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■菊花賞・予習

牡馬クラシック最後の1冠を争うGⅠ・菊花賞。
“ブエナビスタ vs レッドディザイア”という図式が明確だった先週の秋華賞と違って、こちらは混戦模様。前売り(午後4時30分現在)の人気を見ると、単勝では、リーチザクラウン(3.8倍)、イコピコ(5.2倍)、アンライバルド(5.7倍)の三つ巴になっているが、3連複ではこの3頭でも13.5倍と、オッズは割れ気味だ。
言うまでもなく、どの馬にとっても3000mは未知の距離。ここまでの実績も重要だが、伏兵の台頭も考えに入れておいた方がいいかもしれない。

神戸新聞杯では逃げて2着に粘ったリーチザクラウン。2番手でペースを作ったダービーの時もそうだったように、自分の競馬ができれば渋太いタイプだ。今回は他にハナを主張すると思われる馬も見当たらず、展開面では有利と考えていいだろう。春の時点から「菊花賞候補」と言われていた馬。当時の“3強”のうちの2頭(アンライバルド、ロジユニヴァース)がそれぞれ皐月賞とダービーを制した以上、残る1冠は是が非でも手中に収めたいに違いない。
目標にされるのは、言わば“逃げ馬の宿命”であるが、今回のレースも後続の脚をいかに封じ込めるかが勝敗のカギになる。神戸新聞杯の走りから、すでに「逃げ馬として完成の域に達した」という声も上がっているようだが、前走はあくまでトライアルレース。“権利取り”“叩き台”という意味合いが強く、その分、リーチザクラウンへのマークが甘かったという見方もできる。本番では間違いなく前走よりも厳しいマークを受けるはずだ。
緩急をつけた走りで後続に脚を使わせることができるかどうか。直線でさらに突き放すような強い走りができるかどうか。ペースを自在に操れてこそ“強い逃げ馬”の証明。リーチザクラウンにとっては、その力量が試されるレースになるだろう。
不安点は、各新聞紙上でも言われているように、前走で18キロ減っていた馬体重。調教後の計量ではプラス20キロまで戻しているものの、前走が仕上がった状態でのレコード決着2着。気になるのはやはり反動だ。当然ながら、当日の気配には注意が必要だろう。特に、テンションが高さには要注意。ムキになって走れば最後に失速する危険性があるからだ。

前哨戦の神戸新聞杯をレコードタイム(2分24秒2)で制したイコピコ。上がり3Fは33秒7という驚異的な数字をマーク、春の勢力図を一気に塗り替えたと思えるほどの強い勝ち方だった。元来、菊花賞はスローペースから直線を向いて“ヨーイドン”の展開になることが多いため、イコピコの末脚のキレは大きな武器になると考えられる。ゆえに、神戸新聞杯の時と同じように脚を溜めるレース(=決め手勝負のレース)ができるかどうかがこの馬のポイントになりそうだ。
もっとも、神戸新聞杯に関しては、あまりにも“出来過ぎ”のレースだったという感もある。ワンテンポ遅らせた仕掛けと最内から外へ出したコース取り。四位騎手の騎乗はたしかに見事だったが、一方で、“アンライバルドをマークした決め打ち”的な乗り方のようにも見えた。つまり、穿った見方をすれば、ノーマークの人気薄(7番人気)だからこそできた作戦だったということだ。
さらに、この馬に関しては、前走の阪神コースと今回の京都コースの違いについても考えに入れておいた方がいいだろう。コースによって仕掛けのタイミングも変わってくるからである。
3コーナーからの下り坂で勢いがつき馬群全体が加速する京都コース。しかも、直線が平坦であるため、ゴール前に坂のある阪神と違って、先に抜け出した馬が止まりにくい。そのため、直線の末脚勝負では“差して届かず“というケースも起こり得る。神戸新聞杯では仕掛けのタイミングを遅らせたことが直線のキレにつながったが、今回同じ作戦をとっても同じ結果になるとは言い切れない。この点については、四位騎手の乗り方に注目したい。
もう1点、イコピコについて気になる点をあげるならば、戦績にムラがあること。この馬の全成績は〈4.0.1.3〉だが、連勝(および連続連対)は一度もない。8戦のキャリアだけでは判断できないが、安定感という部分ではいくぶん信頼性に欠けるという見方もできる。今回、アッサリ勝たれても決して不思議ではないが、神戸新聞杯の走りだけでこの馬を評価していいものだろうか・・・。

