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■秋華賞・予習

牝馬クラシック最後の1冠、GⅠ・秋華賞。

注目はやはり、牝馬3冠の偉業達成を狙うアパパネだ。
GⅠ3勝を含む5勝は、言うまでもなくメンバー中トップの実績。前走のローズSは0.2秒差の4着に敗れたが、“叩き台の前哨戦”と割り切れば、この馬の評価を落とす必要はないだろう。実際、前走の馬体重はプラス24キロの余裕残し。陣営も「トライアルとしては合格の走り」とコメントしており、結果に関してはある程度納得している様子。ならば、「1走使った今回こそ」と考えるのが妥当な見解かもしれない。
とはいうものの、気になるのは“前走の負け方”だ。
今回、アパパネに◎印を打った専門紙の記者は「先行勢が総崩れになったレースで、好位から一旦は先頭に立ち3着馬にハナ差の4着に粘ったことは、“負けてなお強し”の内容だった」と前走を分析・評価している。たしかにそういう見方もできるだろう。しかし、好位から先頭に立つという“勝ちパターン”に持ち込みながら負けたことを、はたして“負けてなお強し”と言えるのだろうか。並の馬ならばともかく、春の2冠を制した馬の負け方としては釈然としない。
そもそも疑問と思えるのが、ローズSの調整過程である。
『ローズS・復習』にも書いたように、アパパネはオークス以降放牧に出さずに美浦で調整し、中間は他馬よりもはるかに多い12本の追い切りを消化していた。にもかかわらず、なぜプラス24キロの余裕残しだったのだろうか。穿った見方をすれば、本番を見据えた意図的な余裕残しではなく、“調整ミス”だったのではないかとも思えるのである。
アパパネはローズS前まで6戦連続で連対(5勝2着1回)していた。そういう馬に対して、陣営が「負けてもいい」というような仕上げをするとは思えない。敗戦のダメージが馬に与える影響を考えればリスクが高すぎるからだ。結果として4着に敗れたアパパネにどれだけのダメージが残ったか。これが、今回の一番の不安要ではないだろうか。
前走後も引き続いて栗東で調整。しかし、これまでの坂路調教とは違い、今回は初めてコースで追い切りを行っている。前走を“調整ミス”と仮定するならば、こうした“変化”も気になる材料だ。

前走、古馬混合の牝馬重賞・クイーンSを勝ったアプリコットフィズ
古馬牝馬のレベルは低いと言われているが、出走14頭中7頭が重賞勝ち馬というメンバーを相手に勝利を収めたことは評価できるだろう。2着のプロヴィナージュがその後牡馬混合の重賞(朝日CC、京都大賞典)で好走していることも、レースそのものの価値を高めている。
春先はまだ成長途上の印象があったが、専門家の意見によれば、体が丸みを帯びパワーアップしているとのこと。今回は輸送を考慮して早めに栗東に入厩。順調な仕上がりを見せているようだ。
もっとも、クイーンS勝ちに関しては、展開と古馬との斤量差に恵まれたという感もある。
開幕週の馬場に加えて、1000m通過・60秒4というスローペース(前日の1000万クラスより0.4秒遅かった)。先行脚質のこの馬にとっては有利な条件だったことは間違いない。この一戦だけで成長度を評価できるかというと、少々早計のような気がする。
同世代のトップクラスとの対戦は桜花賞・5着とオークス・6着のみ。いずれも接戦ではなく完敗だった。春の時点での実力差がどこまで縮まっているかがカギになるだろう。

