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■阪神JF・復習

2歳女王の栄冠に輝いたのは、関東馬のアパパネ。2着にも関東馬のアニメイトバイオが入り、5年ぶりの関東馬のワンツーフィニッシュとなった。

今回のレースのポイントは“コース取り”。
勝ったアパパネは大外枠の不利が懸念されたが、道中は中団で折り合いをつけて追走。空いた内の潜り込むと、直線は外ではなくインから抜け出し、追いすがるアニメイトバイオを半馬身差をつけて振り切った。
言うまでもなく、これは蛯名騎手の好騎乗である。
内の空いたスペースで脚を溜めた道中の進み方と、混雑する外ではなく直線でインに進路を取った判断。馬群がバラけたという“運”も味方したが、アパパネの能力を存分に発揮させた乗り方だった。ゲート入りを嫌った時点で、「これは引っ掛かるかもしれないな」と思っていただけに、直線で内から先頭に躍り出た時には、思わず「うまい!」と叫んでしまった。
騎手の技術もさることながら、陣営の力も大きな勝因だったと言えるだろう。
2週間前に栗東入りして調整するやり方によって、直前の長距離輸送や環境の変化によって生じるリスクを回避することができた。昨年の2着馬・ダノンベルベール、今年の春天を制したマイネルキッツ、そして今回のアパパネ。いわゆる“栗東留学”によって関西圏のレースで結果を出せたのは、国枝厩舎に“厩舎力(=厩舎の持つノウハウ)”があったからと言わざるを得ない。
いずれにしても、アパパネは今回のレースで、“臨機応変に脚を使える自在性”を見せてくれた。言い換えれば、それは“騎手の意のままに動ける自在性”でもある。2歳の暮れの時点で、これだけの走りができるということは、来春のクラシックが楽しみな逸材であることは間違いない。気性面にはまだまだ課題があるようだが、この先、順調に成長してもらいたい馬である。

2着はアニメイトバイオ。この馬も現時点での能力を発揮できたと考えていいだろう。不安材料だった長距離輸送をクリアできたのも大きな収穫だ。
好位につけて直線で伸びてくるレースぶりには好感が持てるし、アパパネに突き離されそうにながらも食らいついていく“勝負根性”も目立っていた。前走の京王杯2歳Sでは、出遅れながらも最後まであきらめずに追い込む走りを見せたように、この馬はかなりの“精神的な強さ”を備えているように思える。
陣営によれば、「成長過程に合わせて鍛えているので、厳しい仕上げはしていない」とのこと。今後、馬が成長して、ハードな追い切りができるようになれば、これまで以上に研ぎすまされた走りが期待できるかもしれない。

3着のベストクルーズは、この馬の持ち味である“レース巧者ぶり”をいかんなく発揮した。
安藤勝騎手も「レースがうまくて、確実に上位に来てくれる」とコメント。難を言えば、『予習』でも述べたように、“強さ”のインパクトに欠ける点だろう。
ともあれ、どんな展開になっても馬券圏内を外さないのは立派である。安藤勝騎手は「オークス向き」と公言したが、春のクラシックでもノーマークにはできない1頭のようだ。

良血馬・ラナンキュラスは4着。戦前、矢作調教師は「完成するのはまだまだ先」と語っていたが、今回のレースでも、鍛えられた力ではなく素質だけで走っているような印象が強かった。
それでも、落ち着きのなかった前走のファンタジーSよりもしっかりした雰囲気があったし、直線の伸びにも鋭さが加わっていたように思える。
今後の課題は、やはり経験だろう。揉まれる競馬や激しい流れを克服していくことができれば、いずれは今とは別馬のような“強さ”を発揮する姿を見ることができるかもしれない。

1番人気のシンメイフジは5着。大きな出遅れが響いた。
3カ月の休み明けでも、しっかり調整できていたので問題なかったかもしれないが、今回のようなアクシデント(出遅れ)があると、それだけで馬自身がレースに戸惑ってしまうのかもしれない。
4コーナーで馬群が内に密集せず、外に広がったことも、この馬にとっては不利だった。最後はそれなりに伸びてきてはいるものの、できればもっとスムーズに直線を向きたかったのではないだろうか。
今回のレースに関しては、力負けではなく、不完全燃焼といった感がある。

メンバー最速の上がり34秒0の末脚をくりだしたタガノエリザベートは6着。
シンメイフジと併せ馬の形で伸びてきたが、大外へ持ち出した分のロスが内を突いた上位馬との差になったようだ。さらに、前後半のタイムがほとんど同じという、ゆったりとした流れも不向きだったかもしれない。
川田騎手によれば「坂の下りで勢いつけながら追走した前走(ファンタジーS)とは走りが違った」とのこと。『ツボ』の本の中でもふれたことではあるが、同じ外回りコースでも、下り坂のある京都とそうではない阪神とでは、馬の走りに求められるものが違うということだろう。

