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■弥生賞・予習

皐月賞トライアル、GⅡ・弥生賞。
近5年は1番人気が4勝2着1回。重賞実績のある有力馬がきちんと結果を出す波乱の少ないレースという傾向が強い。
ただし、今年の場合、若干様相が異なっている。
過去10年の勝ち馬10頭のうち、6頭には3勝以上の実績があったが、今年は2勝馬6頭+1勝馬5頭という組み合わせ。また、単勝オッズに関しても、近5年の勝ち馬4頭はすべて1倍台の支持を集めていたが、今年は3倍台(土曜午後4時の時点・サダムパテック3.5倍)。つまり、“信頼できる断然の有力馬が不在”という見方もできる。
もとより、今年の牡馬クラシック戦線は混戦模様。重賞ごとに勝ち馬が変わり、重賞で1番人気に支持された馬が着外に消える現象が続いている。これは3年前とよく似た状況で、この年の弥生賞では1番人気のブラックシェル(単勝3.8倍)が2着に敗れている。
一昨年のロシユニヴァースや昨年のヴィクトワールピサのように、重賞を連勝してきた馬がいれば“レースの中心”として考えることもできるのだが、今年の場合は11頭の少頭数ながら、馬券的には絞りにくい一戦と言えるかもしれない。

暮れのGⅠ・朝日杯FSでは、単勝1.8倍の1番人気に支持されながら4着に敗れたサダムパテック
スタートで後手を踏んだため、道中でポジションを上げるために脚を使ったことが敗因だが、前半が速く流れたマイル戦で外々を回らされたのでは仕方がない。むしろ0.2秒差まで追い上げてきたことを評価すべきかもしれない。
2走前の東スポ杯2歳Sでは3馬身半差の圧勝。スローの瞬発力勝負だったとはいえ、能力の高さを示した一戦であったことは間違いない。今回巻き返しがあってもおかしくない1頭だ。
課題は、道中で自分から動いていけるかどうか。
先週の中山記念のブログでも述べたように、中山コースでは“立ち回りの巧さ”が要求される。東スポ杯2歳Sでは府中の長く広い直線で相手を交わすことができたが、中山では4コーナーである程度の位置にいなければ容易に差し切ることはできない。スタート直後から好位をキープできれば問題ないが、サダムパテックはゲートに難がある馬。後方に置かれた場合、道中でどこまで前に迫っていけるかがカギになりそうだ(朝日杯では脚を使い過ぎて最後の伸びに影響したが)。
中山向きの器用な走りができるかどうか。それは、本番の皐月賞に向けてのチェックポイントになるだろう。

札幌2歳Sを制したオールアズワン
デビュー以来、2つの重賞を含めて4戦すべて連対という戦績には安定感がある。
折り合いが良く馬込みも気にしないタイプで、ひとことで印象を言うならば、“センスの高い馬”。強烈な決め手のインパクトには欠けるものの、最後までしっかり競馬をする。現時点での完成度という点では一番かもしれない。
この馬に関しては、勝負気配をどう判断するかがポイント。
すでに獲得した本賞金2650万円は、メンバー中トップであり、おそらく皐月賞へ出走できるボーダーラインには達しているはず。前走のラジオNIKKEI杯から2カ月半の休養をとって、このレースから始動というのは、“権利獲り”よりも「本番を目標としたローテーション」や「コースを経験させること」を重視した使い方のようにも思える。実際、陣営は「最終目標はここではないので伸びしろを残しておきたい」とコメント。調教の動きについても、スポーツ紙の採点は“平凡”“今イチ”といったものが多い。
そつなくレースをする馬なので、大崩れするとは思えないが、“権利獲りのトライアル”よりも“本番へ向けての叩き台”の色合いが濃いことは頭に置いておきたい。

新馬戦・500万を2連勝して駒を進めてきたターゲットマシン
デビュー戦の東京マイルでは最後方からのゴボウ抜き、前走の中山2000mでは好位からの抜け出し。言うなれば、コースに適した走り方で勝利を上げている。直線で左右にフラつくなど、まだまだ粗削りな面を残しているが、それゆえ「底知れぬ可能性を秘めている」と評価する声も多い。
もっとも、重賞でも即通用するかといえば、それは別問題。未知の可能性は無視できないにしても、デビューから2戦のみで重賞レースで揉まれた経験がないことは、逆にマイナス材料と判断することもできる。
今回出走するショウナンマイティもウインバリアシオンも、デビューから2連勝のあと重賞で人気になって負けている。つまり、無傷で重賞を勝つためには、それだけの器が必要ということである。
先週のアーリントンCで1番人気に支持されたノーブルジュエリーにしても、レース経験の浅さが出遅れにつながったとも考えられる(結果は7着)。その意味でも今回は試金石のレース。初重賞のここでしっかりと結果を出せれば、本番でも有力候補の1頭に数えられるだろう。

