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■セントウルS・予習

いよいよ今週から秋競馬が開幕。阪神競馬場ではGⅡ・セントウルSが行われる。
サマースプリントシリーズ最終戦であると同時に、GⅠ・スプリンターズSの前哨戦としての位置付けも重要となるこのレース。夏の上がり馬とGⅠ戦線で活躍する有力馬が混在することから、“現時点での調子を加味した上での力関係”の見極めが予想のポイントになりそうだ。

土曜午後の時点で前売り単勝1番人気に支持されているダッシャーゴーゴー
昨年のこのレースの覇者であり、GⅠでも上位を争える実力の持ち主。休養前のCBC賞では58.5キロの斤量を背負いながら“貫禄勝ち”とも言える内容で1着。格と実績はメンバー1であり、今回のレースの中心的存在と見なして差し支えないだろう。
もちろん、目標はGⅠ・スプリンターズSに違いないが、セントウルSから本番まで中2週という間隔の短いローテーションを考えれば、すでに8~9分の仕上がり状態にはあるはず。したがって、「叩き台の今回は割り引き」という考え方は危険に思える。
陣営も「目標は次でも取りこぼせない一戦」とコメント。スプリント戦線を牽引していく役目を担うためにも、ここでは“強さを感じさせる走り”を期待したい。

このレースに勝てばサマースプリントチャンピオンの座を手にすることができるエーシンヴァーゴウ
北海道シリーズで大活躍したカレンチャン(現在シリーズ1位)とともに、この夏の上がり馬の代表格と言える。
3連勝でアイビスSDを制覇。前走の北九州記念では3着に敗れたが、牝馬で55.5キロという斤量の影響が大きかったようだ。それでも勝ち馬から0.1秒差。懸念されていた口向きの悪さも見せず、最後まで集中した走りを見せたこともあり、“負けて強し”という声も多い。たしかに、スタートから先行集団に取り付き、前半32秒台のペースを直線入口まで“持ったまま”で追走した走りは、スピードに対応できる柔軟性を持ったスプリンターの資質を感じさせるものだった。
この馬の場合、余力がどれだけ残っているかがカギだろう。
カルストンライトオのレコードタイムに0.1秒差(53秒8)まで迫ったアイビスSD。1分7秒3の好タイムで走った北九州記念。この馬の速さを証明する数字には違いないが、言い方をかえれば、いずれも“激走”である。しかも、前走は55.5キロの斤量を背負っての激走。今回、斤量が楽になると言われているのは、前走がそれだけ過酷だったことにほかならない。中3週の間にミニ放牧を挟んだとのことだが、これまでの消耗の度合いが少なからず気掛かりだ。

前走、北九州記念を制したトウカイミステリー。この馬にもサマースプリントチャンピオンの権利が残されている。
北九州記念は、一言で言えば「すべてがうまくいったレース」。52キロの軽量、滞在効果による馬体の回復、差し脚が活かせる展開。これらがいずれもプラスに作用した結果だった。
当然、今回は条件が厳しくなる。斤量増に当日輸送。開幕週の馬場を考えれば、脚質的に不向きな面も否めない。
ただし、ローテーションを重視するならば、夏場のシリーズを使った馬よりも叩いた上積みは期待できるはず。軽量だったとはいえ、自身の持ち時計を大きく更新できたのは、地力強化と判断することもできる。輸送減りをする馬なので当日の気配がポイントになるだろうが、“前走は恵まれた勝利”ということだけで軽視するのは危険かもしれない。

北九州記念2着のエーシンリジル
レース巧者であっても他を圧倒するスピードやキレには欠けるという印象だったが、ここ2走は1分7秒台前半の決着での連対が続き、馬自身の成長を感じさせる部分もある。前走はプラス16キロでの出走だったが、これも陣営の言葉を借りれば「成長分」。エーシンヴァーゴウのように脚光を浴びているわけではないが、この馬についても勢いのある“夏の上がり馬”という評価を与えてもいいだろう。
阪神芝コースは〈1.0.0.5〉と決して良い数字ではないが、そのうちの4着外は1400~1600m戦でのもの(1200m戦では〈1.0.0.1〉)。さらに、今回の最内枠は開幕週の馬場状態を考えれば好材料で、鞍上・岩田騎手が得意とする“空いたインを突き抜ける騎乗”もイメージできる。
サマースプリントシリーズで揉まれた馬との経験値の差、あるいは、実績馬との地力の差がどれだけあるかがカギになるが、個人的にはどのような走りを見せてくれるか興味深い1頭。

