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■安田記念・予習

2010年春のマイル王を決定するGⅠ・安田記念。香港馬3頭を含むフルゲート18頭が揃った。
ウオッカ、ディープスカイ、カンパニーの引退によって、核となる中心馬が不在となったマイル戦線。今回のGⅠにしても“どの馬が勝ってもおかしくない顔ぶれ”と言われており、馬券的にはかなり難解なレースである。

データ面で参考になりそうなのは2点。
まず、「過去10年で連対した日本馬16頭すべてに1600m以上のOPでの連対実績があった」ということ。
東京・芝・1600mはスピードと共にスタミナも求められるレース。ウオッカ、ディープスカイ、ダイワメジャーといった近年の連対馬も、マイルより長い距離で実績を残していた。各馬の距離実績に関しては、一応の注意を払っておいた方がいいだろう。
もう1点は、「前半3Fを33~34秒台の速いラップで通過して上がり3Fの方が時計のかかる展開」が、このレースの特徴としてあげられること。
東京芝のマイル戦は、各馬が直線での余力を考えるため、基本的にはスローペースで流れて上がりの勝負になりやすい。しかし、安田記念に関しては逆のパターンが多く、過去10年=10回のうち7回が、前半3Fを34秒5より速いタイムで通過している。上がり3Fのタイムが前半3Fより上回ったレースは2回あったが、2003年が34秒5/34秒4、2006年が34秒8/34秒5というように、いずれも上がりの競馬とは言えないラップの差だった。
理由としては、内が荒れた馬場の影響で、先行馬が脚を溜める競馬ではなくスピード任せのレースをするからではないかと考えられる。特に、先行脚質の外国馬が出走した場合は、一気に押し切ろうとするので要注意。今回も逃げ切り勝ちの実績のある香港馬が参戦する。レース展開のパターンのひとつとして、前傾ラップのイメージも組み立てておくべきかもしれない。

前日売りの時点で単勝1番人気に支持されているのは、前走、マイラーズCを制したリーチザクラウン
クラシック戦線を“中長距離の逃げ馬”として戦った3歳時は、折り合い面に不安のある走りを見せていたが、2歳暮れ(千両賞・500万)以来の芝のマイル戦となった前走では走りが一変。“逃げるのではないか?”という大方の予想を裏切り、好位のポジションから直線で抜け出す(しかも、先に出たトライアンフマーチを差し切る)“味のある”競馬で1年2ヶ月ぶりの勝利を手に入れた。
昨年暮れの時点から、陣営はマイル路線への転向を公言していたが、その思惑通りにマイル適性の高さが示された一戦と評価する声も多い。
もとより、スピードの持続力については、世代の中でもナンバー1と言われた馬。極端な上がりの勝負は向かないにしても、東京芝のマイル戦で要求される基本的な能力(スピード+スタミナ)は備えていると考えてもいいだろう。
ただし、前走だけでこの馬のマイル適性を評価するのはどうだろうか。
前走の勝因は、なにより好位で折り合えたこと。安藤勝騎手の好騎乗もあったが、大外枠に入ったために先行馬をマークする形をとれたことも大きい。つまり、結果的には枠順に恵まれたという見方もできるわけだ。
今回は前走とは正反対の最内枠。インで包まれるリスクがあり、馬群の中で気性難を見せるかもしれない。かと言って、スタートでポジションを取りに行けば、掛かり気味の走りになるケースも考えられる。陣営も「難しい枠に決まったな」とコメント。内々をロスなく進めるとはいえ、折り合い面の不安を抱えている馬にとっては、決して好枠とは言えないはずだ。
馬込みの中で脚を溜める競馬ができるかどうか。あるいは、枠順を活かす形でスピード勝負に出て“逃げても強し!”という走りを見せてくれるのか。このあたりは、安藤勝騎手の乗り方に注目したい。いずれにしても、リーチザクラウンのマイル適性が本物であるかどうかを問われる一戦と言えるだろう。

マイラーズC2着のトライアンフマーチ
リーチザクラウンと同じく4歳馬で、この馬も中長距離のクラシックからマイル路線への転向が成功した1頭。
桜花賞馬・キョウエイマーチを母にもつ血統で、早くから「マイルがベスト」と言われていた馬だけに、距離短縮による変わり身についても納得がいく。
東京・芝・1600mは、昨秋のキャピタルSと年明けの東京新聞杯を走って、2戦2連対の実績。いずれも33秒台の上がりで1分32秒台の決着。時計勝負にも十分対応できると思わせる内容だった。
この馬の場合、脚質をどう判断するかだろう。
皐月賞で2着に入った時の大外からの伸び脚が今でも印象に残っているが、マイル戦線転向後の近5走においては、大外から差してくる競馬をしていない。連対したマイル戦は3走とも内から伸びた結果。前走のマイラーズCも開いた最内に進路をとったものだった。
したがって、トライアンフマーチにとってベストの形は「前に馬を置きインで脚を溜めて突き抜けてくる競馬」という見方もできる。なぜなら、この馬も折り合いに難があるからだ。そう考えると、今回の外目の枠はどうなのか。キレる脚があるからと言って、大外から追い込んでくるイメージだけに捕われるのは危険かもしれない。

