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■ジャパンカップ・復習

ダービー馬3頭、菊花賞馬2頭、そして昨年のグランプリホースと、超豪華メンバーが揃ったジャパンカップ。
この大一番を制したのは、9番人気・単勝41倍のスクリーンヒーローだった。
夏に1000万クラスを勝ち上がり、前走で重賞初勝利(GⅡ・アルゼンチン共和国杯)をあげたばかりの4歳馬の勝利は、やはり“波乱の結末”と言わざるを得ないだろう。

「1000m通過が61秒8の超スローな流れで有力馬のペースが狂った」
「鞍上・デムーロ騎手の好騎乗によって馬が120%の能力を発揮することができた」

翌日の新聞や競馬専門誌を見る限り、スクリーンヒーローの勝因は“展開のアヤ”と“騎手の技術”にあるという論評が目立っていた。(もちろん、直線の叩き合いでGⅠ馬を退けた、馬自身の走りも評価しているが・・・)
たしかに、「なぜスクリーンヒーローがレースに勝てたか?」という論点に立てば、さまざまな条件がこの馬に味方したという結論に落ち着くかもしれない。
しかし、ここで見落としてはいけないことがある。
「なぜGⅠ初挑戦のこの馬にジャパンカップを勝てるだけの力があったのか?」
実はこれこそがこのレースから学ぶべきポイントだと言ってもいいだろう。
答えのヒントはスクリーンヒーローを管理する鹿戸雄調教師のレースの使い方にある。

前走、スクリーンヒーローは、1600万条件からの格上挑戦でGⅡ・アルゼンチン共和国杯を勝った。その2走前の札幌日経オープン(2着)も同じく格上挑戦である。
それでは、なぜ自己条件のレースではなく、上のクラスに出走させたのか?
鹿戸雄調教師は自らのポリシーを次のような言葉で語っている。

「強い相手と戦って揉まれることによって、馬は強くなる」

つまり、スクリーンヒーローは、自分よりも強い相手と戦いながら、鍛えられ成長してきた馬なのだ。
ジャパンカップ出走馬の中で、この馬が最も格下であることは、馬柱表の戦績欄を見れば一目瞭然。しかし、その戦績には、常に格下の立場でありながら、格上の相手を打ち負かしてきた経歴がはっきりと記されている。
GⅠの大舞台で格負けすることなくその能力を如何なく発揮したスクリーンヒーローの走り。そして、この馬を“強くする”ためにあえて格上挑戦を続けた鹿戸雄調教師の手腕。
たとえ、勝利の要因が“展開のアヤ”や“騎手の技術”に負う部分が大きいとしても、最も高く評価すべきことは“馬が強くなった過程”ではないかと思う。

2着・ディープスカイ。3着・ウオッカ。
不向きなペースではあったが、ダービー馬の面目は一応保ったと言っていいだろう。特に、一度は馬群にのまれたかに見えたウオッカの差し返しは、一流馬の精神力というものを垣間見た思いがする。懸念されていた天皇賞・秋の反動もなかったようだ。(某競馬評論家によれば「時計の出る馬場状態におけるレコード決着ならばそれほどの反動はない」とのことである)
個人的に注目していたオウケンブルースリは、直線で詰まり加減になりながらも最後までしっかり伸びていた。パドックの歩き方などまだまだ若さを見せていたが、その分、この先も成長が期待できる馬であると考えたい。

レースタイムの2分25秒5。これは、重馬場で行われた2003年を除くと、東京競馬場改装後に行われたジャパンカップで最も遅い時計である。スクリーンヒーローの走りは見事ではあったが、残念ながらレベルの高い戦いだったとは言い難い。また、出走馬がすべての力を出し切ったかといえば、それも疑問である。
実際にレースを走ったジョッキーも同じ歯痒さを感じていたのかもしれない。ディープスカイに騎乗した四位騎手は次のようにコメントしている。

「期待の大きな馬だから、こういう遅い流れでもしっかり結果を出せるようになることが来年以降のテーマ」

ぜひそうあってほしい。我々競馬ファンは、強い馬がその能力を競い合う熱い戦いを常に望んでいる。

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安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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