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■皐月賞・予習

先週の桜花賞に続くクラシック第2弾、GⅠ・皐月賞。
トライアルが終了した時点では、一部から“ヴィクトワールピサ・1強”という声も上がっていたが、実際にはそれほど単純とは思えない。フルゲート18頭のうち半数の9頭が重賞勝ち馬。また、複勝率100%の戦績を持つ馬も8頭を数え、馬券的には絞り込みが難しいレースと言えそうだ。

前売り1番人気は、弥生賞を勝ったヴィクトワールピサ
新馬戦こそローズキングダムに先着を許したものの、その後は4連勝。2走前のラジオNIKKEI賞ではそれまでの先行策からマクリ差しに転じての勝利。前走の弥生賞では輸送と道悪、さらに最内枠を克服。武豊騎手が「レースごとに課題をクリアしていく馬」と述べているように、経験を積むことによって成長の跡を残している点は高く評価できる。
芝2000mは4戦4勝。一貫して2000mの距離を使われているのは、陣営が早くからクラシックを意識していた証拠。当然、ここは目標のレースである。
テン乗りの岩田騎手に相当のプレッシャーがかかるのではないかという指摘もあるが、GⅠの舞台を何度も経験し勝利もおさめている一流ジョッキーならば問題ないはず。1週前の追い切りから騎乗して、すでに好感触をつかんだと言われている。
ヴィクトワールピサの不安点をあげるならば、前傾ラップの緩みのないレースになった場合だろう。
道悪だった前走の弥生賞は別として、すべて「スローペース→上がり34秒台前半」という“後傾パターン”。時計にしても、大きく縮めてきているわけではない。
もちろん、ペースが上がった場合でも、それに対応できるだけの自在性と瞬発力を持ち合わせているとも考えられるが、スタート後のポジション取りなどで必要以上に脚を使わされるようだと、終いのキレに影響が出ることも考えられる。
スローの瞬発力勝負ならば、この馬の力が発揮される可能性は高い。しかし、道中で“好位をめぐるポジション争い”が激化するようだと、流れに乗り切れない、もしくは、流れに巻き込まれるといった“不測の競馬”を強いられるかもしれない。

2歳王者のローズキングダム
朝日杯FSを勝った時点では「皐月賞確定」とまで言われた馬だが、休養明けの前走・スプリングSでは3着に敗退。陣営は「休み明けの分、反応が悪かった」「荒れた馬場にキレ味に影響した」と敗因を分析しているが、朝日杯の時のような“走りの存在感”が見られなかったのは確かだ。当然、今回は、巻き返しがあるかどうかが注目されている。
順当に考えれば、1戦叩いた上積みは大きいはず。前走の3着にしても、インに閉じ込められて一瞬追い出しが遅れる不利があってのもの。デビュー戦以来となる坂路調教を行うなど、陣営の工夫を加味すれば、見直せる材料が少ないわけではない。
問題は状態面。
叩き台でありながら2キロ減の馬体重だったスプリングS。血統的なものとはいえ、デビュー以来減り続ける馬体重はやはり不安な材料だ。直前の気配等についてはチェックの必要があるだろう。
初距離となる2000m。週中の雨によって荒れた馬場。条件的には前走以上に厳しいと思われる。荒れ馬場ではこの馬の力が発揮できないという理由から、一度は「皐月賞回避」という陣営の方針が公表されたことも忘れてはならない。
能力の高さは朝日杯で立証されてはいるものの、今回に関しては、正直、半信半疑である。

トライアルのスプリングSを勝ったアリゼオ
中山芝は2戦2勝。2走前の共同通信杯では単勝1.8倍の1番人気に支持された能力の持ち主。今回も有力候補の1頭と考えていいだろう。
スプリングSの最大の勝因は横山典騎手の好騎乗。折り合いの不安と馬込みを嫌う性格を考えた上での“逃げの作戦”が、この馬の能力を引き出したと考えられる。
となれば、アリゼオの課題は、今回も同じ競馬ができるかどうかということ。逃げることができるかどうかではなく、前走のように気分よく走ることができるかがポイントだ。
枠順は大外枠。好位をキープするためには不利な枠には違いないが、逆に、馬込みを嫌う馬にとってはスムーズな競馬ができる点でプラスとも考えられる。このあたりは、名手・横山典騎手がどのような作戦に出るかに注目したい。
気掛かりな点をあげるならば、前走の勝ち方。
“逃げの作戦”は、アリゼオの能力を発揮させる上で効果的だったことは間違いないが、逃げ馬は自分でペースを作る分だけ負担が重くなり、消耗が激しくなることもある。つまり、特効薬としての効き目が大きいために、その反動も計り知れないということだ。調教では動いているものの、表に見えないストレスを抱えた状態だとすれば、思わぬ凡走があるかもしれない。

