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■天皇賞(春)・復習

天皇賞・春を制したのはヒルノダムール。7番人気(単勝16.9倍)の低い評価を覆して、見事GⅠタイトルを手に入れた。

1000m通過が1分4秒2、2000mが2分8秒7という超スローペース。行きたがる馬が多いこともあってか、次から次へとポジションの奪い合いが続く出入りの激しいレースになった。
『予習』の中で「馬群の動きがこのレースのポイント」と書いたが、それはあくまで“馬群の隊列が決まってレースの流れが落ち着くこと”が前提。横山典騎手の言葉を借りれば「グチャグチャのレース」となった今回は、道中で動いた馬(あるいは動かざるを得なかった馬)ほど消耗が激しく、リズムを崩した無理な走りを強いられたように思われる。外からマクった馬は必要以上に脚を使い、マクられた内の馬はポジションが悪くなったことで前へ行こうとする。勝敗のカギとなったのは、そうした流れの中で、いかに自分の競馬に徹することができたかということだろう。

勝ったヒルノダムールは、インでじっと我慢の競馬。道中、出入りが激しくなっても、折り合いに専念するかのように動くことはなかった。
結果的に、じっくり脚を溜めたことが、直線の伸びにつながった。言うまでもなく、これは藤田騎手の好騎乗だろう。まわりの状況に惑わされず、馬の力を発揮させることだけを考えた乗り方。レースの流れに対する“読み”が素晴らしく、完璧と思える内容だった。
レコード決着の大阪杯に続いてのGⅠ制覇。今回に関しては“有力馬の自滅”という印象も少なからずあるものの、この馬自身、ひと皮むけた感がある。世代の脇役から主役へランクアップしたと評価してもいいのではないだろうか。

2着のエイシンフラッシュは、久々に豪快な末脚を披露してくれた。
『予習』でもふれたように、この馬は超スローの流れで脚を溜めることができるタイプ。今回は馬群の外目を回らされたために若干掛かり気味に見えたが、辛抱強く折り合って、4コーナー手前から動いて外から伸びてきた。半馬身差は枠順の差とも思えるだけに残念だったが、それでも、ダービー馬の面目躍如と言える内容だろう。
この馬に関しても、自分の競馬に徹したゆえの結果と評価できる。ヒルノダムールと同じく、道中で我慢をしたからこその好走だろう。3コーナー過ぎの仕掛けが「ワンテンポ遅いのでは?」とも思ったが、結果的には正解。脚の使いどころを熟知した内田博騎手の好騎乗である。いずれにしても、ダービー馬の復活は嬉しいニュース。層の厚さを増した最強4歳世代。今後の戦いをますます期待できそうだ。

3着は3コーナー手前から先頭に立ったナムラクレセント。
出遅れで中団からの競馬になったため、ポジションを上げるために脚を使った分、最後は一杯になったが、この馬のスタイルである“早目のロングスパート”は成功だったと思われる。マイネルキッツ(6着)も同様に自分の走りを見せてくれたが、今回の両馬の着差はもしかしたら年齢的なものがあるのかもしれない。
ともあれ、この馬もまた、自分の競馬で結果を残した1頭。前半から先行できなくても、4角先頭という自分のスタイルを貫いたことが、馬券圏内の着順につながったのではないだろうか。
6歳馬ではあるが、一時の低迷期を脱したようなので、長距離路線での古豪としての活躍を期待したい。

4着・5着は、マカニビスティー(17番人気)とトウカイトリック(18番人気)。2頭とも最内からゴール手前で伸びてきた。言い方は悪いが、勝負と関係なく自分のペースでレースを進めてきた結果の“タナボタ的な着順”と考えられる。つまり、それだけ「このレースは自分の競馬をできる馬が少なかった」「自分の競馬をするのが難しかった」ということだろう。
特に、1番人気のトゥザグローリー(13着)は、自分の競馬ができなかった典型である。
未知数の距離を走る場合、何より折り合いが重視されるものだが、今回の超スローペースで完全に掛かってしまった。ハナに立った四位騎手の騎乗に対して批判もあるようだが、馬の気に任せて走らせることを考えれば仕方なかっただろう。
不運に思えたのが、3コーナー手前でナムラクレセントに追いつかれて、再度行きたがる素振りを見せたこと。道中で脚を溜めることもできず、息も入らずでは、3200mのレースは厳しい。
今回はある意味“特殊”とも思えるペースなので、参考外という見方もできるかもしれないが、自分の走りができずに未経験の長距離を完走したダメージは大きいはずだ。
陣営は「次走については白紙」とコメントしているが、本来の自分のリズムを取り戻せるかどうかがポイントになるかもしれない。