マイラーズC3着のキャプテントゥーレ
2年前の皐月賞こそ逃げ切りの勝利だったが、近走は先行して好位から粘り込むパターンが安定してきた。
芝のマイルは、デイリー杯勝ち・朝日杯3着をはじめ〈1.0.2.2〉。着外の2戦にしても長期休養明けの関屋記念4着とGⅠ・マイルCSの4着でいずれも小差。上位争いをできる能力はあると考えてもいいだろう。
この馬については、血統面からの評価も高く、「今回のレースは、スピードとスタミナを発揮できる絶好の舞台」という意見が多い。日本馬の中で唯一のGⅠ馬という点も強調材料のひとつだ。
不安点をあげるならば、レースの流れ=ペースだろう。
この馬の好走パターンは、前半を35~36秒台で通過して後半に脚を残す形がほとんどで、いわゆる先行前残りの競馬で結果を出している(実際、デビュー以来、前半を34秒台で走ったレースは一度もない)。
冒頭でも述べたように、安田記念は前半3Fを33~34秒台の前傾ラップになることが多い。当然、先行馬にとっては厳しい流れである。今回も同じような展開になるとは断定できないが、仮に前半3Fが33~34秒台になった場合、この馬がペースに対応できるかどうか。そのあたりに関しては未知数だ。

マイラーズC上位組では5着のスマイルジャックも出走する。
ダービー2着の実績がある馬だが、この馬もまた気性的な問題からマイル戦線へ転向した1頭。
近走、芝1600mのレースでは、昨年夏の関屋記念と2走前の六甲Sで勝ち鞍をあげているが、いずれも大外一気の競馬。馬込みを嫌うために、どうしても展開に左右され、後方からの走りになってしまう。
今回の枠順は1枠2番。カギとなるのは、スムーズに外へ持ち出せるかどうかだろう。馬群の中で脚を溜める我慢の競馬ができれば、それに越したことはないのだが・・・。ハマった時の脚は一級品とも思えるので軽視はできないものの、レースの流れや馬群の隊列によって走りが左右される点はマイナス要素だろう。

マイラーズCと並んでステップレースとして注目された京王杯SCで、1番人気に支持されたエイシンフォワード
結果は4着に敗れたが、外枠(8枠17番)から序盤で脚を使わされたことで伸びを欠いたのが敗因とされている。今回もまた大外枠。好位に付けて抜け出す競馬が身上なだけに、この枠順は不利と見なすべきだろう。実際、ニューイヤーS2着、東京新聞杯2着、阪急杯勝ちは、いずれも内枠から好位で脚を溜める競馬をした結果だった。
もっとも、展開を考えると好走を期待できる材料もある。1200mの高松宮記念で後方から追い込んで3着に入った2走前の結果から、流れが速くなれば差し・追込に転じて突っ込んでくるケースも考えられるからだ。
「マイル以上の距離実績に注意」という冒頭のデータとは矛盾するが、後方・大外の差し馬に有利な展開になれば、ハイペースのスプリント戦で見せたキレ味が武器になるかもしれない。鞍上の岩田騎手がどのような作戦をとるか、注目したい。

京王杯SCで2番人気に支持されながら10着に終わったサンカルロ
この馬に関しては、フレグモーネ明けで状態が万全でなかったという明確な敗因がある。ならば、今回巻き返しがあっても驚けないだろう。前走がスローで前残りのレコード決着だったことを考えれば、脚質的にも見直せる部分がある。
ただし、陣営の言葉を借りれば、最近は折り合いに難が見られるようになったとのこと。たしかに、マイル戦ではニュージーランドTを制した実績があるものの、近走は1200~1400mのレースへの出走が目立っている。ポイントは久々のマイル戦がどうかだろう。流れに乗れれば差し脚の怖い存在だ。

京王杯SCで2着に入ったマルカフェニックス
前残りのレースで上がり32秒9の脚で差してきた前走は評価できる内容。ムラ馬の印象もあるが、前走のようにある程度好位で脚を溜める競馬ができれば、面白い存在かもしれない。
ただし、マイル戦で実績がないのは不安材料。前走の折り合いを見る限りでは、距離が伸びてもそれなりのレースはできるかもしれないが、前走の馬体重がマイナス12キロだったことから推測すると、1400mの京王杯SCが目イチの仕上げだったようにも思える。

近走の充実ぶりを基準にすれば、前売り段階で上位人気に支持されているショウワモダンも注目の1頭。
“道悪の鬼”と呼ばれ、重馬場ならば狙える馬というイメージだったが、ここにきて走りの内容も一変した。特に前走のメイSは、良馬場で59キロを背負いながら、2着馬に0.3秒差をつける完勝。それまでの先行策ではなく、中団から差し切る脚も見せた。
もっとも、今回は中1週でGⅠ。重い斤量でそれまでとは極端に違う競馬をした反動があるかもしれない。加えて、20キロ減だった前走の馬体重も気掛かりな材料だ。

