■スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

■ダービー・復習

悪天候による不良馬場で行われた第78回・日本ダービー。
2008年生まれのサラブレッド7458頭の頂点に立ったのは、1番人気のオルフェーブル。皐月賞に続き、クラシック2冠を手中におさめた。

皐月賞は後続に3馬身差をつける強い勝ち方だったが、今回のレースもその強さが際立つ内容だった。
道中は後方でじっくり脚を溜め、直線を向くと外目からの追い出し。内のサダムパテックと外のナカヤマナイトに挟まれる格好になりながら、窮屈な隙間を割って抜け出した脚は実に見事だった。さらに、ゴール前でウインバリアシオンが外から迫ってくると、そこからもうひと伸び。卓越した瞬発力とともに、勝負根性=精神力の強さが光っていた。
『予習』には「皐月賞は何もかもうまくいったレース。多少の不利があった時に同じ走りができるかどうか」という不安点をあげたが、それに対する答えをキッチリと見せてくれたということだろう。他からマークされる立場になり、末脚のキレが殺がれる不良馬場という条件が加わっても、前走で見せた強さが本物であることを証明してくれたのである。
ダービージョッキーの仲間入りを果たした池添騎手にも敬意を表したい。変な小細工をせず、馬の力を信じる堂々とした乗り方だった。ダービーで1番人気馬に乗るというプレッシャーは相当のものだったはず。それゆえ、すべてを成し遂げた後インタビューで見せた涙は感動的に思えた。
スポーツ紙ではすでに「3冠の可能性大」という記事も出ている。期待できると思う。激戦の疲れを癒して、秋の大一番に備えてほしい。

メンバー最速の上がりをマークしたウインバリアシオンはあと一歩の2着。
安藤勝騎手は「ベストの競馬をして負けたのだから相手が強かったということ」とオルフェーブルを讃えたが、この馬の能力も十分発揮された一戦だった。
『予習』で書いたように、道悪をこなせるかどうかの疑問があったが、たとえ大跳びであっても走りのバランスがしっかりしていれば末脚を使うことができるということだろう。前日の金鯱賞を勝ったルーラーシップもそうだったように、馬体を沈ませながら重心を低くして直線を伸びてきた。
正直、過小評価だったと反省している。青葉賞で見せた近走とは別馬のような集中力にもっと注目すべきだったし、外差しが決まる馬場状態についての検討もおろそかだった。いずれにしても、菊花賞でオルフェーブルの好敵手となる期待が高まったのは事実。再戦が待ち遠しい。

2着に7馬身差をつけられた3着にはベルシャザール。
プラス16キロの馬体重はむしろ好材料。走りに気迫が感じられたし、最後はナカヤマナイトを差し返す勝負根性を見せてくれた。
先に述べた反省と重なるが、土曜日の目黒記念や8Rの青嵐賞の結果からもわかるように、今回は外の方が伸びる馬場状態(ウインバリアシオンの安藤勝騎手ははっきりとそれを意識した乗り方だった)。その条件下で好位・先行の正攻法で3着を確保したことは、評価してもいいだろう。皐月賞は状態が悪く大敗を喫したが、それ以前はオルフェーブルとも競い合っていた馬。本領を発揮できたレースだったと思う。

2番人気のサダムパテックは7着。
岩田騎手は「道中力んでいた」とコメントしているが、やはり馬場を気にしていたのかもしれない。最後の直線では余力になくなっていたように見え、おそらく距離も長いのだろう。今回は条件が向かなかったと考えたい。
皐月賞の時点では世代の中心馬として評価されていた存在である。良馬場の1800~2000m戦ならば、見限ることはできないはずだ。

デットーリ騎手騎乗のデボネアは12着に大敗。
前走では府中の長い直線向きの末脚を見せたが、今回は不発。陣営は「完成途上の大型馬なので緩い馬場が脚元にこたえた」とコメントしているが、道悪を苦にしないバランスの良い走りを見せたウインバリアシオンとは対照的に、鞍上が追ってももがくような走りになっていた。秋以降の成長と巻き返しに期待したい。

今年のダービーは、ある意味、現時点での完成度の高い馬が道悪を苦にせず力を発揮したレースだったようにも思える。不良馬場によって底力が問われたという見方である。。
ナカヤマナイトとトウセンラーは非力な部分がマイナスに働いたようにも思えるし、ユニバーサルバンク、ショウナンパルフェあたりは、ジョッキーのコメントからも「力の差」という言葉が聞かれた。
言い換えれば、負けた馬に関しても、今後の成長次第では差を詰めることができるということ。良血・トーセンレーヴにしても、現4歳のトゥザグローリーのようになる可能性を秘めているかもしれない。
秋を迎えた時、どの馬がどのくらいの変貌を遂げているか。そのあたりに大いに注目したい。



スポンサーサイト

■コメント

■馬の成長力に、置いてきぼり食らいました。 [うに]

安東さん、こんばんは。
オルフェーヴルと池添騎手、見事な競馬を魅せてくれましたね。彼の苦悩は新聞のコラムで知っていたので、私まで込み上げてくるものがありました。

馬の成長力というのは凄いですね。
ルーラーシップにも、必要以上に強さを見せつけられてしまいました。
遠征帰りと重馬場の理由で消した私を、嘲笑うかのような派手な勝ちっぷり。正直、憎たらしかったです(笑)。

負けても厳しい経験をしてきた馬は要注意ですね。
と言うことは、今年ダービーで負けた馬は、パワーアップして戻ってくるのでしょうか。秋が楽しみです!


蛇足ですけど、デットリー騎手の風貌で、デボネアを買ってしまいました(笑)。(強そうだったんだもん)

安田記念は、真面目に予想します。


■うにさんへ [安東 裕章]

こんばんは。
コメント、ありがとうございます。

ダービーは良馬場で行われなかったのが残念でしたが、それでも見ごたえのあるレースだったと思います。
現時点での主役はオルフェーブルですが、秋以降にどんな馬が頭角を現わしてくるか、本当に楽しみですね!
デボネアねえ・・・、重賞では連に絡めない1勝馬でしたから(笑)。
デットーリ騎手が乗って、モハメド殿下が来日して、なんだか話題ばかりが先行していたような気がします。

金鯱賞のルーラーシップは、諸条件を考えるとたしかに今回は“消し時”に思えましたよね。
でも、あの勝ち方はスゴイ!
宝塚記念でも期待できるかもしれません。
いいメンバーが揃いそうですね!

■ [うに]

安東さん、お返事ありがとうございました。
おっしゃる通り、デボネアは連にも絡めていないのに、評価は高かったですね。
逆に、青葉賞を勝ったウィンバリアシオンが低評価。
G1には、思考を狂わす何かがあるんですかね。
ダービーが独特なのかな。

安田記念は、面白いメンバーが揃いましたね。シビアに予想できるか心配(笑)。

■コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 

カレンダー

10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

カテゴリ

プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。