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■フェブラリーS・予習

2010年最初のGⅠ、ダートのマイル戦・フェブラリーS。

前日売りの段階で断然の1番人気に支持されているのは、昨年の最優秀ダート馬・エスポワールシチー
1年前のフェブラリーSはレコード決着に0.2秒差の4着だったが、明け4歳で初の57キロ、初のGⅠという条件を考えれば堂々の内容。それ以降は休養を挟んで4連勝中。特に、前走のJCダートは2着馬に0.6秒差をつける圧勝で、昨年よりも確実に力をつけていることは間違いない。20キロ増えた馬体重も成長の証しと判断していいだろう。
JCダートを制してからは、重要なステップとなる東京大賞典や川崎記念を見送って、このレースを目標に調整。能力を発揮できる状態にあるのならば、素直に“勝ち負け”の対象と考えることができる。
問題は展開。
今回は7枠の2頭(ローレルゲレイロ、リーチザクラウン)が、スタート後の芝の部分で行き脚をつけてハナを争うことが予想される(さらにケイアイテンジンが加わる可能性も大)。エスポワールシチーは好位からでも競馬ができる馬ではあるが、前を行く馬を深追いしすぎると、抜け出しのタイミングを逸する危険性もある。要するに、「うまくさばけるかどうか」がポイントということだ。
東京・ダート・1600mは外枠が有利と言われる理由のひとつは、内に入ると前が詰まりやすく行き場を失うリスクがあるため。今回の2枠4番も決して“いい枠順”ではない。競馬では、他馬から受ける不利によって、力がありながらも自分の走りができないケースもある。エスポワールシチーに絶大の信頼を寄せている佐藤哲騎手の手綱さばきに期待したい。

単勝人気ではエスポワールシチーに水を開けられた、昨年の覇者・サクセスブロッケン
おそらく、南部杯とJCダートでエスポワールシチーに大きく負けている(0.7秒差と0.8秒差)ことがその理由だろう。もっとも、今回の舞台である東京・ダート・1600mの適性を考えた場合、エスポワールシチーよりもサクセスブロッケンの方が上という意見もある。
実際、この馬の東京・ダート・1600mの戦績は〈2.0.0.1〉(着外となったのは、59キロを背負った昨年の武蔵野S)。コーナーを2回しか通過しないこのコースで、一気のスピード勝負になれば、この馬の持ち味が勝る可能性も十分あるはずだ。
何人かの評論家が不安点としてあげているのは、馬ではなく騎手について。骨折で休養していた内田博騎手の復帰戦がいきなりGⅠというのはどうかという見解である。
もっとも、これに関しては、さほど心配する必要はないようにも思えるが、先週復帰する予定が回復の遅れから延びた点は少々気になる。
しかし、それよりも問題と思えるのは、エスポワールシチーと同じく展開面だろう。
デビューからこれまで、この馬の4コーナー通過はすべて5番手以内。昨年は外枠からスムーズに先行するレースができたが、今回のメンバーで理想的なポジションを取れるかどうか。そのあたりがカギになりそうだ。

根岸Sを勝って、ここに駒を進めてきた4歳馬のグロリアスノア
東京・ダート・1600mは〈2.1.0.0〉で、この馬にとっては絶好の舞台と言っていいだろう。前走の根岸Sは、どちらかといえば緩めのペースで、必ずしも差し馬有利の展開ではなかったが、それでも上がり35秒5の脚でキッチリと差し切り勝ち。かなりの能力を感じさせる内容だった。
今回は先行激化になるというのが大方の予想。展開を味方につければ、さらにこの馬の能力が発揮できるはずだ。
気になる点をあげれば、休み明けを激走して中2週で関西から遠征してくること。陣営は「状態は前走以上」とコメントしているが、体調面での反動が見られなくても精神的な疲労があれば、パフォーマンスが落ちることも考えられる。