皐月賞馬のアンライバルド。前走・神戸新聞杯では0.7秒差の4着。道中掛かったこともあって、一瞬伸びかけたが最後は失速。不本意なレースに終わった。休み明けを1走使った今回は当然上積みが見込めるし、前走のイレ込みの原因を“久々”と考えれば、巻き返しの可能性も大いにある。
とはいうものの、折り合いに問題があることは、3000mの長距離戦では大きな不安材料であることは確かだ。特に、上り・下りの起伏が多い京都コースでは、道中での脚の使い方が難しく、最後の伸びに影響を及ぼす。前走以上に折り合いを求められるレースになることは間違いない。
陣営は馬のテンションを上げないように、従来の併せ馬から単走へと調教パターンを変える工夫を凝らしたという。しかし、実際のレースでは他馬と競い合って走るのであるから、調教の変化が実戦での効果につながるとは限らない(調教そのものの動きは抜群のようではあるが)。
もちろん、能力の高さは否定できないし、陣営も岩田騎手も馬自身の弱点を補うだけの対策は講じてくるに違いない。どのような作戦を立て、どのような騎乗をするか。極論すれば、この馬が力を発揮できるかどうかは、岩田騎手の腕にかかっていると言ってもいいだろう。

セントライト記念を勝ったナカヤマフェスタ。春は順調さを欠き、ぶっつけで皐月賞を使うなどローテーションに狂いも生じたが、不良馬場のダービーで外から差して4着に入ったことで“非凡な素質”の片鱗を窺わせた。夏を越した後、成長を問われたセントライト記念では、マクり気味に進出して後続を突き放す強い競馬。どこからでも脚を使える自在性が評価され、一躍“菊候補”の有力馬に名を連ねた。
レースセンスの良さに加えて、東スポ2歳Sで見せた並んでも抜かせない渋太さ。混戦になればなるほどアタマひとつ抜け出すタイプのようにも思える。なにより今回は、本番に向けて予定通りにレースを使えたことが、この馬にとって一番のプラス材料だろう。
課題は初の関西への輸送。レースではしっかり走るように見えるが、調教では馬場入りを拒否したり鞍上を振り落とすなど気性面に幼さを見せる馬。長距離輸送と環境の変化がテンションに影響するかもしれない。この馬についても、当日の気配に注意を払った方がいいかもしれない。

2400mの神戸新聞杯で3着に好走したことから、マイラーのイメージを払拭したセイウンワンダー。2歳王者の実力を再確認させられるとともに、本番への期待にもつながった。不良馬場のダービーと稍重だった弥生賞を除けば、すべて馬券圏内という実績。管理する領家調教師も「大崩れしないのがセールスポイント」とコメントしている。
もっとも、3000mのレースで勝ち切るだけの決め手があるかといえば、それは少なからず疑問だ。皐月賞3着は先行馬総崩れの展開で後方から差してきた結果であるし、前走にしても、好スタートから前々で流れに乗って粘り込んだ3着(展開に左右されない強味という見方もできるが)。買い目には押さえておきたい馬ではあるが、後続を突き放したり追い比べで競り勝つような“強さ”のインパクトには欠けるように思える。

神戸新聞杯で2番人気に支持ながら11着に敗れたアントニオバローズ。敗因はノドの炎症とのこと。それゆえ、今回は陣営のトーンも上がってこない(弱気のコメントを鵜呑みにするのは危険だが)。調教では良い動きを見せているが、ノドに弱点を抱えていることは、一気に走り切れる短距離戦ならまだしも、長距離レースではやはり大きなマイナス。単勝人気では思ったよりも上位に支持されているが、積極的に狙うにはリスクの大きい馬という見方が妥当だろう。レース時に雨が降れば、ノドの負担も少しは軽くなるかもしれないが・・・。

