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■阪神JF・予習

暮れの2歳女王決定戦・阪神ジュベナイルフィリーズ。
重賞勝ち馬4頭を含むフルゲート18頭。キャリアが浅く能力比較の難しい2歳GⅠということもあって、人気も割れ気味。大混戦と言っても差し支えないだろう。
阪神競馬場が改装された2006年以降の3年間の傾向を見ると、連対馬6頭のうち5頭が前走で1600m以上の距離で連対を果たしている。過去3年の勝ち馬は、ウオッカ、トールポピー、ブエナビスタと、いずれも末脚の決め手を持つ馬。直線の追い比べになりやすい阪神・芝・外回りコースの形態を考えれば、“マイル以上の距離”での好走歴の有無は、ひとつの判断基準と見なしていいかもしれない。
もうひとつ特徴をあげるならば、1勝馬が好成績を上げていること。昨年の勝ち馬・ブエネビスタも抽選をクリアして出走が叶った1勝馬だった。過去の戦績やクラス実績だけはではなく、近走の内容にも注意が必要ということだ。

前売り段階で1番人気に支持されているのは、夏の新潟2歳Sの勝ち馬・シンメイフジ(単勝4.3倍)。
その新潟2歳S(新潟・芝・1600m)は、上がり3F・32秒9の脚で4コーナー最後方から一気の差し切り。圧巻の勝利だった。
前走後はここを目標に調整。専門紙・スポーツ紙による調教の採点も高く、当初から予定であるのならば、“3カ月の休み明け”に関してはさほど不安視する必要はないだろう。実際、昨年の朝日杯FSを制したセイウンワンダーも新潟2歳Sから直行するローテーション(新潟2歳Sの勝ち方も同じ大外一気で鞍上も同じ岩田騎手)だった。
8枠16番という枠順も、外目から末脚で勝負するこの馬にとってはむしろ好材料。阪神・外回りコースの決め手勝負になる展開になれば、十分に持ち味を発揮できるはずだ。
問題は馬場の回復状態。午後から再び雨が降り出した土曜日、10Rに行われた六甲アイランドS(芝・1400m・小雨・良)のレースの上がりは35秒7。出走馬18頭中、上がり35秒台を切った馬は1頭もいなかった。「シンメイフジの上がり32秒9は時計の速い新潟の馬場でマークしたもの」ということを頭に置いた上で、時計の出る馬場かどうか、あるいは、決め手を活かせる馬場かどうかといった判断が必要になるだろう。

前走、500万クラスの赤松賞(東京・芝・1600m)をレコードタイムで制したアパパネ
大外枠から外々を回らされる展開だったが、直線で抜け出すと一気に後続を突きはなす強い勝ち方だった。東京の芝・1600m戦は未勝利戦でも経験しているが、その時の時計を1秒4縮めたことも立派。走りや気性の成長分が数字に表われたと見てもいいだろう。今回は早めに栗東入りして調整。このレースへ向けての陣営の勝負気配も高い。
不安点をあげるならば枠順。大外枠は前走でも経験しているが、陣営は「できれば内枠が欲しかった」とコメント。“大外は前に馬を置けないために掛かりやすくなる”というリスクを考えた上での発言である。
まして、阪神コースは東京よりもカーブが急なため、外に振られることが多い。後方からの競馬を決め込むならば別だが、中団の好位置でレースを運びたいこの馬にとっては、少なからずマイナスの影響があるかもしれない。鞍上の蛯名騎手がどのようなポジションを取るかがカギになりそうだ。
あとは、前走レコード勝ちの反動にも一応の注意を払っておいた方がいいかもしれない(直前の状態など)。

前哨戦のファンタジーS(京都・芝・1400m)を最後方から差し切ったタガノエリザベート
この馬の末脚も侮れない。シンメイフジと同様、阪神・外回りコース向きの脚質と考えていいだろう。1600mは2走前のデイリー杯2歳Sで経験済みだ。
もっとも、決め手勝負の馬だけに、展開に左右されるリスクは高い。陣営のコメントも「前が残ったら仕方ない」と“末脚勝負”を匂わせている。前走に関して言えば、人気薄だったからこそできた“一か八か大駆け”という見方もできる。道中で前走と同じように脚を溜めることができるかどうか。鞍上の川田騎手が勝ちを意識して仕掛けどころが早くなるようなことがあると、伸びを欠くケースも考えられる。

タガノエリザベートが勝ったファンタジーSで1番人気に支持されたラナンキュラス
結果は4着に敗れたが、今回も上位人気になっている。“スペシャルウィーク×ファレノプシス”という血統も魅力だが、「前走で揉まれる競馬を経験したことが今回の巻き返しにつながる」という点も人気の理由だろう。
ただし、1600mに関しては未経験。血統がそのまま反映されればクリアできる距離には違いないが、過大な評価を与えるのは危険だろう。事実、厩舎サイドも「本格化するのはまだまだ先」とコメントしている。新馬戦、りんどう賞では“素質の高い走り”を見せてくれただけに、ノーマークにはできないと思うが・・・。