ローズキングダムは掛かって自滅。『予習』では「脚の使いどころが課題」と書いたが、それ以前の問題として競馬になっていなかった(3コーナー過ぎでもう一杯だった)。
ペルーサは中団でスムーズな競馬をしているようにも見えたが、直線でまったく伸びてこなかった。距離が不向きという見方もあるようだが、初距離で次々と馬が入れ替わるレースに戸惑った部分もあるだろう。この馬に関しては、スタートが良くなった分キレ味の凄みがなくなった印象が強く、なんとなく“過渡期(脚質的な意味で)”に入っているようにも思える。レースを勝てるスタイルを身につけるのが今後の課題かもしれない。

終わってみれば、最強世代・4歳馬のワンツーであり、主役が増えたという意味では今後につながるレースだったかもしれない。
ただし、超スローペースで、あれだけ出入りの激しい競馬になるのは、ごく稀なパターン。特殊な一戦だったという印象も拭えない。
人気になった有力4歳馬の敗因をひとことで言うならば、自身の経験値にないレース展開になったからだろう。見方を変えれば、非常に貴重な経験を積んだことにもなるわけだ。
トゥザグローリーのところでも書いたように、次走の課題は「自分の競馬を取り戻すことができるかどうか」である。巻き返しを期待したい。



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■コメント

■ [うに]

こんばんは。
ヒルノダムールのG1初タイトルが天皇賞とは、やってくれますね~!
私も格好よく馬券決めたかったです。

内枠にこだわった割に、あっさりヒルノを切ってしまいました。逆にローズキングダムは断腸の思いで消したのに…(良馬場でも結果は同じだったかもしれませんね)


ここで嬉しいお知らせを。
青葉賞とスイートピーSの3連複当たりました!
青葉賞は、買った5頭が全て掲示板に載って鳥肌立ちました(笑)。

ますます復習の鬼に拍車が掛かりそうです。

■Re: 天皇賞(春)・復習 [いつものへい]

安東先生、こんにちは。
お久しぶりです。

天皇賞はスローペースでの競馬にはならないだろうと思い、馬場状態を重視してナムラクレセントから入りましたが・・・。
前日(土曜日)の京都メインで久しぶりに3連単2点的中で気分を良くしてGⅠに望んだのですが、やはり競馬はそんなに甘くないものですね(笑)

最近のお体の調子等は如何ですか?
日本国中で、競馬を心から楽しめる日が早く戻ってくることを願ってやみません。

■うにさんへ [安東 裕章]

こんばんは。
青葉賞&スイートピーS、的中おめでとうございます!
やりましたね~♪
その調子でどんどん鬼と化してください!(笑)

春天は難しいレースでした。
展開が読みにくかったですし、今回の結果をどう評価するかも難しいと思います。
ヒルノダムールに関しては、ブログにも書いた通り、ひと皮むけた感がありますね。
4歳馬の役者がもう1頭増えたように思います。

今週はNHKマイルC。
3歳馬の勢力図もだんだんと見えてきて、楽しくなりそうですね♪


■いつものへいさんへ [安東 裕章]

お久しぶりです!
お元気でしたか?
私の方は、まあ、なんとか元気にやってます。(笑)

3連単2点的中って・・・神業みたいな当て方ですね~!
おめでとうございます♪

「日本国中で、競馬を心から楽しめる日が早く戻ってくることを願ってやみません。」
まったく同感です。
自分が今、競馬に参加できる状態にあることを、感謝しなければなりませんね。

コメント、ありがとうございました!


■デジャブ [電気羊]

トゥザグローリーが先頭に立ったときの独り言、“四位くん、またかい!”
初めてLIVEで天皇賞を観戦したとき、四位騎手騎乗のシルクフェイマスがかかって早め先頭。直線では馬群に沈み、馬券も紙くずに。
前夜の検討会(=飲み会)でも話題にしたのですが、まさかのデジャブ体験でした(笑)

■電気羊さんへ [安東 裕章]

こんばんは。
コメント、ありがとうございます。

四位騎手の騎乗については、批判もあったようですが、無理の抑えていたらどうだったかというと・・・、うーん、難しいですね。
ただ、デジャブについては・・・お察しします(笑)
私にも馬券的に相性の悪いジョッキーがおりますので。

■ナムラも強かった [電気羊]

私も特に四位騎手を批判するつもりはありません。“あららぁ~”と思っただけで(笑)
トゥザグローリーは、ナムラにかわされたとき動揺したように私にも見えましたが、馬の若さが出たってところでしょうか。

勝ったヒルノダムールも見事でしたが、ナムラクレセントのしぶとさには感服しました。
ナムラの母方は両親ともトゥルビヨン-パーソロンのライン。パーソロンと言えばメジロマックイーン。“天皇賞春、三代制覇”ってさんざんCMで流れてましたっけ……
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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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