前走、1600万の彦根Sを完勝し、オープン再昇級となるエーシンホワイティ
夏場のレースを見送ってここを目標に調整されてきた点は、ひとつの強調材料だろう。3走前のCBC賞で3番人気に支持されていたように、潜在能力に対する評価も高い。そのCBC賞は4コーナーで大きく外に膨らんだロスがあり5着(0.4秒差)。まとまならばダッシャーゴーゴーと好勝負になったのではという声もある。
この馬の課題は、ハイペースに対応できるかどうか。
前走(1着)の1200m戦は3F通過が35秒2のスロー、2走前(2着)の1400mも36秒7である。3歳時にファルコンSを制しているが、この時もハイペースとはいえ、自身は前半34秒4。4コーナー10番手からの差し切りだった。
今回は、北九州記念を前半32秒4で走ったテイエムオオタカが出走する。開幕週の馬場を加味すれば、ハイペースは必至。そのあたりの流れに乗れるかどうか。展開が向くかどうかがポイントになりそうだ。

3ヶ月の休み明けでこのレースから始動するサンカルロ
ダッシャーゴーゴー同様、目標は本番のスプリンターズSだが、前述した通り、中2週のローテーションを考えればある程度の仕上がりで臨んでくるだろう。
芝1200mの実績は〈0.1.1.1〉と少ないが、これらはいずれもGⅠレース。昨年の高松宮記念4着、スプリンターズS3着、今年の高松宮記念2着という結果が光っている。阪神は〈1.2.1.1〉の得意コース。ステップレースとはいえ、能力上位の走りを期待できる条件だ。
不安点をあげるならば、休み明けでいきなり1200m戦を走る点。
この馬のスプリントGⅠでの好走は、すべて休み明けの前哨戦に1400~1600mを使っての2走目。つまり、1200mの鉄砲駆けの経験は今までないということ。これまでとは違ったパターンなのである。
元々、マイラーから距離を短くして頭角を現わしてきた馬だけに、スプリント戦での好走にも前哨戦からの距離短縮という要素がプラスに作用したのかもしれない。
まして今回は、陣営いわく「多少の余裕残し」。実力を発揮できれば好走の可能性も十分あるが、ハイペースに戸惑うのではないかという懸念もある。

開幕週の馬場では逃げ・先行馬が残りやすいという考え方が一般的だが、このレースでは必ずしもそうとは言い切れない。
阪神競馬場改装後の4年のデータを見る限りでは、4コーナーを先頭で通過した逃げ馬が馬券に絡んだのは、2008年のスプリングソングの3着のみ。最後方からの直線一気はないものの、4コーナー5番手以降の馬でも圏内に届いている。開幕週ということでジョッキーの意識が前に向かうため、テンが速くなりやすいというのが逃げ粘れない理由のようだ。
とはいえ、本質的には逃げ・先行馬が有利ということは頭に置いておくべきだろう。

北九州記念でハイラップを刻みながら0.2秒差の4着に踏み止まったテイエムオオタカ
その走りから、レース後には“強い逃げ馬”という評価が高まった。開幕週の馬場を味方につければ、さらに粘りを増すと考えるのは妥当だろう。マイペース(他馬にとっては速いペース)に持ち込めれば、勝機を見出す可能性もあるはずだ。
ただし、この馬もエーシンヴァーゴウ同様、余力の有無がカギ。
北海道→美浦→九州と移動を繰り返し、今回も美浦から関西への遠征。前走の北九州記念では外へモタレ気味の走りをしていたが、それについて陣営はハッキリと疲労によるイレ込みがあったと認めている。陣営は続けて「今回は立て直した」とコメントしているが、はたしてどこまで状態が回復しているか。

もう1頭の逃げ馬・ヘッドライナー
前走の北九州記念ではテイエムオオタカにハナを奪われ自分の形に持ち込めなかったが、それでも好位で粘って0.2秒差の5着。収穫のあったレースという見方もされている。
今回はテイエムオオタカより内に入ったこともあり、陣営は“逃げ宣言”。近4走よりも斤量面で有利になることもあり、先手を取ることができれば侮れない存在だろう。
この馬に関しては、注目したい点がある。3走前のCBC賞での走りだ。
このレースでヘッドライナーは前半33秒8のペースでレースを引っ張り2着に残っている。実は、この馬が3F34秒を切って好走するのは珍しく、ここ2年は33秒台の通過では掲示板にも載れなかった。4走前のテレビ愛知オープン(1400m)のように、前半35秒2のスローに落として自身の上がりを33秒台にまとめるのがこの馬の勝ちパターン。大きな変化である。
前走にしても3Fの通過が33秒0での好走。あくまで数字上での判断になるが、前傾型のスピードに対応できる走りができるようになったとも考えられる。そういう意味では不気味な存在。スピードではテイエムオオタカに注目が集まっているが、この馬の逃げにも注意が必要かもしれない。
もっとも、サマースプリントシリーズでこれまでとは違った走りをした消耗度も考慮すべき点(特に慣れない直線競馬を使った影響は大きいはず)。余力があるかどうかという不安材料はこの馬にもあてはまる。

