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■札幌記念・予習

GⅡ・札幌記念。
サマー2000シリーズの第4戦という位置付けではあるが、その他のハンデGⅢとは明らかに“格”の違う一戦である。出走馬のレベルも高く、毎年のようにGⅠ馬が参戦。過去10年においても、連対馬20頭中16頭に芝1600m以上の重賞勝ちがあり、実績を軽視できない傾向がある。
一方で、前走で函館記念を走った馬が10年で7連対(近3年でも3着以内に4頭)。函館記念上位組ならば、シリーズチャンピオン狙いの勝負気配があるだろうし、負け組についても、洋芝適性や滞在効果などによる巻き返しがあるかもしれない。
多彩な顔ぶれが揃う注目のレースだが、予想に関しては、比較・検討の基準を見つけにくい難解な一戦と言えるだろう。

土曜日夕方の時点での前売り1番人気はアーネストリー
昨年秋からの充実ぶりは“完全本格化”を印象づけるものであり、初のGⅠ挑戦となった前走の宝塚記念でも3番人気の支持を集めて3着という結果を残した。5歳馬ながらキャリアはわずか16戦ということもあって、レースごとに走りの成長がうかがえる。ひとことで言えば、それは「自分の好走パターンに持ち込めるようになった」ということだろう。
好スタートから番手のポジションをキープして直線で抜け出す競馬。このパターンが確立されたことによって、この馬の強さに磨きがかけられたように思える。今回も“好相性の先導馬”であるドリームサンデーが出走。自分の形に持ち込めばおのずと結果はついてくるだろうし、秋のGⅠ戦線に向けての展望も開けるはずだ。
気がかりな点をあげるならば、予想以上に時計がかかった場合。
2000mの距離は〈5.1.0.2〉と最も得意としており、近5走でも3勝を上げているが、その勝ち時計は1分57秒~59秒台の速い決着。どちらかと言えば、高速馬場向きの走りというイメージがある。札幌にも勝ち鞍があるので、洋芝適性自体を不安視する必要はないかもしれないが、時計のかかる重い芝でこれまでのような“鋭い反応からの一瞬の抜け出し”ができるかどうか。

昨年のダービー馬・ロジユニヴァース
“レースレコード(札幌2歳S)を更新した舞台で復活”というファンの期待もあって、上位人気に支持されている。
この馬の場合、どれだけ走れる状態に戻っているかがポイントだろう。その意味では、現時点では半信半疑というのが正直なところだ。早めの札幌入厩による滞在効果によって、「状態に関しては前走以上」(陣営談)ということだが、その前走・宝塚記念の内容は本調子にはほど遠いもの。今回、一変を期待できるかというと、まだまだ難しいようにも思える。
とはいうものの、デビューから4連勝というのは、並の馬ではできない芸当であることも確か。潜在能力の高さまでは否定できない。主戦の横山典騎手が馬に走る気を起こさせるために、“極端な競馬(例えば大逃げなど)”を試みれば、結果に結びつく可能性もある。馬券的には買いづらいが、復活の実現性はゼロとは言い切れないだろう。

出走メンバー中、唯一の3歳馬であるヒルノダムール
このレース、過去10年で3歳馬は〈3.1.1.7〉という好成績を残しているが、その理由は古馬との斤量差にある。3キロ差の54キロで出走できるのは有利であることに間違いない。
洋芝適性は未知数だが、陣営によれば、「輸送減りしやすい馬なので滞在競馬はプラス」とのこと。大目標は秋の菊花賞と思われるものの、使い出しでも軽視できない1頭だろう。
問題は脚質。
若駒S(1着)、皐月賞(2着)でメンバー最速の上がりをマークしたように、この馬の持ち味は“末脚のキレ”にある。思い出されるのは、昨年2着に敗れたブエナビスタ。小回り平坦コースだけに、末脚のキレだけでは“差して届かず”のケースも考えられる。初の古馬との対戦で、どれだけ巧く立ち回れるかがポイントになりそうだ。

前走、函館記念を圧勝したマイネルスターリー
緩みのないレースを自分から動いて勝った内容は高く評価できる。札幌芝は7戦して5勝の得意コース。ここでも有力候補の1頭だ。
検討すべき点は「同じ競馬ができるかどうか?」だろう。
前走は道中好位の5~6番手からマクリ気味に進出して直線で抜け出す理想的なレースができたが、今回は2つの課題がある。
ひとつは、先行馬のレベルが高くなったこと。アーネストリー、ロジユニヴァースといった、言わばGⅠ級の先行馬を相手にしなければならない。厳しい流れのために失速した前回の先行勢とは力が違うということだ。
もうひとつは最内枠に入ったこと。スタートから1コーナーまでに距離があるとはいえ、好位のポジションをキープすることができるかどうか。さらに、マクっていくためには、外に出すタイミングも重要になる。
条件的にはベストであり、勢いのある馬ではあるが、クリアしなければならない課題があることも頭に入れておきたい。