前走、古馬混合のGⅢ・朝日CCで2着に入ったブレイクランアウト。重賞で古馬相手に結果を出したことには高い評価を与えていいだろう。春の時点では、NHKマイルCを目標にしていたように、陣営も“マイル向き”と考えていたようだが、ここにきて中・長距離へ路線を変更。実際、マイルよりも1800m以上のレースの方がキレる脚を発揮する馬で、これまでマイル戦では34秒の上がりを切れなかったが、1800m以上では不良馬場のダービーを除けばすべて最速の上がりをマークしている。距離に対応できて、決め手を活かせるようであれば、人気薄でも侮れない1頭だ。
一説には、朝日CCの後、天皇賞・秋へ向かうプランもあったという。にもかかわらず、菊花賞に矛先を変更したということは、距離や相手関係を考えた上での勝算があるからとも推測できる。鞍上はこの秋乗れている藤田騎手。クラシック3冠の王道を進んできた馬ではないが、マークは必要かもしれない。

伏兵の中で気になるのは、前走で力を発揮できなかった2頭。
まず、セントライト記念で1番人気に支持されながら4着に終わったアドマイヤメジャー
レースでは後方から追い込んできたものの、外々を回らされるロスがあって完全に脚を余した形だった。それでも、勝ち馬からは0.2秒差の4着。中山コースで窮屈な競馬になったことが敗因ならば、広い京都コースに替わることで条件は好転するはず。なにより、未勝利から3連勝で勝ち上がってきた戦績は軽視できない。
もう1頭は、神戸新聞杯7着のシェーンヴァルト
『神戸新聞杯・復習』の中でも書いたことだが、レースは出遅れた上に後方で掛かり気味。しかも、直線では内に進路をとったために前が塞がるという消化不良の内容だった。“札幌記念からの始動のため上積みはそれほど期待できないこと”、“道中力んで走るクセがあるため折り合いが問題”など懸念材料も多いが、春のクラシックでもそこそこの競馬をしているだけに、前哨戦の結果だけで見限るのは早いと思われる。鞍上の秋山騎手も今回が2度目の騎乗。2歳重賞の勝ち馬だけに、能力を存分に発揮できるレースを期待したい。

他にも、“アンライバルド・リーチザクラウン・ブエナビスタで決まった伝説の新馬戦”で4着に入り、前走2着馬に4馬身差をつけて1000万クラスを勝ち上がったスリーロールス、父・ダンスインザダーク×母・エアグルーヴの良血馬・フォゲッタブル、春はクラシック候補の1頭と期待され5月の白百合Sではイコピコと着差のない競馬をしたヤマニンウイスカーなど、魅力のある伏兵馬も多くいる。
しかし、これらの馬は必ずしも菊花賞を目標にローテーションが組まれていたわけではない(スリーロールスは9月に2戦、フォゲッタブルは夏に3戦使ってトライアル出走、ヤマニンウイスカーは6月の北海道シリーズで勝ち上がった後休養をとったもののすでに11戦を消化)。古馬相手に勝ち上がってきた勢いは認めるものの、ピークの状態でレースに臨めるかといえば疑問である。
本番で一変する可能性という点では、トライアンフマーチが面白い存在かもしれない。
皐月賞→ダービーを使って夏場を休み、トライアルを叩いて本番という流れはクラシック戦線の基本となるローテーション。母が桜花賞馬のキョウエイマーチということもあって距離適性を疑う声もあるが、マイル路線に転向せずに3冠すべてに出走するのは、陣営(角居厩舎)に期待があるからのことだろう。他馬同様“折り合いがつけば”という条件付きになるが、トライアルを1走使っての上積み、デビューから8戦目という鮮度を考えれば、見せ場以上の走りを見せてくれるかもしれない。



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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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