終わってみれば、1~6番人気に支持された馬が、順番こそ違えど、1~6着に入るという結果になった。
ただし、今回の着順は、展開や条件次第で変わる可能性も十分ある。
馬群がもっと凝縮される展開だったならば、アパパネが行き場をなくしていたかもしれないし、内が荒れて外が伸びる馬場状態だったならば、シンメイフジとタガノエリザベートの追い込みが届いていたかもしれない。
上位4頭が“センスのいい馬”と評されることからもわかるように、今回のレースは、各馬の力量よりも“立ち回りの巧さ”が結果につながったレースと見ることもできるだろう(内を突いた馬が勝ち、外へ出した馬が負けたということ)。
だからと言って、今年の阪神JFが凡戦だったということではない。
昨年のブエナビスタのように、抜けた存在の馬はいなかったが、それは逆に「群雄割拠の世代」を意味するものでもあり、今後の成りゆきが非常に興味深いものになった。
各馬がどのように成長するか、走りがどのように変化するか。
来春の桜花賞に向けて、一戦一戦が目の離せないレースになりそうだ。



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■コメント

■Re: 阪神JF・復習 [ECO]

安東さま、毎度です。土日重賞単複勝負は1勝1敗1引き分けでした。ジュべナイルはホント結果コース取りにつきますね。期待していたタガノエリザべートにはもう少し果敢な競馬を期待しましたが。しかし2,3歳戦線の罠はみな字面がよく、これからも経験が少ない中何をチョイスできるかですね。残り3Fの読みまだまだ反省ロードです。

■当たりましたョ♪ [うに]

と言っても、土曜日の〈中日新聞杯〉の方なんですが。
馬連4頭BOXと、ドリームサンデー軸の3連複3点で的中できました!。
人気薄入りの3連複的中は初めてで、ホントに嬉しかったです。
ただ、ハナ差で4着に入ったトーセンジョーダンを買わなかったので、審議の間はドキドキしました(笑)。

今秋は、逃げ馬と上がり馬には何度も煮え湯を飲まされ、さんざん泣かされたので、今回やっと報われた思いです。


JFの方は、最終段階でアパパネを消さなければ、馬連と3連複を取れていたので残念でした。
ゲート入りを嫌がるアパパネを見て、「しめしめ」と思っていただけに(笑)。
大外の不利を難なくこなした蛯名騎手のウデも凄いし、アパパネの能力の高さも、まだ計り知れない感じがしました。
クラシックが今から楽しみです。


P.S
この間はご丁寧に、お礼のコメントを頂きまして、ありがとうございました♪

■Re: 阪神JF・復習 [すだち坊主]

安東さん
こんばんは。

アパパネは陣営が栗東留学させるなど努力が実りましたね。私は勝手に自分が都合のいいように判断して、2歳牝馬には最近はやりの栗東留学はマイナスになるのではと考えてしまいました。

エリザベートやシンメイフジはあのようなレースしかできないのは経験が足りないということでしょうか。決め手はあるのだからこれから成長し、いろいろなパターンでレースできるようになってほしいですね。

■ECOさんへ [安東 裕章]

毎度です。

今回の阪神JFは、展開そのものよりも、馬群の形態が読みづらかったですね。
あそこまで内が開く形になるとは思いませんでした。
最初から末脚勝負に賭けていたタガノエリザベートには不運な展開だったように思います。

“字面のよさ”ですか・・・見事な表現ですね!
いかに情報を見極めるか。私もまだまだ勉強中です。

■うにさんへ [安東 裕章]

こんばんは。
的中おめでとうございます!
かなりの高配当、やりましたね!!

逃げ馬と上がり馬に煮え湯を飲まされた経験ですか・・・。
予想の際に、そのことを覚えていたことが、今回のうにさんの勝因でしたね。
検証したポイントが身についていたということですから。

3着の人気薄・チョウカイファイトは、騎手的にも狙い目だったと思います。
北村友騎手はケガで休養していましたが、この週から復帰。
その間に、同期のライバル・田中博騎手がエリザベス女王杯でGⅠを勝ちました。
重賞勝ちは北村友騎手の方が先でしたが、GⅠでは先を越されたわけです。
それゆえ、モチベーションはかなり高かったのではないかと。

それにしても、3連複3点であのレースを当てられるとは、お見事です!
その調子でがんばってくださいね!

