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■マイルCS・展望

今週は京都でGⅠ・マイルCS。
相変わらず仕事に追われている身ですが、出張先でPCを借りることができたので、簡単にレースの展望を書いてみたいと思います。

春の安田記念を制した3歳馬・リアルインパクト。
安田記念勝ちに関しては「斤量の恩恵が大きかった」という意見も聞かれましたが、休み明けの前走・毎日王冠では57キロを背負ってダークシャドウ(秋天2着)にクビ差の競馬。その実力は本物という評価が高まっているようです。3歳という年齢を考えれば、まだまだ伸びしろがあるはず。前走以上のパフォーマンスを見せて、春に続いて秋のマイル王に輝く可能性も十分あるでしょう。
今回、ポイントと思えるのは2点。
ひとつは、関西への長距離輸送があること。
リアルインパクトは関西圏でのレース経験が1回しかなく、そのレース(ニュージーランドT)も11着に敗れています。陣営は「震災の影響で調整が万全でなかった」とコメントしていますが、輸送経験が少ないことは紛れもない事実。古馬と違って精神的に不安定な部分が残る3歳馬にとっては、思っている以上に大きな課題になるかもしれません。
もう1点は、騎手の乗り替わり。
近走の鞍上を見ると、内田博、戸崎圭、岩田といった、いわゆる“剛腕”と呼ばれる騎手が乗って結果を出しています。今回の鞍上の福永騎手は、技術的には申し分ありませんが、前述の騎手とはタイプが違うようにも思えます。剛腕騎手が“追って追って馬を前へ持って行く”のに対し、福永騎手はどちらかといえば“馬の能力を発揮させて気分良く走らせる”タイプ。このあたりの違いが影響するのだは?という気もします。言い方をかえれば、近走の好結果は騎手の乗り方が大きな要因になっているのでは?ということ。安田記念の戸崎圭騎手の騎乗(早めに仕掛けて追いっぱなしのロングスパート)が実に見事だっただけに、今回の乗り替わりは少々気になる材料とも思えます。

前走・スワンSを制したリディル。
2歳時に高い評価を受けた素質馬が、ケガを克服してようやくGⅠで主役になれる舞台まで辿り着いた・・・そんな感慨もあります。
前走の勝ち方は圧巻。逃げたジョーカプチーノの注文通りに運んだレースでしたが、直線で相手を射程圏に捕らえてから交わして突きはなす脚には驚かされました。トップギアに入ってからのスピードは超一級という印象です。
今回も逃げ馬・シルポートをマークして同じような競馬を試みると思われますが、そうした場合、8枠17番という枠順はどうなのか。外から差してくるタイプではなく、番手からの抜け出しを得意とする馬なので、外枠の今回、序盤から好位のポジションをキープできるかがカギになるかもしれません。

前哨戦の富士Sを勝ったエイシンアポロン。
個人的には3歳時からマイラーとしての資質に注目していた馬ですが、リディル同様こちらも長期休養を経て見事に復活した感があります。
インの好位でロスのない走りをするイメージが強かったので、前走で13番枠に入った時は正直どうかな?という部分もあったのですが、結果は後方から差し脚を伸ばして1着。思っていた以上に脚質に幅があるという評価も生まれました。
課題は時計勝負になった場合。キレ味で勝負するタイプではないので、瞬発力を問われる展開になると厳しいところがあるかもしれません。それを考えると、土曜の雨で馬場が悪化が見込まれていることは、この馬にとっては好材料と言えるでしょう。

外国馬2頭も怖い存在。
レイティング等の評価では3歳牝馬のイモータルヴァースの方が格上とのことですが、追込一辺倒の脚質だけに不発に終わるリスクも考えられそうです。
むしろ、3年連続でこのレースに参戦するサプレザの方が、下り坂を利用する京都コースの特性を知っているだけ優位かもしれません。牝馬ながら近走は57.5~60キロの斤量での競馬。今回の55キロは恵量に違いないでしょう。あとは、馬場が悪化した場合、どこまでこなせるかがカギ。

昨年の覇者・エーシンフォワード。
前走・スワンSは外々を回らされる競馬で6着に敗れましたが、元々目標は今回の本番。陣営いわく「寒い時期に成績を残す馬」。追い切りの評価も高く、枠順も希望していた内枠に入った以上、軽視はできないでしょう。ただし、この馬はどちらかといえば、跳びがきれいな馬。道悪になった場合の影響が、少なからず気になります。

