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■秋華賞・復習

牝馬クラシック・最後の1冠を手中におさめたのはレッドディザイア。桜花賞、オークスの雪辱を果たし、悲願のGⅠ制覇を成し遂げた。
レッドディザイアの勝因は、ひとことで言えば、「能力を100%発揮できた」ということになるだろう。
このレースに照準を絞ったローテーションと仕上げ。叩き台のローズSではプラス10キロだった馬体重はマイナス14キロまで絞り込まれ、まさに“究極の出来”。懸念された反動もなく、万全の状態でレースに臨むことができたようだ。
レースでの走りも完璧だった。好枠を活かして中団での競馬。道中の速い流れにリズムを崩すこともなく、直線で前が開くと同時にスパート。ブエナビスタの強襲をわずか7センチ退け、先頭でゴール板を通過した。ブエナビスタより早めに動くことは予想できたが、それにしても鮮やかな“抜け出し”。「ブエナを意識した戦法ではなかった」と陣営はコメントしているが、ブエナビスタに勝つためにはこの競馬しかなかったはず。いずれにしても、今回のレッドディザイアに関しては、文句のつけようがない内容。素晴らしい走りを見せてくれたことに感謝したい。

一方、3冠を逃したブエナビスタ。松田博調教師は敗因について「内枠が向かなかった。早めに外に出さないと結局は(前が)詰まる」とコメントしている。『予習』の中で述べた「内枠に入ったことで展開面でのリスクが生まれる」という見解はあながち間違ってはいなかったようだ。
ただし、安藤勝騎手の乗り方を見ると、外へ持ち出そうという考えはなかったのではないかとも思える。道中は中団の後ろでレッドディザイアをマークする走り。相手を1頭に絞り、直線で併せる形で差し切ろうとしたのではないだろうか。結果として、レッドディザイアがスパートをかけた時、ブエナビスタの前が開かなかったため、やや強引に外めのスペースを突こうとしたわけだが、それによってブロードストリートの進路を妨害する形になってしまったということだろう。
それでも、直線で一時は3馬身ついた距離をハナ差まで迫った脚はさすがとしか言いようがない。スポーツ紙を見ても“負けて強しの内容”という評価が多かった。これで2戦続けて勝利を逃したことになるが、そうした中でも「前半の行きっぷりが良くなった」(安藤勝騎手)といった成長も見せている。今回の敗戦でこの馬の評価を下げる必要はないだろう。直線の短いコースで内を突くというこれまでとは異なるレース(もしくは条件が不利なレース)でも、ブエナビスタは“強さ”を見せてくれたと考えたい。

2着に繰り上がったブロードストリートにとっては残念なレースだった。「不利がなければ突き抜けていた」という藤田騎手のコメントの通り、ゴール前は際どい勝負になっていたに違いない。
ブロードストリートに関しては、予想以上の成長を感じた。正直、ローズSに関しては“フロック”と見ていた部分もあったし、走りそのものについても、好位から一瞬の脚しか使えないタイプだと思っていた。しかし、今回は後方から(ゲートの出負けが原因だが)強烈な追い込み。脚質の自在性は成長によって開花したものだろう。どのポジションからでもレースができるならば、今後はさらに楽しみになる。ブエナ・レッドの2強と言われる中に割って入る可能性も高いはずだ。

4着のクーデグレイスは大健闘のレース。1000m通過58秒という速いペースを先行して粘ったのであるから、能力の高い馬と判断していいだろう。今後の課題は、他の馬が行かなかった場合の走り。番手につけて渋太さを発揮するタイプであることはわかったので、違った展開での立ち回りに注目してみたい。

5着には最速の上がり(34秒2)をくり出したミクロコスモスが入った。後方待機で直線は最内を突くというのは武豊騎手の作戦だろう。上位馬とはまだまだ力の差を感じるが、今回のレースでは折り合いもついていたし、この馬なりに成長しているようだ。

終わってみれば、上位人気馬での決着。『予習』で述べたように、“決め手”のある馬が馬券に絡んだ。配当的な妙味はなかったかもしれないが、“順当な結果”(ブエナビスタの降着は残念ではあるが)に落ち着いたことは、むしろ喜ぶべきだろう。
有力馬が能力を発揮して勝つというのが、本来の競馬の姿のはず。そして、スティルインラブ・アドマイヤグルーヴの世代、あるいはウオッカ・ダイワスーカレットの世代がそうだったように、強い馬が常に強い競馬を見せてくれることは、その世代の強さの証明と考えることもできるからだ。
今回の上位馬には、今後の牝馬戦線、そしてGⅠ戦線の中心としての活躍を期待したい。




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■コメント

■秋華賞! [T]

久しぶりに書き込みさせていただきます。
ブエナビスタ三冠達成ならずも改めて強さを実感しました!直線での叩きあいは手に汗握るシーンでしたね!
降着は残念でしたがいいレースが見れてとても満足です。
それにしても四位騎手は素晴らしい騎乗でしたね。リプレイを見る度に惚れ惚れしてしまいます。

これからもブログを拝見させていただきます。
お身体に気をつけてブログを続けてください!
応援しています!

