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■有馬記念・予習

2010年を締めくくる暮れのグランプリ、GⅠ・有馬記念。
3歳の有力候補・ローズキングダムの取消は非常に残念だが、それでもなかなかの好メンバーが顔を揃えた。
今回のレース、予想において重要なポイントと思われる点は2つある。
ひとつは「展開と脚質」。
確固たる逃げ馬が不在のため、ペースが落ち着くという見方が強い。中山コースの場合、“後方からのマクリ+瞬発力”が決め手となるケースも多いので、必ずしも「前へ行った馬が有利」とは言えないが、スローペースを前提とした上で、「各馬がどのようなポジションでレースを進めるか」「4コーナーでの位置取りによってどれくらいの脚が使えるか」などについては、ある程度想定しておく必要があるだろう。
もうひとつは「余力」。
前走よりも状態面が上がっているかどうかがカギになるわけだが、特に有馬記念の場合は、秋のGⅠを使われてきた馬の出走が多く、激走の反動や上積みの有無が走りに影響することがある。近走のローテーション、連戦による消耗といった点に注意を払い、気になる馬については直前の気配を確認しておいた方がいいかもしれない。

土曜の午後の時点で断然の1番人気に支持されているのはブエナビスタ
前走のジャパンカップは降着となったものの、その内容は他を寄せつけない圧倒的なものだった。すでに“現役最強馬”との呼び声も高く、多くのスポーツ紙が今年の有馬を「ブエナに勝てるのはどの馬か?」といった視点から分析しているのも、言うなれば「順当ならばブエナが勝つ」という評価の裏返しにほかならない。過去16戦して複勝率は100%。抜群の安定感を誇る以上、馬券の中心と考えるのは妥当だろう。
もっとも、ブエナビスタをアタマから狙えるかというと、もう一考必要かもしれない。具体的に言うならば、ブエナビスタがどのポジションで競馬をするかの判断がポイントになりそうだ。
先にも述べたように、今回は逃げ馬不在のレース。スローペースが見込め、しかもポジションを取りやすい4枠7番という枠順。単純に考えれば、「ブエナビスタはある程度前目の位置で競馬をするのではないか」という推測が成り立つ。後方から追い込むレースではリスクが高くなる中山コースならばなおさらだ。
問題は、この“前目の競馬”がブエナビスタにとってベストかどうかである。
ブエナビスタが4コーナーを5番手以内で通過したレースはこれまでに4戦あるが、勝ったのはジャガーメイルとの叩き合いを制した京都記念のみ。昨年の有馬ではドリームジャーニーに交わされ、今年の宝塚ではナカヤマフェスタの急襲に屈している。つまり、好位から抜け出して突きはなすレースが自身の勝ちパターンになっているわけではないということ。実際、秋天もJCも後方からの差し切りだった。
さらに、松田博調教師が興味深い発言をしている。「昨年はノリ(横山典騎手)がアンカツ(安藤勝騎手)と違う乗り方をすることを意識したために先行策に出たが、あれは本来のブエナの競馬ではない」というものだ。受け取り方によっては今回のレースに関して“後方からの競馬”を示唆しているようにも思える。
昨年、ブエナビスタが有馬記念に出走した際、「追い込み脚質が(直線の短い)中山に合うかどうか」というのがひとつの論点になった。そして、横山典騎手の先行策は、2着に敗れたとはいえ結果的には“正解”と評価されたはずである。もし仮に、今回、後方からの競馬をするとなると・・・。
先行した場合の差されるリスク。後方から行った場合の届かないリスク。ブエナビスタはそれらを補って余りある能力の持ち主かもしれないが、はたして「まったく死角がない」とまで言い切れるかどうか。

ジャパンカップ3着のヴィクトワールピサ
5連勝で皐月賞を制し、ダービーも3着。この馬もまた、国内のレースにおいては馬券圏内を外したことがない。
今回は1枠1番という極端な枠に入ったが、コーナーを6回通過する中山芝2500mのコース特性を考えれば、むしろ立ち回りに有利な枠と言えるだろう。もちろん、馬自身も位置取りに左右されない自在性を持っている。したがって、好位のインで脚を溜めて、直線で伸びてくるレースがイメージできる。
問題は余力が残っているかどうか。
秋は海外で2走して、帰国初戦が古馬混合のGⅠ・ジャパンカップ。決して楽なローテーションではない(ナカヤマフェスタのジャパンカップでの走りを見れば、凱旋門賞への海外遠征のダメージを軽く扱うことはできないだろう)。「仕上がりが今イチだった前走よりも状態は良くなっている」という評価も多いが、今イチの状態で3着に好走したからこそ、逆に反動や消耗が気掛かりにもなる。
有力候補の1頭には違いないが、状態面のチェックが必要になりそうだ。

