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■宝塚記念・復習

2010年春のグランプリホースの座に輝いたのは、8番人気の伏兵・ナカヤマフェスタだった。

レースは逃げ宣言をしたナムラクレセントが注文通りにハナへ。稍重馬場ながら1000m通過が60秒ジャスト。緩みのない平均ペースで進んだ。
勝ったナカヤマフェスタは、中団の後方で折り合いをつけ、3~4コーナーからマクり気味に進出。直線入り口で外の6番手まで位置を押し上げると、最後は内で競り合うブエナビスタとアーネストリーを鮮やかに差し切った。
『予習』では「(条件付きで)大駆けがあるかもしれない」という取り上げ方をしたが、今回の勝因はさまざまな要素がプラスに働いたと考えていいだろう。
まず、栗東滞在による調整面での効果。もはや、“関東馬が関西圏のレースで好走する時の鉄則”と呼んでも差し支えないパターンである。とりわけ、輸送に慣れていない3~4歳馬については、結果につながるケースが多く見られる。今後も関東馬の栗東滞在には注意が必要だろう。
さらに、稍重の馬場状態もこの馬に味方した。不良馬場のダービー(4着)でも鋭い差し脚を見せたように、道悪を苦にしないタイプで、今回もメンバー最速の35秒8の上がりをマーク。他馬が脚元を気にして力を出せなかった分、大きなアドバンテージになったに違いない。
もうひとつ、阪神・内回りというコース形態もこの馬の走りに向いていたと考えられる。中山のセントライト記念を勝った時のコーナー通過順位は7→5→3、今回は11→8→6。『ツボ』の中でも何度かふれたように、直線の短いコースでは、“マクり気味の進出”がひとつの勝ちパターンになる。具体的に言うならば、ドリームジャーニーが勝つ時のパターンであり、ナカヤマフェスタも同じ勝ち方のできる馬だったということだ。
ゲート入りに手こずったように、まだまだ気性的に幼い面が残っているが、レースに関しては完璧な内容だったと思う。条件が向いたとはいえ、メトロポリタンSに続いての強い競馬。凱旋門賞参戦も含め、秋に向けて楽しみな1頭が登場したと見てもいいだろう。

1番人気のブエナビスタはアーネストリーを交わしたものの、ナカヤマフェスタに差されて2着。
好位に付けて前を捕らえる正攻法の競馬を見せてくれたが、結果的には、終始馬場の悪い内目でレースを運んだことが、あとひと伸びに欠けたように思える。ゴール前にしても、アーネストリーの内側ではなく、外から交わしてナカヤマフェスタと併せる形になっていれば、結果は違っていたかもしれない。
とはいえ、ブエナビスタの底力を改めて認識させられたレースであったことも確か。3ヶ月の間にドバイ、東京、阪神を走ってすべて連対というのは、並の馬では到底できない芸当だ。
横山典騎手は「よく頑張っている。前回と比べれば良くなっているが、もっと良くなる」とコメント。やはり、本当の意味での万全ではなかったようだ。今後の予定については、夏場を休養に充て秋の国内GⅠに備えるとのこと。天皇賞・秋、ジャパンカップ。ブエナビスタの強い競馬が見られる日を心待ちにしたい。

3着はアーネストリー。
初のGⅠ挑戦ではあったが、見応え十分の内容だった。好スタートを決めてナムラクレセントの2番手へ。この馬の得意とする“逃げ馬マークの好位抜け出し”の形を取ることができたのが好走の要因だろう。
自分の競馬ができればGⅠでも通用することは立証できたが、同時に今後の課題が見つかったレースだったとも言える。
今回、ブエナビスタとナカヤマフェスタに交わされたように、直線で抜け出した後はどうしても差し馬の目標にされてしまう。1頭になってからさらに後続を突き放す競馬ができるかどうか。そのあたりがこの先の課題になるだろう。佐藤哲騎手は「経験を積ませてさらに強い馬にしたい」とコメント。今後のレースぶりに注目したい。

