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■小倉記念・復習

GⅢ・小倉記念を制したのは、9番人気の伏兵・ニホンピロレガーロだった。

レースはオースミスパークが先導する形で、1000m通過58秒6の緩みのないペースで進み、1分57秒9の勝ち時計はレコードに0.1秒差の高速決着。1週前の函館記念同様、底力が問われる一戦だったと言えるだろう。

勝ったニホンピロレガーロは、道中中団を進み、3コーナー過ぎからマクリ気味に進出。直線で抜け出すと、外から並びかけたバトルバニヤンの追撃をハナ差凌ぎ切った。小回りコースにおいては理想的とも思えるレース運びであり、完璧な勝利と評価できる内容である。
もっとも、今回のニホンピロレガーロの走りを戦前に予想できたかというと、正直難しかった。
近走、この馬が結果を出しているのは、4コーナー10番手以降から追い込む競馬。直線の短い小回りコース向きとは思えなかった。しかも、休み明けの実績が乏しい。「ここを叩いて次走の新潟記念(得意コース)が勝負」との判断が妥当と思われたし、実際、陣営のコメントも「次につながるレースを期待したい」といった内容。『予習』でこの馬を取り上げなかったのは、それが理由である。
好騎乗を見せてくれた酒井学騎手は「小倉コースなので位置取りを考えた」と述べているが、従来の競馬とは違う形になっても結果を出せたのは、馬自身に“走りの対応力”があったということ。休養前のレース内容や走破時計から、この馬の“充実度”は読み取れるのであるから、「今ならば小倉向きの走りができるかもしれない」という考え方をしなければならなかったのかもしれない。
次走については、当初の予定通り8月29日の新潟記念が濃厚だが、今回の結果によって「休み明け激走の反動」「自分の競馬とは違う形で好走した反動」といった不安要素が生まれたのも事実。そのあたりは、陣営も「様子を見て何もなければ(新潟記念に)挑戦したい」と慎重な態度を見せている。状態面に問題がなければ、当然ながら有力候補の1頭。札幌記念に出走予定のマイネルスターリーと同じく、次走の走りに要注目である。

2着は4番人気のバトルバニヤン。
3コーナー過ぎからニホンピロレガーロと並ぶように進出し、最後の最後まで見応えのある競り合いを見せてくれた。実に惜しい2着である。
この馬もまた、小倉向きの理想的なレース運び。コース実績の高い馬なので、時計をクリアできれば好走の可能性は高いと考えていたが、その通りの結果になった。
これで、七夕賞に続いて馬券圏内の成績。次走、新潟記念に出走してくるのであれば、サマーシリーズ王者の目も残されているが、夏3戦目となるローテーションがどうか。状態面のチェックが必要になりそうだ。

武豊騎手が騎乗したスマートギアが3着。
メンバー最速の34秒4の脚で大外から追い込んできたが、1・2着馬には届かなかった。3コーナーから若干ポジションを上げていったものの、正味直線だけの競馬。脚質を考えれば、むしろ大健闘と言えるだろうし、同時に、この馬の底力を見ることができたレースだったと思われる。スローの瞬発力勝負向きの印象が強かっただけに、平均ペースの厳しい流れで結果を出せたことは収穫だろう。ただし、本質的には、直線の長い広いコース向きであることに変わりはないようだ。

クビ差の4着にはナリタクリスタル。
道中は好位でうまく立ち回っていたので、あとは“直線で抜け出すだけ”のようにも見えたが、馬群の中でつかえた分だけ遅れをとった(幸騎手は「馬込みに突っ込もうとする時に馬が躊躇した」とコメント)。
ハンデ重賞なので、勢いと出来の良さを活かせば勝てるチャンスもあるかと思われたが、今回のような厳しい流れになると、ある程度の経験値も必要とされるのだろう。まだまだ成長の見込める4歳馬なので今後に期待したい。

3番人気のサンライズベガは7着。
前走の七夕賞が後方からの競馬で敗れたために、今回は意識的に前に付けたのかもしれないが、逆に脚を溜めることができずに終わってしまった。
松岡騎手は「リズム良く行き過ぎた」とコメント。結果的には1・2着馬の目標にされた感がある。馬場状態と高速決着を前提に考えれば、前々のポジションは間違ってはいないのだが、反面、持ち味(好位からの差し脚)を活かせない競馬になった。斤量的には有利なレースだっただけに、残念な結果と言えるだろう。

8着のホワイトピリグリム(5番人気)は、「少し疲れがあったのかもしれない」という福永騎手のコメントの通り、短期間での輸送が影響したのかもしれない。走りを見ていても、ピリッとしたものが感じられなかった。
七夕賞の1・2着馬、ドモナラズとアルコセニョーラは、やはり斤量増と脚質がマイナスに作用したようだ。


