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■毎日王冠・復習

昨年と同じようにハナを切り、そして、昨年と同じようにゴール前で差されたウオッカ。
GⅡ・毎日王冠を制したのは、断然人気のウオッカではなく、8歳馬のカンパニーだった。

はじめに、ウオッカの敗因について考えてみたい。
『予習』の中で「昨年の毎日王冠の敗因は、“逃げてレースを引っ張る”というウオッカらしくない競馬をしたこと」と書いたが、今年もまた同じことの繰り返しになってしまった。
なぜ、そうなったのか。
レース後、武豊騎手は「楽なペースの逃げで押し切れると思ったが・・・」とコメントしているが、できることならハナに立ちたくなかったはず。なぜなら、道中で走りに集中させて目標をとらえた後に究極の瞬発力で差し切るレースこそが、ウオッカの能力を最大限発揮できる競馬だからである。
実際、スタートして向正面に入るあたりまでに、武豊騎手は左右を振り返りながら、後方から来る馬の出方を確認していた。しかし、ウオッカの前に出ようとする馬はいない。前に出ればウオッカの“目標”にされるわけだから、それは当然だろう。この時点で、ウオッカには“逃げ切り”しか“勝ちパターン”がなくなった。言い換えれば、“自分の得意としない形でレースを勝たなければならなくなった”ということである。
ウオッカがスタートでハナに立ってしまうのは、他馬よりもスピードが勝っているからに他ならない。つまり、能力が高い(スピードの絶対値が違う)がゆえに、自分の望まない展開(ハナに立つ)になってしまうのだ。
『予習』の中で「どの馬が逃げるかという検討が必要」と書いたが、当然ながら、「ウオッカが逃げる場合」も想定できた。そして、ウオッカが逃げた場合には、昨年のスーパーホーネットのように、ウオッカを目標にする差し馬の台頭も考えられたはずである。
今回のウオッカは“強いウオッカ”ではなかった。道中の走りにも迫力を感じることはできなかった。ただし、その敗因は『予習』で述べたような“年齢”や“衰え”といったものに関係があるとまでは言い切れない。それ以前に、“能力を発揮できない展開”だったからである(もっとも、カンパニーにまったく抵抗できずに1馬身差をつけられた不甲斐なさには釈然としない部分もあるが・・・)。
次走は天皇賞・秋。“叩き2走目の上積み”“斤量減”などウオッカにとって有利な条件が揃う。スポーツ紙の多くも「本番での巻き返しはある」と論評している。あとは、ウオッカより前に行く馬がいるかどうか。すなわち、ウオッカが能力を発揮できる展開になるかどうか。最も注意すべきポイントはその点になるだろう。

勝ったカンパニーにとっては、すべてがうまくいったレースだったに違いない。道中は好位のインで脚を溜める競馬。直線で内ラチ沿いから抜け出すと1完歩ずつ差を詰め、最後は一気に抜き去った。横山典騎手が見せた騎乗は、ウオッカだけに的を絞った乗り方。本人も「展開の読みが当たった」とコメントしている。ウオッカも33秒8の上がりでまとめているが、カンパニーはそれを上回るメンバー最速の33秒0。伸び脚の差は、ハナに立って力み加減だったウオッカと、自分の形に持ち込めたカンパニーの、道中の走りの差がそのまま出たとも考えられる。
さらに、横山典騎手はコメントの中で興味深いことを言っている。それは、「頭数が少なく周りに馬がいなかったので、馬の気持ちを集中させることができた」というもの。『予習』の中で「少頭数が有利に働く馬についての検討も必要」と書いたが、実は、こうした場面にもメリットが生まれたいたことがわかる。
これで通算7度目の重賞制覇。8歳馬ながら、レースで最高の走りを見せてくれたこの馬には、本当に頭が下がる思いである。

3着にはブービー人気(単勝112.9倍)のハイアーゲーム。『予習』で大穴候補に取り上げた馬だが、今回は“見事にハマった”ということだろう。先行する作戦もあるかと思ったが、道中後方で折り合っての直線勝負。最後は少しもたれながらも、上がり33秒2の末脚(カンパニーに次ぐ速さ)で3着に食い込んだ。
マイナス10キロと体が絞れて仕上がっていたこともプラスに働いたが、この馬に関しても、少頭数のために前が詰まったり大外を回るロスがなかったことが好走につながったと見ていいだろう。もちろん、最後の脚を信頼してそれに賭けた木幡騎手の騎乗も見逃せない要素である。