前走、弥生賞2着のエイシンアポロン
距離不安を指摘された2000mのレースで好走できたことは大きな収穫だった。さらに、有力馬の多くがトライアルレースをマイナス体重で出走してきたのに対し、この馬はプラス4キロの余裕残し。前走が本番を見据えた叩き台だったことは明らかだ。
スタートの反応が良く、ペースを問わず好位に付けられる脚が持ち味。ある程度前の位置に付けないと差しが届かない今の中山の馬場を考えると、この馬の脚質は有利に思える。
もっとも、好位から直線で抜け出す正攻法の競馬は、先に仕掛ける分だけ差し馬の目標にされてしまう。朝日杯も弥生賞も同じ負け方の2着。追い出しのタイミングがポイントになりそうだ。
ひとつ付け加えるならば、調教の時計についての見解。
追い切りで坂路・49秒8という素晴らしい時計をマークしているが、普通に考えれば「本番へ向けての究極の仕上げ」という判断が成り立つ。だが一方で、“短距離指向が強い馬ほど坂路で時計が出る”という意見も出ている。つまり、今回馬体が仕上げれたことによって、本来のマイラー色が強く出るのではないかという見方である。
一度は克服した2000mの距離であっても、馬の本質が覚醒されたことによって再び不安要素になる。穿った考え方かもしれないが、念のため記しておきたい。

若葉S2着で出走権利を獲ったヒルノダムール
3走前のラジオNIKKEI賞では、ヴィクトワールピサに0.2秒差(4着)。その後、東のトライアルには出走せず、若駒S→若葉Sというローテーションを選択したが、この2走の内容が光っている。
若駒Sはスローの上がり勝負を33秒1の脚で差し切り勝ち。若葉Sはハイペースの厳しい競馬で2着に敗れたものの2分0秒0の好タイムをマーク。緩急それぞれのペースで好走した経験値は大きい。
この馬もエイシンアポロン同様、プラス体重(6キロ)でトライアルを出走。上積みにも期待がかかる。
不安点は中山の急坂。
これまでの2勝はいずれも直線平坦の京都コースでのもの。前走の若葉S(阪神)にしても、ゴール直前でベルーサに競り負けたように、終いが若干甘くなるようだ。能力的には一級という評価があるだけに、コースを克服できるかどうかがカギになるだろう。

ディープインパクトの甥にあたるリルダヴァル
新馬戦、野路菊Sを連勝した時点では、世代トップクラスとの評価を得た馬。特に、2戦目の野路菊Sは時計も優秀で、ラジオNIKKEI賞2着のコスモファントムに0.4秒差(エイシンアポロンには1.1秒差)をつける圧勝だった。
前走は毎日杯3着。休養明けを叩いた上積みは大きいだろう。
もっとも、骨折で6ヶ月ぶりのレースを走った後の中2週、反動の不安もある。しかも、初の関東への遠征、距離経験も1800mのみと課題は多い。3戦のキャリアでフルゲートの最内枠というのも厳しい条件だろう。
将来的には世代の中心馬になり得る馬かもしれないが、今回は「一流どころと対戦して揉まれる経験を積もう」というのが、陣営の本音かもしれない。

共同通信杯勝ち以来となるハンソデバンド
過去10年、このローテーションで馬券に絡んだのは、2007年のフサイチホウオー1頭のみだが、3連勝で重賞を制した実績を考えれば侮れない存在だ。
共同通信杯は自分から動いて押し切った内容のある競馬。2着のダノンシャンティ、3着のアリゼオは次走で重賞を勝っており、単純な比較ではあるが、能力的に見劣るところはない。1枠2番という枠順も、前に馬を置いて折り合える点から絶好とも言えるだろう。
あとは、当日の気配。
元来、折り合いに不安があると言われていた馬。距離延長(初の2000m)に関しては、ロスなく進める内枠の利を活かせるかもしれないが、レース間隔の空いたことがマイナスに働けばイレ込みにもつながりやすい。そのあたりについては、直前のチェックが必要になりそうだ。

