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■ロースS・復習

ローズSを制したのは、藤原英厩舎の3頭の中で最も人気の低かった、5番人気(単勝28.2倍)のブロードストリート。断然の1番人気・レッドディザイアをクビ差退けた。1分44秒7のレコードタイム。春先から高く評価されていた素質を、実戦で開花させた結果と言っていいだろう。

ブロードストリートの最大の勝因は藤田騎手の好騎乗。スタートを決めた後は、馬込みの中で好位追走。直線半ばまで我慢させて、前が開くと同時に一気の伸び脚を見せた。特筆すべきはそのタイミング。外を回って追い出したミクロコスモス、レッドディザイアよりもワンテンポ仕掛けを遅らせ、一瞬の脚を引き出した乗り方は、馬の能力(瞬発力)の見極めがあってこそのもの。馬群に包まれるリスクがありながら、あえてインを進んだのも、枠順を考えたことと同時に、直線で最も伸びるラインへのこだわりがあったからだろう。藤田騎手ならではの“見ていて鳥肌が立つような”乗り方だった。
『予習』の中で「狙い時はむしろ本番の方かもしれない」と書いたが、それは「秋華賞が行われる京都・内回りコース(=直線の短いコース)の方が一瞬の脚を使いやすいだろう」と考えたため。まさか、今回、こうした競馬を見せてくれるとは予想できなかった。
それにしても、戦前に聞かれた陣営の弱気なコメントは一体何だったのだろうか(苦笑)。藤原英調教師自身、レース後に「成長面での物足りなさがあったから・・・。あんなに強いとは思わなかった」と正直に驚きを語っていたが、“調教の状態や厩舎情報と実際のレース結果は必ずしも一致しない”ということを改めて学んだ感がある。
本番に向けての一番の課題は、体調の維持だろう。休み明けで2キロ増の馬体は、仕上がってはいたものの、大きな成長分があったとまでは言い切れない。レコード決着の反動も気になる。脚質を考えた場合、ブエナビスタやレッドディザイアよりも京都・内回りコース向きと思えるだけに、今回よりもチャンスは広がるはず。2頭の好敵手としてぜひともベストの状態で本番に臨んでもらいたい。

2着のレッドディザイアは、圧勝を期待していたファンには物足りないレースだったかもしれないが、本番へのステップという意味では十分な内容だった。プラス10キロは言うなればトライアル仕様。追ってからの反応が今イチ鈍く見えたのも、先を見据えた仕上がりだったからに違いない。実際、四位騎手も無理をせず外へ持ち出して脚を測るようなレースをしたように思える(結果的にはコース取りの差によってブロードストリートに先着を許したわけだが)。
それでも、メンバー最速の34秒0の上がりでクビ差の2着。100%の力で勝ったブロードストリートを70%程度の力で追い詰めたような印象もあり、底力だけで結果を残せたのだから、本番に向けての上積みも期待できるはずだ。
秋華賞本番でのポイントは乗り方。京都・内回りコースの短い直線を考えた場合、4コーナーである程度前の位置にいなければ届かないケースもある。今回、レッドディザイアは、4コーナー手前からロングスパートをかける競馬を見せたが、本番ではどのような走りになるか。“打倒・ブエナビスタ”も大きなテーマではあるが、この馬自身がどのようにコースを克服するかにも注目したい。

3着には『予習』の中で穴馬の1頭として取り上げたクーデグレイス。前々で流れに乗れたことが好走の理由だろう。有力馬の脚質が差し・追込だったために、展開のアヤという見方も多いようだが、レコード決着となったこのレースで4コーナー5番手以内で掲示板に載ったのはこの馬だけ。粘りのある走りは評価できるものだ。夏場を使ってきた馬だけに、上積みは期待できないが、本番も今回のように速い流れが続くレースになれば、この馬にも出番があるかもしれない。

2番人気に支持されたミクロコスモスは4着。折り合い面での成長はうかがえたものの、春先のリベンジを果たせるだけの力を付けたかどうかは疑問。レッドディザイアよりも早めに動いたとはいえ、最後の止まり方はいただけない。結果的にレッドディザイアから0.5秒差。これは、現時点での両馬の力の差と見てもいいかもしれない。武豊騎手は「本番では乗り方を工夫する」とコメントしているため、見限れない部分もあるが、今回も外を回る競馬しかできなかったことを考えると、本番で一変する要素はそれほど期待できないかもしれない。

