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■朝日杯FS・予習

2歳王者の栄誉を手にするのはどの馬か? フルゲート16頭が揃ったGⅠ・朝日杯FS。
はじめに、過去5年の傾向を確認してみたい。特徴は2つある。
まず「実績」。
馬券に絡んだ15頭のうち、13頭が前走で重賞を走っている。その内訳は、東京スポーツ杯2歳Sが5頭、京王杯2歳Sが3頭、デイリー杯2歳Sが3頭、札幌2歳Sが2頭。そして、その13頭中11頭が3着以内の結果を残している(残り2頭も4着、5着)。
したがって、データ的には「重賞で上位に入った実績馬が中心」という見方が成り立つだろう(もちろん、あくまで“過去5年の傾向”ではあるが)。ちなみに、重賞を走らなかった2頭は、ともに前走1番人気で1着だった。
もうひとつの特徴は「枠順」。
言うまでもなく、中山・芝・1600mは、そのコース形態から“内枠有利”。過去5年で3着以内に入った15頭を見てみても、2ケタ馬番で馬券に絡んだ馬は3頭しかいない。特に、13番以降の7~8枠は、いわば“壊滅状態”で、過去10年まで遡っても、2000年のネイティブハート(14番)、2001年のスターエルドラード(13番)、2003年のメイショウボーラー(15番)の3頭を数えるのみである。
これについては、「走りが完成されていない2歳馬にとって、1コーナーで外に振られて道中も外々を回らされる不利は、古馬以上に結果に影響しやすい」と考えることもできる。実際、土曜日の中山9Rに行われた2歳500万下のひいらぎ賞(芝・1600m)では、1番人気に支持されたディオーサが、7枠13番から外を回って直線に向いたものの坂の途中で失速。勝ったのは内で脚を溜めた1枠2番のギンザボナンザだった。“外枠に入った馬は消し”という短絡的な判断はできないが、枠順の有利・不利は検討項目から外せない材料であることは間違いない。

前売り1番人気は、東京スポーツ杯2歳Sを勝ったローズキングダム(単勝2.5倍)。
デビューから2連勝。父・キングカメハメハ、母・ローズバドという“バラ一族”の良血馬である。この馬の強味は、好位置から瞬発力を発揮できること。つまり、前へ行けるスピードとキレを兼ね備えていることだ。
加えて“勝負根性”も光る。東スポ杯で最後までトーセンファントムを抜かせなかった走りは、いわゆる“抜かせない強さ”。着差(アタマ差)以上に内容が評価されているのはそのためだろう。
枠順は4枠8番。外を回らされることもなく、内に包まれるリスクも少ない好枠を引いた。内の先行馬を見ながら追走し直線で抜け出すという、この馬の得意とするレースパターンに持ち込むことができれば、人気に応えることはできそうだ。
問題はペース。中山の芝コースは2コーナーから下り坂が続くため、流れが速くなりやすい。前走の東スポ杯は、1000m61秒1というスローペースだったため、好位→抜け出しの競馬でも脚が残っていたが、今回、追走に予想以上に脚を使わされるようだと、最後のキレが鈍るかもしれない。
マイル戦の経験がなく、陣営も「距離はもっと長い方がいいかもしれない」とコメント。京都・1800m、東京・1800mという、ゆったりとした流れが生まれやすいコースから、窮屈な中山・1600mへ舞台が変わることがどう影響するか。トリッキーなコースだけに、“正攻法の強さ”が通用しないケースがあることも頭に入れておいた方がいいだろう。