クイーンS組では、勝ったアプリコットフィズよりも5着のショウリュウムーンを高く評価する声もある。
先行有利の展開で、直線で前が壁になる不利がありながら0.3秒差。能力の片鱗を印象づけたという見方もされている。
春の実績に関してもアプリコットフィズより優っている。チューリップ賞ではアパパネを破り、先行馬で決着した桜花賞でも直線で外に持ち出す手間がありながら0.2秒差の4着まで追い込んできた。先行して失速したオークス(17着)は本来の脚質とは違う走りだったので参考外と考えてもいいだろう。
問題は、京都の内回り2000mがこの馬向きのコースかどうかという点。
秋華賞に限って言えば、4コーナー10番手以降の馬でも馬券に絡んでいるが、基本的には息の入れやすい先行馬が有利のコース。内枠に入ったこともあり、直線でどれだけ馬群を捌けるか。四位騎手の騎乗がポイントになるかもしれない。

前哨戦のローズSを制したアニメイトバイオ
『ローズS・復習』にも書いたように、一番の勝因は後藤騎手の好騎乗だったが、それにしても見事な瞬発力だった。京王杯2歳S2着やオークス4着の走りも参考にすれば、溜めればキレる馬であることは間違いないだろう。
ローズSが先行馬総崩れのレースだっただけに、展開に恵まれた勝利という声も上がっているようだが、元値は“阪神JFの2着馬”。能力的にも軽視はできないはずだ。
ただし、状態面に関しては若干の不安がある。
前走は休み明けでも増減ゼロの馬体重。完璧な仕上がりだったと考えれば、上積みに疑問が残るし、反動にも注意が必要だ。今回、追い切り後の計測でも体重に変動なし。調教内容も軽く、馬体が薄くなったという専門家の意見もある。直前の気配に注意が必要だろう。

ローズS2着のワイルドラズベリー
道中は後方で我慢して、メンバー最速の上がりで大外から伸びてきた。折り合いに課題のあった馬だけに、“本番につながる結果”という評価を得たことにも納得できる。春の実績を考えれば、一線級との力差を縮める成長を見せたレースとも言えるだろう。
今回は実績〈2.1.0.0〉と得意の京都コース。白百合Sや前走のように脚を溜める競馬ができれば、一気に突っ込んでくる可能性も大きい。
問題は枠順(8枠17番)。
折り合いに難のある馬にとって、前に壁を作りにくい外枠は掛かりやすくなるため不利。さらに、このレースのようにスタンド前から発走する場合、観客側の馬はテンションが上がりやすいとも言われている(この点は7枠15番のアパパネにとっても不安要素になるかもしれない)。
道中、どのようなポジションでレースを運び、直線でどのようなコース取りをするか。池添騎手の作戦に注目したい。

ローズS3着のエーシンリターンズ
距離の長かったオークスを除けば、春先から常に結果を残している。いわゆる“レース巧者”と呼べる馬だろう。
前走は後方で折り合いをつけるレースに徹したが、好位から抜け出す競馬もできる馬。京都の内回りコースも無難にこなせる器用さを持ち合わせていそうだ。
この馬の場合、馬券には絡むものの、勝ち切るだけの“ひと押し”が足りない。混戦で浮上してくるタイプといった印象だ。人気よりも着順が上になるということは、有力馬が脱落しているためであり、逆に言えば、有力馬がその通りの結果を残せば、出番のない馬という受け取り方もできる。
戦績だけを見れば、安定感のある馬のようにも見えるが、この馬の取捨に関しては、人気馬が力を発揮できないという推理が前提になるかもしれない。

オークスからぶっつけでの出走になるサンテミリオン
これまでの成績は、オークス勝ちも含めて〈4.0.1.0〉。実力上位であることは言うまでもない。
とはいえ、問題はやはり、休み明けでGⅠというローテーションだろう。
過去10年で、オークスからぶっつけ本番で秋華賞を制した馬には、テイエムオーシャンとカワカミプリンセスの2頭がいるが、サンテミリオンも同等に扱うことができるかどうか。アパパネをはじめ、他の有力馬を相手に、底力だけで勝てるレースなのかといった判断が必要になりそうだ。
テイエム、カワカミとの大きな違いは関東馬であること。事前に栗東に入厩しているわけではないので、直前の長距離輸送をクリアしなければならない。休み明けよりもむしろこのことの方が気になるのだが・・・。
買い目を絞るにあたっては、最も取捨選択の難しい馬かもしれない。