ナムラクレセントはアタマ差の4着。最後はハイアーゲームとの追い比べに屈したが、それでも一旦下がり気味になったところから盛り返す渋太さを見せた。菊花賞3着の実績があるとはいえ、ここではまだ敷居が高いかとも思っていたが、予想以上に地力をつけている印象を持った。
今後の課題は、脚を溜められるようになることだろう。今回のレースでは、前に行こうしたがるのを小牧騎手が抑える場面が多く見られた。若いがゆえに、粗削りな走りになってしまうのだろうが、道中での力の配分を覚えられるようになれば、今後はさらに上を目指せる馬になれるのではないだろうか。

5着のサンライズマックスはマイナス2キロの馬体重で出走。太め感もなく馬体も仕上がっていたようだが、レースでの反応は鈍かった。これは、休み明けが原因なのかもしれない。重賞戦線でも好走できる可能性はあるとは思うが、できれば“強さ”という部分でのインパクトがほしい馬である。

スマイルジャックは3コーナーまで若干掛かり気味の走り。その結果、直線でも伸び切れず7着に沈んだ。折り合い面での課題が残った一戦。現状ではマイル以下の距離で、後方からの末脚に徹する競馬が向いているのかもしれない。

2番人気のヤマニンキングリーはまったく見せ場もなく9着。前走で減った体重が戻っていなかったところをみると、体調面に原因があったのかもしれない。柴山騎手は「レース前にイライラして消耗した。長距離輸送の影響があった」とコメント。前走のマイナス体重の原因もストレスということだし、もしかしたら精神的なリスクがつきまとう馬なのだろうか。一瞬のキレ味は一級品だし、重賞で連対を続けてきたことから“能力のある馬”であることは間違いないはず。仮に、精神面に弱さがあるのだとしたら、なんとしてもその部分を解消して重賞戦線で活躍する1頭になってほしい。

今年の毎日王冠は、「自分の競馬ができた馬」と「できなかった馬」との差がはっきりと結果に表われたレースだった。前者はカンパニーとハイアーゲームであり、後者はウオッカと自分の競馬を確立できていない4歳馬たちである。
ウオッカへの期待が高いレースだっただけに、“ウオッカの相手探し”というテーマが膨れ上がりすぎた感が強い。レースの条件・頭数・展開だけに集中して検討していれば、この結果は決して“波乱”とは言えないはずだ。
そして、別の見方をすれば、まったく力を出せない不向きな展開で、休み明け+57キロにもかかわらず2着に入ったウオッカは、やはり別格の能力を持った馬ということなのだろう。


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■コメント

■毎日王冠、的中しました。 [うに]

こんばんは。うにです。
安東さんの助言のおかげで3連複とワイドが当たりました!
3連複はウォッカを軸にして、マッハヴェロシティとハイアーゲームとカンパニー、ナムラクレセントを相手にBOXで買いました。
ワイドの方は、ハイアーゲームを軸に上と同じ馬を流しで買いました。馬連だと的中してもマイナスになりかねないので、ワイドにしてみたのですが、こんなに上手いことハマるとは思わなかったです。
カンパニーもハイアーゲームも8歳というだけで消していたかもしれないので、予習読んでいて本当によかったです。
ただ、今回の様に頭数が少ない場合は、5頭を買うのは多かったかなと反省しました。

今回は安東さんの予想に完全に乗っかって勝ちました。私は取捨選択しただけ…
このラッキーに甘んじることなく、次は実力で当てたいです。
それにしても、安東さんの見解はお見事でしたね!
神の域を感じました。
そこで質問ですが、ウォッカがこれから先に、大逃げを打つ可能性はあると思われますか?
影も踏ませない勝ち方も見てみたいなぁと思ったのですが。

寒くなってきましたので、体調には十分気をつけて下さいね。

■うにさんへ [安東 裕章]

的中おめでとうございます!
よかったですね♪

このブログは「出走馬の好走(あるいは凡走)材料」を文章にして確認することが目的で、決して予想と呼べるものではないのですが、うにさんが買い目を決める際のヒントになったのであれば、よかったと思います。

