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■ジャパンカップダート・復習

3馬身半差の圧勝!
GⅠジャパンカップダートは、1番人気のエスポワールシチーが堂々の逃げ切り勝ち。GⅠ3連勝を飾った。

レースのポイントとなったのは1コーナー。
最初の直線でハナを切ったのは外国馬のティズウェイだったが、エスポワールシチーはコーナーワークを利して先頭へ。マイペースに持ち込むと、まったく危なげのない走りを見せ、直線では後続を一気に突きはなした。
佐藤哲騎手は「逃げる作戦はゲートを出てから決めた」と語っていたが、「できれば逃げたくない」というのが“本音”だったようだ。『予習』の中でもふれたように、目標にされるリスクを避けたいがゆえに、陣営は“ティズウェイに行かして好位から差す競馬”がベストと考えていたフシがある。実際、追い切りの走りも“終い重点”。明らかに差す競馬を意識したものだった。
それでも、あえて逃げの作戦に出たのは、1コーナーまでの他馬の出方(=無理な競り合いを仕掛けてくるかどうか)を見て、佐藤哲騎手が「逃げた方が勝つチャンスが大きい」と瞬時に判断したからに違いない。そして、結果的には、この“一瞬の判断”が、エスポワールシチーの最大の勝因であったようにも思える。
事実、ハナに立ったエスポワールシチーに競りかけてくる馬はいなかった。他のジョッキーたちにしてみれば、強い逃げ馬と競り合えば共倒れになることも、道中で必要以上に脚を使えば直線で失速することもわかっている。向正面でマコトスパルビエロが2番手まで進出してきたが、それ以上被せることはしなかったのもそのためだろう。
先行激化のハイペースも予想されたレースだったが、終わってみれば淡々と流れた平均ペース。勝ち時計の1分49秒9は昨年のレースよりも0.6秒遅かった。にもかかわらず、先行勢の残る競馬にならなかったのは、エスポワールシチーが後続に息を入れさせない“絶妙な逃げ”を打ったからだろう。言い換えれば、後続に余力を残させない走りだったということ。すなわち、“強い逃げ馬”の証明である。
今後は、海外遠征(ドバイ)も視野に入れて調整されるという。まだまだ伸びしろがありそうな4歳馬。今後の活躍を大いに期待したい。

2着に入ったのは、3歳馬のシルクメビウス。最後は上がり36秒9の末脚で伸びてきた。
勝ち馬に3馬身半の差をつけられたものの、この馬の力は十分に発揮できたと見ていいだろう。「もう少し速いペースになってくれていれば・・・」と領家調教師は悔やんだが、道中行きたがることもなく脚を溜める競馬ができたことは大きな収穫。“末脚のキレ”という武器を完全にモノにしたという印象だ。
今後の課題を述べるならば、展開に左右されない走りができるかどうかだろう。今回のレースは、言うならば、逃げ馬以外は前が崩れた展開。スローペースで前が有利な流れになった時に、好位から同じような脚を使えるようになれば申し分ない。いずれにしても、今後が楽しみな3歳馬である。

3着には同じく3歳のゴールデンチケットが入った(12番人気(単勝42.7倍)の人気薄であったために3連単は13万馬券となった)。
『予習』では「ダートに限れば〈2.1.2.0〉」という数字を提示したが、近2走は古馬混合戦のダートで馬券に絡む結果を残していたのだから、もう少し高い評価を与えてもよかったかもしれない。しかも、2走前のシリウスS(ハンデGⅢ)では、今回3番人気に支持されたワンダーアキュートよりも重い斤量を背負わされているのだ。JRAのハンデキャッパーは、少なくともその時点では「ワンダーアキュートよりも能力が上」と評価していたわけである(このあたりに注目しなかったことは大きな反省材料)。
とはいえ、好走の理由は、やはりルメール騎手のペースの判断と手綱さばきだろう。これまでの先行策ではなく、一転して差しの競馬。理屈としてはわかっていても、実際に馬にその走りをさせることができるのは、トップジョッキーの技術以外なにものでもない。“先行・差し兼用”“芝・ダート兼用”となれば、なかなか面白い存在。クセ者の森厩舎が今後どのような使い方をしてくるのか興味深い。

