■スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

■菊花賞・復習

まさに“乱菊”。
混戦の菊花賞を制したのは、8番人気のスリーロールス。ハナ差の2着には7番人気のフォゲッタブル。上がり馬の2頭が春のクラシック組を封じる結果となった。

今年の菊花賞は、予想が非常に難解であったが、レース結果に対する解釈もなかなか容易ではない。
ひとつのポイントとして考えたいのは、3分3秒5というレースタイム。これは、菊花賞史上3位にあたる速い時計。そのため、従来の菊花賞で多く見られた“スローペースで直線だけの決め手勝負”という決着にはならなかった。言い換えれば、レースの流れに乗れた馬に有利な展開だったということである。
1・2着馬は内枠を利して、早めに好ポジションをキープ。リーチザクラウンの作り出す厳しい流れ(1000m通過:59秒9、2000m通過:2分3秒1)に逆らうことなく、道中でしっかりと折り合いがついていた。「終わってみれば、ダンスインザダーク産駒のワンツー」というスポーツ紙の見出しも目についたが、消耗戦になる流れだったからこそ、産駒特有の“長距離戦での底力”が発揮できたと言えるだろう。仮にこのレースが、スローの瞬発力勝負になっていたとすれば、結果も違っていたはずだ。
逆に、折り合いをつけて直線勝負に持ち込みたい差し馬にとっては、不向きな展開。流れが早くなれば、馬も行きたがる。かと言って、中盤から仕掛けていけば直線での余力がなくなる。実際、レースの中継では、道中行きたがる馬を抑えるシーンが数多く見られた。

もうひとつポイントをあげるとすれば、1・2着馬に騎乗していたジョッキーがどちらも若手だったこと。つまり、馬自身が上がり馬であるのと同時に、騎手もまた“挑戦者”であったわけである。有力馬に騎乗したトップジョッキーたちが折り合いに専念していたのに比べて、浜中騎手と吉田隼騎手には“ひとつでも前に行こう”といった勢いが感じられた。結果として、こうした“策を弄さないガムシャラさ”が、スムーズにレースの流れに乗れた大きな要因であったようにも思える。いずれにしても、この大舞台でハナ差の接戦を演じた騎乗は高く評価できるはず。2人には今後さらなる飛躍を期待したい。

スリーロールスとフォゲッタブルの好走要因については、前述の通り、「好位から流れに乗れたこと」「厳しいスタミナ勝負になったことで血統の特性が発揮できたこと」「折り合いに苦労する有力馬よりものびのびと走れたこと」などが考えられる。ともあれ、3分3秒5の好タイムをマークした2頭には、本格派のステイヤーとしての資質を予感させられる一戦だった。

3着のセイウンワンダーは、道中掛かっていたが、最後はきっちりと伸びて馬券圏内を確保。距離不問の堅実派、安定株と判断してもいいかもしれない。今後、陣営がどのような路線を進ませるか、非常に興味深い。

イコピコ(4着)はあまりに位置取りが後ろすぎた。折り合いに専念したため、直線を向くまで後方での競馬。今回のレースの流れでは、さすがに届かなかったが、それでもメンバー最速の上がりで差し込んできた脚は見応え十分。この先に“楽しみ”を残したと言ってもいいだろう。

1番人気のリーチザクラウンは5着。武豊騎手の「今後もこの馬には折り合いの克服がテーマになる」というコメントの通り、掛かり気味にリキんで走る弱点が浮き彫りになった。ワンペースの速い流れを作ることができても、自身が勝つためには、緩急自在の逃げをうてるようにならなければならないだろう。今後の課題は大きい。

アンライバルドはスタート後に躓く不利があったものの、折り合い面での進歩はまったく見られなかった。一部には“早熟説”も出ているが、距離を短縮したレースでどのような走りをするかに注目したい。

ナカヤマフェスタも期待外れのレース。セントライト記念の時も3コーナーから蛯名騎手が手綱をしごいていたが、もしかしたらレースに集中できない幼い面があるのかもしれない。直線でも手前を替えなかったことから「左回り向き」(蛯名騎手)なのかもしれないが、素質を活かしきれてないようにも思える。

それにしても・・・、
1800mの距離までしか連対実績がなく、1000万を勝ち上がったばかりの馬が勝ってしまうのだから、菊花賞はある意味“怖いレース”である。
『競馬のツボⅢ』の中に「混戦クラシック・最後の1冠は馬柱表の戦績が意味を持たないレース」と書いたが、今年もそれを裏付けるような結果になった(もっとも、レース数の少なさが好走の目安という部分はまったくの“的外れ”でお恥ずかしい限りだが・・・)。
とはいえ、菊花賞というレースそのものには大きな意義があると思う。3000mの特殊な距離であるがゆえに、各馬の適性というものが見えてくるからだ。今回の出走馬の好走・凡走をしっかりと検証して、次に使ってくるレースの向き・不向きについての検討につなげていきたい。



