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■エリザベス女王杯・予習

秋の牝馬No.1を決定するGⅠ・エリザベス女王杯。
近年は“伸び盛りの3歳馬”対“歴戦の古馬”という構図が強く見られ、結果としては3歳馬の勝利(2006年・フサイチパンドラ、2007年・ダイワスカーレット、2008年・リトルアマポーラ)が目立っている。その理由は、「2キロの斤量差が大きい」というのが一般的な見解。秋華賞に出走した3歳牝馬にとって、1キロの斤量減になることも少なからず影響があるのだろう。
今年のレースに関しても、「3歳馬が有利」という声が多い。“レベルが高い”と言われる今年の3歳牝馬がどういうレースを見せてくれるのか。あるいは、経験豊富な古馬が壁となって立ちはだかるのか。興味深い一戦になりそうだ。

前売り段階で1番人気に支持されているブエナビスタ(単勝1.8倍)。牝馬3冠のかかった前走・秋華賞ではレッドディザイアに先着された上に降着という結果に終わったが、直線の追い上げで見せた末脚のキレは圧巻。この馬の能力を改めて証明した一戦だったと考えていいだろう。
前走は直線の短い内回りコースで内枠に入ったことから、脚質的に不利な部分もあったが、今回は外回りコースの外枠。条件は大きく好転した。安藤勝騎手も迷うことなく“外差し”を狙ってくるはずだし、ツメに不安のあった前走よりも調整は順調とのこと。よほどの不利やアクシデントがない限り、直線一気で突き抜けてくる可能性は高いと思われる。
デビューしてからここまで複勝率10割(8戦)。今回も馬券の中心と考えるのが順当だろう。

前売り2番人気は同じく3歳馬のブロードストリート(単勝7.9倍)。前走・秋華賞では4コーナーでブエナビイスタに前を塞がれる不利があったが、「あれがなければ突き抜けていた」という藤田騎手のコメントの通り、最後の直線での伸び脚には勢いがあった。
秋2戦の充実ぶりは見事で、特に、馬群の中から抜け出してくる瞬発力はこの馬の強味。前走は出遅れがあって後ろからの競馬になったが、どのポジションからでも立ち回れる器用さも備えている。
もっとも、こうした器用さが裏目に出るケースもある。馬混みを苦にしないために、結果的に窮屈なポジションでの競馬になってしまうことがあるからだ(それゆえ、不利も受けやすい)。
したがって、この馬の場合、いかにスムーズにレースができるかがカギになるだろう。藤田騎手の位置取りに注目したい。

桜花賞、オークスで3着に入ったジェルミナル。前走は0.6秒差の6着の敗れたが、陣営のコメントによれば「外枠で流れに乗れなかった」とのこと。今回、念願の内枠を引いた(陣営談)ことで、決め手不足をカバーする走りを見せてくれるかもしれない。
休養明けの2戦は結果が出ていないが、内々をロスなく立ち回れるレースができるようであれば、春の実績からも侮れない1頭。“叩かれて良くなるタイプ”“調教状態も大幅に良化”といった情報も聞こえている。人気は下降気味だが軽視は禁物だ。

前走・秋華賞で最速の上がり(34秒2)を記録したミクロコスモス。ブエナビスタ同様、決め手で勝負する馬なので、今回の外枠(7枠15番)は歓迎だろう。鞍上は武豊騎手。ブエナビスタをマークするレースに徹することも予想できる。
もっとも、元来、折り合いに不安のある馬。距離が伸びることで折り合いを欠き、道中掛かり気味で力んだ走りになるようであれば、末脚のキレが鈍るというケースもあるだろう。

先にも述べたように、今年の3歳牝馬は“レベルが高い”と言われているが、気になる点もある。
それは、秋華賞を制したレッドディザイアがこのレースを回避してジャパンカップへの参戦を表明したことだ。
古馬牡馬混合のGⅠを経験させたいというのが表向きの理由とされているようだが、秋華賞のレース後に、陣営は「次走もブエナビスタと同じレースに出て勝負をしたい」と語っていたはず。
つまり、あくまで推測ではあるが、“中3週のエリザベス女王杯を目標とした場合、体調が回復するメドが立たないのではないか”という見方もできるのだ。言い換えれば、レコード決着となったローズSと1分58秒2の好時計となった秋華賞の激走の疲れが思った以上にあったために、レッドディザイアはローテーションを変えざるを得なかったということである。
3歳馬に関しての不安点は、秋2戦の激走による消耗。特に、ローズSと秋華賞で好走したブロードストリートについては、直前の状態などに注意したい。

次に古馬について。
ポイントとなるのは、前哨戦となった府中牝馬Sの内容だ。
レコード決着となったこのレースは、典型的な先行激化の展開となり、4コーナーで後方に位置していた馬たちで決着した。
競馬評論家の多くは、「(府中牝馬Sは)展開に恵まれて馬券に絡んだ差し馬よりも、先行して厳しい流れに巻き込まれながらも上位に残った馬を評価するべき」という意見を述べているが、競馬ファンも同様の考え方をしているらしく、府中牝馬Sの着順とエリザベス女王杯の単勝人気には“逆転現象”が起きている。

