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■ジャパンカップダート・予習

秋のダート頂上決戦・GⅠジャパンカップダート。
前売り1番人気はエスポワールシチー(3.3倍)。
5カ月の休みを挟んで現在3連勝中。特に、前走の交流GⅠ・南部杯は、2着のサクセスブロッケンに0.7秒差をつける圧倒的な逃げ切り勝ちで、4歳秋を迎えて“充実”“本格化”を感じさせる内容だった。
フェブラリーSや南部杯の走りから「逃げ馬」というイメージが強いが、番手の競馬(3走前のマーチS)やマクリ差し(2走前のかしわ記念)も可能。脚質に自在性があることもこの馬の強味だ。
ダート戦はここまで〈7.1.0.1〉(唯一の着外はフェブラリーSの4着)。1800mの距離実績は〈2.1.0.0〉。数字的にも十分強調できる。
前走から2カ月の間隔が空いたことを不安視する声もあるが、陣営によれば「JCダートを目標にピークに仕上げるために、JBCクラシック(11月3日開催)はパスした」とのこと。ローテーションに関しては、さほど気にする必要はないだろう。
問題は、最内枠に入ったこと。
コース形態を基準にすれば、1枠1番は“絶好枠”と言えるだろう。阪神・ダート・1800mのコースは1コーナーまでの距離が短い。したがって、ロスなく好位を取りたい先行馬にとっては、内枠の方が断然有利になる。実際、最内枠に入ったことでエスポワールシチーを本命にしたという競馬記者もいるほどだ。
しかし、一方で、最内枠に入ったために“ハナを切らざるを得ない”状況になったことも確か(過去に3番枠より内に入ったのは4回あるが、いずれも“逃げ”の作戦に出ている)。単騎逃げが見込めるメンバーならば、それでもかまわないが、今回は“前へ行きたい馬(好位に付けたい馬)”が多く揃ったレース(しかも、そのいずれもが有力馬である)。
番手からのマークも厳しくなるだろうし、同型の出方次第では無理な競り合いを強いられるおそれもある。番手に控えて他馬を行かせる作戦もあるだろうが、外から次々と被された場合には、内にいる分だけポジションが悪くなるリスクも生じる。
つまり、今回のように先行馬の多いレースでは、内枠を利してハナを切ることが必ずしも得策ではないという考え方もできるのだ。事実、エスポワールシチーを管理する安達調教師は「できれば(前で競馬をしたいと宣言している)外国馬より外の枠が欲しかった」とコメントしている。“内の逃げ馬をマークして外から仕掛ける”というのは、好位先行馬が勝つための常套手段。脚質に自在性があるだけに、そういう競馬をしたかったというのが陣営の本音だろう。
もちろん、エスポワールシチーがハナを切って、そのまま逃げ切ってしまうケースも十分考えられる。現在の充実ぶりからすれば、その可能性は高いかもしれない。ただし、ここまで書いてきたように、スポーツ紙や専門紙の記者が言うほど、今回の最内枠が有利であるとは思えない。

GⅠ8勝の実績を持つ7歳馬のヴァーミリアン
昨年のこのレースでは3着に敗れ、フェブラリーSも6着。その時点では“衰え”の声も聞こえてきた。しかし、その後は放牧で立て直し、6月の帝王賞を完勝。前走・JBCクラシックでは堂々の3連覇を成し遂げた。
実績に関しては、言うまでもなく、ナンバー1の存在ではあるが、この馬に関しては不安要素も目立つ。
まず、時計的な問題。ヴァーミリアンの場合、地方交流戦では圧倒的な強さを見せるが、ここ最近の中央の高速決着では分が悪い。昨年のJCダートでは直線で伸びを欠き、レコード決着となった今年のフェブラリーSでは追走するのがやっとの状態。しかも、いずれのレースとも、自己の持ち時計を更新しての結果である(言い換えれば、それまで以上のタイムを出しながら負けたということ)。
先行馬が揃った今回のレースは、緩みないペースと速い決着が予想される。はたして、この馬の“速力”が対応できるかどうか。
もうひとつは、ローテーションと馬体重の関係。近2走はいずれも4カ月の休み明けで勝利を飾っているが、馬体重に注目すると減り続けていることがわかる。休み明けを“目イチの仕上げ”で使ったと考えることもできるだろう。今回、中4週でのレースで、これがどのように影響するか。馬体減が必ずしもマイナスというわけではないが、少々気になる材料だ。

フェブラリーSをレコード勝ちで制したサクセスブロッケン
スピード自慢の快速馬だけに、速い流れになるのは、この馬にとって歓迎だろう。
もっとも、前走の武蔵野S10着はあまりにも負け過ぎ。陣営は「59キロの斤量が響いた」とコメントしているが、本来の予定であったJBCクラシックを除外された影響もあったようだ。
心配なのは、馬自身のダメージ。大敗した次のレースで巻き返すケースもあるが、59キロを背負ってハイペースのレースを先行したのであるから、消耗はかなり大きいはず(精神的にも)。
しかも、除外されたJBCクラシックの代わりに武蔵野Sを使ったのであるならば、その時点では“たとえ斤量を背負うことになっても、本番までにもう1走使わなければならない”程度の出来にしかなかったという見方もできる。つまり、サクセスブロッケンは復調途上で“予定外”のダメージを負ったわけである。
今回、斤量が2キロ減ることは有利に違いないが、それ以上に回復度が気になる。