藤原英調教師が3頭出しの中で最も期待してたというワイドサファイアは9着。勝ち馬のブロードストリートと同様、道中はインで脚を溜める競馬をしていたが、直線で馬群を割って抜け出してくる走りはできなかった。岩田騎手は「スッと動けなかった分、最後はゴチャついた」とコメント。同じような位置から瞬時に反応できたブロードストリートと比較すると、実戦で力を発揮しづらいタイプなのかもしれない。少なくとも、今回のレースでこの馬に期待していた“キレ味”を見ることができなかった。秋華賞出走は未定のようだが、出てきた場合は、もっと前の位置での競馬をした方がいいようにも思える。

「敗因がよくわからない」(福永騎手)というジェルミナル(11着)は、本番に不安を残すレースになった。道中は好位のインを楽に追走しているように見えたが、直線に向くとそのまま失速。まったく見所がなかった。休み明けで仕上がり途上だったのかもしれないが、春の実績馬はいずれも同じ条件。道中の不利や展開・枠順の不向きがはっきりしていれば、次走の立て直しも見込めるのだが・・・(位置取りが前過ぎて速い流れに脚を使い過ぎたような気もするが)。陣営が今回の敗因をどのように分析するか、次走のコメントには注意したい。

今後、注目できそうな馬を挙げるならば、5着に入ったボンバルリーナ。このメンバーの中で大健闘の走りだった。自己条件の500万クラスに戻れば、アッサリ勝ち上がってくるかもしれない。
もう1頭は、休み明け32キロ増だったヒカルアマランサス。着順こそ16着だったが、春に減った馬体が戻り、最内枠の不利がありながら、直線まではしっかりと流れに乗れていた。巻き返しに期待したい。




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■コメント

■Re: ロースS・復習 [Yoshi]

こんにちは。
今年の夏競馬重賞は全敗だったので、秋で盛り返そうと気合いの(?)予想をしました。
月曜のエルムSはいつものように1・3・4・5着と悔しい結果でしたが、ローズSはレッドデザイア→ブロードストリート→クーデグレイス・ジェルミナル・ミクロコスモスの5頭予想で惜しくも馬連のみゲット。さらにセントライト記念は、ナカヤマフェスタ←→セイクリッドバレー→アドマイヤメジャー・フォゲッタブルの4頭予想で、久々に馬連・三連複・三連単のトリプルゲットとなりました~。
的中してもしなくても、なぜその馬が勝ったのか(あるいは負けたのか)理由を考えるという安東さんの教えのおかげです。ありがとうございました。
今週末は、天気もいいようなので息子を連れて中山へ行ってこようと思います。
これからも楽しみにしています。頑張ってください。

■Re: ロースS・復習 [ECO]

安東様、毎度です。ここ数レース最終の絞り込みに失敗しております。そのレースで一番期待できそうな馬を選ぶのはほんと大変です。選んだ馬の中で間違いをチョイスしている時が一番後を引きます。だけど一番その時期が面白いですね。また今週も予習楽しみにしています。

■うにさんへ [安東 裕章]

馬券を当て続けることは、ほんとに難しいですね。
大きな配当を手にすると、荒っぽい買い方になってしまう人も多いようですが、うにさんの場合はご自分で「冷静に予想する」とおっしゃっているので、そんな心配はいらないでしょう。
反動(?)なんか気にしないで、これからもがんばってください!
きっとまた大きいのが当たりますよ!

■Yoshiさんへ [安東 裕章]

的中おめでとうございます!
気合いの予想が結果に結びついてよかったですね♪
しかも、買い目の絞り方がニクイ!(笑)
先週のうにさんも、Yoshiさんも、みなさん馬券の買い方がお上手ですね!

今週末は中山ですか。
これからは競馬観戦にもってこいの季節ですね。
当日、良い天気になることを祈っています!

■ECOさんへ [安東 裕章]

毎度です!
買い目の取捨選択はなかなか簡単ではありません。
でも、その時にいろいろ考えて、自分なりにレースをイメージできるようになれば、実際のレースを見る時の楽しみが何倍にも膨らむはずです。
これからも大いに楽しんでいきましょう!

■安東先生へ [うに]

励ましのお言葉ありがとうございます。
馬券は外したけど、セントライト記念とローズSの勝ち馬が共に前走4着で、今回見事に返り咲いた事を思うと、ドラマだなぁと感慨にふけってしまいました。負けてもこんなふうに楽しんでおります。
次の予習、楽しみにしています!
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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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