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■神戸新聞杯・復習

神戸新聞杯を制したのは、7番人気(単勝24.0倍)の伏兵・イコピコ。
勝ち時計は2分24秒2のレコードタイム。上がり3F・33秒7の驚異的な末脚で、2着のリーチザクラウンに2馬身差をつける快勝だった。
イコピコについては、『予習』の中で、「春の実績馬を相手にどれくらいわたりあえるか注目」と書いたが、まさかこのような“強い勝ち方”を見せてくれるとは思わなかった。
勝因として考えられることは二つ。
まず第一に“折り合い”。道中、中団の後ろでじっくりと脚を溜める競馬に専念できたことが直線の伸び脚につながったことは言うまでもない。もともと33秒台の上がりの脚を使える馬。ゆったりとした流れから直線勝負になった展開が向いたこともプラス。今回は自身の能力を存分に発揮できたということだろう。
勝因の二つ目は“四位騎手の騎乗”。言い換えれば、イコピコの能力を最大限に引き出す乗り方だったということ。なかでも、特筆すべきは、直線の追い出しのタイミング。他馬が一斉に動いた時、仕掛けをワンテンポ遅らせて、インコースからアンランバルドの外側(芝の良い部分+ゴチャつかないライン)へ持ち出したわけだが、VTRでその自然な動きを見るたびに、何度となく「巧いなあ」と声を洩らしてしまった。見方によっては“決めうち”とも思える乗り方だったが、騎乗馬の持ち味をフルに発揮させる力量は、さすがトップクラスの騎手である。
今回の勝利によって、イコピコは菊花賞の有力馬の1頭となった。本番では、さらに距離が伸びる上での“折り合い”が求められるだろうが、それ以上に、今回と違う展開でも同じ走りができるかという課題もある。直線だけの競馬となった今回の阪神・外回り2400mに対して、3コーナーからの下り坂が走りを大きく左右する京都・外回り3000m。菊花賞の予想では、そのあたりがこの馬の取捨についてのポイントになるかもしれない。

リーチザクラウン(2着)は、本番へ向けて好スタートを切れたと見ていいだろう。マイペースでの渋太い逃げは健在だったし、向こう正面でレッドシャガーラが迫ってきた時も落ち着いた走りに徹していた。直線では3着のセイウンワンダーに差を縮められることもなく、自身の上がりも34秒8にまとめたのだから、この馬の走りはできたと考えられる。今回のような自分でペースを作れるレースができれば、本番でも好走が可能だろう。
不安点をあげるならば、今回のマイナス18キロの馬体重。トライアルにしては仕上り過ぎのような気もする。はたして上積みを見込めるかどうか。

距離に不安があると思われたセイウンワンダーは、好位から流れに乗る競馬で3着に入った。この馬の勝因もやはり“折り合い”がついたこと。加えて、抜群のスタートでポジションを取れたことが大きかった。2歳時の走りやこれまで騎乗したジョッキーのコメントなどから、「中団から差してくるマイラー」のイメージが強かったが、実は思った以上に距離やコースに対応できる万能型なのかもしれない(サクラメガワンダーとタイプがかぶるようにも思える)。
3000mの距離に対応できるかは未知数だが、少なくとも、世代のトップクラスの能力を持った馬であることは確認できた。本番でもマークが必要だろう。

1番人気のアンライバルドは4着。3コーナーまで掛かり気味に行きたがる走り。懸念されたいた“折り合い”に不安を残す結果になった(『予習』で指摘した通りになってしまった)。休み明けのイレ込みという要素もあったかもしれないが、最後の止まり方があまりにも呆気ない。直線で突き抜けてもおかしくない展開だったと思うのだが・・・。
このレースだけで「長距離は不向き」という結論は出せないものの、菊花賞で春と同じようなパフォーマンスを期待できるかどうか。岩田騎手は「スタート直後に外から何頭か来たために気負ってしまった。スムーズなら折り合いはつく」とコメント。ならば、本番での雪辱に期待したい。

夏を越しての成長が期待されていたアントニオバローズ(2番人気)は見せ場もなく11着。スタートで後ろ目のポジションになったこともあり、向こう正面で押し上げていったが、結果的にはその分直線での脚をなくしたようにも思える。さらに、この馬にとって不得手な上がりの勝負になったことも大きな敗因に違いない。
今回の負け方を見る限り、この馬の評価は下げざるを得ない。いくら上がりの競馬が苦手といっても、3F・36秒1は出走馬中下から2番目の数字。わずかでも“強さ”の片鱗を見せてくれれば先に期待がつながったとは思うのだが・・・。陣営のコメントは体調面の不調を示唆しているが、本番での巻き返しを図るのは容易ではないはずだ。