それにしても・・・。
今週もまた、難しいレースだった。
「1分57秒~58秒の高速決着になるので時計的に対応できるかがカギ」「レースの上がりが35秒台の緩みないペースでは底力が必要」「直線の短いコースでは4コーナーである程度前に位置する馬が有利」。
こうした“基本的な要素”は予測できていながら、ニホンピロレガーロに注目しなかったのは大きな反省点。時計面と近走の内容に強調できる材料があった以上、“小回り向きのマクリの競馬ができれば”“休養明けでも状態が仕上がっていれば”という条件付きでも、検討の対象にすべきだった。




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■コメント

■素直に直感に従っていれば…(泣) [うに]

安東さん、こんばんは。
小倉記念は、私の中で固まっていた予想のセオリーを、洗い直す良いきっかけになりました。
状態が良くて実力があれば、小回りコースの大外でも、鉄砲実績が無くても、簡単に消してはいけませんね。

直感では、ニホンピロレガーロは“買い”だったのですが、さすがにバクチを打つ勇気が無く、より安心なサンライズベガを軸にして馬連を逃してしまいました。(少し泣きました)。

ただ、UHB杯で馬連と3連複を的中できたので、今週のダメージは半減しました。
でもやっぱり悔しいっ!

せめて、大外枠じゃなかったら…なんて、言い出したらキリが無いですよね。

穴馬って、本当にうまく隠れますね(笑)。


■うにさんへ [安東 裕章]

こんばんは。
UHB杯的中おめでとうございます♪

それにしても、ニホンピロレガーロ・・・。
私も水曜日くらいまでは狙う気満々だったんですよ。
ただ、実際に馬柱表を見ると、買いづらい材料ばかりが目についてしまって、「次走だな」という結論になりました。
ただ、今回の好走についての評価は、新潟記念の結果次第という考え方もできますね。
無理な走りだったどうかという点に注目したいと思います。

■ [ECO]

安東さま、毎度です。月曜に考えていた外枠勝負を直前に変え、撃沈。まだまだ素直さが足りません。それとも集中力か、今週は距離が変わるので改めて考え方を整理します。

■ありがとうごさいます。 [うに]

安東さんの仰るように、ニホンピロレガーロの次走は慎重に考えようと思います。

教えて頂きたい事があります。
UHB杯のフライングアップルを買っておくべきだったかどうか、判断に悩んでいます。
出走馬の中では、力不足とみて消しましたが、不利を受けても4着まで追い上げて来たので、ヒヤリとしました。
スムーズなら馬券を外していたかもしれない、けど、器用さが無いから不利を受ける形になったのかも、それでも、これだけ走れたら評価すべきなのか…と、ぐるぐる回っております。
安東さんの明瞭な解析で、断ち切って下さい(笑)。
お願い致します。

■ECOさんへ [安東 裕章]

毎度です。

やはり、ニホンピロレガーロが気になったのですね?
どうやら、皆さん(私を含めて)、今回は直感に従った方がよかったみたいです。
改めて『予習』を読み返してみたのですが、「うーん、迷いがあるなあ~」と思いました(笑)。
少し頭を柔らかくした方がいいかもしれません。
反省です。

■うにさんへ [安東 裕章]

こんばんは。

UHB杯のフライングアップルについてですが、買わなかったことで馬券が的中されたのですから、それでよかったのではないかと・・・(笑)。
まあ、冗談はともかく、あのレースでフライングアップルを狙えたかというと、個人的には疑問です。
札幌芝実績のある馬ですが、1200mに距離を短縮してからは、上がりの瞬発力を活かす軽い芝向きの走りになったようにも思えます。
今回のように先行馬が揃ったレースでは、緩みない流れが予想されましたからね。
仮に不利がなかったとしても、馬券には絡まなかったのではないかと思います。

たしかに、最後は鋭い伸び脚を見せてくれましたけど、1頭だけ大外を回った結果ですから、あまり誉められたものではありません。
むしろ、うにさんがおっしゃるように、「器用さがないから不利を受けた」、あるいは「馬込みに突っ込めるだけのタフさがなかった」といったあたりが、この馬に対する評価と考えてもいいのではないでしょうか。

うにさんの“消し”の選択は、正しかったと思いますよ!


■再びありがとうございました。 [うに]

安東さんのお陰で、スッキリしました。
フライングアップルの今回の結果は、一見すると高評価を与えてもよさそうな走りでしたが、安東さんにかかれば、辛口の評価になってしまうのですね。
今後、この馬の取捨選択を誤らずに済みそうです(たぶん…)。
大変、参考になりました。

私の判断は正しいと仰って頂いて、天狗になってしまいそうですが、実は12頭数なのに5頭も買っていて、これはどうなのかと反省しています。
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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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