4着はサクセスブロッケン。終始エスポワールシチーをマークする位置でレースを進め、4コーナーから直線を向いたところでは、射程圏に捕らえたかのようにも見えたが、最後は力尽きた格好だ。
内田騎手は「春のデキにはなく、まだ復調途上の段階」とコメントしたが、やはり状態面が完全ではなかったということなのだろう。
とは言うものの、道中におけるこの馬ならではのスピードに乗った走りには見応えがあった。来年のフェブラリーSには、ぜひとも万全の状態で出走してきてほしい。

5着にはアドマイヤスバル。この馬の場合、5戦連続での連対実績はあったものの、一線級との対決が続いたわけではなく、加えて、前走は1400mのJBCスプリントを走ったこともあって、『予習』では取り上げなかった。
勝浦騎手自身も「この相手にこれだけやれるんだから力をつけている」と驚いた様子だったが、一線級との対戦でなくても常に結果を残せるというのは、いわゆる“相手なりに走れる馬”なのかもしれない。このタイプは、能力の判断が難しいが、人気や実績に関わらず一応のマークが必要ということだろう。

3歳馬で最も人気となった(3番人気)ワンダーアキュートは6着。残念ながら掲示板にも載れなかったが、外々を回らされる不利な展開の中で、この着順に踏みとどまったと考えれば、むしろ健闘の部類に入るだろう。
もっとも、自分から仕掛けていけなかったのは減点材料。多少の調子落ちがあったのかもしれないが、直線を向くまでにエスポワールシチーに迫る脚を見たかった。

2番人気の支持を受け、GⅠ9勝目を狙ったヴァーミリアンは8着。この結果については、石坂調教師も武豊騎手も落胆を隠せないようだ。両者の口からは「原因がわからない」という重いコメント。早急に敗因を究明する必要があるだろう。
『予習』では、「時計的に対応できるかどうか」という不安要素を取り上げたが、レースタイムもペースそのものも、この馬にとって決して厳しいものではなかったはずだ。にもかかわらず、4コーナーの出口でエスポワールシチーがペースを上げ、一斉に馬群が動いた時に、ヴァーミリアンは“置かれた”状態になった。スピードの変化に対応できなかったという点においては、「この馬の“速力”に問題がある」という見方もあながち的外れではなかったかもしれない。
それにしても、負け方が深刻である。不利があって仕掛けが遅れたのではなく、仕掛けても反応が鈍い。これは、明らかに“衰え”の症状である。
はたして、復活はあるのか。今後の動向に注目したい。

終わってみれば、エスポワールシチーの強さだけが際立ったレース。
レースの内容はともあれ、“強い王者”が誕生したという結果は、喜ぶべきことだろう。
さらに、注目の3歳馬も2・3着と健闘した。今回出走した馬以外にも、シルクメビウスらと好勝負をくり広げた馬が何頭もいる。
“ヴァーミリアンの敗北”によって、世代交代は完了したとも言われているが、それはすなわち“4歳対3歳”の世代闘争の幕開けでもある。
層が厚く、実力伯仲と呼ばれるダート戦線。今後の戦いから目が離せなくなりそうだ。



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■コメント

■Re: ジャパンカップダート・復習 [すだち坊主]

JCのときは名前を書いてなくてすみませんでした。

ジャパンカップダートでは確かにゴールデンチケットの人気はなかったですね。ワンダーアキュートがあれだけ人気になっていたのなら、シリウスステークスのときにハンデが重かったゴールデンチケットの戦績や調子をもう少し注意深くみるべきでした。

この反省をした点をしっかり頭に入れて残り3戦がんばりたいと思います。

■Re: ジャパンカップダート・復習 [ECO]

安東さま、毎度です。もう少し先頭争いしてくれるのかと思っていましたが、期待ははずれ、馬券は・・・。今週も展開を予想しますが、日々これ精進なりですね。

■失敗しました [アラキ]

安東さん、お疲れ様です。
ジャパンカップダートはエスポワールとヴァーミリアンのどちらを軸にするかを迷い、結局は実績のヴァーミリアンから買いました。
安東さんのブログを読んで、ヴァーミリアンに不安要素があることは理解できたのですが、まさかここまで負けるとは・・・。正直、「ブログのヴァーミリアンに対する評価は低すぎるのでは?」と思いましたが、今週もまたその通りの結果になったので、感服いたしました。
ますますこのブログのファンになりそうです。
これからも質の高い見解で我々に刺激を与えてください。

寒さが厳しくなってまいりました。健康に気をつけてお過ごしください。

■ルメール恐るべし [うに]