本番での変わり身を期待するならば、アプレザンレーヴ(4番人気・9着)だろう。プラス24キロの馬体重は、成長分があったとはいえ、やはりトライアル向きの仕上げ。もともと520キロ台の大型馬だけに、1走叩いた上積みは見込めるに違いない。

さらにもう1頭あげるならば、シェーンヴァルト。出遅れた上に後方で掛かり気味。しかも、直線では内に進路をとったために前が塞がるレースだった。それでも、最後は上がり34秒3(イコピコに次ぐ2位の数字)で差を詰めてきている。秋山騎手は「ハミを強く噛んで気負っていた」とコメント。スムーズな競馬ができればという条件付きにはなるが、本番での巻き返しがあるかもしれない。



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■コメント

■Re: 神戸新聞杯・復習 [いつものへい]

安東先生、初めまして。
「競馬のツボ」ではかなりの上達を私に届けて頂き、今更ながらありがとうございました。
予想は上達しましたが、相変わらず馬券は下手です。
しかし、自分で納得のいく負け方(変ですかね?)が出来るようになり、復習にもメリハリが出てくる様になりました。
「おとなの馬券学」では開催ごとの的確なデータ分析を読ませて頂き、更なる予想の上達と馬券の上手な「おとな」を目指しております。

これからもお元気で、いつまでも我々に良きアドバイスを宜しくお願いします。

■いつものへいさんへ [安東 裕章]

はじめまして。
コメントありがとうございます。

もしかして、『競馬の~ツボ~』のいつものへいさんですか?
時々、覗かせていただいてます。

秋になって目が離せないレースが続きますね。
これからも競馬を楽しんでいきましょう!

■Re: 神戸新聞杯・復習 [いつものへい]

>安東先生
その通りでございます。
ご覧頂いているとは、光栄です。
まだまだ拙い予想ではありますが、「楽しく勝つ」をモットーにやっております。
また色々と質問等させて頂くかもしれませんが、宜しくお願い致します。m(__)m

■ [ECO]

安東さま、毎度です。今だ反省中ですが中山、阪神とコースをいまひとつ捕えきれてない感じがあり、安東さまは今開催のみならず、両コースをどうとらえておられますか?

■ECOさんへ [安東 裕章]

こんにちは。

中山、阪神コースについて、具体的にどうこうと述べるのは難しいのですが、基本としては、“その開催ごとの特徴”に気をつけるようにしています。
例えば、秋の開催の場合、『ツボ2』にも書いたように、「野芝で行われるために時計が速くなる」という特徴があります。今年の阪神では、ローズSも神戸新聞杯もレコード決着でしたし、セントウルSでは持ち時計のあるコスモベルが3着に入りました。
今開催(芝のレース)に限って言うならば、出走馬の持ちタイムや速い時計に対応できるか(近走で時計を詰めているか)ということを重視した方がいいと思います(といっても残り1週ですが)。
あとは、夏に良い成績をあげた馬ならば「使い詰めになっていないか」、休み明けの実績馬ならば「目標はこのレースかどうか」についての検討が必要でしょう。

コース形態を基準にして、データなどから「内が有利」「前が有利」といった判断ができるケースも多いですが、それ以上に考えなくてはならないのが、出走各馬が「有利な内を通れるか」「有利な前に行けるか」といった展開ではないかと思います。
ご質問の答えにはなっていないかもしれませんが、コースそのものよりも、開催ごとの特徴を重視した上で、それぞれの馬の走りに向いているかどうか(例えば、外が伸びる特徴の馬場ならば、外から伸び脚を発揮できる走りかどうか)を検討することが大事かと思われます。


■ [電気羊]

この二週は殆ど参加せず、おかげで損もせず過ごしました。
ただローズSとセントライト記念で、オークス、ダービーで狙い共に4着だった馬が優勝したのはちょっと複雑でした。昨年も皐月で本命視したスマイルジャックがダービーで2着するってことがあったり、どうも先物買いが過ぎるようで……。

いよいよGIも始まりますので、安東さんの分析、頼りにしてます。

■電気羊さんへ [安東 裕章]

こんにちは。

先物買いですか!(笑)
でも、それは“先見の明”と言い換えてもいいですよね。
いずれは走り時のタイミングと一致して、結果につながるようになると思いますよ!

GⅠは、能力の高い馬同士のレースなので、優劣を見つけるのが難しいですよね。
それゆえ、分析にも力が入りますけど・・・。
とにかく、手に汗を握るような、いいレースを期待したいです。
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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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