ファンタジーSで2着に入ったベストクルーズ
堅実性といった部分では、前述の2頭(タガノエリザベート、ラナンキュラス)よりも上という評価もできるだろう。松田博調教師も「安定感ならば(同厩の)タガノより上」と公言している。好位に付けてゴールまでしっかりと脚を使える走り。決め手勝負の馬が不発に終わる可能性も視野に入れるならば、こうしたタイプの馬は押さえておいた方がいいかもしれない。
もっとも、GⅠを勝ち切れるかというと、少なからず疑問だ。“強さ”のインパクトに欠ける点は否めない。単勝8番人気という低い評価も、そのあたりに理由があるのだろう。

前走、牡馬混合のGⅡ・京王杯2歳S(東京・芝・1400m)で2着に入ったアニメイトバイオ
出遅れて後方からの競馬になりながらも、最後方から驚異的な追い上げ(稍重馬場で上がり34秒0)を見せて連対を確保。2走前のサフラン賞(同じく東京・芝・1400m)はレコード勝ちで、この時は中団からの抜け出しだった。
この2戦の走りから、アニメイトバイオには「どんな競馬にも対応できる勝負根性のある馬」という印象を持つことができる。1600mも経験済み。今回、鞍上を内田博騎手に変更したことも、陣営の勝負気配の表われと見ることもできるだろう。
問題は、初の関西輸送。国枝厩舎がアパパネを早めに栗東入りさせたことでもわかるように、幼い2歳馬にとって環境の変化は“心身に与える影響”のリスクが伴う。直前の気配、状態面には注意を払いたい。

新馬戦勝ちから抽選をクリアして出走してきたタガノパルムドール
2年前の2着馬・レーヴダムールもこのパターンで好走した。新馬戦の内容も決して悪くない。京都・芝・1600mで1分34秒4。ただし、このレースが内回りコースで行われたもので、長い直線を活かした競馬だったとまでは言えないが・・・。
この馬の場合、本来の予定であった京都・白菊賞(11月29日)を除外されたことがポイントになりそうだ。順調に調整されての出走かどうか。調教後の計量ではマイナス12キロの馬体重。デビュー戦の体がいくぶん緩かったとはいえ、少々気になる材料だ。

函館2歳Sの勝ち馬・ステラリードと小倉2歳Sを制したジュエルオブナイルもここに駒を進めてきた。
ただし、重賞実績はあるものの、今回に関しては強調材料は乏しいようだ。
ステラリードは休み明けとなった前走・ファンタジーSで6着(2番人気)。1走叩いた上積みは期待できるかもしれないが、距離未経験は不安材料だ。
ジュエルオブナイルは3カ月の休み明け。デビューから3戦はいずれも小倉の芝1200m戦で、この馬も距離克服が課題になるだろう。

レース展開についてだが、これはなかなか読みづらい。
内枠を引いたジュエルオブナイルあたりが逃げるようにも思えるが、絶対にハナを主張するという馬が見当たらない。となれば、ペースはそれほど速くはならないだろう。
仮にスローペースと考えた場合、直線の瞬発力勝負になるスローなのか、前が残るスローなのかが予想のカギになりそうだ。
“差し有利”ならば、人気薄でもタガノガルーダが面白そうだ。
前走・白菊賞(京都・芝・内回り1600m)では、後方13番手からの追い込みで、メンバー最速の上がり34秒5の末脚を発揮して4着。外回りコースに変わって直線の長くなるのはプラス材料と考えていいだろう。シンメイフジ、タガノエリザベートといった末脚のキレで勝負する馬たちと“連れて上がってくる”展開も考えられる。
逆に“前が有利”ならば、グローリーステップが気になる。
関東馬だが、抽選を通る前から栗東入りして調整されている。デビューからレース距離を伸ばして前走にマイル戦を経験。1.1秒差の6着という結果から、距離の壁という見方もされているが、加藤征調教師によれば「初の関西輸送の影響があった」とのこと。そのまま栗東に居残った今回は状態が違うはずだ。
2走前のサフラン賞はアニメイトバイオにクビ差の2着。つまり、レコード決着と同タイムということ。決め手が身上の有力馬が目立つ中、好位からレースを進める脚質に注目したい。

過去3年の勝ち馬は、いずれも春の牝馬クラシックを制している。
今年もこのメンバーの中から、クラシックの有力候補が現われるかもしれない。
今後を占う意味でも目が離せない一戦。好レースを期待したい。


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■ジェシーさんへ [安東 裕章]

こんばんは。
コメントが「非表示」になっていましたので、質問を載せた上でお答えします。


安東さんは1日何レース馬券をかいますか?
あともう一つ、1Rを予想するのにどれぐらい時間を使いますか?
よろしくお願いします。


馬券を購入するレース数は決めていません。
「どんなレースになるのかな?」と興味を持ったレースには手を出しますね。
あと、出走馬の走りや力関係がはっきりしない下級条件のレースはほとんど買いません。
馬券を買わないでレースだけを観戦することもよくあります。

予想の時間に関しては、まちまちです。
以前にも同じ質問をいただいたことがあるのですが、私の場合、前日の夜におおよその方針を決めて、朝起きてから改めて検討して、最終的にはウインズに馬券を買いに行く途中で決定することが多いです。
前夜のうちに買い目が決まる時もあるし、マークカードを手にして悩んでいることもあります(笑)。

レースによって予想のやり方(重視するポイントにしても買い方にしても)が変わるので、一概に「こうです!」って答えられないんです(困)。
参考にならなくてすみません。

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安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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