昨年のJDダービーを制したテスタマッタ
2走前の浦和記念の後にノドの手術を行い、前走は川崎記念で3着。状態面は上がってきているとみてもいいかもしれない。
もともとは、レベルの高い4歳世代の中でも“トップ”と言われていた馬。昨秋のダート重賞戦線に参加していなかったために印象が薄れた感もあるが、潜在能力は決して侮れない。
もっとも、短距離での勝ち鞍があるとはいえ、戦績からみるとこの馬にはマイルの距離は短いようにも思える(陣営も「2000mがベスト」とコメント)。特に、時計勝負になった場合、レースの流れにうまく乗れるかどうか。ノーマークにはできないが、条件的にはこの馬向きのレースとは言い難い。

4歳のダート馬では、もう1頭、スーニが出走。
前走の根岸Sでは58キロを背負って0.3秒差の4着。斤量面では1キロ減の今回の方が有利だ。加えて、『根岸S・予習』の中でも書いたように、今回のレースに出走できる賞金が足りているため前走は叩き台の意味合いもあったはず。ならば、仕上げという点に関しても、今回の方が上だと判断できる。
この馬の課題は折り合い。
根岸Sは大外枠で前に馬が置けなかったとはいえ、最後まで掛かりっぱなしの競馬。さらに1F距離が伸びる今回は“どこまで我慢できるか”がポイントになりそうだ。
ただし、展開はこの馬向きになる可能性もある。先行激化でペースが速くなれば折り合いもつきやすい。うまく脚を溜める競馬ができれば、好走が期待できるだろう。

根岸S3着のオーロマイスター
勝ち馬のグロリアスノアと同じく35秒5の差し脚で馬券圏内に食い込んできた。5歳馬ではあるが、ダートに関してはまだまだ伸びしろがありそうな印象。前走からの距離延長に関しても、1700m~1800mで実績を残しているので、さほど苦にはならないだろう。東京ダート実績も〈1.0.1.0〉と悪くない。グロリアスノア同様、展開もこの馬向きになるかもしれない。初のGⅠだけに相手関係がどうかだが、力を発揮できれば食い込む余地も十分にあるはずだ。
ただし、レースの流れに関係なく、はじめから後方一気の競馬に徹すると“不発”に終わる危険性もある。たしかに、前走は4コーナー12番手から見事な末脚を発揮できたが、ダート転向後は好位から中団につけるレースが持ち味だったはず。吉田豊騎手には、レースの流れを判断して、この馬の決め手を活かせるような乗り方を期待したい。

前走の根岸Sでは大きく出遅れて9着に敗れたワイルドワンダー
直線の伸びもイマイチで見どころのない競馬だったが、この馬についてもスーニと同じく本番出走への賞金面で足りているため、あくまで“叩き台”だったと見なすことができる。実際、根岸Sの時は、放牧から帰厩したのが2週間前。馬自身が臨戦体勢に入っていなかったのだろう。
となれば、今回、変わり身が期待できる要素も十分。なにより、東京・ダート・1600mは〈1.1.2.0〉と複勝圏内を外したことがないベストの条件(一昨年のこのレースでは3着)。8歳馬の衰えをいう部分は多少気にはなるが、人気薄でも一応のマークは必要かもしれない。

今回のレースの最も大きな特徴は、芝馬が大挙参戦してきたことだろう。しかも、いずれも芝のレースで実績のある馬たち。このあたりの取捨選択は、予想の上でも重要な検討材料になるだろう。

血統的に「ダートでも走れる」と評されているのが、前走で東京新聞杯を勝ったレッドスパーダ
父・タイキシャトルにはダート3戦3勝の戦績があり、同じ配合には、2005年のフェブラリーSを制したメイショウボーラーがいる。騎乗する横山典騎手は「このレースを使うのは大賛成」「すでに展開も見えている」とコメント。“勝ち負け”へのこだわりも見せている。マイル戦4勝という距離適性もプラス材料だろう。
ただし、仮にレッドスパーダにダート適性があったとしても、初レースがいきなりGⅠというのはどうなのだろうか。
例えば、この馬がマイラーとしての資質の高さが評価された一因として、前走の東京新聞杯で先行しながら上がり3F33秒5の脚を使った点があげられる。前半3Fが35秒1であったから明らかに上がりの速い競馬だ。
ここで考えておきたいのは、ダート戦で先行した場合には、このような“レースの形”にはなりづらいということ。基本的に、ダートの先行馬は前半3Fの方が速く上がりは時計がかかる。つまり、極端な言い方をすれば、レッドスパーダの“強さ”は、芝のレースだからこそ形になって表われるという考え方もできるわけだ。はたして、ダートで同じような競馬ができるだろうか。
血統の後押しもあり、ダートの走りも期待できる要素も大いにあるが、“レースの形”そのものに馬自身が戸惑うかもしれない。藤沢和調教師が初ダートでGⅠを使う以上、なんらかの勝算があってのことだとは思うが、人気ほどの信頼性があるかといえば、正直、半信半疑である。

