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■ダービー・予習

“史上最強レベルの戦い”とまで言われている今年の日本ダービー。
人気の一角・ダノンシャンティの取消は残念なかぎりだが、それでも好勝負を期待できるメンバーが揃った。

5連勝で皐月賞を制覇し、2冠を狙うヴィクトワールピサ
この馬の場合、レースごとに課題をクリアしていく学習能力の高さが際立っている。それまでの好位の競馬から一転して後方から追い込んだラジオNIKKEI杯。輸送・重馬場・最内枠を克服した弥生賞。スピードの持続性を問われた皐月賞では、インに切れ込む瞬発力と勝負根性を見せつけた。展開や馬場状態に左右されず能力を発揮できる自在性。それがこの馬の“強さ”と言えるだろう。
前走、テン乗りでプレッシャーのかかる騎乗となった岩田騎手だが、脚の使いどころや仕掛けてからの反応を身をもって体験したことで、今回はさらに馬の能力を引き出す乗り方ができるはずだ。
不安要素をあげるとすれば、直線勝負の叩き合いになった場合。
弥生賞と皐月賞の勝ち方は、たしかにこの馬の“強さ”を証明するものではあった。ただし、馬群の内側にある空いたスペースに進路を取るのは、ある意味“トリッキーな作戦”という見方もできる。馬体をあわせての追い比べ、あるいは、3頭横並びの追い比べといった展開になった時に、この馬はどれだけの脚を使えるか。中山の2戦が一瞬のキレ味勝負だっただけに、そのあたりが若干気になるところだ。

デビューから4連勝でダービーに挑戦するペルーサ
前走の青葉賞は2着馬に0.7秒差の圧勝。2分24秒3の時計もウオッカが制した3年前のダービーを上回る好タイムでだった。
注目すべきは、デビュー時からダービーを目標に使われてきたローテーション。小回りの中山のレースには見向きもせず、阪神へ遠征して若葉Sを勝利。出走権を得ながらも皐月賞には登録もせずトライアルの青葉賞を勝利。ここまで徹底した使い方は、藤沢和雄調教師の執念とも呼べるものだろう。鞍上は絶好調の横山典騎手。東京芝コースは2400mを含めて〈3.0.0.0〉の実績。藤沢和雄調教師がシンボリクリスエスとゼンノロブロイで果たせなかった夢を実現する可能性は大いにある。
過去のデータから、青葉賞馬はダービー馬になれないと言われているが、その主な理由はふたつ考えられる。
ひとつは、中3週とはいえ東京の2400mを連続して走る過酷さ。もうひとつは、皐月賞を走っていないことによる経験値の差である(これはダービーで皐月賞組が強いことの理由にもつながる)。
前者について、藤沢和雄調教師は「青葉賞は楽な勝ち方ができたので予想以上に負担が軽かった」とコメント。実際、ゴール前は手綱を緩める余裕の勝利だった。となれば、この馬のポイントは、やはり“皐月賞組との力関係”ということかもしれない。
若葉Sでは皐月賞2着馬のヒルノダムールを下しているが、あくまでトライアルでの結果であり、実際のレースではヒルノダムールにかなりの不利があったのも事実。間接的な力関係(若葉Sの結果)だけで、皐月賞2着馬以上の実力という見方をしている評論家もいるようだが、その考え方はあまりに短絡的だろう。
青葉賞の圧勝はダービーでの勝利をも予感させるものではあったが、この馬に関しては“経験値”と“相手関係”がカギであることを頭に置いておきたい。

皐月賞2着のヒルノダムール
勝ち馬・ヴィクトワールピサにつけられた着差は0.2秒だが、4コーナーで前が詰まり直線だけの競馬になったことを考えれば、内外のコース取りの差という見方もできる。実際、レース後は「負けて強し」という声も多かった。父・マンハッタンカフェ、母父・ラムタラという長距離血統。距離延長も向くはずだ。
気になる材料は、前走・皐月賞時のマイナス10キロの馬体重。『皐月賞・復習』にも「究極の仕上げだった以上、ダービーは万全の体調で出てきてほしい」と書いた。
ところが、この体重については一部で不思議な話が語られている。それは、レース2日後に栗東で計量したところ、468キロの体重があったということ。皐月賞の出走前が456キロであるから、レースを走って関西へ戻る輸送がありながら12キロ増えたことになるわけだ。真偽のほどは定かではないが、JRAの計量に狂いがあったのではという疑いも出ているらしい。
実際、今回の調教後の計量で、ヒルノダムールはプラス28キロ。軽めの追い切りだったわけではないことを踏まえると、皐月賞の馬体重についてはたしかに疑わしい部分もある。いずれにしても、前走が究極の仕上げだったという点(反動の心配も含めて)については、とりあえず白紙として考えた方がいいかもしれない。
それよりも気掛かりなのは、2走連続して4コーナーで不利を受けていること。理論的な説明はできないが、不利を受けやすい馬というのが存在するのも事実。そういうタイプはレースを重ねるごとに闘争心が萎えてしまうこともある。今回はいかにスムーズな競馬ができるかがポイントだろう。

