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■天皇賞(春)・復習

天皇賞・春は2番人気のジャガーメイルが快勝。
これまで重賞勝ちに手が届かなかった馬が、見事GⅠ制覇を成し遂げた。

良馬場で行われながらレコードよりも2秒以上遅い勝ち時計(3分15秒7)からもわかるように、レースはスローペース。前半よりも後半が少しずつ速くなる緩みのないラップとなり、基本的には、先行馬に有利な流れだったと言えるだろう。
道中、中団で追走していたジャガーメイルは、最後の4コーナーでは5番手まで進出。直線で先に抜け出したマイネルキッツを目標に定めると、1完歩ずつその差を詰め、ゴール前でキッチリ差し切った。
上がりはメンバー最速の33秒7で、これは2006年のディープインパクトに次ぐ歴代2位の数字。自分から動いて、なおかつ瞬発力で相手をねじ伏せたのであるから、これはまさに“完璧な勝利”と呼べるもの。この馬の高い能力がいかんなく発揮されたレースだった。
ウィリアムズ騎手の騎乗も見事だった。何度もVTRを見て研究し、追い切りに跨がり感触を掴み、騎乗経験のあるキネーン騎手にアドバイスを受けるなど、万全の準備をした上で臨んだレース。コメントの中に「何の不安もなかった」とあるように、馬の力を信じたことが好騎乗に結びついたのだろう。
唯一不安に思えた状態面にしても、8キロ減ではあったものの絶好の仕上がり。香港のレースで好走できたことは、環境の変化に順応できるタイプの証明でもあったわけであるから、GW渋滞での輸送云々は大した問題ではなかったのかもしれない。
いずれにしても、今回の勝利はすべて納得のいく内容。今後については海外参戦等のプランもあるようだが、期待したいのはやはり秋のジャパンカップ。得意とする府中の馬場で最高の走りを見せてもらいたい。

2着はマイネルキッツ。
外枠に入ったことで、どのような競馬をするかを注目していたが、今回は思い切った先行策をとった。松岡騎手は「枠が決まった時点で前でレースをしようと思った」とコメント。近走の内容を見る限り、行き脚がつくかどうかの不安もあったが、楽に番手に取り付くと、最後は直線で抜け出し後続を突き離す正攻法の競馬を見せてくれた。先導したのはミッキーペトラでも、レースを作ったのは間違いなくこの馬。最後はジャガーメイルの末脚に屈したものの、完璧なレース運びだった。
大変失礼な言い方ではあるが、今回のレースで松岡騎手の技術を改めて見直した。展開とポジションを判断した上での先行策、決め手勝負を避けるための道中のペースの上げ方、そして先頭に立つタイミング。これらはすべて「天皇賞・春を勝つための乗り方」である。GⅠの大舞台で近走とは全く異なる騎乗法。1回目の下り坂での位置取りを見て、思わず「巧い!」と声を上げてしまった。
もちろん、鞍上の意に応えて先行力を見せたマイネルキッツ自身の走りも評価すべきもの。このあたりはGⅠ馬の底力とも言えるだろう。7歳馬ではあるが、これからも強い競馬を見せてほしい馬である。

5馬身差離れた3着には16番人気のメイショウドンタク。3連単91万の波乱の立て役者となった。
展開に恵まれ、流れ込んだ3着とはいえ、結果は結果。最後まで止まらずに走り切った点と3コーナー過ぎからマクリ気味に動いた騎乗については高く評価したい。
好走要因のひとつはブリンカー効果だろう。武幸騎手も「ブリンカーのおかけでレースに集中していた」とコメントしている。本田調教師は戦前、「行く馬がいなかったら内枠を利して行ったもいい」と言っていたが、“前が有利”を前提にした予想ならば、ブリンカー+先行策表明のこの馬にも注目できたかもしれない。
年明けから2400m以上のレースを4戦使っているローテーションは、マイナス材料にしか思えなかったが、終わってみれば“無尽蔵のスタミナの持ち主”という見方もできる。成長途上の4歳馬だけに、今後の長距離路線で頭角を表わしてくる可能性もあるだろう。

4着のナムラクレセント。
『予習』では「適距離をどう判断するかがポイント」と書いたが、道中行きたがって折り合いに苦労していたところを見ると、近走の陣営の使い方通り2000m前後に向いている馬なのかもしれない。
流れに乗れば33秒台の末脚を発揮できる馬なので、今後のレースの選択によっては、十分見直せるはず。逃げ切り勝ちがあったり、後方からの差し切りがあったり、脚質の幅があることは長所にも思えるが、現時点では“器用貧乏”のイメージもある。今後の課題は、ある程度“自分の型”を持つことだろう。

5着はエアジパング。
『予習』で気になる1頭として取り上げた馬だが、個人的にはメイショウドンタクのポジション(内外の違いはあるが)と走りを期待していた。インをロスなく回ってきたが、直線入り口で後ろにいたトーセンクラウンに乗り上げられてブレーキがかかったのが痛かった。もっとも、岩田騎手によれば「イメージ通りで力は出せた」とのこと。GⅠで掲示板ならば、大健闘と評価すべきかもしれない。