ヴァーミリアンが勝ったJBCクラシックでアタマ差の2着に粘ったマコトスパルビエロ
安藤勝騎手の騎乗で4戦連続連対中。安定感という点では狙える1頭だ。
馬場差があるとはいえ、1800mの持ち時計・1分48秒1はメンバー中トップ(ワンダースピードも同じ時計)。阪神ダートも〈1.0.1.0〉という結果を残している。
あとは、道中の位置取りだろう。1枠の先行2頭を見る形で好位を進むことができれば、この馬の好走パターンになるだろうが、好位を主張したい馬が次々と押し寄せ出入りの激しい競馬になると、道中での消耗によって直線で伸びを欠くことにもなりかねない(もっとも、これについては先行馬全般に言えることではあるが・・・)。

JBCクラシック3着のワンダースピード
遅咲きの7歳馬だが、「GⅠを狙える最後のチャンス」と、陣営の期待度は高い。
ただし、中間の調整で、フレグモーネを発症して休んだ点は割引(陣営は「影響なし」と語っているが)。休み明け2走の走りが、休養以前に比べてもうひとつピリッとしていないところも気になる。
とはいえ、1800m戦では6勝という実績の持ち主。あっさり“消し”というわけにはいかないだろうが・・・。

同じ7歳馬でも、昨年の2着馬・メイショウトウコンは面白い存在かもしれない。
この馬の弱点は“輸送が苦手なこと”。前哨戦でいい走りをしながら、東京で行われるダートGⅠで結果を出せなかったのは、そのためだと言われている。昨年からJCダートが阪神開催に変更になったが、輸送の少ない関西圏内のレースになった途端に2着となった。
加えて、冬場に調子を上げるタイプ。関西圏で冬場のダートという条件に限れば〈2.2.1.0〉の実績を持つ。夏場を休みに充て、JBCクラシック(4着)を使って本番というローテーションは、陣営の思惑通りだろう。
ただし、後ろから行ってマクリ気味に進出するのが好走パターンだけに、展開に左右される面は否めない。先行馬が隊列を作って、落ち着いた流れになった場合は届かないケースも考えられる。
さらに、この馬も休み明けの前走で馬体重を減らしている(9キロ減)。直前の気配や状態面での注意は必要だろう。

今年のダート戦線は“強い3歳馬”を抜きにしては語れない。
このレースにも、5頭が出走してきた。

古馬混合のダート戦を3連勝中のワンダーアキュート
前走の武蔵野Sでは先行馬が脱落する中、2着に0.3秒差の逃げ切り勝ち。非凡な能力を見せつける結果だった。今回は〈3.0.0.1〉と得意としている阪神コース。人気の一角(3番人気)に支持されるのも当然だろう。
もっとも、今回に関しては不安点もある。
まず、大外枠。先にも述べたように、1コーナーまでの距離が短い阪神・ダート・1800m戦では、外枠よりも内枠の方が好位を取りやすい。無理に押し上げていったり、最後まで外々を回らされる展開になると、脚を使わされて失速するケースも考えられる。
さらに、夏場から休みなく走っている点も懸念材料。激走が続くとどこかで疲労のピークを迎えるというのは、同じ3歳のトランセンドの例でもわかる。まして、前走は輸送があったとはいえ、マイナス14キロの馬体重での激走。調教後の計量ではプラス18キロと戻してはいるが、蓄積された疲労と前走の反動が心配だ。

8月のレパードSの後、ひと息入れ、武蔵野S→トパーズSと短い間隔を使ってきたシルクメビウス
当然ながら、中間の調整は軽目だが、叩き3走目の上積みは見込めそうだ。
前走のトパーズSでは、上がり3F・36秒6の脚を使い、2着馬に0.8秒差をつける圧勝。ハマった時の末脚のキレは強豪の古馬相手のGⅠでも侮れない。差し馬が台頭する展開を想定するならば、買い目から外せない1頭だろう。

前走、JBCスプリントを制したスーニ。1800mの距離は長いと思われがちだが、3歳限定戦とはいえ、2戦2連対の実績がある。距離適性が明確に決定していない3歳馬だけに、軽視は禁物だ。
ただし、1800mのGⅠに出走するにあたって、近2走で1200mと1400mを使った臨戦過程は、少なからず疑問ではあるが・・・。

唯一の牝馬・ラヴェリータ。前走の武蔵野Sは、直線の追い込みだけで5着。以前は前々の競馬をしていただけに、この末脚には正直驚かされた。
近6走を確認してみると3勝3着外。しかし、3着外のうち2走は芝のレースで、あとのひとつは芝からスタートした武蔵野S。つまり、芝の部分がなければ3戦3勝であり、今回のレースがダートコースからのスタートということを考えると、激走の可能性がないとは言えない。あとは、1800mの距離(〈0.0.0.2〉がどうかだろう。

ダートに限れば〈2.1.2.0〉というゴールデンチケット。この馬の場合は、同型の先行馬との兼ね合い、力関係がカギになりそうだ。ルメール騎手がどのように仕掛けていくかに注目したい。


今回のレースも、予想のポイントになるのは「展開」だろう。
“快速自慢”の先行馬が揃った上に、外国馬のティズウェイも“逃げたい宣言”をしている。
前を重視するか、後ろを重視するかが、予想の分岐点になりそうだが、武蔵野Sのように、逃げ馬が残って2・3着が差し馬というケースも考えられる。あるいは、差し・差しで決まって逃げ馬が3着に残るという可能性もある。
加えて、世代間の“力の差”というものも、検討しなければならない。
正直言って、難解なレース。と同時に、目が離せない一戦でもある。




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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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