皐月賞では4着だった2歳王者のローズキングダム
デビューから3連勝で朝日杯を制した時には、クラシック候補の筆頭という評価を受けたが、期待された年明けのスプリングSと前走・皐月賞で大きく株を下げた感がある。
もっとも、スプリングSは休み明け、皐月賞は荒れた馬場という敗因がはっきりしているし、それでも共に0.2秒差という着差を考えれば、見限るのは早計かもしれない。東京コースは重賞勝ちのある舞台。新馬戦でヴィクトワールピサを下した時のように、末脚のキレを発揮できる条件が揃えば、有力候補として再浮上してくる余地もある。
もっとも、この馬の場合、ここに至るまでの“負の連鎖”が気になる。
「ヴィクトワールピサとの対決は本番の皐月賞までとっておく」という理由で、トライアルを弥生賞からスプリングSへ変更したのがケチのつきはじめ。一度は回避を表明した皐月賞に出走したのも結果的には裏目だった。そして今回は挫石のアクシデントがあり、主戦の小牧騎手が騎乗停止。ひとつの流れとして見た時に、順調さを欠いているというのは、やはりマイナス材料だ。

前走、トライアルのプリンシパルSを圧勝したルーラーシップ
父・キングカメハメハ、母・エアグルーヴの良血で、デビュー当時から期待度が高く、2歳の時点でダービー馬候補として名前をあげていた競馬評論家も少なくない。
前走はそうした評価の裏付けにもなる“強い勝ち方”。素質の片鱗をのぞかせたことによって、一気に才能が開花することもある。上位人気に支持されるのも当然といえるかもしれない。
ただし、この馬に関しては、なんとかダービーに間に合ったという印象が拭えない。本来ならば、2戦目の若駒Sを勝って、トライアルから皐月賞へ向かうビジョンだったはず。ところが、賞金加算を狙った毎日杯で5着に敗れたために、結局は皐月賞には出走できなかった。言い換えれば、期待された超良血馬でありながら、クラシックの王道を歩めなかったということ。一流どころとの対戦という経験値において、大きく遅れをとっている。元値が高く、素質も魅力的な一頭ではあるが、今回はあくまで挑戦者の立場と見るのが妥当だろう。

皐月賞3着のエイシンフラッシュ
予定していた若葉Sを使えず、京成杯からぶっつけとなったが、最後は外から差しての3着。改めてこの馬の能力の高さを示した内容だった。結果的に叩き2走目となり、さらに上積みが見込める今回、上位馬と人気の差はあるものの注意したい1頭だ。
この馬の持ち味については、完成度の高さと立ち回りの巧さを評価する声が多い。位置取りにこだわらずに、流れに乗ってどこからでも競馬ができる強味がある。今回は最内枠に入ったが、自在性を持ち合わせている馬だけに、不利な要素にはならないだろう。
もっとも、そうした走り(特に立ち回りの巧さ)は、どちらかといえば中山向き。それほど人気になっていない理由は、府中の直線を豪快に突き抜けてくるイメージとつながらないところが影響しているのかもしれない。

早い段階から陣営が「東京コースを走らせたい」と言っていたレーヴドリアン
後方から一気の脚質は、たしかに直線の長いコース向きと言える。小回りで稍重馬場だった皐月賞を除けば、未勝利勝ちからすべて最速の上がりをマーク。展開が嵌れば、一気に突き抜けてくる可能性もある。
きさらぎ賞から2ヶ月空いた皐月賞はローテーション的にも厳しかったレース。皐月賞の後に京都新聞杯を使ったことが1走多いという見方をされているが、本来は使って良くなるタイプだけに、このあたりは予定通りと考えていいだろう。
とは言うものの、3着という結果はいただけない。実際、陣営は「京都新聞杯で権利を獲れなければダービーに出走できない」と考えていたとのこと。勝ちにいったレースを落としたというのは、実力面での疑問が残る。もとより、重賞勝ちのない馬。過剰な期待は危険かもしれない。

出走を取り消したダノンシャンティも含めて、今回の有力馬の脚質は基本的に“差し”である。
このような場合、先に動くことで後ろからの目標にされることを嫌うために、差し馬同士が動きを牽制し合うケースも多い。となれば、“先行型のタイプ”にもマークが必要。人気薄を狙う際の定石でもある。

皐月賞5着のアリゼオ
スプリングSを制した重賞実績があり、皐月賞でも大外枠からの競馬で直線一旦は先頭に立っての5着。能力的にはそれほど大きな差はないと考えることもできる。
問題は折り合い。気性面に難がある以上、距離延長は決して有利ではない。スプリングSの逃げ切り勝ちからもわかるように、この馬に関しては、道中いかに気分良く走れるかどうかがカギ。天皇賞・春を制したウィリアムズ騎手の騎乗に注目したい。

