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■菊花賞・復習

牡馬クラシック最後の1冠・菊花賞を制したのは、7番人気の伏兵ビッグウィーク。

レースはコスモラピュタが先導して1000m通過が61秒0。中間の1000mが64秒5。後続を大きく離してからスローに落とす“巧みな逃げ”だったと言えるだろう。こうした流れになると、一団馬群の中にいる馬は仕掛けのタイミングが難しくなる。逃げ馬をつかまえるために早めに動き出せば、その分脚を使うことになり、最後に後ろから差される結果を招きやすくなるからだ。
まして、菊花賞の3000mは未知の距離。どの馬も、できるだけ脚を温存しようとした分、動くに動けないレース展開になってしまった。
そんな中、3コーナー過ぎの下り坂から果敢にスパートをかけたのがビッグウィーク。川田騎手の積極策=攻めの騎乗が、結果として勝利につながったと評価していいはずだ。
ローズキングダムを封じ込むための一か八かの早仕掛け(川田騎手は「バクチだったかも知れない」とコメント)。直線だけの競馬になれば、瞬発力で負けるとわかっていたからこそのロングスパート。神戸新聞杯の敗戦がしっかりと糧になっていたということだろう。
昨年の菊花賞は、浜中騎手と吉田隼騎手による“ひとつでも前に行こう”という若さと勢いのワンツーだった。そして、今年もまた“思いきりの良さ”が勝利をもたらした。展開を見れば「前が残って当然」のレースだったかもしれない。しかし、先行するだけで勝てるレースなど存在しない。後続に抜かれない競馬ができなければ、前へ行っても勝つことはできない。今回はそのことを改めて教えられたような気がする。
川田騎手の素晴らしい騎乗と、鞍上の意を汲んで最後まで真剣に走り抜いたビッグウィークに敬意を表したい。

届かなかったローズキングダム。
武豊騎手は「4コーナーで仕掛けた時に内にもたれたのが誤算」とコメントしているが、仮にスムーズに追い出せたとしてもあの位置(10番手)から差し切れたかどうか。ビッグウィークが完璧な“動き方”をしただけに、個人的には「やはり直線だけの競馬に賭けたのか・・・」という残念な気持ちもある。あるいは、『予習』の中でふれたように、この馬はロングスパートには向いていない脚質なのかもしれない。
もちろん、最後に見せた伸び脚は素晴らしかったし、世代のトップクラスにいる馬という評価は変わらない。ただ、この馬に求めたいのは、朝日杯の時に見せてくれた“凄みのある走り”。スローで折り合って瞬発力でキレるというワンパターンの馬になってほしくないのだが・・・。
3000mの長距離では、折り合い重視になるためこの馬の持ち味がいかせないという意見もある。次走の走りに注目したい。

3着には13番人気のビートブラックが入った。
ビッグウィークの後をついて行った結果という見方もできなくはないが、1000万を勝ち上がったばかりでこの結果は大健闘と言えるだろう。すぐに好位に付けられたスタートの良さも先行型としての強味。最後もパタッと止まっているわけではないので、ステイヤーとしての資質も十分ありそうだ。あとは追って伸びるタイプに成長できるかどうか。なんとなくトウカイトリックとかぶる部分もあるような気がするのだが・・・。
個人的な反省をするならば、道中3・4番手という位置取りにこの馬がいるという予想ができなかったこと。『予習』の中で「注目馬」として名前をあげた、トレイルブレイザー、シルクオールディー、ゲシュタルトは、すべて“先行して流れ込める3・4番手候補”と考えていただけに、同じく先行できるこの馬を軽視したのは失敗だった。

4着は内を突いたレーヴドリアン。
最後方から大外へ持ち出す競馬をするかと思っていたが、最内の好位で折り合いよくレースを運んでいた。前走の神戸新聞杯でもマクリ気味に進出する走りをしていたが、鞍上が福永騎手に変わっていろいろと新境地を開発している感もある。
外々を大きく回って勢いをつけた方が当然キレ味が増すので、内を回った今回は伸びも今イチだったが、脚質にこだわらない方が将来的に馬自身のためになるかもしれない。その意味では収穫のあったレースと言えるだろう。

逃げたコスモラピュタが5着。
最後は力つきたものの、絶妙のペース配分でレースを作った。スピードで押し切るというよりも、主導権を握らせるとイヤなタイプの逃げ馬だろう。単騎が見込めるレースでは要注意。ひとクセもふたクセもありそうな感じでこの先が楽しみな1頭だ。

2番人気のトウカイメロディは6着。
レース運びそのものは良かったと思うのだが、北海道で見せたような突き抜けてくる走りではなかった。序盤の位置取りが中団後ろになったため、3コーナー手前から動いた分、反応が鈍くなったのかもしれない。
あるいは、馬場に先入れしたことからもわかるように、輸送や環境の変化が状態面(特にメンタル面)に影響を及ぼしたということも考えられる。いずれにしても、本来の走りではなかったことは確かだろう。
今回は初の関西圏での競馬。これを経験したことが成長につながればいいはずだ。当然、この1戦だけでは見限れない。

