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■安田記念・復習

混戦の安田記念を制したのは、8番人気のショウワモダン。
デビュー39戦目でのGⅠ初挑戦ながら、1分31秒7のレースレコードをマーク。6歳にして春のマイル王の座に輝いた。

レースは大外枠のエーシンフォワードがハナを奪う形になり、3F通過が33秒6のハイペース。前日同じ勝ち時計(1分31秒7)で決着した湘南Sの通過タイム(35秒2)よりも1秒6も速い流れとなり、『予習』の中でデータとして取り上げた通りの前傾ラップの厳しいレースとなった。

勝ったショウワモダンは後方でじっくり脚を溜める競馬。4コーナー手前からポジションを上げたものの、追い出しはギリギリまで我慢して、最後は横一線となった馬群から半馬身抜け出した。
「ダービーの騎乗(ローズキングダムで2着)が勉強になった」という後藤騎手。先に動いたことで後ろから来たエイシンフラッシュに差されたレースを糧にして、今回は抜群の手応えを感じながらも、「我慢、我慢」と自分に言い聞かせて追い出しのタイミングを図ったという。言うまでもなく、好騎乗である。
それにしても、短期間の間にGⅠを勝てるだけの力をつけた、この馬の成長力には驚かされる。
馬体重(前走20キロ減)こそ戻っていなかったものの、不安視されていた反動もなく状態面は万全。近走の勢いをそのままレースにつなげることができたことが一番の勝因だろう。
8歳にして頂点に立ったカンパニーの例があるように、6歳のショウワモダンにもまだまだ強くなる可能性が期待できる。“重馬場専門の逃げ馬”と言われた馬が、良馬場のレコード決着で差し切り勝ち。なによりもまず、今回はこの馬自身の成長力に敬意を表したい。

2着はスーパーホーネット。
復調度や衰えなどの不安要素があったが、終わってみればこの結果。休養明け3戦目で確実に状態が上がっていたということで、これまでの実績を考えれば、当然の好走である。
もっとも、藤岡佑騎手は「まだまだ良くなる余地を残している」とコメント。たしかに、勝ち馬を見る形で直線を伸びながら、捉え切れなかった点については物足りなさもある。しかし、この馬の底力は十分示すことができたレース。7歳とはいえ、現状のマイル戦線では力上位と評価してもいいだろう。
このまま順調にいけば、秋のマイルCS(07年・08年連続2着)で悲願のGⅠ制覇を達成する可能性も十分。ともあれ、ウオッカやカンパニーと好勝負を繰り広げた歴戦の古馬が健在だったことはうれしい限りだ。

3着は内から伸びたスマイルジャック。
『予習』では、馬込みを嫌うこの馬の気性にふれた上で、「馬群の中で脚を溜める我慢の競馬ができれば、それに越したことはない」と書いたが、今回は“インにこだわったレース”を見せてくれた。
最後は馬場の内外の差で伸び負けした感もあるが、苦手の馬込みから抜け出すレースができたことは、今後につながる大きな収穫となったはず。この点については、三浦騎手の我慢の騎乗も評価したい。
これまでは、人気先行型のタイプという印象もあったが、今回のレースでひと皮むけたとすれば、秋以降が楽しみな1頭。次走、どのような走りをするか、注目したい。

4着は2番人気のトライアンフマーチ。
末脚にかけるレースをするかとも思ったが、今回は先行して好位につける競馬。おそらく、鞍上の内田博騎手は、前につけても脚を使える馬と信じて正攻法の勝負に出たのだろう(実際、東京新聞杯や阪急杯では好位からのレースをしていた)。
結果的に、早めに先頭に立つ形になり決め手の差に屈したが、先行馬に厳しい流れの中で勝ち馬から0.2秒差で渋太く食い下がった内容は評価できるはず。脚質に自在性がある点を改めて強調できたことも、プラスと考えられる。
現時点では、ペースや位置取りに対応できる能力がありながら、勝ち切るまでの“強さ”に結びついていない印象。まだまだ完成途上という見方もできるので、今後に期待したい。

香港馬の最先着となった5着のサイトウィナー。
3頭の中では最も低い評価だったが、昨年のこのレースで高速馬場の前傾ラップを経験していたことが、プラスに作用したようにも思われる。鞍上のウィリアムズ騎手が日本の競馬に慣れていたことも好走の一因だろう。
香港馬に関しては、戦前から時計への対応が問題視されていたが、それを考えれば1分31秒台のタイムで掲示板に載ったことは大健闘を言えるかもしれない。