前走、京成杯でハナ差の2着に入ったデボネア
8番人気の伏兵だったが、小倉の未勝利勝ちがレースレコードだったことを踏まえれば、評価が低すぎたかもしれない。
中団で脚を溜めて最後に抜け出してくる走りは、混戦に強いといった印象。走破時計の2分0秒9も優秀だ。関西馬ながら、すでに中山コースを経験していること(輸送も含めて)も強調材料と考えていいだろう。
この馬の課題は、スローペースのレースにおける走り。
デビュー当初は折り合い面に不安があった馬だけに、前々走のレコード勝ちも緩みなく流れた京成杯も、時計が速くなったことが有利に働いたとも考えられる。有力馬のほとんどが差し馬の今回、流れが落ち着く公算が高い。京成杯の時のように、じっくりと脚を溜めることができるかどうか。連対した2戦の時計が優秀だった分、逆にそのあたりに不安要素が見えてくる。

暮れのラジオNIKKEI杯で1番人気に支持されたショウナンマイティ(結果は8着)。
全4戦中3戦で最速の上がりをマークしているように、瞬発力では同世代の中でも抜けた存在と評価されている。前走の若駒Sではクビ差の3着に敗れたが、他馬よりも1キロ重い斤量を背負いながら、直線の伸び脚は実に見事だった。
ただし、その若駒S、若干気掛かりなところも見受けられた。それは、3~4コーナーでペースが上がった時に動きがワンテンポ遅れたこと。「エンジンの掛かりが少し遅いのでは?」と思わせるシーンだった。
実際、デビューからの2連勝は外回りコースで、連対を外したのはどちらも内回りコース。これだけでは判断できないものの、直線の長さを利用して末脚を活かすタイプなのかもしれない。となれば、中山コースはこの馬向きとは言い難いのだが・・・。
さらに、陣営は「臆病な面があるので初の長距離輸送がカギ」とコメント。直前の気配にもチェックが必要かもしれない。

前走、きさらぎ賞で1番人気に支持されたウインバリアシオン(結果は4着)。
この馬もデビューから2連勝し、その着差から破格の強さを感じさせてくれたのだが、近2走に関してはいいところまで追い上げながらも結果につながっていない。
個人的な印象を述べるならば、道中で力み過ぎているようにも見える。それゆえ、最後の伸びがもうひとつなのではないだろうか。
ショウナンマイティ同様、初の長距離輸送を克服する必要があるが、それ以上に“バランスの良い走り”ができるかどうかがポイント。ラジオNIKKEI杯から叩き3走目という数え方をするならば、このあたりで巻き返しがあってもおかしくないのだが・・・。

京成杯3着の実績があるプレイ
1・2着馬からは大きく離された3着なので、高い評価は与えられないが、今回と同条件の中山芝2000mを2回(もう1回はホープフルS)経験しているのは強味とも言える。
今回はマイペースで行けそうなメンバー構成。決め手勝負では分が悪いので、当然、前残りになるような競馬をするだろう。
問題は、関西遠征から中2週のローテーション。デビューから7戦というキャリアも加味すれば、状態面でのプラス要素は見込めないだろう。自分でレースを作ってどこまで粘れるかがカギ。

今回のレースは、勝敗云々だけではなく、「出走権を手にした馬が本番でも通用するかどうか」を考える上でも重要だ。どの馬がどの程度の仕上がりでどのような走りをするか。トライアルレースは本番があってのもの。我々競馬ファンも、本番を見据えた視点でレースに挑む必要があるだろう。



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■コメント

■Re: 弥生賞・予習 [ECO]

安東さま、毎度です。

例年春に調子が上がる馬券傾向ですが(冬の反省ができていない!?)それでも掲示板にさえ近づかない予想は反省です。土曜も2重賞さっぱりでした。

弥生賞は前走先行、中山実績(タイムも含む)でデボネアで単複購入しました。プレイも考えましたが、ローテーションがメンバーの中で一番きついのでやめました。

■難しすぎ~!(*_*) [うに]

今年の3歳牡馬は「これだっ!」というのがいなくて困りました。どれを軸にしても怖いので、特に本命は決めないことにしました。
4コーナーで、いい位置(前過ぎず、後ろ過ぎず)にいそうな馬から。
ターゲットマシン、オールアズワン、ショウナンマイティ、ルーズベルトを買います。
この時期の3歳馬は、ダートを勝って来たから芝は駄目だと決めつけない方がいいのかもと、アーリントンCで学んだので、思い切って大穴投入してみます。

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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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