東京スポーツ杯2歳Sでは、33秒4の末脚でローズキングダムを追い詰めたトーセンファントム
スローペースの上がりの競馬になったとはいえ、この馬の瞬発力は特筆すべきもの。前述の通り、中山マイルは流れが速くなりやすい。道中うまく脚を溜めることができれば、一気の差し切りも期待できる。鞍上が騎乗実績〈2.0.0.0〉の内田騎手に戻るのもプラス材料だ。
ただし、今回は8枠15番。そのため、後方から外を回って直線勝負という形になる可能性が高い。となれば、課題はマクリ気味に進出できるかどうかだろう。直線の短い中山コースでは、3~4コーナーから加速を開始しなければ、差しが届かないケースが多いからだ。
トーセンファントムのデビューから3戦の通過順位を見てみると、4→3→2、10→11→10、14→11→12。ポジションを上げながら直線を向くというレースを経験していない。“中山コース向き”の走りができるかどうか。内田騎手の乗り方がカギになりそうだ。

東スポ杯組からはもう1頭、ニシノメイゲツが出走する。
その東スポ杯は、スローペースだったために若干掛かり気味の走り。先行して6着に粘りはしたが、1・2着馬には大きく水を開けられた結果だった。
この馬の“買い”の材料は、中山・芝・1600m〈2.0.0.0〉のコース実績だろう。特に、2走前の0P・芙蓉Sでは、外々を回らされた上での差し切り勝ち。1頭だけ次元の違う脚のようにも見えた。
とはいえ、大外16番の不利は否めない。本来、好位からレースをしたいこの馬にしてみれば、ポジションを取りにいくために序盤から脚を使わなければならないからだ。父・デュランダルということで、後方一気にかける競馬を試みるかもしれないが、いずれにしても、道中の位置取りがポイントになりそうだ。

このように、前走で東スポ杯を使った馬には、脚質や枠順に不安要素を見つけることもできるのだが、だからと言って、東スポ杯のレベル自体が低かったというわけではない。
その証拠に、同レースで着順の悪かった馬たちも、次走で良い成績を残している。
5着のダイワアセットは500万・葉牡丹賞3着、9着のスペースアークは葉牡丹賞4着、10着のレッドバリオスは500万2着、11着のアイウォントユーは500万・エリカ賞2着、12着のヤングアットハートは葉牡丹賞2着、14着のオルレアンノオトメはOP・中京2歳Sで2着、といった具合である。
したがって、同世代における能力比較をした場合、東スポ杯出走組はレベルが高かったと考えることもできるだろう。

レースのレベルに関して言うならば、京王杯2歳Sも高く評価されている。
稍重馬場ながら、勝ち時計は歴代3位の1分22秒0と優秀だった。このレースの2着馬・アニメイトバイオが先週の阪神JFで2着に入ったことも、ひとつの裏付けと考えていいだろう。
その京王杯2歳Sを勝ったエイシンアポロン
2走前にはデイリー杯で2着に入り、実績ではトップという見方もある。本来は先行型だが、前走で差す競馬ができたのは大きな収穫。近2走でハイペースのレースを経験していることも強調できる材料だ。枠順は6枠12番。もう少し内目の方がよかったようにも思えるが、不利とまでは言えない枠順だろう。
あとは、この馬向きの流れになるかどうか。4コーナーで馬群が固まって、直線の瞬発力勝負になると、東スポ杯の1・2着馬に比べて分が悪い。ある程度の流れになって、しかも決め手勝負という展開が望ましい。

京王杯2歳Sからは、他にダッシャーゴーゴーキョウエイアシュラの2頭が参戦。
ダッシャーゴーゴーには小倉2歳S2着、キョウエイアシュラには函館2歳S2着の実績があり、ともにスピードを身上とする、いわば“スプリンタータイプ”である。
2頭に共通する不安材料は、マイルの距離経験がないこと。速い流れには対応できるだろうが、最後まで脚が持つかどうかは未知数だ。特に、キョウエイアシュラの場合、7枠14番に入ったことで、外を回るロスが生まれる危険性も高い。
対して、ダッシャーゴーゴーは、内枠を引いたことがプラスに作用するかもしれない。前に馬を置いてインをロスなく回れば距離の克服も可能。京王杯では1番人気に支持された馬。稍重馬場が原因で最後の伸びを欠いたという見方をすれば、良馬場の今回は巻き返しがあっても不思議ではない。