1番人気のリーチザクラウンは14着と大敗。
好位の3番手で楽に追走しているようにも見えたが、3コーナー過ぎから馬群を避けるかのように後退。直線を向いても伸びることなく、流れ込むのが精一杯だった。残念ながら、『予習』の中で不安視した要素が、すべてレースで噴出してしまったようである。
安藤勝騎手は「馬込みに入って我慢をする競馬をしたことがないから、外から寄られて嫌気を出した」とコメント。やはり今回の最内枠はこの馬にとって不利であり、言い換えれば、前走のマイラーズCは大外枠からスムーズにレースを運べたことが勝因だったのだろう。そもそも、芝のマイル重賞を1戦しか経験していない馬。1番人気の支持は過大評価だったように思える。
道中の折り合いはついていたが、気性的な問題が露見した一戦。今後、陣営がどのように課題を修正していくかがポイントになりそうだ。

3番人気のキャプテントゥーレは7着。
『予習』では、前傾ラップを経験していないことを不安材料として取り上げたが、この馬に関しても、不安が的中したと言えるかもしれない。
先行馬にとって厳しい流れの中で頑張っていたが、残り50mで失速。横山典騎手は「この馬の力は出せた」とコメントしているように、今回は展開(ペース)が向かなかったということだろう。それでも、勝ち馬から着差は0.3秒。スローの上がり勝負が見込めるレース(=この馬の得意とする展開)ならば、十分見直せるはずだ。

配当的には荒れた今年の安田記念だが、波乱のレースだったかと言えば、決してそうではないだろう。
戦前、このレースが「混戦模様」「どの馬にもチャンスがある」と評されたのは、出走各馬に好走できる要因と不安材料の両方が存在していたからだ。言い換えれば、「不安材料を克服できた馬は好走できる」という見方ができたのである。そして、結果はまさにその通りになった。

近走の充実ぶりは一番だが、前走の反動が心配されたショウワモダン。
実績はナンバー1だが、復調度がカギになったスーパーホーネット。
末脚のキレ味は認めるが、インで溜める競馬ができればという条件のついたスマイルジャック。

上位3頭はそれぞれの不安要素をクリアできたからこそ好走できたと考えていいはずだ。
取捨選択の判断の難しいレースではあったが、不安材料を克服した馬が好走したという意味では、今回は「順当な決着」だったのではないだろうか。
底力の問われた一戦であり、好勝負だったと思う。



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■コメント

■Re: 安田記念・復習 [ECO]

安東さん、毎度です。
何が来てもおかしくないレースでしたが、私のは来なかったです(笑)ショウワモダンにはマイル戦線のエースとして活躍していただきたいですね。
春のG1これで一息つきますが特に東京馬場と予想傾向が合いにくかった気がします。次に備え引き続き日々是反省してまいります。

■ECOさんへ [安東 裕章]

毎度です。

ショウワモダンには驚かされました。
こんなに短期間で馬が変わることってあるんですね。
今後もマイル戦線で活躍してもらいたいです。
ただ、世代交代を考えると、4歳馬が頑張ってくれた方がよかったという気もしますが・・・。

馬場は難しかったですね。
時計が速すぎる上に、前が残る時もあれば、外から飛んでくることもある・・・。
展開の読みにくい開催だったと思います。

■案の定 [電気羊]

今年も外れました(^^ゞ
それにしてもショウワモダンには驚きました。6歳にして初GI、そして戴冠してしまうとは!後藤騎手も好騎乗だったんですね。
父親エアジハードが勝っている以外にも血統的に面白かったし、馬体重もヘンに戻していなかったのを見て急きょ買い目には入れましたが、さすがに軸やアタマでは買えませんでした。キャプテントゥーレ、マイネルファルケはペース的に合わない気がして狙いを下げたものの、思い切って外せなかったのも敗因でしょう。何より「外れてもともと」とサンカルロ買ったのが無理筋でしたか。速めのペースなら可能性ありと見たんですが……。

ただ、確かに難しいレースながら上位3頭の好走は十分納得のいくもの。特にスマイルジャックに関しては、前日のマイル戦でタニノギムレット産駒が1着。2着も同系のシンボリクリスエス産駒でしたからマークはしていました。
悔しいのはやまやまですし、的中できなかったのはまぎれもない事実ですが、自分のスタンスでこれからも頑張れそうです(負け惜しみの感は否めませんけど、笑)

■電気羊さんへ [安東 裕章]

こんばんは。

安田記念は難しかったですね~。
軸馬を決めたくても一長一短、買い目の絞れないレースでした。
ショウワモダンはエアジハード産駒の出世頭になりましたね。
この先、さらに強さに磨きがかかるのか、楽しみな1頭です。

こじつけの結果論かもしれませんが、上位3頭には「東京・芝・1800mで速い時計を持っている」という共通項がありました。
やはり、スピードとスタミナを求められるレースだったのではないかと思います。

電気羊さんの考え方はいいと思いますよ!
特に最近のコメントは私も勉強になります。
これからも自分のスタイルで頑張って、競馬を楽しんでください!