函館記念2着のジャミール
この馬については、『函館記念・復習』の中で述べたように、「直線の短い小回りコースよりも広いコースで末脚を活かす競馬の方が持ち味を発揮できる」という見方ができるように思われる。
安藤勝騎手自身、「早めに動くと良くない馬」と評しているし、前走についても「もっと脚を溜めた方がよかった」とコメントしている。となれば、差し脚を活かせる展開になるかどうかがカギだろう。

函館記念3着のドリームサンデー
近走の内容を見る限りでは、堅実な先行馬というイメージが定着した感がある。前走にしても、力量が試される緩みのないペースを先行しながら、最後まで渋太く粘っていた。
ポイントは自分のペースで走れるかどうか。同型のベルモントルパンがどのような出方をするかで流れが変わりそうだ。前走のテイエムプリキュアのように大逃げをしてくれれば、離れた2番手でリズムを作れるが、絡まれるような展開になると厳しいレースになるかもしれない。

昨年春の天皇賞馬・マイネルキッツ
その後は不振に陥ったようにも思えたが、今年に入ってからは好調。前走の天皇賞・春でも2着に入った。
実績的には最上位と見なしてもよく、札幌芝も〈2.1.0.1〉と好相性。定量の57キロで出走できるのもプラス材料である。
ただし、国枝調教師によれば「仕上がりは八分程度」。調教も格下相手に手応えで見劣るなど、万全の出来とは言い難い。専門紙等でも、秋の海外遠征(豪・メルボルンC)に向けての叩き台という見方が多いようだ。
距離を延長したからこそGⅠ馬にまで昇り詰めた経緯を考えれば、2000mの距離も微妙。地力でカバーできる可能性もあるが、今回は割り引いて考えた方が無難かもしれない。

昨年の札幌記念を制したヤマニンキングリー
もっとも、その後は掲示板に載れないレースが続いており、逆に気性面の悪さが顔を出すようになってしまった。
昨年の場合、好位からロスなく立ち回ったことが勝因となったが、今年はポジション取りにも不利のある大外枠。海外遠征後の休み明けということで、状態面にも不安がありそうだ。鞍上の武豊騎手に期待する声もあるようだが、好調時の走りが見られるかどうか。

札幌芝適性という点から良績の目立つ馬は3頭。

北海道シリーズ3戦目となるエアジパングは札幌芝〈2.2.2.1〉。
ステイヤーズS勝ちがあるため、長距離馬の印象が強いが、函館記念4着の走りを見ると2000mにも対応できそうだ。ただし、以前ほどの先行力がなくなったことは気がかり。差して結果を出せるかどうか。函館から輸送して中1週という厳しいローテーションも不安材料だ。

年明けの中山金杯を勝ったアクシオン
札幌芝では〈2.2.0.0〉の実績がある。もっとも、休養明けの2戦を見ると、調子が戻っていない様子。今回も1週前追い切りでは2歳馬に遅れをとった。取捨選択については、状態面に注意を払う必要があるだろう。

昨年の3着馬・サクラオリオン
札幌芝は〈2.1.2.0〉。前走、休み明けの函館記念は12着と大敗したが、栗東→札幌→函館の輸送の影響でマイナス20キロの馬体減だった。滞在効果で状態が戻っていることが前提となるが、一変の余地があるかもしれない。

その他、人気薄で気になるのは2頭。

まず、一昨年のこのレースで3着に入ったフィールドベアー
短距離路線やダート戦線への転向を試みた経緯があるため、芝の中距離戦が適条件とは思えない部分もあった。
ところが、北海道シリーズでの2戦(1800m・2000m)は4着・5着。これは、洋芝適性が高さがもたらした好走と考えることもできる。
しかも、どちらのレースも外枠に入ったために後方から外を回る競馬。陣営も「枠順が内ならばもっと上位にこれた」とコメントしている。今回は4枠7番。厩舎コメントを額面通りに受け取るのは危険ではあるが、4走前の大阪杯の時のような“好位から早め先頭の競馬”でアッと言わせるシーンがあるかもしれない。

もう1頭はシャドウゲイト
今年に入ってAJCC2着、中京記念1着と結果を出している。前走10着は休み明けの上に出遅れ。それでもメンバー最速の上がりをマークしたのであるから、走り自体は素軽く衰えを感じさせるものではない。ゲートが最大の課題ではあるが、自分の競馬ができれば国際GⅠ勝ちの底力を発揮してもおかしくない。57キロの斤量も味方するはずだ。




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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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