前走、デイリー杯2歳Sを使ったフローライゼ
新馬戦は逃げ切り勝ち、2戦目の新潟2歳Sでは後方からの追い込みで2着と、どこからでも競馬ができる自在性を持ち合わせている。
ただし、前走はまったく見せ場もなく0.9秒差の9着。負け方が悪い。さらに、今回は2ヶ月の間隔が空いたことで、調整面での不安もある。実際、追い切りに関しては辛口の評価が多い。
一変の可能性がないとは言えないが、東スポ杯・京王杯組と比較すると、有力視するまでには至らない。

前走、500万クラスのベコニア賞でレコード勝ちをおさめたキングレオポルド
好位からスッと抜け出す脚があり、後続を突きはなす加速力が光った(上がり3Fは33秒8)。中山マイルは新馬勝ちの舞台。コースを経験している強味もある。なにより、デビューから3戦連続で1600mを使って、そのたびにタイムを大きく短縮しているところに、マイラーとしての資質を感じる。今回の3枠6番も絶好枠だ。
不安点をあげるならば、荒削りな部分だろう。勝ったベコニア賞にしても、前半は折り合いを欠いて掛かり気味だったし、直線で抜け出しからも左右にヨレながら走っていた。
前々のポジションを取りに行きたい馬につられて引っ掛かるようだと、道中の消耗が激しくなり直線で失速する。鞍上のベテラン・柴田善騎手がどのように馬をなだめるか。重賞出走経験のないキャリアの浅さが悪い方に出なければいいのだか・・・。

前走500万を勝ってここに駒を進めてきたダイワバーバリアン
2走前はデイリー杯で4着。デイリー杯→500万勝ちという臨戦過程は、2005年の2着馬・スーパーホーネットと同じである。1枠2番という枠順について、陣営は「前に壁を作って内で脚を溜めることができる」と歓迎ムード。先行力のある馬が内枠に入ったということで、やはりマークは必要だろう。
この馬の場合、新聞各紙でも報じられているように、ソエが治っているかどうかがポイントだ。痛みがあった時は、頭を上げて走るのを嫌がっていたという。中間、放牧先で治療を行ったことで痛みはなくそうだが、まったく影響がないと言い切れるのかどうか。
一応、直前の気配(=返し馬で頭の低い走りをしているかどうか)には、注意を払った方がいいかもしれない。

今回のレース、正直なところ、人気薄の出番はなさそうにも思えるのだが、あえて名前をあげるならば次の3頭。
まず、最内の逃げ馬・バトルシュリイマン
前走、同じ中山マイルで逃げ切り勝ち。1分35秒1という時計は強調できるものではないが、今回、枠順の利を活かしての思い切った逃げができれば、残り目があるかもしれない。
次に、堅実さという観点から、2枠3番に入ったヒットジャポット
デビューから5戦、掲示板を外していない安定感と、前走で差しの競馬で勝ったことで脚質が広がった点が“買い”の要素にも思える。
最後に、5枠10番のツルマルジュピター
2走前には京王杯2歳Sの3着。クリスマスローズSを挟んだことでローテーションはきつくなったが、そのクリスマスローズSで番手の競馬ができたことは大きい。1600mは3走前のいちょうSで12着に敗れているが、陣営によれば「左回りだとモタれる」とのこと。スタートを決めて好位をキープできれば、好走の可能性があるかもしれない。

最後に、このレースのポイントだが、ひとつの基準として、出走各馬の走りを見て「距離が伸びた方がいいタイプ」なのか、「広いコース(あるいは直線の長いコース)の方がいいタイプ」なのか、「マイルがベスト」なのかといった“適性”を考えるようにしたい。
つまり、春のクラシックを念頭に置いた“レースの見方”が必要ということである。
そういう意味でも、すでにクラシック級という声も聞こえるローズキングダムとトーセンファントムの走りには特に注目したい。
はたして、この2頭は“マイルGⅠ向き”の走りができるのか。それとも、単なる通過点に過ぎないと思えるほどの“大物の走り”を見せてくれるのか。
興味の尽きない一戦である。



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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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