今回のレース、展開のカギを握るとも思えるのがアグネスワルツ
前走(ローズS)は番手に控える競馬をしたが、まったくいいところがなく7着に敗退。本番を見据えた上で、あえて控えたのかもしれないが、『復習』にも書いた通り、個人的には「ハナを切るのがベスト」のように思える。
その意味で、今回、同型のトゥニーポートとスマートシルエットが抽選除外になったことは大きい。陣営も示唆しているように、思い切った逃げを見せてくれるのではないだろうか。当然、粘り込みも十分に考えられる。
もっとも、結果を出すためには、春の状態に戻っていることが前提だ。
前走は休養前よりプラス12キロでの出走だったが、今回の調教後の計測ではさらにプラス16キロ。1週前に坂路で自己ベストの時計をマークしていることから、状態面は良化しているとの見方もされているが、体重増をそのまま成長分と考えていいのだろうか。1走叩いた上積みがあり順調に仕上がっていれば、巻き返しがあってもおかしくない馬だが、直前の状態には注意する必要があるだろう。

アグネスワルツ同様、ローズSで人気を裏切ったオウケンサクラ
陣営も「使い込んで良くなるタイプ」と認めているだけに、1走叩いた今回は変わってくるだろう。前走時には序盤からハミを噛んで力んだということで、今回はハミ吊りを着用しないとのこと。実は、この馬具の変更は春と同じ状態に戻すことであり、前走がそれまでと違った工夫をしていたというのが事実のようだ。となれば、変わり身の可能性もさらに大きいと考えてもいいかもしれない。
この馬も状態面がカギだろう。
春先の使い詰めによる疲労が休養でどこまで回復したのか。前走の走りを見ると、完全にリフレッシュされたとは思えない部分もあるのだが・・・。
アグネスワルツもオウケンサクラも巻き返しが期待できる馬ではあるが、前走が“差し馬向きの展開”という理由だけでは納得できない負け方にも見えたので、レース直前の状態面をチェックした上で判断した方がいいかもしれない。

有力馬に割って入る可能性のある馬はいるだろうか。
1枠に入った2頭、レディアルバローザベストクルーズは、春のクラシックトライアルでの好走歴(ベストクルーズには阪神JF3着の実績)があるものの、1400~1600mに良績が集中していることからもわかるように、距離が課題になりそうだ。内枠を利して脚を溜める競馬ができれば、インから伸びてくる可能性もないとは言えないが・・・。
むしろ、有力馬と対戦していない別路線組の方が面白い存在かもしれない。
まず、トライアルの紫苑Sを勝ったディアアレトゥーサ
データでは紫苑S組は秋華賞で結果を残していないが、今年は時計的にも水準が高いという評価もある。夏場に古馬相手に連対を続け、“上がり馬”としての魅力も十分だ。
4走前にフローラSを取り消しているが、東京実績のある馬なので、出走していればオークスの権利を取れていた可能性もある。仮にフローラSでサンテミリオンと好勝負を演じていれば、評価はまったく変わっていただろう。フラワーCでは同世代相手に6着に敗れているがものの、夏場の実戦で鍛えられたことが大きなプラスになっていれば、好走を期待できるかもしれない。
もう1頭あげるならば、レインボーダリア
こちらは北海道シリーズで力を付けてきた“上がり馬”。札幌で3戦走った上に中1週で関西遠征というのは厳しい条件に違いないが、他馬とはまったく異なる臨戦過程というのが逆に不気味でもある。



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■コメント

■Re: 秋華賞・予習 [ECO]

安東様、毎度です。
秋華賞はフルゲート、スローペースになるとみて枠真ん中先行有利の8番で、府中牝馬Sはハイペースになるとみて内枠差し脚の4番で行きます。多頭数での競馬がまた頭を悩ませます。
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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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