■Re: 秋華賞・復習 [ECO]

安東さま、毎度です。人気馬が順当に争う、面白いレースでした。馬券は反省モードに入ったままです。いつも安藤さまには受け止めていただき励ましていただいて本当にありがたいです。今週も予習宜しくお願い致します。

■たまにはLIVEで [電気羊]

秋華賞は京都競馬場で観戦。と言っても人垣の後ろから結局は大画面を眺めていました(笑)
ゴール前の二階スタンドにいましたが、二強によるあの接戦!ゴールの瞬間は<爆音>に包まれた思いでした。

馬券的にはブロードストリートの複勝と、ブエナビスタとのワイドのみ。「不利がなければ……」のコメントを見ると、単勝もあったのではと残念です。
レッドディザイアは、強化された調教が気になり消してしまいました。
モルガナイト、デリキットピースは面白いと思いましたが、前者は指摘されていた通りいろいろと条件が厳しく、後者はペース面もありますが、36秒台の上がりしかなかったということは、やはり決め手不足だったのでしょうね。

■Tさんへ [安東 裕章]

お久しぶりです!

秋華賞は本当にいいレースだったと思います。
ブエナビスタとレッドディザイアには、これからも名勝負を期待したいですね!

これからもがんばってブログを続けていきたいと思っていますので、また遊びに来てください。
コメント、ありがとうございました!

■ECOさんへ [安東 裕章]

こんばんは。

レースをしっかり検討することで、競馬をより楽しめるようになれると思っています。
もちろん、馬券が的中すれば言うことなしですが・・・。
がんばりましょう!

今週は菊花賞ですね。
うーん・・・、正直、難解です!(笑)

■電気羊さんへ [安東 裕章]

こんばんは。

あの名勝負を生で観戦されたのですか?
うらやましいなあ~!

今回の秋華賞は、順当な結果になるだろうとは思っていたのですが、「3着に入ってくる可能性はあるかもしれない」という視点で、ブログには多くの馬を取り上げてみました。
終わってみれば、無駄な労力だったような・・・(笑)

これからもブログの中では“有力馬の死角”や“人気薄激走の可能性”について、考えていきたいと思っています。

■一つ質問を [電気羊]

何度もすいません。
レッドディザイアを消したのは、“この馬こそ短い直線を経験していない”という点も考えてのことでした。ただ、安東さんも他のメディアもこのことは取り上げておられず、結果は見事な勝利。
これは、ブエナビスタとは走りの内容、脚質が違うということなのでしょうか?
今となれば、外回りとは言え、さして直線の長くはない京都で2勝していることも考慮すべきだったのかなとも思いますがいかがでしょう。そもそも力が違うのだ、と言われてしまえばそうなのですが。

■秋華賞あっぱれでした! [うに]

ブエナビスタとレッドディザイアは懸念されていた不安点(反動、コース適性等)を吹き飛ばすような豪快な走りで、私の馬券も一瞬で吹き飛んでしまいました。(泣)
私はその不安点の方を重視してしまい、入っても2、3着でノーマークの人気薄が飛び込んで来る…と甘っちょろい事を考えていました。もう別格ですね(今更ですが)
これから、古馬たちとどう闘っていくのか楽しみですね!

話は変わりますが、アイルランドTでホクトスルタンが距離を短縮して出走してきた事について質問があります。
安東さんは「距離によってペースが変わる」と仰っていましたよね。
それを覚えていたので、過去にコース実績があっても近走でその距離を走っていないので、今回は消したのですが、やはり敗因はペースに乗れなかったからなんでしょうか。
他にも理由があるんでしょうか?
もし、あえて凡走を覚悟で出走させたとしたら、次走は要注意ですかね?

出走後のコメントを読んでも本当のところはどうなのか、と勘ぐってしまうので、お助けくださいませ。

■電気羊さんへ [安東 裕章]

こんばんは。

たしかに、レッドディザイアには短い直線の経験はありませんでした。ただ、これまでのレースの走りから、直線の長さが影響するとは思えませんでした。
トライアルに徹して無理をしなかったローズSと大外枠に入った桜花賞では外から差してきましたが、オークスでは中団から抜け出す競馬、エルフィンSでは馬群をこじ開けるような勝ち方をしています。したがって、私はレッドディザイアを“器用さ”と“自在性”を備えている馬だと判断しました。
今回、3枠5番に入ったことで、おそらく内枠を活かして先行するだろうと予想しましたし、ブエナビスタに雪辱するためにはその作戦しかなかったと思います。

■うにさんへ [安東 裕章]

こんばんは。

ホクトスルタンの一番の敗因は自分の形(逃げ)に持ち込めなかったことだと思いますが、スタート後に同型馬にハナを奪われたのは、近走で2000m戦を経験していなかったためにすぐにペースに乗れなかったことが原因かもしれませんね。

あくまで推測ですが、私自身はこのレースへの出走は「アルゼンチン共和国杯(東京・芝・2500m)」への叩き台ではないかと見ていました。
加えて、近走は逃げても最後まで粘り切れないレースが続いているので、行きっぷりを良くするために短い距離を使ったのかもしれませんし、あるいは、控える競馬を試してみようという陣営の意図があったかもしれません。
実績上位なので、最終的には2番人気に支持されましたが、ここでは狙いにくい馬だったと思います。
次走に関しては・・・うーん、まだなんとも言えませんね。
出走メンバーを見て、ホクトスルタンが自分の競馬ができるような展開が見込めるならば、注意が必要かもしれません。

■ありがとうございました。 [うに]

よくわかる説明でスッキリしました。
馬柱表の情報と共に、先を見据えた予想も大事なんですね。
またひとつ『ツボ』が増えました。

菊花賞の予習、楽しみにしています!

■よくわかりました [電気羊]

毎回ご丁寧に答えて頂き恐縮です。
位置取りや直線のどこを通ったか等々から、個性がイメージ出来れば予想の精度も上がるのでしょうね。
どうも宝塚記念でディープスカイの評価を下げ成功した経験から、直線の長短の成績にこだわり過ぎている感がありました。やはり競馬は一筋縄ではいかないというですね。


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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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