前走、京都新聞杯を制したゲシュタルト
皐月賞(7着)の直線の止まり方を見たかぎりでは、マイラータイプかと思えたのだが、前走は2200mに距離が伸びた上に、好位から抜け出す競馬を見せてくれたのには、正直驚かされた。したがって、皐月賞の敗因は、緩い馬場と先行馬に厳しい速いペースだっとと考え直してもいいだろう。
陣営が強調するのは、この馬の成長力。調教の際の馬場入りが以前とは比べものにならないほど落ち着いたという。マンハッタンカフェ産駒の場合、本格化は秋以降という言われ方をすることが多いが、この馬に関しては実戦で揉まれることによって良化が早まったのかもしれない。
あとは、道中の位置取り次第。後ろからの競馬になると苦しいだろうが、スムーズに先行できれば見せ場以上の可能性もありそうだ。

京都新聞杯で2着に入ったコスモファントム
皐月賞戦線の時期を休養していたため、目立った活躍はないが、複勝率を見れば100%。暮れのラジオNIKKEI杯でヴィクトワールピサの2着という戦績を残している。ちなみに、この時の3着はダノンシャンティで、4着はヒルノダムールだ。
もちろん、先にも述べたように、過去のレースの着順から能力の比較はできないし、トライアル→GⅠの激戦を経験していないことはマイナス材料には違いない。
実力そのものの評価が難しい馬ではあるが、持ち前の先行力と相手なりに粘れる勝負強さを発揮できるようであれば(=それだけの力があれば)、馬券圏内への残り目があるかもしれない。

他では、青葉賞2着のトゥザグローリー、東京芝実績〈2.2.0.0〉のハンソデバンド、皐月賞6着のリルダヴァルなどが新聞によっては伏兵視されているが、トゥザグローリーはキャリア不足、ハンソデバンドは前走負け過ぎの上に調教もバタバタ、リルダヴァルは厳しいローテーションといった不安材料が目立つ。上位に食い込むのは難しそうだ。

最後に馬場状態について。
芝コースは今週からCコースに変更され、仮柵が3m内側になった。また、水曜に芝刈りが実施されたことで、時計は速くなるだろうと言われている。
土曜日に行われた芝のレースを見る限りでは、ラチ沿いの最内は止まりやすく、中から外にかけて伸びる馬場。大外からも差し・追込が届いていた。
あとは、雨がどうなるか。土曜の午後に少しだけ降って、当日も雨の予報。どのくらい水を含むかは発送時間まではわからない。馬券を買うにあたって時間的な余裕があるのならば、8Rの青嵐賞、9Rのむらさき賞の結果を見てから最終的な判断をした方が賢明かもしれない。

はじめにも書いたように“史上最強レベルの戦い”と言われる今年のダービー。
歴史に残るような名勝負が生まれるかどうか。期待したい。



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■コメント

■興奮して寝れず(笑) [うに]

こんばんは。
ダービーは難しかったです! 人気上位で決まるとばかり考えて余裕でレースを見ていましたが、まさか2強が崩れるとは…
皐月賞3着馬を見くびっていました。3着と言えど、内容の濃い競馬をしていたのに、どうも強気になれなくて穴候補に。
まだまだ見る眼が無いですね。


金鯱賞のドリームサンデーは最後の最後に切ってしまいました。(泣)
突かれたら脆そうな馬だと思っていたのですが、粘っていましたね。やっぱり見る眼無いなあ…

実は、安東さんに、ドリームサンデーの事を指摘されて、ドキッとしました。(笑)
私の作戦、良くお分かりで。参りました。(笑)

と言うことで、今週は完封負けです。
というか、上半期ヤバいです。(--;)

■うにさんへ [安東 裕章]

こんばんは。

ダービーは難しいレースでしたねー。
いろいろと考えさせられる要素があって、『復習』のブログは書くのに苦労しそうです(笑)。
でも、すごく勉強になったレースでした!

金鯱賞は残念でしたね。
たしか、昨年暮れの中日新聞杯でドリームサンデーを買って的中されていたような記憶がありましたので(違っていたらごめんなさい)、今回も狙ったのでは?と思ったんですよ。

まだまだ競馬は続きます。
きっかけを掴めば、当たりグセがつくと思いますよ。
がんばりましょう!

■ [うに]

いつも励まして頂いて嬉しいです。ありがとうございます!
おっしゃる通り、中日新聞杯は的中しましたが、良く覚えていらっしゃいましたね。記憶力ハンパじゃないですね!
お見それしました。(笑)

復習は大変だと思いますが、頑張って下さい。楽しみにしてます!

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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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