ヒルノダムール(7着)も動けなかった。
『予習』の中で「最内枠となれば“道中包まれて動くに動けない”という状況も想定される」と書いたが、その心配通りになってしまったようだ。外目の枠に入って序盤からローズキングダムをマークするようなレースをしていれば、違っていたかもしれない。
ただ、他馬に前に入られたとはいえ、直線入り口で後方にいたローズキングダムより下げたのは不可解。併せ馬の形にしようとしたのかもしれないが、できれば馬群を割って追い込んでくる姿を見たかった。

4番人気のクォークスターはメンバー最速の33秒5の上がりを見せたが9着まで。
今回のような流れでは、当然ながら、最後方からの競馬では届かない。藤岡佑騎手は「2000mの方が持ち味の末脚を発揮できる」とコメントしているが、やはり速い流れにならないと難しいようだ。現時点では、この馬の狙いどころはペース次第という印象。

春の有力馬が不在だった今年の菊花賞。
メンバー的に物足りない分、内容で・・・と期待していたのだが、残念ながら今ひとつ胸に響くものがなかった。
「ローズキングダム・1強」と言われた以上、残りの馬はローズキングダムに勝負を挑む馬でいてほしかった。
そして、ローズキングダムには「1強」にふさわしい他馬を寄せつけない強さを見せてほしかった。
だからこそ、素晴らしい走りを見せてくれたビッグウィークと川田騎手には感謝したい。



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■コメント

■Re: 菊花賞・復習 [ECO]

安東さま、毎度です。
久々の単勝、G1となれば複勝でヴィクトリアマイル以来ですが、生憎とゆうかほとんどいつもリアルタイムでは見れていないので、興奮せず身体の負担は少ないです。
今回展開ペースを考えるにあたり富士Sでのガルボの位置からの反省と安東さんの展開をいくつか用意するとのコメントで今までとは気持ち違う見方をした事とペースに余りとらわれなかった事や、個人的にはエイシンフラッシュが出ていないのが大きいと思いました。出ていたならもう少し早い仕掛けに各馬なっていたのではと考えられますので今回は大きかったです。

残り重賞少なくなりますが2割そこそこしかない自身の勝率も安勝ぐらい上げていきたいです。

重賞馬券発表、うにさんもやりましょうよ!
あまりそのために無理はいけませんが、私は午前中に馬券購入しますので時間の余裕が有りますが、うにさんが同じ読者で同じレースをどのように考えているかは予習復習の意味でも参考になりますので。
是非!

■歓迎して頂いて嬉しいです。 [うに]

安東さん、こんばんは。
楽しみにしていた菊花賞観戦は、雨の為断念しました。
密かに、『g CAFE』のスイーツを狙っていたのにぃー

それはさておき、馬券は目も当てられないほどヒドイです。予想は、スタミナ勝負で前崩れ、差し馬向きの展開で内枠3頭、中でもクォークスターに期待したのですが、最後方とは…
逃げ馬も、あんなに離して飛ばすとは考えなかったし、ローズキングダムは距離が保たないと見て消してしまうし。

とまあ、こんな感じですから、ECOさん、私の予想は参考になさらない方がよろしいかと(汗)。
(ある意味参考になるかもしれません)

でも、予想を人目にさらすとなると、いつも以上に真剣に考えられて、いい勉強になりそうです。

■ECOさんへ [安東 裕章]

毎度です!
的中、おめでとうございます!

なるほど、エイシンフラッシュの回避というのは大きな要因だったわけですね。
たしかに、展開に関しては、基準になる馬が1頭になったわけですから、「狙いはローズキングダムより前か後ろか」、あるいは「ローズキングダムを中心にどういう流れになるか」という考え方ができたかもしれませんね。
それにしても、ビッグウィークの「単」というのは、お見事でした!
これを機に、乗っていけるといいですね♪
期待しています!

■うにさんへ [安東 裕章]

こんばんは。
競馬場行きは雨で断念でしたか・・・。
楽しみにされていたのに残念でしたね。
またの機会にぜひ楽しんできてください!

うにさんがどのような予想をされるのか、私も実は楽しみにしています。
自分とは違う着眼点というのは、参考になりますからね。
できれば、予想の際には簡単でけっこうですから、「なぜその馬を狙うのか」という理由を添えてください。
まあ、あまり考えすぎずに気楽にやってみましょう!


■ [うに]

お返事ありがとうございます。

予想の公開は、スポーツ紙の記者のように一度やってみたかったんですよ~♪

いい感じの緊張感で、予想に臨めそうです。

天皇賞ですね!
頑張ります!

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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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