スポンサーサイト

■コメント

■Re: 菊花賞・復習 [ECO]

安東さま、毎度です。ようやく馬券がとれました。本線単勝ではなく複勝なので、満面の笑みとは参りませんが一番人気馬を負かせそうな馬として固いセイウンワンダーを購入しました。結果その馬も内枠2頭にに負けましたが、距離実績、適正が見えにくい予想は難しいですね。その分単純に考える事が出来ましたが。スリーロールスは視点を変えれば買えましたが、アンフォゲッタブルは無理でした。まだまだ反省していきます。

■お返事ありがとうございます! [うに]

実は、土・日に予想したメインレースで大金を取りそこねて、激しく落ち込んでいたのですが、安東さんに励まして頂き元気になりました!
自分のひいきの馬が好走しそうにない時は、複勝を買って応援することにします。消すのが辛い時もあるので、オマケで。これで、冷静に予想できます。

菊花賞は長距離血統馬が意外にも人気薄だったんですね。
しかも、実績が無いわけでもないし。
無名だからでしょうか?

安東さんですら難解だとおっしゃるのに、ぺーぺーの私が当てられるわけがありません。(笑)

次は天皇賞。登録馬はすごい顔ぶれですね。もう決めているのですか?
あの馬は間違いないと思いますが。

これから毎週楽しいですね♪

■振り返ると [電気羊]

スリーロールスは「1800Mまでしか実績がないから」と軽視しましたが、昨年15番人気で2着のフローテーションも実績は1800Mまででしたね。でもこちらは重賞2着、前走が神戸新聞杯。スリーロールスを警戒するには至りませんでした。

ただ今思えばスリーロールスは古馬混合の1000万であれだけ強い勝ち方をしていたわけですから、今回の好走も不思議ではないのでしょう。気になって調べてみたら、5着だった弥彦特別、とりわけそれ以前の500万の2レースで対戦した馬の多くが、その後まもなく勝ち上がったり馬券に絡んだりしています。二桁着順から巻き返した馬もいることから、「伝説の新馬戦」はもとより、その後もかなり骨のあるメンバーと戦ってきたのだろうと推察します。

■ECOさんへ [安東 裕章]

こんばんは。

満面の笑みとはいかないかもしれませんが・・・
的中おめでとうございます!

ECOさんのコメントを読ませていただくたびに思うのですが、
自分の馬券のスタイルを持っていることは“強味”ですよね。
いろいろと反省もあるかもしれませんが、
これからもがんばってください!

■うにさんへ [安東 裕章]

こんばんは。

取り逃がした大金というのは、もしかして土曜日の200万馬券ですか?
う~ん・・・(笑)

たしかに、菊花賞は終わってみれば長距離血統の馬で決まりましたが、だからと言って、血統だけを重視するというわけにもいきませんからね。
『復習』にも書いたように、今回はダンスインザダーク産駒の特長が好走に結びつきやすかったレースだったということではないでしょうか。

あと、競馬にベテランとかペーペーとかは関係ないですよ!(笑)
競馬歴の有無ではなく、一番大事なことは、「競馬を楽しむこと」だと思います。
秋天も大いに楽しみましょう!

■電気羊さんへ [安東 裕章]

こんばんは。

電気羊さんのおっしゃる通りだと思います。
今になってみれば、スリーロールスには多くの好走材料を見つけることができますね。
戦ってきた相手というのも、重要な着眼点だと思います。

ただ、それがクラシック載冠につながると考えられるかというと、難しいですよね。
今回は特に、春からクラシック戦線を歩んできた馬との能力の比較がポイントだったように思います。

ご意見ありがとうございました。

■度々お返事ありがとうございます! [うに]

200万馬券なんてとんでもない!3連複の16万の方ですよ。
あと、福島民友Cの3連複10万も。
両方とも悩みに悩んだあげく消した馬が入ってきたので、しばし呆然として、後で配当を聞いて落ち込んでしまいました。私にとっては、10万以上は大金なので。(笑)

お忙しいのに、私の愚痴を聞いて下さって、ありがとうございました。

■たしかに [電気羊]

おっしゃる通り、スリーロールスの戦歴を知っていても菊花賞1着を予想するのは難しい。7番手、8番手ならともかく、5ないし6頭の中には入れられなかったでしょう。
今後生かせればよし、と思っておきます。

PS.次は天皇賞秋。ウオッカの衰えを指摘する見解が散見されます。安東さんのご意見が待ち遠しいです。


■コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

カテゴリ

プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。