ウオッカの逃げですか・・・、う~ん・・・。
当日、私は東京競馬場で生でレースを観戦したのですが、パドックでものすごい気合いを見せていたウオッカと、逃げを打って先頭を走っている時のウオッカを比べると、まったくの別馬のように見えたんですよ。レースでは闘志をまるで感じられなかったんです。
あくまで印象ですけど、ウオッカは前に目標があった方が、闘志も能力も発揮できるタイプではないかと思います。たしかに、影も踏ませない逃げ切りというのも見てみたいですけどね。


■Re: 毎日王冠・復習 [ECO]

安東さま、毎度です。一番人気を倒せそうな馬選びを今回単勝、複勝購入実施し、またもや最後の振るいかけて落とした馬が1着にやってきました。両重賞とも馬をチョイスする際のプラス、マイナス要因の捉え方に迷いが出てきています。まだまだ反省しておきます。

■お返事ありがとうございます。 [うに]

もう来週は秋華賞ですね。まだ心の準備ができていないので焦っています。(笑)
やっぱりG1はドキドキしますね。
ブエナビスタにも死角があるのか、安東さんの見解が楽しみです。予習、また参考にさせてもらいますね。

■ツボ、3巻とも何度も読んでます [見てくれ、この脚!]

安東さま、はじめまして
競馬、馬券に接して20数年です
色々な馬券の買い方を試しました
「競馬の壺」を読んで
(結果をきちんと検証している馬券本は初めてかも)
と思ったことを覚えています
予想と同じくらい復習もすること
これはとっても心に響きました
話は変わりますが、先週の日曜日の東京10R
連闘で昇級緒戦に出走したライオングラス
この馬の次走に注目していますが、いかがな
ものでしょうか?

■的中も…… [電気羊]

東西両重賞ともなんとか的中、収支はプラスでしたが、実は投資金のウエイトを置き間違えたことを反省しています。
毎日王冠は、出走表を見る前からウオッカ-カンパニーだけ買う心づもりでしたし、某雑誌に「“G2では強い馬”を狙え」といった指摘もあったので、音無厩舎の休み明け実績が高いことのみ確認し、馬単の裏表とワイドのみ購入。
京都大賞典はというと、こちらは時間をかけたにも関わらずなかなか狙いが絞れず、十数点の馬券を購入、的中は1-2着のワイド(オウケンブルースリも音無厩舎/休み明けでした)のみ。
終わってから、以前も同じミスを犯したことを思い出しました。労力を無駄にしたくないという心理のせいでしょうが、これではJRAと戦えませんね。

最後に。ハイヤーゲームに注意を払われていたこと、さすがと言うほかありません。ずっと安東さんについていきます(笑)

■予想方法 [無人君]

はじめまして。
いつも先生のブログ&ツボシリーズ参考にさせてもらっております。
単刀直入に質問させてもらいますが…
果たして、スポーツ新聞(競馬新聞)のみで、競馬予想は出来るでしょうか?
どうも、あんまり他情報を取り入れてしまうと取捨選択に迷いが出てしまうんですよ…
思い切ってスポーツ新聞(競馬新聞)のみで予想した法が良いですかね?すみません、低レベルの質問して…もし宜しかったら返事もらえば大変うれしいのですが…
宜しくお願いします。

■ [無人君]

他情報とは、先生のブログ&ツボシリーズ以外ですから!

■ECOさんへ [安東 裕章]

こんばんは。

買い目の取捨選択は本当に難しいですね。
最後にふるいにかけて落とした馬がくるというのもよくあるケースです。
いろいろ迷いが生まれるかもしれませんが、あまり深く考えずに、“どの馬が勝つか?”の追求を楽しんでください!
きっかけひとつで馬券が好調になることもよくありますよ。

がんばっていきましょう!

