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■エリザベス女王杯・復習

3連単154万円の大波乱!
GⅠ・エリザベス女王杯は、11番人気のクィーンスプマンテと12番人気のテイエムプリキュアの2頭による“行った・行った”の決着。1番人気のブエナビスタは上がり3F・32秒9の鬼脚で追い込んだが3着に終わった。

有力馬に決め手の差し脚がある場合、人気薄の逃げ馬の前残りに注意することは、馬券を検討する際の“鉄則”である。しかし、GⅠという大舞台で現実にこのようなレースが行われるとは、正直、予想できなかった(予想したくなかったと言った方がいいかもしれない)。牝馬の最高峰を決定するにふさわしい“直線の攻防”や“追い比べ”を期待していたファンにとっては、なんとも後味の悪い結果。“展開のアヤ”と言ってしまえば、それまでではあるが・・・。

もちろん、だからと言って、1・2着馬にケチをつけるつもりはない。能力を発揮できたからこそ結果がついてきたことは間違いない。

クィーンスプマンテの勝因をあげるならば、絶妙なペース配分ということになるだろう。1000mの通過が60秒5の楽なペース。3コーナーへの上りで加速を始めると、坂の下りではさらに後続集団を突きはなし、一時は20馬身近いリードを奪った。これでは後ろは届かない。
デビュー4年目で初のGⅠ勝利を手に入れた田中博騎手の騎乗も評価できる。最も得意な形に持ち込んで、馬の力を信じて最後まで追い続けた。レース内容とは関係なく、若さあふれる迷いのない乗り方には、清々しさを感じることができた。この勝利を今後の糧にしてほしい。
さらに、このレースに向けての陣営の仕上げも特筆すべきだろう。早めに栗東に入厩させて現地での調整。関東・小島茂厩舎は、この調整方法で昨年の秋華賞(ブラックエンブレム)を勝利している。「逃げ切れるはずがない」という先入観が強かったために、こうした陣営の工夫(しかも過去に好走例のある)をさほど気にとめなかったのも事実。反省材料である。

2着のテイエムプリキュアは2番手で競馬ができたことが好走につながった。“ハナ・2番手”という隊列がしっかりとできたために、無理に競り合うこともなく、両馬とも息を入れながら走ることができた。言い換えれば、2頭がワン・ツー・フィニィッシュできた一番の理由は、テイエムプリキュアがハナにこだわらなかった(クィーンスプマンテに先に行かせて自分の競馬に徹した)からだとも考えられる。これについては、ベテランの熊沢騎手の技術を誉めるべきだろう。

ブエナビスタは2着にクビ差届かなかったが、それでも結果的には、この馬の能力の高さを証明する形になった。
後続集団から最初に動いたのはカワカミプリンセス。続いてブエナビスタ。どちらも本来よりも早めの仕掛けであり、それゆえ、余分な脚を使うことになった。カワカミプリンセスは早く動いた分だけ直線で伸びを欠き9着に終わったが、ブエナビスタは直線でさらに伸びた。道中で予定外の動きがあったにもかかわらず、上がり3Fは32秒9。4着のシャラナヤに3馬身半の差をつけたのだから驚きである。
安藤勝騎手も松田博調教師も「あれ以上早めには動けなかった」とレース後にコメントを残している。後方の馬群全体が早めにペースを上げて、先行2頭を直線で射程圏に捕らえる展開になっていれば、ぶっち切りの勝利だったのではないだろうか。

今回のレースを見て、「後ろがだらしない」「なんで前を捕まえにいかないんだ」と思ったファンも多いはずだ。しかし、実際にレースで騎乗したジョッキーは、先行2頭に離されていることに気がつかなかったようである。

「3コーナーを回り切るまで前が見えなくて、直線に入って見た途端、間に合わないと思った」(ブエナビスタ・安藤勝騎手)
「直線に向くまでさらに前に馬がいるなんてわからなかった」(メイショウベルーガ・池添騎手)
「直線で前が開いた時には上位2頭ははるかに前にいた」(ブロードストリート・藤田騎手)

そして、離れた3番手を追走していたリトルアマポーラのスミヨン騎手は次のようにコメントしている。

「まさか前の2頭があんなに離して逃げるとは思わなかった。ペースを崩したくなかったので、なかなか動けなかった」

今回の結果に対しては、いろいろな意見が出ている。特に、ペースを上げずに離されたリトルアマポーラには批判が集中しているようだ(日本の競馬や出走馬の脚質に熟知していないスミヨン騎手を責めるのは可哀想ではあるが)。それについて、当ブログで細かく言及するつもりはないが、レース後に思い出した過去のエピソードを書き加えておきたい。