スプリングS2着のゲシュタルトと弥生賞3着のダイワファルコン
この2頭にはいくつかの共通点がある。
500万条件を勝たずに出走権を獲得したこと。前走はともにマイナス10キロの馬体減だったこと。そして、展開の向いた内枠に入って好走したこと。
つまり、トライアルの前走が目イチの仕上げであり、レースでは展開(枠順)に恵まれたという見方もできるわけだ。前走がフロックだったとまでは言わないが、実績面での格下感は否めない。
もっとも、だからと言って、軽視は禁物だろう。
特に、ゲシュタルトは3枠6番という先行力を活かせる枠に入った。初距離の2000mが課題となりそうだが、前走のような競馬ができれば好位からの粘りこみがあるかもしれない。
ダイワファルコンは枠順がどうか。末脚にキレのある馬だが、外々を回らされると届かないケースも考えられる。

きさらぎ賞の1・2着馬、ネオヴァンドームレーヴドリアン
両馬とも前走後は皐月賞を目標に調整されたとのことだが、中2ヶ月のレース間隔はやはり空き過ぎの感がある。有力馬と見なされている一流どころと対戦していないこともマイナス材料だ。
とは言うものの、対戦がなかった分だけ“未知の可能性”に期待がかかる点も否定できない(期待倒れに終わるケースも多いのだが・・・)。
ネオヴァンドームは、きさらぎ賞で手綱をとったデムーロ騎手が絶賛し、「できれば本番でも乗りたい」とまで言わせた馬。外人騎手特有のリップサービスではあるだろうが、それを割り引いても、馬込みを割って突き抜けたきたレースぶりには非凡なものを感じた。
調教で跨がった安藤勝騎手は「馬が幼いし、良くなるのはまだまだ先」とコメントしているが、今回も素質の片鱗を見せてくれるかもしれない(もちろん、距離と輸送の克服が前提となるが)。
一方のレーヴドリアンは、陣営が後方からの競馬を示唆。たしかに、末脚は一級品だが、中山の直線を考えると、展開頼みのレースになりそうだ。

中山芝2000mの京成杯を勝ったエイシンフラッシュは、予定していた若葉Sを使えなかったのが誤算。
シンザン記念勝ちのガルボも、スプリングSを使ってその結果から、皐月賞かNHKマイルCの目標を決める予定だった。
重賞を制した能力は評価できるものの、この2頭については順調さを欠いた点が大きなマイナスだろう。

桜花賞のエーシンリターンズ(3着)のように、混戦で浮上くるタイプをあげるならば、レッドスパークルが面白いかもしれない。
3走前の東スポ杯ではロースキングダムに0.3秒差の3着。2走前の京成杯は出遅れながらエイシンフラッシュに0.4秒差の3着。距離経験が豊富であり、2000mの距離では〈1.1.1.0〉の実績がある。脚質的には東京向きで、後方ままで終わる可能性もあるが、立ち回り方次第では食い込みがあるかもしれない。

最後に、馬場状態について。
週中の雨で芝コースはさらに傷みを増したと想像できる。だが、一方で、芝の内の部分にローラーがかけられたという情報(某夕刊紙)もある。だとすれば、高松宮記念の時のように、コース全体は荒れていながらも、内目の方が伸びる馬場と考えた方がいいかもしれない。
それでなくても、このところの中山芝のレースは先行馬と内枠の馬による決着が目立っている。これについては、昨年夏からコース内側の一部の区間で芝の品種が変わったことが原因と言われており、見た目は傷んでいても馬場そのものが大きく掘られることはなくなったとのことだ。
土曜日の馬場は不良のコンディションでスタート。本番までにどれだけ回復するかにもよるが、パンパンの良馬場にはならないはず。
以上のことを踏まえると、基本的には“好位のイン”がベストポジションと考えていいだろう。
(時間に余裕があるのならば、9レースに行われる芝2000mの鹿野山特別を参考にして、芝の状態を確認してみるのもいいかもしれない)

外を回った差し・追込馬が台頭するケースがあるとすれば、スタートから1コーナーまでの間に、好位の位置取りをめぐってポジション争いが激化した場合だろう。先行集団の出入りが激しくなりペースが上がるようだと、馬場状態に関わらず逃げ・先行馬は苦しくなるはずだ。昨年のレースはその典型とも呼べるもので、1000m通過が59秒1の厳しいペースになり、1着から7着までが4コーナー9番手以降の差し・追込馬という結果に終わった。

今回ははたしてどのような展開になるだろうか。
“どの馬が逃げるか(昨年のゴールデンチケットのようにダート馬のバーディバーディが行くかもしれない)”ということももちろんだが、大外枠のアリゼオやエイシンアポロンの出方もレースの流れを決定する上でのカギになりそうだ。



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安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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