2走前の天皇賞・秋で2着に入ったペルーサ
「3歳馬の中ではトップクラスの能力」と評価されながら、出遅れ癖が解消されずに力を発揮できないレースが目立つ。加えて、今回は7枠14番。「外枠+出遅れ癖」が響いて終始外々を回らされる展開になった場合、直線の短い中山コースでは、いかに末脚がキレたとしても厳しいレースになるだろう。
ただし、この馬に“中山向きの走り”ができるとなれば話は別。つまり、3~4コーナーでマクり気味に進出できるかどうかということだ。
参考例としたいのは、若葉Sとダービーの大マクリ。ダービーの場合は出遅れた分を取り戻すための窮余の策だったが、若葉Sは勝ちに行くためにマクった競馬。青葉賞の勝ち方が鮮烈だったために、直線の長い府中向きというイメージが強いが、若葉Sのマクリもこの馬の強さの表れだったようにも思える。「脚質的に中山は合わない」という意見もあるが、道中でポジションを上げてくるレースをするようならば軽視はできない。
むしろ不安材料として気になるのは、秋以降4戦目となるローテーション。秋天→JCを目標に仕上げられた感もあり、状態面での上積みは望めないかもしれない。この馬も直前の気配に注意したい。

ジャパンカップでは8着に敗れた、ダービー馬のエイシンフラッシュ
結果的には、菊花賞を回避したためにローテーションに狂いが生じた影響が大きかったようだ。当然ながら、今回はJCを使っての上積みが見込める状態。専門紙等による調教の採点もかなり高いようだ。
気になる点は、陣営が“逃げ宣言”をしていること(絶対にハナを奪うといった強いものではないが)。それまでの差しから先行策に転じて結果を出した京成杯を見る限りでは、たしかに脚質的に幅のある馬かもしれない。しかし、仮にこの馬がハナを切ったとして、はたして持ち味が発揮できるのだろうか。自らペースを作るよりも、スローで折り合って最後に末脚で抜け出す方が理想の展開とも思えるのだが・・・。他の馬に行かせて好位差しのレースをするのであれば、有力な1頭。

ダービー以来、6か月の休み明けでGⅢ・鳴尾記念を制したルーラーシップ
まだまだ粗削りな面があるようにも思えるが、伸びしろや可能性といった部分では、3歳馬の中でも特に注目の1頭だ。エイシンフラッシュ同様、叩き2走目の上積みも期待できるだろう。
問題はコースへの対応。
小回りコースの向き・不向きというものもあるが、それ以上に「パワーを必要とする冬場の中山の芝をこなせるかどうか」がカギになるかもしれない。というのも、常に33秒台の上がりをマークしていることは、時計の出る軽い芝が合っているという見方もできるからだ(これはペルーサにもあてはまるのだが・・・)。
未知数の部分が多い馬だけに、驚くような走りを見せてくれるかもしれないが、現時点では「有馬記念を勝つ重厚な走り」というイメージには結びつきにくいところもある。

昨年の有馬を制したドリームジャーニー
〈3.3.1.3〉という実績が示すように、中山は得意のコース。当然、今回は目標のレースである。前走のオールカマーは59キロを背負ってクビ差の2着。馬体の小さな同馬にとって57キロで出走できるのは有利な条件だ。
問題は、当初予定していた秋天を使えなかったこと。昨年と同じ“オールカマー→秋天→有馬”というローテーションに狂いが出たことは誤算だろう。春先も順調さを欠いていただけに、馬自身がレース仕様になりにくくなっているのではないかという懸念もある。
調教の動きそのものは悪くはないということだが、追い切った後の馬体重はプラス24キロの446キロ。この馬にとってのベストは420キロ台であるから、やはり間隔の空いた影響が出ているようだ。当然ながら、当日の馬体重には要注意。
万全の状態ならば有力候補だが、昨年の出来にあるかどうかといえば、少なからず疑問である。

状態面で注目できるのはオウケンブルースリ
長期休養明けの3走目で、陣営の言葉を借りれば「この秋一番の出来」。元値は長距離適性の高い菊花賞馬だけに、軽視は禁物だろう。鞍上が横山典騎手というのも興味深い。昨年自分が騎乗したブエナビスタを相手にどのような作戦を立ててくるか、中山コースをどう克服するかに注目したい。

1枠2番という好枠を引いたネヴァブション
近走では差しの競馬も見せているが、先行して粘り込むレースもできる。例えば、ハナを奪って平均ペースの消耗戦に持ち込むことができれば、あるいは、AJCCの時のような“いかにも中山巧者”といった立ち回りができれば、面白い存在になるかもしれない。

3連勝でGⅠに挑戦するトーセンジョーダン
前走のアルゼンチン共和国杯は57キロを背負いながらレースレコード勝ち。上昇度・本格化という意味では侮れない。いきなりのGⅠで勝ち負けはどうかも、今回のメンバーを相手にどれだけの走りができるか注目したい。

もう1頭あげるならば、「状態面が戻っていれば・・・」という前提付きでフォゲッタブル
前走のステイヤーズSは5着に敗れたが、外々を回ったデムーロ騎手の仕掛けがあまりにも早すぎた感がある。内枠から流れに乗って、ロスのないレース運びができれば、ゴール前で抜け出してくるシーンもイメージできる。早熟と言われるまま終わってほしくない1頭だ。