1番人気のフォゲッタブルは6着。
ジャガーメイルと並ぶようにして4コーナーに向かってきたが、そこからの反応がまったくなし。最終的には勝ち馬から2秒近く離された。
敗因はやはり調整の問題。池江調教師も「最後は間隔が空いたツケが出た」と淡々とコメント。万全の状態でなかったのであれば、止むを得ない敗戦だろう。
明確な敗因がわかっている以上、次走の立て直しは必至。ファンの多くが将来性を期待している馬なので、ベストの状態で今一度強い競馬を見せてほしい。

今回のレースはトーセンクラウンの斜行のために、後方にいた多くの馬が不利を受けた。
GⅠでこのようなことが起こるのは残念な限りである。
ただし、レースの流れを考えると、仮に不利がなかったとしても後方からの競馬で届いた馬がいたかどうかは疑問。実際、直接不利を受けたわけではない3番人気のジャミールにしても、直線だけの競馬で7着止まり。どれだけ末脚がキレたとしても、1・2着馬を追い詰めるところまではいかなかったと思われる。
先にも述べたように、このレースは「マイネルキッツが自分が勝つための流れを演出したレース」だった。それだけに、ジャガーメイルの強さが余計に際立って見えるのである。
審議→降着があったために、後味は悪くなってしまったが、1・2着馬の走りはGⅠレースにふさわしい“高いレベルでの力のぶつかり合い”だったのではないだろうか。





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■コメント

■Re: 天皇賞(春)・復習 [ECO]

安東さま、毎度です。
1着、2着馬は今の買い方では絶対に手が出ないです。
3着馬は近走3000のタイムで引っかかるぐらいで、
予想とは違う展開でした。
しかし最近は各アスリート競技と一緒で競技寿命が延びてますね。
馬のこと理解する技術が発達しているのでしょうね。
私も早く春の東京、京都と理解したいです。
後展開推理力も。
各距離での予想の立て方の変化に頭が付いていっていないですね。
自分の型にはまって結果が出ないとき、型通り待つか動いてみるか参考までにどうされますか?

■天皇賞、若手と外国人をナメてました。反省。 [うに]

こんばんは。先日は奇をてらった挨拶で脅かしてしまってスミマセン!
たまにはいいかな~と思いまして…
天皇賞の上位2頭の勝負気配を軽視してしまった事を猛反省しておりました。
特にマイネルキッツに関して、去年の優勝は恵まれた感が拭えなくて、しかも枠も不利なので消してしまいました。でも、GⅠで勝てるのは力があるからこそで、ローテーションも完璧なら消してはいけない馬でしたね。

ようやく競馬が分かってきたな~と思うのもつかの間、また予想が難航しています。何とか展開は大方読めるようにはなりましたが、今度は各馬がそのペースに向いているかどうかの判断が難しくて泣きそうです。
それに、適応力にばかり気を取られていると、今回の松岡騎手のようにうまく乗られたり(これには参りました)、反対に、行くかと思いきや後方待機だったりと、騎手の作戦も手強いです。
とくに悩むのが展開頼みの馬で、読み間違えて痛い目に合いまくってます。
ハマれば…というのが厄介ですね(笑)。


■ECOさんへ [安東 裕章]

毎度です。

「自分の予想の型で結果が出ないとき、型通り待つか動いてみるか」ということですが・・・
私の場合、動きますね。
というより、常に動いている感じで、型というものをそれほど意識していません。
自分の中で重視している予想のファクターはいくつかありますが、レースの条件や出走メンバーによって中心に考えるものが変わることが多いです。
展開を重視する時もあれば、時計に注目することもあります。
馬によっては、前走からの変更事項を一番に考えたり、いろいろです。
良く言えば、臨機応変。悪く言えば、ブレまくり!(笑)
ほんとは、自分の型やスタイルをしっかりと確立しなければいけないのかもしれませんが、ついついいろんなことを考えてしまいます。

■うにさんへ [安東 裕章]

こんばんは。

マイネルキッツが今回のような競馬をすると予想できたかと言うと、正直難しかったですね。
2度目の下り坂で動けるかどうかがポイントだろうと思っていたので、番手でレースをしたのには驚きました。
結果的には大正解でしたね。
松岡騎手の素晴らしい騎乗だったと思います。

展開予想は両刃の剣なんですよ。
ハマれば大きな配当を手にすることもありますが、外れるとまったくかすりもしない馬券になることもあります。
うにさんのおっしゃる通り、これまでの脚質を裏切るようなレースをする馬もいますからね。
そのあたりの見極めは、おそらく永遠の課題ではないかと・・・(笑)。
ただ、展開を読む(推理する)という作業を続けていけば、徐々にでも難しいレースが簡単に見えるようになってくると思います。
そう信じて、私は毎回毎回悩むようにしています。

■ありがとうございました。 [うに]

安東さんのような競馬の達人でも、常に試行錯誤していらっしゃるのですね。
壁にぶち当たりまくりの私ですが、安東さんを道しるべに競馬を楽しもうと思います。
騎手が己の馬を勝たせるために、色々工夫してくるのは仕方ないですよね。突然の脚質転換とか、ケチつけたくなる時もありますが(ヒヤヒヤするので)、馬券に絡んでくれたら文句は言えない…(笑)
どうもGⅠになると鼻息が荒くなってしまうこの性分を、いい加減何とかしたいです。
予習も冷静に読むように心がけます。

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安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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