2007年2月11日に行われた東京10R・調布特別。
このレースはコパノスイジンとエイシンサリヴァンの“行った・行った”で決着(吉田兄弟のワンツー)し、3着馬は4馬身差をつけられた。展開は今回のエリザベス女王杯とまったく同じものだった。
レース後、ある中堅騎手が騎乗したジョッキーを集めて一喝したという。
「こんなレースをファンに見せて恥ずかしくないのか!」


我々競馬ファンが望むレース。
それは、「それぞれの馬が能力をいかんなく発揮する好勝負」である。


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■コメント

■Re: エリザベス女王杯・復習 [まっつ]

はじめてコメントさせて頂きます。まっつと申します。
今回のエリザベス本当に色々と考えさせられるレースでした。
逃げた二頭はどちらとも前走京都外周りで位置取りこそ違えど逃げ
たんですよね。

しかもプリキュアは日経新春杯で軽斤量でまんまと逃げ切った経歴
のある、いや好走歴のある馬なんですよね。

競馬のつぼⅢにも記載あったように新春杯と同じように3~4コーナー
の下りでさらに加速して突き放してたのがデジャブみたいでTVの前で
呆然(?)としてました。

追い比べを期待してたのですがこれってどうなん?(大阪弁で)と思いま
したがこのようなレースがG1でありうるんだとあらためて競馬の奥深さを
痛感した次第です。

思いだしたんですが、マチカネフクキタルという自分でレースを作れる馬
がいましたよね。

確か、武豊が絶賛していた馬だっと思いますが改めて「つぼ」にも記載あり
ましたように自分で動ける馬(今回は展開面があったと思いますが)って強
いですよね。

今後このような馬が出てきてくれて全体のレベルが向上すればいいな~な
んて勝手なことを思ってる次第です。

毎週安東さんのブログをチェックしてるんでこれからも参考にさせていただ
きます。

■エリザベス復習 [ECO]

安東さん、毎度です。ブエナが負けるとしたら 前残りだけでしたね しかし 馬券は痛みを感じて思い出しますね またまた反省ロードです。マイルも冷静に裏をとります。

■Re: エリザベス女王杯・復習 [いつものへい]

安東先生こんにちは。

まさに、展開の妙味。
私個人的には、楽しめたエリザベス女王杯でした。
今回注目したのは、テイエムプリキュアの熊沢騎手です。
関西では、熊沢騎手・佐藤哲騎手・秋山騎手。
関東では、吉田豊騎手・柴田善騎手。
人気薄の逃げ馬に騎乗した時には、注意して見ています。
数字には現れにくい傾向なので、自分的な”競馬のツボ”ですかね(笑)

ブエナビスタは、「負けて尚強し」の印象ですが、2007皐月賞の時のフサイチホウオーの鬼脚と重なって見えたのは、私だけでしょうか?

来週は当てたいですが、カンパニーが引退レースとなるみたいなので、毎日王冠で稼がせてもらった御礼はしないと(笑)
予測出来ない競馬は、本当に楽しいですね。

では、また予習を楽しみにしております。

■まっつさんへ [安東 裕章]

はじめまして。
コメント、ありがとうございます。

今回の“行った・行った”の決着には、本当に参りました!(笑)
「3コーナーからの下り坂と平坦な直線の関係から、京都コースは逃げ馬が残ることもある」と自分で『ツボ』に書いておきながら・・・予想が甘かったですね(苦笑)。
後ろの集団があそこまで動かないとは思いませんでした。
でも、いい勉強になりました。
まっつさんがおっしゃる通り、競馬は奥が深いですね。
“自分から動ける馬”についても同感です。
「もしブエナビスタよりも先に動けるレッドディザイアが出走していたらどうだったかな?」などと考えてしまいました。

これからもがんばってブログを続けていきたいと思っています。
また遊びにきてください。

■ECOさんへ [安東 裕章]

毎度です!

