは間違いない。4コーナーで後方集団にいたマルカフェニックス(5着)、サンダルフォン(7着)、ソルジャーズソング(10着)にとっては不向きの流れ。差し脚が不発に終わった馬については、条件次第で見直せる部分も大いにあると思える。

最後に今後の参考になりそうなジョッキーコメントを2つ紹介しておきたい。
●スズカコーズウェイ・後藤騎手
「このメンバーでもハナを切れるくらいのスピードがある。スプリンターとしての素質は非凡」
●サンダルフォン・四位騎手
「テンにもたつくタイプなので、もう少し距離があってもいいかもしれない」
次走、この2頭がどのような条件(距離)を使ってくるか、注目したい。




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■コメント

■Re: セントウルS・復習 [Yoshi]

安東さん、ごぶさたしてます。
いつもとっても参考にさせてもらってますよ。
今回、僕はアルティマトゥーレを本命にしていました。スタートしてすぐ、松岡騎手の位置どりを見て「よっしゃ勝った!」と思ったのですが、残念ながらスリープレスナイトを買っていませんでした(涙)。コスモベルは抑えていたのに。。
僕も、毎回頭を悩ませながら、最終的に4頭もしくは5頭まで絞ることに決めています。がしかし、どうしても1・3・4・5着とか2・3・5着とかにくることが多く、必ず一頭抜けてしまいます。まぁ、複勝とかワイドで勝負すればいいことなんでしょうが…。
まもなく秋のGI戦線が始まりますね。
お身体に気をつけて、分析頑張ってください。応援してます。

■Yoshiさんへ [安東 裕章]

お久しぶりです!
いつも温かいコメントをありがとうございます。

秋競馬もいよいよ本番を迎えて、今週末は秋華賞&菊花賞トライアル。
目が離せないレースが続きますね。
大いに競馬を楽しみましょう!

■当たりました! [うに]

こんばんは。
先日の京成杯で馬連4点買って的中しました!高配当にびっくりしました。
やっぱり『競馬のツボ』はすごい!
この本を読むまでは、スポーツ新聞の予想と自分の勘だけを頼りに馬券を買っていたので、読んだ時はまさに目からウロコでした。
ただ困った事に、どの馬にもプラス面とマイナス面があることを知って、取捨選択に悩みまくってます。

でも自分で考えて予想する楽しさを知ってからは、毎週末が待ち遠しくなりました。

ところで、私はスポーツ紙の予想は前ほど真剣に読まなくなったのですが、安東さんはご覧になられるのですか?
もし、読まれているんでしたら、どの箇所がポイントでしょうか。

まだ素人なので、こんなレベルの質問しかできませんが、よろしくお願いします。
くれぐれも体調にはお気をつけ下さいませ。

■4着、そしてまた4着… [電気羊]

ここ2週、狙った馬はことごとく4着。
朝日CCはテイエムアンコール、セントウルはカノヤザクラ。
カノヤは勝負気配のコメント、情報も目立っただけに、ちょっとショックでしたね。テイエムは11番人気でしたし善戦したなと妙に納得。まあコスモベルは11番人気で3着ですけどね。
競馬はやはり難しい──

■Re: セントウルS・復習 [ECO]

安東さま、どうもです。朝日CCはよかったですが、セントウル、京成杯とも散々でした。記憶が大事との著書にもありましたが、記憶があるために二の足を踏んでしまい取捨選択を私は間違えますが、安東さまの取捨選択の基本はなんですか?コース、時期、レースの種類、相手関係により異なると思いますがご教授下さい。

■うにさんへ [安東 裕章]

的中おめでとうございます!
あのレースを馬連4点で仕留めるとは、お見事ですね!
素晴らしいです!

『競馬のツボ』は“考え方のヒント”をテーマにした本ですので、「自分で考えて予想する楽しさを知った」といったお言葉をいただけると、著者としてもうれしい限りです。
ありがとうございます。

一般のスポーツ紙は、馬券を買いに行く途中に目を通しますが、私もそれほど真剣には読んでいません(大体の買い目は決まっていることが多いので)。
あえてポイントとなる箇所を上げるとすれば、本紙予想がどのような理由で本命馬に印を打っているかという点ですね。それが自分の予想の後押しになる場合もあります。

いよいよ本格的な競馬シーズン。
毎週、ワクワクしながら競馬を楽しみたいですね!

