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■ジャパンカップ・予習

外国馬5頭を含むフルゲート18頭。ダービー馬・ロジユニヴァースの回避は残念だったが、それでも国際GⅠ・ジャパンカップにふさわしい豪華なメンバーが揃った。

前売りでの単勝1番人気はウオッカ(3.8倍)。ただし、これまでのように、“絶対の1番人気”というわけではない。この馬をどのように評価すればよいか。今回のレースにおけるひとつのポイントになりそうだ。

まず、考えてみたいのは「近走の内容」。
カンパニーに並ぶことなくアッサリ交わされた毎日王冠。そして、上がり32秒9の脚は使ったものの2着馬・スクリーンヒーローを差し切れなかった天皇賞・秋。この2走の走りから、ウオッカに関して“衰え”“下降線”という判断を下した競馬評論家も少なくない。実際、「以前のウオッカならば・・・」と思わせるシーンが2戦続いたことはたしかである。
しかし、全力を出し切って負けたのかといえば、そうとは言い切れない。いずれも、ウオッカの得意とする“好位で流れに乗って脚を溜めるレース”ではなかったことも事実。2走前の毎日王冠は逃げての2着。前走の天皇賞・秋は後方からの競馬で3着。さらに、スローペースに泣かされたという見方もできる。
今回、ウオッカを見直すとするならば、「好位のポジションで競馬ができるか」「速い流れになるかどうか」の2点がカギになるだろう。その意味では、3枠5番はポジションを取りやすい枠順であり、逃げ馬・リーチザクラウンが作り出す緩急のつかない流れは、ウオッカ向きとも思えるのだが・・・。

次に「距離」の問題。
天皇賞・秋の時点で、特に目立った評論家の意見は、「マイラー色が濃くなったウオッカは、JCではなくここが目標」というものだった。以前より瞬発力を発揮できる距離が短くなり、折り合いに課題が出てきたため、距離が伸びるのはマイナスという考え方である。そして、その考えは、昨年のジャパンカップで3着に敗退したことがひとつの基準になっている。
もっとも、昨年のこのレースは過去5年で最も遅い2分25秒5の決着で、当然ながら、ペースもスローだった。ウオッカの折り合い面での課題は「距離」にあると考えられがちだが、実際は「ペース」がカギなのではないだろうか。事実、昨年のJCよりも1秒早い2分24秒5でダービーを制している。「2400mに距離が伸びる今回は不向き」と判断するのではなく、「どういう流れの2400m戦になるのか」という検討が必要だろう。

最後に「乗り替わり」について。
今回、鞍上は武豊騎手からルメール騎手に変更となった。その経緯については不透明な部分も多いが、憶測を述べても意味がないのでここでは省くことにする。
ルメール騎手への乗り替わりについては、「プラス効果がある」という見方が多いようだ。たしかに、ここ2走の武豊騎手の乗り方を見ていると、“大事に乗り過ぎている”という感もある。気分良く走らそう、能力を最大限引き出そう、という気持ちはわかるのだが、“逃げ”や“後方での折り合い重視”という作戦は逆効果だったようにも思える。
ルメール騎手といえば、テン乗りでリトルアマポーラを優勝に導いた昨年のエリザベス女王杯が頭に浮かぶ。あの時と同じように、先入観を持たずに馬の気のままに走らせるレースができれば、ウオッカの能力を発揮させることは可能なはずだ。

いずれにしても、この馬の“取捨”のポイントは「ペース」と「位置取り」にあると考えたい。具体的に言うならば、“1000m通過が58~59秒台のペースで、ポジションは5・6番手のイン”というのが理想的だろう。
リーチザクラウンが逃げ宣言をしているが、エイシンデピュティとの兼ね合いはどうなるのか(最内枠を利して岩田騎手のアサクサキングスが大逃げを打つ可能性もある)。さらに、予報通りに午後から雨が降った場合、展開はどのように変わるのか。いくつかのシチュエーションを踏まえた上での検討が必要になりそうだ。