エスポワールシチーの勝ちっぷりも見事でしたが、それ以上に私が驚いたのが、ゴールデンチケットが差して来た事です。
当然、先行するものだと思っていたので、位置が後ろだったのが「?」だったんですが、いつの間にかやって来ていたのには、目を疑いました。

『シリウスS』の時は買っていたのに、今回このメンバーの中では、目立たなくなった感がありました。(他の馬が派手すぎて。笑)

私は、マコトスパルビエロの粘り強さに賭けたのですが、駄目でしたね(泣)。

余談ですが、地方の交流戦に中央の馬が出ると、地元の馬がかわいそうで仕方ないです(笑)。
一流の騎手が地元に来るのは、嬉しいんですけどね。

■すだち坊主さんへ [安東 裕章]

こんばんは。

ゴールデンチケットに関しては、私も大いに反省しています。
ダートでは底を見せていなかったし、ルメール騎手が乗ることを考えれば“脚質転換”も想定できたかもしれません。

この教訓をいかして、残り3週がんばっていきたいと思います。

■ECOさんへ [安東 裕章]

毎度です!

ECOさんのおっしゃる通り、思ったよりも先行激化にはなりませんでしたね。
おそらく、エスポワールシチーがハナに立った時点で、他馬の騎手たちは競りかけることを控えたのではないかと思います。

展開を読むのは非常に難しいですが、実際のレースが自分の思った通りに決まった時の喜びは格別ですよね。
予想の楽しさ。だから、競馬がやめられません!(笑)

■アラキさんへ [安東 裕章]

こんばんは。
ブログの内容を誉めていただいて、大変恐縮です。

ヴァーミリアンが実績馬であることは十分承知していましたが、今回の相手と比較した場合、飛びぬけた能力の持ち主とは思えませんでした。
前走のJBCクラシック勝ちに関しても、2着・3着はマコトスパルビエロとワンダースピード。充実の4歳馬でも勢いのある3歳馬でもなかったわけですから。

まだまだ未熟ではありますが、これからもがんばって検討を続けていきたいと思います。
ぜひまた遊びにきてください。

■うにさんへ [安東 裕章]

こんばんは。

うにさんのおっしゃる通り“ルメール恐るべし ”でしたね。
またしても「ルメールマジック炸裂」という感じでした。
たしかに、ゴールデンチケットという馬は“ダートのスペシャリスト”というイメージがない分、他の馬よりも地味に思えました。
ただ、『復習』でも書いたように、注意深く検討していれば穴候補としてマークできたかもしれません。
反省です!

地方交流重賞は、「地方競馬を盛り上げる」という建前はあるのですが、実際は中央のダート馬が賞金を稼ぐ場、あるいは、中央のGⅠへの叩き台の場になっているような気がします。
なんとなく寂しいですね。

■やっぱりかぁ [電気羊]

ほんとにエスポワールシチー強かった。まぁ、わかってはいましたけどね……。
馬券も完敗。シルクメビウスが上がってきて、サクセスブロッケンとのワイド的中と喜んだ次の瞬間、外からかわされ万事休す。
シルクは前走トパーズSで、単複+ワイド2点的中で“お世話”になったし、今回も狙ってはいました。難解なレースだったし単複でとも考えましたが、中1週が気になり勝負出来ませんでした。
あと、エスポワールシチーの臨戦過程を不安視する情報に引っ張られたのが今回の敗因でしょうか。

昨年

■お返事ありがとうございます[e:291] [うに]

これから2週続けて、来年のクラシックを占うレースがありますね。
予想は難航しそうですが、“原石探し”も楽しみです。
あ、ルメールさんは私の中で“要注意人物”になりました(笑)。
意外と若いので、驚きました。(自分より年下でした…)

■電気羊さんへ [安東 裕章]

こんばんは。

もう少しで的中の馬券、惜しかったですね。
エスポワールシチーのローテーションについては、間隔が空きすぎた感もありましたが、中間も佐藤哲騎手が付きっきりで乗っていましたから。目標のレースに向けて万全のように思えました。
シルクメビウスは今後が楽しみですね。後方からの競馬におさまらずに、自在の脚を使えるようになれば、さらに活躍が期待できそうです。

■うにさんへ [安東 裕章]

こんばんは。
毎回、丁寧なお礼の言葉をいただき、ありがとうございます。

阪神JFと朝日杯FSは難しいですね~(笑)。
どの馬も走りが完成されているわけではないので、能力差も展開も読みにくいです。
しっかりとレースを見て、来年のクラシックへ向けての参考材料にしたいですね。
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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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