■見てくれ、この脚!さんへ [安東 裕章]

はじめまして。
『ツボ』をお読みいただいたとのこと、ありがとうございます。
馬券歴20数年というと、大ベテランの方ですね。
競馬好きの気ままなブログですが、よかったらまた遊びにきてください。

さて、ライオングラスについてですが・・・。
「次走狙ってみたい」ということは、何か根拠がおありなんでしょうね。
たしかに、日曜の10Rは、連闘で昇級戦、しかも関西からの輸送があったので、この馬にとっては厳しい条件でした(角居厩舎の所属馬なのでウオッカの帯同馬だったのかもしれません)。
どのようなレースに出てくるか、そして出走メンバーの顔ぶれを見ないことには、狙えるかどうかはわかりませんが、今回よりも条件は好転するとは思います。
あとは、1000万クラスを勝った時のように、脚を溜められる流れになるかどうかでしょう。

せっかくのご意見ですので、私も一応注目してみたいと思います。

■電気羊さんへ [安東 裕章]

こんばんは。

いろいろと反省点がおありのようですが、まずは、的中おめでとうございます!

投資金のウエイト、資金配分はなかなか難しいポイントですよね。特に、気になる馬が多くいる場合は、どうしても手を広げたくなってしまいます。
でも、電気羊さんは、そのあたりのバランスをしっかり考えておられるようなので、まったく問題ないでしょう。

これからもがんばって、JRAをこてんぱんにやっつけてください!(笑)

■無人君さんへ [安東 裕章]

はじめまして。

予想方法は人によってそれぞれ違うものですので、「これが正しい」というやり方はありませんが、あくまで私の考えを述べるならば、競馬新聞があれば十分ではないでしょうか。
予想に必要な“正確な情報”は、すべて馬柱表の中にあると思います。
あとは、その情報を自分なりにどう分析するかですよね。
そのためには、できるだけレースを見て、自分の中にデータ(出走馬の勝因・敗因など)を蓄積していくことが大事だと思います。

「一番信頼できるのは自分の頭の中にある情報。馬柱表は参考程度」というふうになりたいですよね!
そんな日が来るのでしょか?・・・(笑)

■ [無人君]

どうも、ありがとうございました!先生にアドバイスさせて何か、吹っ切れました!
今週から、競馬新聞で予想します。努力して見ます。本当に、有り難うございました。

■反省を生かし [電気羊]

今月はわりと良いスタートが切れたので、年末まできちんと収支のバランスを考えて馬券を買うつもりです。

ところで、「ペースと位置どり」について触れておられましたが、やはりグリーンCh.でレースを繰り返しご覧になるんですか?
この点に関しては、新聞のH/M/S表示では勿論、ラップを見ても本当のところは隊列や動きを見ないとわかりませんよね?そうなると現状ではなかなか実践は難しいのですが、補足的なニュアンスだったのでそれほど気にかけなくてもいいのでしょうか?あるいは、もし馬柱(活字)からでも読み取れることがあるなら教えて頂けると幸いです。お時間のあるときで構いませんので。

■電気羊さんへ [安東 裕章]

返事が遅くなってすみません。

過去のレースのVTRに関しては、UHF系(関東のローカル局)の番組を録画して時間のある時に見るようにしています。特別レースならばJRAのホームページでも見ることができますよね。少なくとも、1000万クラス以上のレースは必ず見るようにしています。

ただし、予想のたびに過去のVTRを確認するというわけではありません。取捨選択の際に「この馬はどうしてこのレースで負けたんだっけ?」といった疑問が浮かんだ時には見るようにします。実際の予想の際には、やはり馬柱表の分析が主体になりますね。「ペースと位置取りに注意」と述べた理由は、レースを見る時には結果だけではなく各馬の走りというものに注目が必要という意味からです。

電気羊さんのおっしゃる通り、馬柱から正確な「ペースと位置取り」を読み取ることは難しいですね。そのへんのところは記憶に頼る部分が大きいように思います。
馬柱表の中で注意していることは、コーナーの通過順位。レースによってバラつきがある馬については、どのようなポジションでレースをするのがベストなのか、あるいは、どの位置からでも競馬ができるのかといったことを検討するようにしています。そういった場合には、過去のレースを確認することもあります。

■ありがとうございます [電気羊]

お答え頂きありがとうございます。
『ツボ2』を読んで、位置どりとその変化には注意するようになりました。毎回きちんと検討できているとは言い難いですけど(^^ゞ
また、時計や上がりからも<幅広く適応できる>馬を探すようにしています。ただ、このタイプは“それなりには走るけど…”っていうのもいるようで、取捨に困ることがままあります。
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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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