昨年の菊花賞馬・オーケンブルースリ。春の阪神大賞典で脚元に不安が出た後は、夏を全休して調整に充て、京都大賞典で復活V。「このレースを大目標にしてきた」という陣営の言葉通り、叩き3戦目を照準とした出走になる。昨年のJCは菊花賞でピークを迎えた後のレースだったが、それでも0.3秒差の5着。それと比較すれば、今回のローテーションは大きな強調材料と考えてもいいだろう。
前走は距離不足の天皇賞・秋。出遅れの上、スローな展開となったため、0.8秒差の4着に敗れたが、“叩き台”と割り切れば度外視できる。
ただし、“叩き台”にしては、マイナス8キロで出走した前走の馬体は仕上がり過ぎていた感もある。調教後の馬体重はプラス10キロまで戻っているが、復帰から今回のレースまでの間に、多少なりとも調整の狂いがあったのかもしれない。一応、注意しておきたい。
長くいい脚を使えるタイプだけに、府中の2400mは絶好の舞台とも思えるが、問題は雨で馬場が渋った場合。陣営も「良馬場で走らせたい」とコメントしているが、脚元に不安を抱えた馬に力を要する馬場は明らかにマイナス(状態が回復していたとしても、馬自身が臆病になるケースもあるという)。この馬に限ったことではないが、直前の馬場状態にはチェックが必要だろう。

ここ3年、連対実績のない外国馬だが、今年はK・ジョージとBCターフ(連覇)を制したコンデュイットが参戦する。過去にシングスピール、ビルサドスキーを送り込んできたスタウト師の管理馬で、GⅠ4勝の実績。2000m以上での最低着順は凱旋門賞の4着。左回りコースに限れば4戦4勝。侮れない1頭であることは言うまでもない。実際、この馬に◎印を打っている競馬記者も多い。
すでに、日本(ビッグレッドファーム)で種牡馬になることが決定しているが、その価値を上げるためにも、ここは“顔見せ”ではなく“目イチの勝負気配”と考えた方がいいだろう。
不安点をあげるならば、ローテーション。フランスの凱旋門賞から中3週でアメリカのBCターフ、さらに中2週で日本への遠征。BCターフからのローテーションは過去に好走例も多いし、来日後の調教を見る限り心配はいらないようにも思えるが、輸送続きによる“見えない疲労”は、やはり不安材料として取り上げておきたい。

昨年の勝ち馬・スクリーンヒーロー。前走の天皇賞・秋は4カ月の休み明けに加えて、“距離不足”“本番(JC)への叩き台”という評価があったため、7番人気の支持にとどまったが、内枠から好位で流れに乗る絶妙のレース運びで2着に食い込んだ。ローテーション的にも、夏を使って勝ち上がってきた昨年よりも、叩き2走目の今回の方が強調できる。
順当に上積みを見込めるならば、今回も有力馬の1頭であることは間違いないし、鞍上に昨年と同じデムーロ騎手を配したことはプラス。しかし、得意ではない条件のレースで好走した時ほど“反動”も生まれやすい。直前の気配には注意が必要だ。
あとは、大外枠から流れに乗れるかどうか。ウオッカの項でも書いたが、昨年のJCはスローペースで先行馬有利の展開。昨年、8枠16番からポジションをキープできたのも、スタートしてから各馬が出方を探り合い、生粋の逃げ馬ではないネヴァブションが押し出されるようにハナに立つような緩いレース展開だったからにほかならない。1コーナーまでに好位に付けること。それが好走の条件になるだろう。

3歳牝馬のレッドディザイアも人気の一角になっている。デビューから6戦すべて連対。“強い世代”と言われる今年の3歳牝馬の中で、ブエナビスタとトップ争いを繰り広げたこの馬の実力は高く評価できる。
なにより、53キロの斤量は他馬と比較して有利。オークスで見せたような、馬群から早めに抜け出し後続に差をつける競馬ができれば、馬券圏内に入ってきてもおかしくない。
問題は体調面。マイナス14キロで出走した秋華賞はギリギリの仕上げ。エリザベス女王杯回避は体調が戻らなかったためであることは、陣営もはっきりとコメントしている。中5週の間隔を取ったことで回復は進んだに違いないが、再びピークの状態まで戻っているかは疑問。調教後の体重もプラス2キロで、輸送を考えれば、前走よりもマイナス体重での出走になるかもしれない。条件も枠順もプラス材料とは思えるが、激走の後だけに慎重に検討したい。