今年最後の大一番。
手に汗を握るような熱戦と、スッキリとした決着を期待したい。




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■コメント

■Re: 有馬記念・予習 [たま]

安東さん、こんばんは。
はじめまして、たまといいます。
今回、安東さんの情報源について質問があるため
コメントさせて頂きます。
ブエナビスタとエイシンフラッシュの
脚質の変更の話は何処から得た情報ですか?
話の信憑性ではなく
安東さんが、何処から情報を
得ているのか気になったため
質問させて頂きました。
差し支えなければお返事よろしくお願いします。

■たまさんへ [安東 裕章]

はじめまして。
コメント、ありがとうございます。

ブエナビスタとエイシンフラッシュの厩舎コメントは、週中の日刊スポーツから得た情報です。
普段はそれほど一般スポーツ紙に目を通すことはないのですが、有馬記念のような大きなレースのある週は競馬面もそれなりに充実するので気にするようにしています。
エイシンの逃げ宣言については、夕刊紙の日刊ゲンダイにも同じようなニュアンスのコメントが載っていました。

ただ、ブログに書いておきながらこういうことを言うのもなんですが、私自身は厩舎コメントについてはあくまで参考程度にしかとらえていません。
ブエナに関しては「あえて前へ行くというわけではないんだな」、エイシンに関しては「逃げるケースもあるな」といった程度です。

今回のブログは「ブエナビスタが負けるとしたらどういうケースか」ということに重点を置きたかったので、コメントの部分を少々強調しすぎたかもしれません。
その点は反省いたします。すみませんでした。

■ [ECO]

安東さま、毎度です。
土曜は反省しますと予想に残った二頭が一着とブービーでした。悲しいかなブービーを選んでました。
その反省の中有馬ですが、四番、五番が残り、コース適正をとり四番で勝負です。しかしローズは残念ですが面白いメンバーで楽しみです。

■Re: 有馬記念・予習 [たま]

こんにちは。
素早いお返事ありがとうございます。
情報源を教えて頂きありがとうございました。
これからは、新聞を注意深く読みます。

追記
「ブエナビスタが負けるとしたらどういうケースか」の
記事について
反省していますが、別に気にしないで下さい。
これからもblogの更新楽しみにしてます。

■有馬記念・予想 [うに]

トーセンジョーダンの勢いを買います。相手はブエナビスタ。
あとは、ヴィクトワールピサ。デムーロ騎手に期待します。ドリームジャーニーは誤算続きでも、そう負けていないので拾っておきます。

もう1頭気になるのが、トゥザグローリー。前走のように進出して行けたら、面白いかと思います。

■有馬記念、人気薄なら [電気羊]

中山巧者でAJCC杯(穴馬輩出してます)勝ちのネヴァブションと、今年の成績と血統イメージからメイショウベルーガが面白そう──

とは思うんですが、前者はJCから、後者はエリ女からでよかったような……。

■思惑通りに行かないのが競馬 [うに]

せっかく14番人気が入ったのに、本命トーセンジョーダンが5着(号泣)
三浦くん、なぜハナへ…
体調に不安のありそうな馬よりは昇り調子の馬をと思いましたが、連対馬めっちゃ強いですやん。
ブエナ1頭軸にしとけば良かった…

いや、本命が入らなければ負けは負けですよね。

ラストのオープン2レースは、相当アタマに血が上っていたせいか、ボロ負けでした。

巻き返しを狙ったハズが、かえって大ヤケドです。(泣)


■うにさんへ [安東 裕章]

こんばんは。
馬券を当てにいくならブエナ1頭軸が正解だったかもしれませんね。
でも、トゥザグローリーを選んだだけでも素晴らしいと思います(やられた!って感じです・笑)。
脚質的に今年の有馬向きでありながら、常識(『復習』で書いた通りの厳しいローテーション)にとらわれて軽視してしまいました。
う~ん・・・反省です!



■自画自賛していいですか(笑)。 [うに]

安東さん、こんばんは。
トゥザグローリについては、私も最初は全く眼中にありませんでした。
念のため確認した私の“虎の巻”に、「3角から動けて決め手強烈」と書いてあった事と、鞍上が外国人騎手ということで買うに至った訳でございます。

安東さんも懸念されていた厳しいローテーションは、私も「買えないかなあ」と思いましたが、厩舎コメントの感触の良さを信じました。

やっと私の“虎の巻”が威力を発揮してくれました(笑)。
中1週前のことすら記憶に残っていないので、復習は本当に大事ですね。

有馬記念ほどの凄いレースの後の金杯が、ショボく感じてしまいそうです。仕方ないですけど。
予習で盛り上げてください(笑)。


安東さんのおかげで、今年も競馬を楽しめた1年でした。
来年もよろしくお願いします。

それでは、よいお年をお過ごしください。

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安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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