昨年の覇者・リトルアマポーラ。休み明けの前走・府中牝馬Sは5着。好位から追走したものの最後は差し馬に屈した。叩き2走目となる今回は上積みが見込めるし、鞍上に名手・スミヨン騎手を配したこともプラスと考えていいだろう。昨年のように、好位からスムーズに流れに乗り、直線で後続を突きはなすような競馬ができれば、上位に食い込んでくる可能性は高い。
ただし、この馬の場合、“強さ”という点では、いくぶん強調材料に欠けるように思える。昨年のレースにしても、ルメール騎手のレース運びの巧さは際立っていたが、馬自身に他馬を圧倒するだけのインパクトがあったかと言えば疑問だ。実際、その後のレースでは見せ場さえ作れず、“GⅠ馬”という称号には程遠い競馬が続いている。「前年の勝ち馬+外国人騎手」というイメージだけで“買い”と判断するのは危険だろう。

6歳馬のカワカミプリンセス。昨年のエリザベス女王杯は2着。前走の府中牝馬Sでは4コーナーで先頭に立ったものの、そこから伸び切れずに6着に終わっている。もっとも、速いペースに加えて、大外枠から好位に取り付くまでに脚を使ったことが敗因とわかっている。
ピークは過ぎたという声も上がっているが、骨折による長期休養があったため、これまでに走ったレースは16戦と少ない(同じ6歳馬のテイエムプリキュアの約半分)。春先には牡馬混合の別定GⅡ(京都記念、大阪杯)での好走もあり、まだまだ衰えは感じられない。
「前走は力んで走っていた」という判断から、陣営は中間にプール調教を併用するなど工夫を凝らしている。その効果もあって、直前の追い切りではリラックスした走りを取り戻したとのこと。
勢いのある3歳馬との力関係についてはなんとも言えないが、実績No.1のこの馬が、古馬の意地を見せてくれるかもしれない。

府中牝馬Sをレコードタイムで制したムードインディゴ。“展開に恵まれた”という見方が強いせいか、前売りでは8番人気・単勝23.3倍と評価は低い。たしかに、それ以前の戦績を振り返ると、前走がフロックであったと考えられなくもない。
もっとも、だからと言って、軽視はできないだろう。3歳時の昨年秋にはローズS、秋華賞で連続2着。この季節に調子を上げてくるタイプかもしれない。続くエリザベス女王杯では0.8秒差の6着だったが、陣営の話では「口内炎ができて本調子ではなかった」とのこと。今回、外枠に入ったことで、ブエナビスタと同じく末脚に賭ける競馬に徹しやすい。連続好走はないとは言い切れないはずだ。

夏の条件戦を勝ち上がってきたメイショウベルーガ。上がり馬という視点で見れば面白い存在であるし、牡馬混合のレースで付けてきた力を発揮することができれば、今後の牝馬重賞戦線でも活躍が期待できる可能性も見えてくる。
勢いや充実度といった点では、“買い”の要素もあるが、問題はローテーション。8月以降すでに5戦。上積みは見込めないだろうし、逆に連戦の疲労も気になる。

取捨選択が難しいのが、外国馬のシャラナヤ。前走の仏GⅠ・オペラ賞は後方から一気の差し切り勝ちだったが、一方で、4走前には逃げ切り勝ちもあり、自在に脚を使えるタイプと判断できる。国際レーティングはウオッカと1ポイント差の高い数字で評価されており、その点では実力馬と見てもいいだろう。
鞍上は日本の競馬を熟知しているルメール騎手(現地では同馬の調教をつけているとのこと)。ならば、コースやペースの違いで戸惑うこともないはずだ。
ポイントは、日本の馬場に対する適性。この馬はここまで3勝を上げているが、いずれもロンシャン競馬場でのレース。ロンシャンといえば、ディープインパクトが凱旋門賞に渡仏した際、関係者が「芝が長く重い」とコメントしていたことが思い出される。少なくとも、京都の軽い芝とは性質が違うはずだ。来日後は軽めの調整に終始していたことにも「?」が付く。とはいえ、ルメール騎手が母国のGⅠ馬に乗る以上、マークは必要かもしれない。

最後に展開について。
テイエムプリキュアとクィーンスプマンテがレースを引っ張る形が予想されるが、序盤は各馬が折り合いに専念するため、流れそのものはそれほど速くはならないだろう。
ひとつのモデルケースと考えてみたいのは、先日の菊花賞。有力馬が決め手勝負に出るとわかっている場合は、好位から先にスパートできる馬には注意したい。エリザベス女王杯におけるスリーロールスとフォゲッタブルはどの馬か。“ブエナビスタの相手探し”という観点からも、ブエナビスタよりも前に位置して先に動ける馬、すなわち、レッドディザイアタイプの馬を狙うことが、買い目のポイントになるだろう。


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安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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