■スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

■毎日王冠・予習

秋の東京開幕週、日曜のメインに行われるGⅡ・毎日王冠。天皇賞・秋、あるいはマイルCSの前哨戦として重要な意味を持つ一戦である。
最大の注目は、何と言っても、ここが秋初戦となるウオッカの走りだろう。
GⅠ6勝、獲得賞金10億円超。“現役最強馬”がどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。前売り時点での単勝1.4倍が示すように、競馬ファンの興味は「ウオッカの勝ち方」に集約されているようだ。
東京コースは〈5.2.1.1〉。5勝はすべてGⅠという断然の実績。休み明けに勝ち鞍がないこと(〈0.1.1.0〉)を指摘する声もあるが、状態面を最優先に考え宝塚記念を回避ことからもわかるように、当初から秋の東京開催(毎日王冠→天皇賞・秋→ジャパンカップ)を目標にしてきたのは明らか。実際、調教に関しては、“昨年以上の動き”“これまでの休み明けで一番”といった評価が多い。
スーパーホーネットにアタマ差で敗れた昨年のこのレースにしても、好スタートからハナを切るという、ある意味“ウオッカらしくない競馬”だったことが一番の原因。昨年の結果だけを取り上げて「休み明けだったから」もしくは「マイルより1F長い1800mだったから」という敗因につなげるのは無理がある。条件面に関しての死角は見当たらないと言っていいだろう。
レースの中心・馬券の軸がウオッカであることは間違いない。
それでも、あえて不安点を上げるならば、5歳という年齢だろうか。昨年春に調子を落としたウオッカは秋には本来の姿に復活。ドバイでは結果が残せなかったものの、「今年の春は昨年の秋よりもさらに進化した」(武豊騎手)。
あくまで仮定の話ではあるが、ウオッカという競走馬のピークが今年の春だとしたらどうなるだろうか。走り自体にはっきりと衰えが見てとれないにしても、“休み明け”“牝馬で57キロの斤量”といった影響があってもおかしくない。
一説によると、ある程度年齢を重ねた牝馬は自ら繁殖を意識してそれに見合った体を作り始めるという。これがそのままウオッカにあてはまるというわけではないが、万が一、今回のレースで能力を発揮できずに終わるようなことがあるならば、今後は「ウオッカの競走馬としてのピーク」というものも考えなければならないかもしれない(先にも述べたように、あくまで仮定の話ではあるが・・・)。
いずれにしても、このレースでのウオッカの走りには要注目だ。

専門紙を見る限り、ウオッカの相手候補として、4歳牡馬3頭の名前が上げられている。
前走の札幌記念でブエナビスタを敗ったヤマニンキングリー。近5走はいずれも重賞で連続連対。戦績に安定感があり、4歳にして“本格化”といった印象も強い。さらに成長が見込めるようであれば、ウオッカに先着できるかはともかく、ここでも結果を残せるだろう。
気になるのは脚質。近走の好成績は中京・小倉・中山・札幌と、いずれも直線の短いコース。瞬発力勝負に長けているこの馬向きだったという見方もできる。つまり、府中の長い直線に変わって、どれくらい長く脚を使えるかが課題になるということ。4走前の中山金杯では、藤田騎手が3コーナーから追い通しで2着を確保したが、あの走りは中山の下りを利してのもの。上り坂が続く府中の直線、しかも、前走よりも1キロ増の斤量を背負っての“脚の持続力”が試されることになる。
あとは、前走休み明けで20キロ減った馬体の問題。原因は出張馬房でのイライラによるストレスとのことだが、いずれにしても反動と回復については気になるところだ。当日はプラス体重で出走してくるだろうが、状態に関しては、直前の気配にも注意を払った方がいいかもしれない。

前走、関屋記念を勝ったスマイルジャック。東京実績は〈0.2.2.2〉で、その中にはダービー2着、東京新聞杯3着が含まれている。1800mの距離は〈1.1.2.0〉。レース条件はこの馬向きと見ていいだろう。
問題はレースでの位置取り。前走は後方からの競馬だったが、その理由は「折り合いをつけるため」だった。近3走を見ても4コーナー通過はいずれも10番手以降。今回も折り合い重視で後方からのレースをするとなれば、開幕週の馬場では前に届かないケースも考えられる。かといって、先行策をとれば、折り合いを欠いて直線で失速する危険性もある。それでなくても、確固たる逃げ馬が不在でスローが予想されるレース(=道中の折り合いがポイントになるレース)。鞍上の三浦騎手がこの馬の末脚を活かすためにどのような乗り方をするか。その点もカギになるだろう。