昨年のマイルCSで2着に逃げ粘ったマイネルファルケ
以後、掲示板を外していない堅実派である。逃げても番手・好位からでも競馬ができる強味があり、着差も常に勝ち馬から0.5秒以内。ペースにも対応できる先行馬で、相手なりで崩れないタイプと見てもいいだろう。
今回のレースでは位置取りがポイントになりそうだ。自らハナに立つのか、あるいはリーチや香港馬に先を行かせるのか。先行馬群に揉まれる形ではなく、スムーズに動けるポジションをキープできれば、得意の粘り込みがあるかもしれない。

混戦模様の場合、過去の実績がモノを言うケースもある。

まず、昨年の3着馬・ファリダット
その後の休養以降、馬券には絡んでいないが、前走の豪州Tでは1200m戦とはいえメンバー最速の32秒9の上がり。57.5キロのハンデを背負いながら自己の持ち時計を更新している。復調の兆しと見てもいいかもしれない。
ただし、昨年のレースでも最後の最後に伸びてきたように、どちらかと言えば一瞬の脚(最後の1F)しか使えないタイプ。府中の直線で一気に差し切るまではどうか。

昨年5着に入ったライブコンサート
年明けの京都金杯を制したものの、戦績のムラが大きい。ハマった時の末脚が怖いという意見もあるが、近走で33秒台の上がりを記録したのは、時計の出る新潟の関屋記念と東京開幕週の東京新聞杯の2戦のみ(結果は7着・13着)。よほど展開が向かない限り、上位争いは厳しそうだ。

過去の実績から言えばスーパーホーネットが断然だろう。
重賞4勝、GⅠ2着3回という記録は、今回のメンバーでは抜けた存在。叩き3走目ということもあり、状態が戻っていればアッサリがあってもおかしくない。
もっとも、前走(マイラーズC)の負け方を見ると、能力的な衰えがどうしても気になる。もちろん、一変の余地はあるかもしれないが、ウオッカを敗った一昨年の毎日王冠の時のような走りを期待するのは難しいかもしれない。

東京・芝・1600mの実績ならばアブソリュート
東京芝実績〈4.1.1.3〉、そのうちマイル戦は〈2.0.0.2〉。最も得意とする条件である。
この馬に関しても、全盛期の力を発揮できるかどうかが取捨選択のポイントだろう。2走前の東京新聞杯は、先行有利な上がりの競馬になったとはいえ6着に敗退。続く中山記念では見せ場すら作れなかった。
ある意味、このレースは正念場。中間はキッチリと立て直しを図ったようではあるが・・・。

日本馬に中心的な存在がいないとなれば、香港馬が台頭する可能性も十分あるだろう。実際、国際レーティングの上位3頭は香港馬で独占されている。
出走する3頭は、いずれも前走香港GⅠのチャンピオンマイルを走って2・3・4着。
最先着のフェローシップは、8歳馬ではあるが、近5走すべて馬券に絡む安定感がある。専門紙等の評価が最も高いのはこの馬だ。
ビューティフラッシュは逃げ.差し自在の脚質。5歳馬で伸びしろがあり、さらに、管理するクルーズ調教師は、過去にサイレントウイットネスとブリッシュラックでGⅠを2勝した実績。日本のレースの勝ち方を知っているという点では怖い存在とも言える。
サイトウィナーは昨年も来日(9番人気6着)、輸送と環境を経験しているアドバンテージがある。ただし、この中間は歩様に異常が見られたということで追い切りを自重。影響があるかもしれない。
もっとも、香港馬に関しても、一時期よりもレベルの低下が伝えられている。3頭が出走したチャンピオンマイルにしても、勝ち馬は2007年の安田記念で12着敗れたエイブルワン(現8歳)。「断然の強さを持った馬が来日したわけではない」というのが、専門家の評価でもある。

はじめにも書いたように、“どの馬が勝ってもおかしくないGⅠ”。
ダート戦線で頭角を表わしたグロリアスノアにしても、ドバイのオールウェザーコースで4着に健闘したことを考えれば、適性は未知数であっても、芝のレースで好走する可能性はゼロとは言い切れない。
あるいは、ゲートに難があり、常に後方からの競馬を強いられるマルカシェンクも、4走前の富士Sの時のような“決め打ち”をすれば、展開次第で飛び込んでくるかもしれない。前走の大敗(マイラーズC10着)は帰厩して2週間での競馬。叩き2走目の上積みを考えれば、簡単には軽視できないだろう。

最後に。
土曜のメインレース(1600万条件・芝・1600m)の勝ち時計が1分31秒7だったことからもわかるように、今の東京はかなりの高速馬場だ。
持ち時計自体は、レースの流れによってその都度更新されるものではあるが、速い時計に対応できる走りかどうか、脚を使える状態かどうかの判断は必要になるだろう。

混戦を制するのは、はたしてどの馬か。好勝負を期待したい。



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安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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