4着には大外から追い込んだドリームジャーニー。
調整過程から今回は割引と判断したが、正味直線だけの競馬で0.3秒差まで詰め寄ってきたのは、地力の高さと評価すべきだろう。
とはいえ、本来ポジションを上げるはずの3~4コーナーで置かれ気味になったのは、本調子でなかったからにほかならない。「昨年のデキがあれば突き抜けていた」という池添騎手の言葉通り、今回は残念な結果だった。

5着のネヴァブションは大健闘の走り。
今回は海外遠征帰りの初戦ということで、『予習』では取り上げなかったが、AJCC勝ちがあるように馬の実力そのものは十分に評価できる馬。レースでも内枠を活かした巧い立ち回りを見せてくれた。
7歳馬ではあるが、まだまだ衰えた様子はない。今後も伏兵として面白い存在になりそうだ。

2番人気のジャガーメイルは8着に敗退。
ウィリアムズ騎手は「馬場が合わなかった」とコメントしているが、はたしてそれが敗因かどうか。
『予習』ではこの馬の不安材料を2点あげたが、それが直接の原因ではないにしろ、何らかの影響があったかもしれない。特に、「東京と京都のレースに集中していること」は、前が詰まって行き場をなくしたような今回の走りからして、“ジャガーメイルは広いコース向き”という見方ができるかもしれない。実際、京都記念も春天も、直線で馬群がバラけて抜け出しやすい展開だった。
となれば、秋の東京で行われるGⅠでは、巻き返しの可能性も十分考えられる(京都大賞典も含めて)。今回の敗戦だけでは見限れないだろう。

昨年のダービー馬・ロジユニヴァース(5番人気)は13着。
道中はアーネストリーをマークする形で楽に追走しているようにも見えたが、4コーナー手前で手応えが怪しくなりそのまま失速。順調に使われていない弱味がそのまま結果に出たようだ。
テレビのパドック解説でもふれられていたが、馬体は絞れてはいてもその後に筋肉が付いていないという印象。まずは、しっかりとしたローテーションを組んで、レースを使えるようになることが先決だ。

今年の宝塚記念は見応えのあるいいレースだったとは思えるが、良馬場で行われなかったのはやはり残念だ。
メイショウベルーガやセイウンワンダーなどは、馬場状態が違っていればもっと走れたのではないだろうか。強い競馬を見せてくれたナカヤマフェスタに対して、手放しで絶賛できない理由もそこにある。
今回のレースが参考外というわけではない。真の決着は秋のGⅠまで持ち越しということ。真価が問われるナカヤマフェスタとアーネストリー。巻き返しが期待されるブエナビスタとジャガーメイル。ドリームジャーニーにしても、暮れの有馬記念は万全を期してくるだろう。
個人的な印象を述べれば、「上半期の総決算でありながら、秋のGⅠの序章となったレース」。次の対戦が楽しみである。



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■コメント

■Re: 宝塚記念・復習 [ECO]

安東さま、毎度です。
阪神重賞はなぜか伏兵が着やすいですね。トリッキーなんでしょうか。
馬場やや重で比較的先行してくれる馬が1番、2番人気でしたので残り3ハロン外からスマートギアが・・・。着ませんでした。コメントでは外も少し重かったみたいですね。ナカヤマフェスタには今後も頑張ってもらいましょう。凱旋門いくんでしょうか?地方重賞がどんどん始まりますが、頭がついてくるかどうか不安です。

■ECOさんへ [安東 裕章]

毎度です。

今回の馬場はやや重発表でしたが、良から悪くなったのではなく不良から回復したものでしたから、見た目よりも重かったかもしれませんね。
キレ味勝負の馬には可哀相だったと思います。
ナカヤマフェスタはまだまだ気性面で信用できない部分もあるのですが、常に今回のような走りができればこの先が楽しみです。
牝馬に押されっぱなしの4歳牡馬には頑張ってほしいです。

ローカル重賞はハンデ戦も多いので難解ですね。
私も頭を柔軟にして考えるようにしたいと思います。

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安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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