香港馬の取捨も予想の上でのポイント。
昨年、このレースで2着に入ったグリーンバーディー
すでに日本で実績を残していることは、輸送の経験や環境への適応といった部分も含めて大きなアドバンテージと考えられる。
ただし、国際スプリントGⅠを勝って勢いよく臨んだ昨年と違い、今年は近走の成績が今イチ。年齢的にも衰えを指摘する声も上がっている。
むしろ評価が高いのは4歳馬のラッキーナイン。近走の勢いを踏まえれば軽視はできない。
ベストの距離とは言えない1200m戦への対応、59キロの斤量といった課題があるとはいえ、近走の勢いを踏まえれば軽視はできないだろう。
両馬とも目標はスプリンターズSだろうが、日本のスプリント路線のレベルを考えると、香港馬2頭についてはたとえ前哨戦であっても一応のマークが必要かもしれない。

最後に人気薄を1頭あげるならば、スギノエンデバー
4ヶ月の休み明けで初の古馬対戦、しかもGⅡとなれば敷居が高いことは間違いない。
ただし、“大化け”の可能性がゼロかといえばそうとは言い切れないだろう。ファルコンSでの伸び脚の鋭さは印象的だったし、夏場を休養に充てたことによる“目に見えない成長”が開花するケースもある。
前走はオープン特別で5着に敗れているが、騎乗した四位騎手のコメントによれば「流れが遅くて力んでいた」とのこと。ならば、重賞の速い流れが走りに味方する可能性があるかもしれない。


中山ではハンデGⅢの京成杯AH。難解な一戦である。
前走・関屋記念の1・2着馬が人気になっているが、力みがちの走りをするレインボーペガサスはトリッキーな中山コースへの対応が課題。直線一気の差し脚を見せたエアラフォンは、開幕週の芝を考えれば位置取りがカギ。
夏至Sを逃げ切ったフィフスペトルも本来は差し馬。他に先行したい馬がいる今回は同じ競馬はできないはず。横山典騎手がどのようなポジション取りをするかに注目。
コスモセンサーは復調度がどうか。オセアニアボスは前走大外からスムーズに回れたことが勝因なので、内枠で揉まれた場合の走りがポイントになりそうだ。
個人的に気になるのは、タマモナイスプレイ。
近走好走歴のある阪神1200mのセントウルSではなく(登録はあったが)、あえて中山のマイル戦を狙ってきた意図は何か。軽ハンデではなく57キロを背負う以上、それなりの勝算があるのかもしれない。




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■コメント

■ [うに]

こんにちは。
セントウルSは、やはり格が違うダッシヤーゴーゴーは外せないですね。
次に、トウカイミステリーの切れる脚はハマると怖い。
力をつけてきたエーシンリジルも買い目に入れます。



WIN5は、泣きそうになりながら決めました(笑)。難しい~

阪神10R アイフアーソング・マッシヴエンペラー

中山10R ディアアレトゥーサ

札幌11R ベストクルーズ

阪神11R トウカイミステリー・ダッシヤーゴーゴー

中山11R コスモセンサー・フィフスペトル

■WIN5攻略法(?) [うに]

こんばんは。
香港馬強いですね~
馬より騎手がどうなのかと思っていましたが、本番が怖い存在になりました。日本のスプリント戦線、危うしですね。


私のWIN5の買い方は、人気馬と穴馬を一緒に選択するなど無駄があるので、ここらで整理したいと思います。
単勝1番人気が鉄板なら1点のみ、怪しいなら伏兵から2~3点まで。
これで、的中はともかく、買い目がぐっと減る!(弱点は全レース怪しい場合、どうしたものか)
これは常識の範疇だったかなあ?


ところで、単勝人気とWIN5での人気は、比例はしていても一致はしていないと思うのですが、実際はどうなんでしょうね。
興味はあるけど、分かったら分かったで予想がややこしくなりそうですが。


今回は『予習』が読めて嬉しかったです。『復習』も期待してます!


■うにさんへ [安東 裕章]

こんばんは。
コメント、ありがとうございます。
返事が遅くなってすみません!

WIN5は、ある程度点数を買わないと当たらないのかなあ?という気もします。
だいたい平均で80~100点くらい買われているみたいですよ。
各レース、1番人気は必ず押さえて、絞れない場合は5~6頭・・・。それでもなかなか的中できないという話がどこかの新聞に載ってました。
競馬記者の人たちの予想を見ても、けっこう多く選んでますよね。

全レース2頭ずつ選ぶと32点・・・、そのくらいは仕方ないのかなあ??
私は実際に買っているわけではないので、予想もいい加減なところがありますが、いざ買うとなったらどこかで歯止めをかけないと大変なことになりそうですね。
やはり「少ない点数で楽しむ」「買い目を絞り込む予想力をつける」といったスタンスがいいように思います。

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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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