前年の菊花賞3着馬のナムラクレセント。GⅡ・阪神大賞典でも3着に入ったことから「実績面での決して見劣らない」という評価も少なくない。1000万、1600万を連勝している勢いも“買い”の材料。加えて、1000万では逃げ切り(前が有利な新潟・内回り2200m)、1600万では後方からの差し(直線の追い比べに向いている阪神・外回り1800m)というように、自在に脚を使える器用さも見せた。さらに、前走の58キロから1キロ減で出走できるのも有利だ。
ただし、前述の阪神大賞典に関して言えば、有力馬が59キロを背負い、しかも不良馬場という特異なレース。額面通りに“GⅡ3着”という評価ができるかといえば疑問である。むしろ、1600万クラスを勝ち上がってきた馬の昇級戦と捉えた方が無難だろう。
データを参考にしてみると、過去10年において、前走1600万条件を勝ってこのレースで連対した馬は一昨年のチョウサン1頭のみ。勢いと未知の魅力にあふれる馬ではあるが(ウオッカを逆転する可能性もあるという競馬評論家もいる)、『競馬のツボⅢ』の中にも書いた通り、“格と実績”を重んじる別定GⅡでは、このタイプに関してはあまり過信しない方がいいように思われる。

“格と実績”という点を評価するならば8歳馬のカンパニーの名前が上がる。GⅠ戦線でも常に上位にくる馬で、春の走りを見る限りでは年齢的な衰えは感じられない。東京実績は〈0.0.1.9〉と数字的には良くないが、この中にはGⅠで僅差の4着も含まれており、内容的には決して悪いものではない。さらに、先行・差しのいずれの脚も使える自在性も強味。横山典騎手がどのような作戦を立てるか。非常に興味深い。
とはいうものの、8歳の秋を迎えたこの馬に、春以上のパフォーマンスを期待するのは酷かもしれない。心情的には、伸び盛りの4歳馬の“壁”となるような老練なレースを見せてもらいたいのだが・・・。

もう1頭、実績面を基準にするならば『競馬のツボⅢ』で取り上げたアドマイヤフジ(昨年の3着馬)も馬券候補かもしれない。もっとも、長距離主体のGⅠ戦線を使った上で距離短縮の効果があった昨年と違って、今年の春は中距離のGⅡ・GⅢが主戦場。使ってきたレースの“格”が昨年よりも落ちた感は否めない。先行しての粘り込む好走パターンに持ち込めれば力を発揮できるとは思うが、昨年以上の成績を望めるかというと微妙なところだ。

岩田騎手を伴って東上してくるサンライズマックスもヒモ候補の1頭。東京・芝・1800mという条件では、昨年のエプソムC勝ちがある。前走はGⅠの天皇賞・春で0.3秒差の4着。この実績が活かされて、さらに〈2.0.1.1〉という得意の距離への短縮効果がプラスに作用すれば、好走の可能性も大いにある。
この馬の場合、馬体重に注意。近走で好走した時の体重はどれも444キロ。「太りすぎると力が出ない」というステイゴールド産駒の特長(ドリームジャーニーも同様)が、この馬にもあてはまるようだ。その点には注意を払いたい。

古馬との初対決となる3歳馬・マッハヴェロシティ。東京芝は〈0.1.0.3〉だが、青葉賞2着の実績がある。大跳びの走りをする馬だけに、広い東京コース向き。例年よりも質が高いと言われている3歳馬が、どれだけ食らいつけるかという部分には興味があるが、別定GⅡの舞台ではどうだろうか。条件戦では結果を出している馬も多いが、ここでは「まだ敷居が高い」という評価が妥当ではないだろうか。

大穴の食い込みを考えるならば、ハイアーゲーム。東京巧者と呼ばれてから久しいが、昨年のこのレースで最速の上がり(33秒1)をマークしたように、ハマった時のキレ味は一級品。近走は長距離を中心に走っているが、〈3.1.1.2〉の実績のある1800mへの距離短縮が一変する要素になるかもしれない。
あるいは、この馬が逃げるという展開も考えられなくもない。4走前には藤田騎手が騎乗して先行するレースを試みている(結果は0.6秒差の6着)。
前が有利な開幕週に行われるこのレース、カギはやはり“逃げ馬”になるだろう。ハイアーゲームに限らず、“ハナを切って自分のペースで走れる馬”には残り目の可能性もある。「どの馬が逃げるか」ということについて、いくつかの想定の上で検討が必要になるだろう。
さらにもう一点、馬券検討の際に考えておきたいのは「11頭立ての少頭数」が有利に働く馬について。前が詰まったり外を回されたりすると力を出せない馬がいるかどうかの検証も行っておきたい。


京都では、GⅡ・京都大賞典が行われる。
こちらの注目は59キロを背負うGⅠ馬2頭(マイネルキッツ、オウケンブルースリ)のレースぶりだろう。特に、オウケンブルースリは獲得賞金が少ないため、天皇賞・秋、あるいはジャパンカップ出走を目指すならば、ここを勝って賞金と権利を手に入れたいところ。陣営にはおそらく“次走への叩き台”という考えはないはずだ。
他には、昨年と同じローテーションでこのレースに臨むトーホーアランの2連覇達成なるか、香港GⅠ3着の実力馬・ジャガーメイルが重賞勝ち(人馬とも)を手に入れることができるか、といった見所もある。
伏兵では、安藤勝騎手自ら熱心に調教をつけ、距離延長がプラスに働きそうなモンテクリスエス。近走はダートで良績を残しているものの、京都新聞杯勝ちのあるメイショウクオリアの“芝戻り”にも注意したい。
あとは、展開面。テイエムプリキュア、コスモプラチナ、クィーンスプマンテといった逃げ馬が揃ったレース。前がやり合う形になるのか、あるいは、隊列ができて先行馬の残りやすい流れになるのか。このレースもまた、逃げ馬の走りが展開のカギを握っていると考えていいだろう。