今回の結果については、なんと言っていいかわからない部分もありますね。
1・2着馬は自分の競馬をしたのですから評価していいとは思いますが・・・。
ピエナビーナスに騎乗した古川騎手が次のようなことを言ってました。

「まともに脚を使ったのは3着馬だけ」

その通りかもしれませんね。

■いつものへいさんへ [安東 裕章]

こんばんは。

熊沢騎手に関しては、私も「巧く乗ったなあ」と感心しました。
『復習』にも書いたように、ハナではなく番手で馬の持ち味を活かしたのですから。
最大の殊勲者だったのではないかとも思います。

「人気薄の逃げ馬に乗った時に買える騎手」ですか!(笑)
なかなかの着眼点ですね!
中でも吉田豊騎手には大賛成です!

カンパニーもとうとう引退ですね。
心情的には“買いたい”とは思いますけど・・・。
マイル戦線には絶対的な馬がいないだけに、予想も難しくなりそうです。

■お帰りなさいませ! [うに]

ブログの再開を心待ちにしておりました。

エ女王杯は、G1とは思えない程、物足りないレースでしたね。
安東さんも、復習の文面から、不完全燃焼気味さがひしひしと伝わってきました。(笑)

私は、ジェルミナルがそろそろ勝ちそうな感じがしていて、しかもデキも凄く良いということで、大本命にしたのですが…
実況で名前を聞いたのは最初だけで、見せ場もなく終わってしまいました。
早めに動いていたとしても、ダメだったんでしょうかね?

こういうケースで、中団の馬が勝つには、どんなレース運びをすれば良かったのでしょう?
あるいは、レッドディザィアのような、能力の高い馬しか勝てない展開だったんでしょうか。

あと、人気薄の逃げ馬の買い時って、見極めが難しいですね。今回の56キロの斤量は、牝馬で逃げ馬には厳しいだろうと、先入観にやられました。
それ以前に、ハンデ戦でもなかなか勝てていないし。
即行で消しました。
こんな調子で残りわずかのG1を的中できるのか不安になってきました。
予想そのものは、楽しいのですが。

予習、また参考にさせていただきます!

■エリザベス女王杯・反省 [電気羊]

レース後は、「どいつもこいつも、いったい何やっとんねん!」と怒りと失望の交ざった独り言を(あくまで独り言です、笑)。
でも今は、騎乗馬の特長や能力を信じ、思い切ってレースを運んだ田中騎手、熊沢騎手にあっぱれと拍手を送るべきだなと感じています。まあ、こういうことがあるのも競馬ですよね。

個人的には過去の好走馬から、<牡馬相手に重賞ないしオープンで勝ち負け、善戦したことのある馬>をポイントの一つとして予想しました。正直連対馬二頭は眼中にありませんでしたが、確かに条件は満たしていましたね。それでも、特にクイーンスプマンテの勝利はオープンハンデ戦で49キロでのもの。検討していたってやはり買えなかったですね。

PS.ご不幸があった後で、いろいろご多忙と思います。お体に留意なさいますよう。

■うにさんへ [安東 裕章]

こんばんは。
いつもコメントありがとうございます。

ジェルミナルは私も狙っていた1頭だったんですよ。
叩き3走目で調子が上がり、しかも内枠。
ローズSで見せた先行策がこのレースで活かされるのではないかと思っていたんですけどね。

どのような展開になっても、“自分でレースを作れる馬”“自分から動いて勝ちに行ける馬”というのが、本当に強い馬なのかもしれません。
残念ながら、今回はそういう走りができた馬はいなかったようです。ブエナビスタにもう少し自在性が出てくれば、今後がさらに楽しみになるのですが・・・。

気がつけば今年もあと少しですね。
残りのGⅠ、がんばりましょう!

■電気羊さんへ [安東 裕章]

こんばんは。
いろいろとお心遣いをいただき、ありがとうございます。

私も、今回のエリザベスに関しては、正直、「なんだよ、このレースは!」って思いました。
でも、電気羊さんと同じように、「ちゃんと自分の競馬をしたのは1・2着馬だけだなあ・・・」と考えるようになりました。
変な言い方ですが、レースに対して期待が大きすぎたのかもしれません。
競馬の深さというものを改めて実感した次第です。

まだまだ勉強が必要ですね。

■お返事ありがとうございます! [うに]

ブエナビスタが、自在性を身につけたら、最強ですね。
今でこそ、「追い込み一辺倒でしか勝てない」なんて言われてますが、私は、「キャリアが浅いんだから仕方ないじゃないか!今に見てろ!」と、密かに弁護してます。
まだ3歳、末恐ろしいですね。

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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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