昨年のダービー2着馬のリーチザクラウン
ワンペースの逃げ馬が初ダートで好走した例として、2001年に3着に入ったトゥザヴィクトリーを思い浮かべることができる。走りに緩急をつけられないリーチザクラウンには、芝のレースよりも一本調子で流れやすいダート戦への転向がプラスに働くかもしれない。
なにより、距離がマイルに短縮されることは、折り合いに難があるこの馬にとって好材料。この馬に重い印を打つ記者の数も決して少なくない。
もっとも、今回のダートへの挑戦について、武豊騎手は「距離短縮はいいと思うが、マイラーズCあたりを使うのかと思っていた」と若干困惑気味。橋口調教師も「坂路調教の走りを見るかぎりダートもこなせるはず」としながらも、「でも、大跳びの馬だからどうなのかな」と本音のコメントを残している。
この馬に限らず、“今後の選択肢を広げる意味”でダートを使うのであれば、まったく競馬ができずに惨敗するケースも考えられる。まずは、どのような走りを見せてくれるのか、注目してみたい。

昨年の高松宮記念とスプリンターズSを制したローレルゲレイロ
スピードという点に限れば、この馬が出走馬中トップとみなしてもいいかもしれない。それゆえ、テンの速さを活かしてレースの主導権を握れるようであれば、初ダートといえでも自分の競馬に持ち込むことはできそうだ。
もっとも、近走の成績からもわかるように、現時点のこの馬にはマイルは長い。最後まで息が持つかどうかという不安点がある。
さらに、今回の出走に関しては、昆調教師が気になるコメントを残している。「ドバイへの出走が決まった場合、メイダン競馬場のオールウェザーコースへの対応が必要。そのためにもダートを経験させておきたい」というものだ。
先々の目標のために使うのであれば、ここはあくまで“試走”。勝負モードという部分では評価を下げざるを得ないだろう。ちなみに、リーチザクラウン、スーパーホーネットもドバイのレースに登録している。

8ヶ月半の休み明けとなるスーパーホーネット
この馬の場合は、マイル適性の高さは認めるとしても、休み明けのレースが初のダートGⅠとなれば割引が必要だろう。脚部不安による休養だっただけに、まずは負担のかからないダートからというのが陣営の本音かもしれない。

芝から参戦する馬に関しては、ダートをこなせるかどうかは実際に走ってみなければわからないというのが正直なところだ。さらに、仮に適性があったとしても、即GⅠで通用するのかという疑問もある。
リーチザクラウン、レッドスパーダあたりが上位人気に支持されているが、能力よりも期待値が数字に反映されていることは間違いない。言うなれば、“危険な人気馬”の要素を備えているということ。芝馬を重視すべきか、軽視すべきか。買い目の検討には相当の決断力が必要になりそうだ。



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■コメント

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テスタマッタ、2着に入って来ましたね~

■Re: フェブラリーS・予習 [ふじ]

ありがとうございます
エスポ強かった! 
また自分では気づけない 各馬の復習 !
とっても 楽しみに しています
 

■●●さんへ [安東 裕章]

こんばんは。
(すみません。お名前が読み取れなかった(文字化け?)ので、●●さんにしました。)

テスタマッタ、すごかったですね!
今後が楽しみな4歳馬が、また1頭、表舞台に出てきたという感じです。
注目ですね!

■ふじさんへ [安東 裕章]

こんばんは。

エスポワールシチーはまさに“王者の走り”でしたね!
馬券的な(配当的な)妙味はありませんが、強い馬が強い走りで勝つというのは、競馬の醍醐味のひとつだと思います。
ドバイへ行くようならば、頑張ってほしいですね!

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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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