スポンサーサイト

■コメント

■うにです。予習拝見しました。 [うに]

休み明けが多いこのレース、判断に四苦八苦しそうでしたが、予習と『ツボ3』での説明のおかげで何とかなりそうです。
でも本当は人に頼らずに自分で考えないと、予想のレベルが上がらないんですよね。最近やっと気付きました。
今の私は新聞の印の裏取り作業に終始して、そこから先の予想がうまくいかない状態です。
『ツボ』を頭に叩き込んで、わかった気になっていたようです。
でも最初に読んだ競馬の教科書が安東さんの本で、本当によかったなと思います。ド素人の私でも理解しやすく書かれてあるので。

ところで、『ツボ』の次回作に使えそうなネタが毎週生まれていますね。
年1回のペースで出版しないと追いつかないですよね。
予想の基本は既刊の3冊で出し尽くしたかと思いますが、ファンとしては、日々予想の精度が進化しておられる安東さんの文章をもっと読みたい!なんて思っちゃってます。

長々とすみません。復習楽しみにしています。

■Re: 毎日王冠・予習 [いつものへい]

安東先生、こんにちわ。
先週の反省が活きたようで、今週のメインの成績は上々でした。
京都はオウケンブルースリーにやられましたが、さすがに菊花賞馬。
侮っていました。
この辺が、また今週の反省材料となりそうです。
今回は、毎日王冠での3連単の買い目を後で12点ほど買い足して、それが結果的に的中したのですが自分的には、納得がいかないのです。
「競馬のツボ」の1巻目には、「3連単は10点以内で、FMを駆使する」という内容があります。
そこで安東先生に質問なのですが・・。
「3連単の買い目決定の際に、先生が最重要視される項目」は何でしょうか?
ちなみに私は、芝かダートか?というのを結構大事に扱っています。

今週も為になる予習、ありがとうございました。
来週も良い結果がご報告出来るように頑張ります。
インフルエンザが流行っておりますが、お気を付け下さいます様に。

■うにさんへ [安東 裕章]

こんにちは。

『競馬のツボ』がお役に立っているのであれば、著者として本当にうれしい限りです。
ありがとうございます。

次回作のネタですか?(笑)
たしかに、毎週の競馬を予想して、実際の結果と照らし合わせてみると、新しい発見がたくさんありますね。
実は、『競馬のツボ』というのは、こうした新しい発見の見つけ方のヒントなんです。
ですから、例えば、レースの結果から、うにさんが「こういうこともあるのか!」と何かを発見して、その理由を考えたとすれば、それがうにさんの『ツボ』になるわけです。
予想のレベルは、そのくり返しによって上がるものだと思います。


■いつものへいさんへ [安東 裕章]

毎日王冠の3連単を的中されたのですね。
おめでとうございます!
納得がいかないって・・・バチが当たりますよ!(笑)

「3連単は10点以内で、FMを駆使する」と書いたのは、上達のためには買い目を絞る訓練が必要だと考えたからです。取捨選択に悩めば悩むほど、レースに対しての興味も高まりますからね。あくまでひとつの勉強法。おわかりとは思いますが、10点以内で馬券を当てなければダメというわけではありません。

ご質問の件ですが・・・。
私の場合、実際に予想をする時には、3連単馬券というものを意識しているわけではないんです。まず、好走の可能性があると思える馬を5頭まで絞る。その中でどの馬が勝つかを考えて、決められない時はそのまま3連複のBOXにすることが多いです。3連単を買うのは、自分なりに着順まで読めた時と3頭まで絞れた時(BOXで買います)ですね。

買い目決定の基準となるのは、それぞれのレースによって違いますが、3連単のフォーメーションに限れば、「展開」を重視しているように思います。簡単に言えば、「Aという馬が勝つ展開になればBという馬は好走できない」といった感じです。
それ以前の買い目を絞る段階では、各馬のプラス材料とマイナス材料を見逃さないように心掛けています。
うーん・・・、最重要項目をひとつあげるのは難しいですね。レースの条件、馬場状態や頭数、枠順などによって、買い目を絞るポイントが変わりますので。
今回の毎日王冠の場合は、『予習』にも書いたように、“逃げ馬”と“頭数”を重視しました。

■Re: 毎日王冠・予習 [いつものへい]

安東先生、おはようございます。

そうですよね、バチが当たりますよね(^^ゞ
丁寧なお返事、ありがとうございました。
更に広い視野で考えられる様に、頑張ります。
■コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

カテゴリ

プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。