■予想外すも復調の気配 [うに]

安東さん、こんばんは。
安田記念は、前崩れは予想できたものの、馬券に絡んだのはスマイルジャックのみ。
「なんか違うなあ」と思いながら、一番無難そうなトライアンフマーチを軸にしましたが、こんな弱気な考えでは勝てませんよね。
でも、人気に左右されず取捨選択できたので、ちょっと自信がついたかも。予習が後押ししてくれました。ありがとうございます!

ショウワモダンは去年から穴狙いで買っていましたが、当時2ケタ着順の馬がG1を獲るなんて予想だにしなかったです。
最初から強い馬もいいけど、どんどん成長していく馬もいいもんですね。
今現在、いまいち活躍できていないけど、将来性がありそうな馬を探して投資するのも面白そうですね。
安東さん、そんな馬に心当たりはありませんか?(笑)

ショウワモダンを消したのは、陣営が「時計がかかって欲しい」と消極的だったので。でも、鞍上は一発狙っていたんですね。やっぱり勝つ人は勝負根性が違いますね。私も絶好のチャンスを逃さないように、精進します。




■うにさんへ [安東 裕章]

こんばんは。

復調の気配ですか!
よかったですね♪
「人気馬にだまされなかった」「穴馬を拾えた」といったことから、調子が出てくることもありますよ。
いい流れをつかんでください!

ショウワモダンは前走の“良馬場・時計勝負で差しの競馬”で勝てたことが、本格化を意味していたようですね。
それまでと違う競馬をした馬に関して、ついつい消耗や反動を気にしてしまうのは、私の悪いクセかもしれません。
もっとしっかりと検討できるように、がんばります!

■良きアドバイスを。 [うに]

昨日はお返事ありがとうございました。
お尋ねしますが、安東さんは、データを信用なさらないという事ですが、全否定ではないのですよね?
予習で、レースの傾向として参考になりそうなデータを取り上げていらっしゃるので、そう思ったのですが、安東さんが信用しないデータは、どういったものでしょうか?
私もデータに振り回されないように、納得がいくものだけを参考にするようにして、鵜呑みはしなくなりました。
でも、人気薄絡みでそそられるデータを見ると、ついフラフラと手を出して痛い目に合ってます。

安東さんのデータとの付き合い方を参考にしたいので、教えて下さいますか?

■うにさんへ [安東 裕章]

こんばんは。

ご質問の件ですが、簡単に言いますと、データには「傾向」と「確率」の2種類のものがあって、私の場合、「傾向」は一応頭に入れておきますが、「確率」に関してはそれほど重視しません。

安田記念の予習に書いた“マイル以上の実績を持つ馬が好走する”というのは、私にとっては「傾向」です。
なぜなら“東京芝1600mはスタミナも要求される”(=距離経験がプラスに働く)という理由があるために、予想のヒントになると思われるからです。
ダービーのデータとして“皐月賞組が強い”というのがありますけど、これについては“目イチで仕上げられたトップクラスとの戦いを経験しているから”という理由が考えられますよね。
このように、なぜそうなるのかという理由にたどりつけるものについては、予想の際のヒントにすることが多いです(実際、この理由でペルーサを消しました)。

対して、“1番人気が信頼できるレース”“外枠の差し馬が馬券に絡む”といったものは「確率」で、あくまで過去の統計によるものです。
好走例が多いからといって、理由が見つからないものに関しては、それほど意味がないのでは?と思います。

『ツボ』の中にも書きましたが、一番気をつけなければいけないのは、「自分の買いたい馬を何かしらの“過去の好走データ”にあてはめること」です。
うにさんがおっしゃるところの“痛い目”というのはそれじゃないですか?(笑)

データを信用する・しないではなくて、うまく活用することが大事だと思います。


■なるほど! [うに]

的を得たご返答、ありがとうございました。
データの「傾向」と「確率」が、いっしょくたになっていました。安東さんの解説は、もつれた糸がほどかれていくようで快感でした(笑)。
おっしゃる通り、“痛い目”の件、図星です。買いたい馬がバッチリ好走データにあてはまったら、まっしぐらでした(笑)。(無理矢理あてはめた事も…)

以後、怪しいデータには手を出しません!(笑)。


毎週G1が続いて精魂尽き果てました。G3はホームに帰ったようで、気楽に予想できそうです(笑)。

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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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