ウオッカの取捨と同様に、このレースを考える上でのポイントと思えるのが、リーチザクラウン。ひとことで言えば、この馬を“強い逃げ馬”と考えていいのか、ということである。
たしかに、自分のペースでレースを作れた時は、好走する可能性が高い。菊花賞の走りも、スピードの持続力という点では評価できる内容だった。
ただし、後続に脚を使わせて最後に突き離すという競馬は、まだまだ完成されていない。古馬との初対決となる今回のレースは、当然ながら、この馬にとっての試金石になるだろう。はたして武豊騎手はどのような作戦をとるのだろうか。
さらに気になるのは、この馬のテンションに関すること。橋口調教師は「当日はテンションを高めないように、返し馬でジョッキーを乗せる」とコメントしているが、となれば、東京・芝・2400mの“スタンド前発走”は気掛かりな材料だ(歓声が近いために馬が興奮しやすい)。
リーチザクラウンが残る展開、あるいは、リーチザクラウンが沈む展開。買い目を決めるにあたっては、そのあたりの見極めが重要になりそうだ。

人気のないところでは、春の天皇賞馬・マイネルキッツに注意を払っておきたい。
春天の後の宝塚記念は、いかにも「ピークは前走でした」という内容。前走の京都大賞典は休み明けの叩き台。使われつつ良くなるタイプだけに一変とまではいかないかもしれないが、今回は斤量2キロ減。中団のインから直線で抜け出してくる“この馬のパターン”にハマれば、食い込みがあってもおかしくない。
あとは、外国馬のシンティロ
今回参戦する外国馬の中では最も格下に見られているが、新聞の調教欄に載っている“軽めに追い切り”の前日に、実は東京芝コースで10Fの追い切りを行っている点に注目。このあたりの陣営の“やる気”は少々不気味だ。
さらに、前走60キロを背負って走っているのはこの馬だけ。馬体重(調教後)は454キロと出走馬の中では最も軽い馬だけに、3キロの斤量減は有利に働くだろう。

あとは、当日の馬場状態。予想以上に渋るようならば、先行馬の残り目も頭に入れておいた方がいいかもしれない。
中でも、坂路で49秒台の調教時計を出したエイシンデピュティは要注意。長欠明けの3戦目。休養前の宝塚記念では重馬場を逃げ切っている。(もっとも、不良馬場のダービーで2着に入ったリーチザクラウンとの“行った・行った”で、「GⅠ3週連続の前残り」という結果になると、さすがに笑えないが・・・)

ともあれ、今週こそ、「これぞGⅠレース」という好勝負を期待したい。



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■コメント

■復活V~ [ジェシー]

いぃ競馬!これぞ競馬! 3単フォーメーションで①ウォッカ&スクリーンヒーロー②エイシンデピュティ③ウォッカ&スクリーンヒーロー&エアシェイディ&リーチザクラウンで現場に行き、見守りました! エイシンデピュティがハナにたち、スローになると思いました(^0^)しかし… クラウンが(返し馬では力んでる様子)いっちゃった~ この時点で馬券は終わったと…(笑) しかし、審議が終わり、掲示板に5番が載った時は興奮しました(^0^) 僕はウォッカは衰えたとは思っていませんでした。ペースしだいだと… スローでも瞬発力勝負に負けたカンパニーは引退。今度こそ!っと。因みに競馬のツボⅡ、Ⅲは持ってるのですが、最初の方はないので(笑) 今週買う予定です。

■ジェシーさんへ [安東 裕章]

こんばんは。

ジャパンカップはいいレースでしたね!
『復習』のブログはクールにわりと書いていますが、実を言うと、その日のうちにVTRを20回以上も見直して、夜半まで興奮しておりました!(笑)

ウオッカは衰えたのではなくてペース次第、というのにはまったく同感です。
私は、リーチザクラウンが行くだろうと思い、スローにはならないだろう=ウオッカが勝つだろうと信じていました(現場で見たかったなあ・・・)。

こういうレースをこれからもたくさん見たいですね!

追伸:コメント&ツボのお買い上げ、ありがとうございました!(笑)
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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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