■すだち坊主さんへ [安東 裕章]

こんばんは。

アパパネの“栗東留学”に関しては、マイナスに作用するリスクもあったかもしれません。
ただし、それをプラスにしてしまうのが、国枝厩舎の“すごさ”、ノウハウを持っている“強味”なんでしょうね。

タガノエリザベートやシンメイフジの脚質については、おっしゃるように、経験不足の部分もあるかもしれませんが、騎手の乗り方(あるいは、調教師から騎手への指示)にも原因があるように思います。
追い込み一辺倒だったカンパニーが、横山典騎手に乗り替わった途端に、先行して勝つことができたように、自在性というのは騎手が教えるものではないかという気もします。
もちろん、まだ2歳馬ですから、これから力をつけていけば変わってくるとは思いますが。

今週末は朝日杯ですが、2歳馬の戦いは「今後の可能性を探る」という意味でも、興味深く重要ですね。

■ありがとうございます♪ [うに]

こんばんは。
誉めていただいて、とてもうれしいです!
激走しそうな穴馬を見つけた時は、テンション上がりますね!
嬉々として予想してました(笑)。
でも、危なっかしい買い目だったなぁと、ちょっと反省です。
実は、安東さんの本を読む前から、買い目は極力少なく馬券を買っていました。
馬券に絡むのは3頭しかいないんだし、と競馬の奥深さを知らない頃はそう簡単に考えて、多くても4頭までしか選んでいなかったんです。(単にケチなだけです)。
ろくに競馬の知識も無い私が、そんな無茶な買い方で当てられるはずもなく、見かねた知人が譲ってくれたのが、安東さんの本です。
特に馬券の頁では、共感しながら読んでいました。
最初は、「えっ、5頭も選んでいいの?」と思いましたけど(笑)、知識が増えた今では、絞ってもやっと半分…な状況です。

騎手の背景にもヒントがあるんですねぇ。
私は、8割方、名前と顔が一致していないぐらい騎手にはうといので、的中向上のためにも調べてみようかと思います。(何人いるんでしょうかね……笑)

それでは、お仕事の方も頑張って下さいね。予習、楽しみにしてます♪

■ [競馬人]

いつもブログを楽しく拝見しています。
自分は競馬のツボを読んでから必ず予習・復習を行っており、作業時間に結構な時間を割いているのですが、
安東さんは予習・復習の時間に1日どれぐらいの時間を
かけてらっしゃるのでしょうか。
また、合計どのぐらい時間をかけてらっしゃるのでしょうか。
できれば予習・復習におけるポイントなども教えていただければ幸いです。
お忙しいところすみませんが、ご回答よろしくお願いします。

■連敗脱出 [電気羊]

2歳戦は自信がないので回避。シンメイフジは危ないと思いましたし、タガノエリザベートにしても、流れの落ち着きがちな阪神マイルでは追い込み不発の予感が。ただ、かと言って何を買えばよいかわかりませんでした。

なので、日曜はカペラSを購入。3着グランドラッチの複勝と、ダイワディライトからのワイド2点的中でやっと連敗脱出です。人気の一角スリーアベニューは、最内に入ったことと昨年ほどの超ハイペースにはならないとみて買わず。中山千二は走るので怖かったのですが幸いでした。

寒さもいよいよ本格化してきましたね。風邪などひいては予想もままなりませんから、お互い気をつけましょう。

■競馬人さんへ [安東 裕章]

はじめまして。
コメント、ありがとうございます。

予習・復習の時間ですが、1日何時間とかレース前日(あるいはレース後)に何時間と決まっているわけではありません。
一応、月曜日売りの競馬週刊誌を購入して、「週末にどんなレースがあってどんなメンバーが登録しているか」といった確認はしますが、買い目の検討に入るのは、枠順が決まってからになりますね。
予想の時間はレースによって様々で、パッと決まる時もあれば、馬券を買う直前まで迷うこともあります。
以前にも、同じような質問をいただいたことがあるのですが、時間に関しては「これくらい」というのがないんです。すみません。

ポイントをあげるとすれば、復習の一環ではあるのですが、そのレースの出走馬が「次回、どのような条件を使ってきたら狙い目になるか(=勝因・敗因の検証)」を考えることだと思います。
つまり、その時点から、すでに各馬についての予習が始まっているわけです。
ですから、予習と復習のどちらに重点を置くかといえば、復習の方かもしれません。
それによって、その先のレースをイメージしやすくなると思いますので。

あと、私の個人的な意見ですが、予想の時間の長さを気にする必要はないと思います。
早ければいいというわけではないですし、長く考えた分だけ的確な検討ができるものでもありません。
たとえ外れたとしても、自分が納得できる予想であれば、それでいいのではないかと思います。

■電気羊さんへ [安東 裕章]

こんばんは。
連敗脱出、おめでとうございます!

2歳戦は、たしかに難しいですね。
走りが完成されていない馬のレースだけに、特に展開に関しては読めない部分が多いです。

カペラS、11番人気のグランドラッチの複勝ですか!
う~ん、シブイ!(笑)
あの馬は昇級戦の前走で差のない競馬をしていましたから、美味しい狙い目だったかも知れませんね。

今年の競馬も残り2週。
寒さに負けないように、がんばっていきましょう!

■ [競馬人]

ご丁寧な回答ありがとうございます。
安東さんの言われたようにレースでの出走馬の勝因・敗因の検討と合わせて次走の狙い目なども考えていきたいと思います。
寒さがより厳しくなってきましたが、お体にご自愛くださいませ。

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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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