■電気羊さんへ [安東 裕章]

うーん・・・、惜しいレースが続きましたね。
でも、テイエムアンコールは3着にクビ差、カノヤザクラもアタマ差ですから、決して間違った狙い目ではないはずです(それだけになおさら悔しいとは思いますが・・・)。
電気羊さんご自身がおっしゃるように、「11番人気が善戦して4着に入った」と納得するのが正解だと思います。私も自分が選んだ人気薄が掲示板に載ったりすると、それだけでいい気持ちになったりします(笑)。
カノヤザクラに関しては、私も3着は外さないだろうと思っていたのですが、小牧騎手は少し大事に乗りすぎたような気もします。もっとも、それを予想の時点で推理できたかというと、難しいのですが・・・。

競馬は本当に難しいと思います。
でも、難しさをわかっていればこそ、馬券が的中した時の喜びも大きくなるものです。
これからも楽しみながら、がんばっていきましょう!

■ありがとうございます [電気羊]

安東さんにそう言ってもらえると少し救われた気持ちになります しかし、セントウルのアルティマトゥーレは最外の逃げ馬ということで、深く考えずに減点したきらいがあります。今となれば、開幕間もない福島で外枠から逃げ切って快勝していることを考慮すべきだったなと。
加えて59キロを背負ったローレルゲレイロが、抑え目のペースで行くことも想定すべきだったかも。
毎度毎度、反省と後悔ばかりです。ただ「ツボ」のおかげで、どういった点を省みたらいいかは少しずつ掴めてきたように思います。

■ECOさんへ [安東 裕章]

こんにちわ!

取捨選択の基本については、はっきりと“これだ!”というものは決まっていませんが(やはりレースごとに着眼点が異なるので)、最も気をつけて考えているのは「その馬が能力を発揮できるかどうか」ということです。
“記憶が大事”というのも、その点に大きく関連していて、「今回は負けたけれど条件が変われば好走できるはず」「今回は勝ったけれど恵まれた部分が多い」というように、次走へのポイントをできるだけ把握することが重要だと思います。

例えば、京成杯AHでヒカルオオゾラは1番人気(単勝2.0倍)に支持されましたが、前走の関屋記念で折り合いに専念して後方15番手からの追い込んだ馬が、先行有利・高速決着が予想される中山開幕週のレースに向いているとは思えませんでした。
馬の行く気に任せて先行させればよかったかもしれませんが、キャリアの少ない同馬にレースごとに脚質を変えることができるかというと疑問です。
また、仮に先行できたとしても、今度は57キロのハンデの影響という不安が出てきます。道中を掛かり気味に走った場合、最後に斤量が響くと思われるからです(特に急坂のある中山では)。
あくまで、一例ですけど、ヒカルオオゾラがどのような競馬をしてきたかを把握していれば、京成杯での凡走は見抜けたのではないでしょうか。

ご質問に対しての答えは難しいのですが、ひとつだけ言えることは、人気と近走の着順で取捨選択はできないということですね。

■Re: セントウルS・復習 [ECO]

安東さま、毎度です。ご教授ありがとうございます。メンバー内の好走が望めるものをピックアップする、簡単そうで難しいですね。ご指摘の通りオッズについつい眼が・・・。単勝、複勝1重賞レース1頭だけを今後もより精査して買い続けていきます、また質問させてください。あと各週の重賞すべて予習はされないんですか、お忙しいとは思いますが是非参考にしたいので期待しております。

■お返事ありがとうございます。 [うに]

尊敬する安東先生にほめちぎられて、本当に嬉しいです。

以前の私は、競馬は宝くじと同じで、運で当たり外れが決まるものだと思っていました。
高額馬券なんて間違って買わない限り当たらないのでは…なんて考えは、『ツボ』を読んでから改められました。
人気薄が好走する理由はちゃんとあるんですね。人気の馬が負けてしまう理由も。
競馬のシステムって、巧妙にできてるなぁとつくづく思います。ギャンブルする人間の心理をうまく着いていますよね。オッズが気にならない人なんていないだろうし。
なので、配当は二の次で予想に励みたいと思います。

予習楽しみにしています!
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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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