馬場状態を考慮すると、シルポートが逃げ残る可能性もあるように思えます。
以前のブログにも書きましたが、小牧騎手が乗るようになってからのシルポートは、マイル戦で残れる逃げ方に変わりました。具体的に言えば、前3Fを35秒台で通過して上がり3Fを34秒台でまとめる逃げ方です。したがって、安田記念の前3F33秒9は明らかにオーバーペースでした。休み明けの2戦の敗因を距離と考えれば、今回は巻き返しの可能性も十分あると思います。重馬場は〈1.1.0.0〉。内にグリーンベルトができるわけではありませんが、BコースからCコースへの仮柵移動もプラスに働くはず。あとは、幸騎手がこの馬の持ち味を発揮できるかどうかでしょう。幸騎手が主戦となる同じ西園厩舎のヘッドライナーのような逃げ方でいいと思うのですが・・・。

他では、3歳マイル王者のグランプリボスにも注目。
海外遠征に出た後、休養明けの前走・スワンSで大敗。近走の存在感こそ今ひとつですが、朝日杯を含めてこの世代ではGⅠ2勝の実力の持ち主。復活の度合いが気になりますが、大駆けがあっても驚けないでしょう。

初のマイル戦となるミッキードリームも面白そうな存在。
ハイペースとなった前走の秋天でも先行しながらもある程度踏ん張り、底力の一端を見せた内容だったと思います。ただし、ローテーション的には3走前に朝日CCを使っている分だけキツイような印象も。目標は秋天だったという気もします。

週中の時点で、個人的には、キョウワジャンヌとマルセリーナの3歳牝馬2頭が気になっていたのですが・・・、どちらもキレ味勝負の馬だけに、馬場が悪化すると評価を下げざるを得ないようにも思います。
実力馬のスマイルジャックは、予定していた毎日王冠が使えず調整が狂った点が不安材料。昨年の2着馬・ダノンヨーヨーは適条件に戻りますが、休み明けの2走がスタートで置かれすぎている感もあり、道悪巧者とはいえ後方からの競馬になると厳しいのではないでしょうか。
逆に馬場悪化で面白く思えてきたのがレインボーペガサス。
前走の富士Sは道悪で負けていますが、敗因は馬場よりもハナに立ったことで序盤から脚を使ってしまったことと考えられます。速い上がりの脚を使えない馬なので、時計のかかる展開向き。京都コースとの相性〈2.1.2.0〉を加味すれば、穴候補としてマークしてもいいかもしれません。



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■コメント

■マイルCS [うに]

安東さん、お疲れさまです。『展望』書いてくださって、ありがとうございます!

マイルCSのテーマは、「マイラー貫けばいいじゃないか」ということで…
いかにも距離が合っていなかった馬を狙います。
シルポートとダノンヨーヨーは、ダークシャドウを物差しにすれば、休み明けの毎日王冠の着差は評価できると思います。秋天は捨てていた印象で度外視。
マルセリーナは、桜花賞以来のマイル投入に期待します。
あとは堅く、エイシンアポロンとリアルインパクトを押さえておきます。

■また来週! [うに]

こんばんは。
恒例の反省タイムです。
フィフスペトルは、良馬場でないとダメだと思い込んでいたのが失敗。
サプレザは…なんで消したんでしょう!?
いい加減、外国馬コンプレックスを直さねば、ジャパンカップで痛い目に遭ってしまいそうです(笑)。


お仕事大変だと思いますが、体調に気をつけてがんばってくださいね。



■お久しぶりです [電気羊]

マイルCS当日お昼、競馬仲間二人にこんなメールを送りました。文面はほぼそのままです──

やはりエイシンアポロンがお奨め。
昨年1着ASフォワードは
父ストームキャット系
母方がヘイルトゥリーズン×ブラッシンググルーム

Eアポロンは
父ストームキャット×ブラッシンググルーム
母父サドラーズウェルズはノーザンダンサー×ヘイルトゥリーズン

さらに母方にネウ"ァーベンドを持つ馬は、
08年ファイングレイン
10人気3着
09年マイネルファルケ
14人気2着
10年ダノンヨーヨー
1人気2着

──

エイシンアポロン以外ではリアルインパクト、リディルに加え、まずはフィフスペトル。そしてサプレザ。あと気になったのがグランプリボスとマルセリーナ。
フィフスペトルについては持ち時計が優秀な上に、中山巧者であることを評価。マイルCSは中山を得意とする馬がしばしば好走しますから。
さらに京成杯AH1着→スプリンターズS6着→というローテーションが、01年優勝のゼンノエルシド(京成杯AHレコード勝ち→スプリンターズS10着→)を彷彿とさせました。なので、ひと月も前から「マイルCSはフィフスペトル狙い」と決めていたのです。
ならば見事的中……と思いますよね?
ところがどっこい、的中馬券はどこにもない!!!

ミスりました。あまりに痛すぎるミス。5番から買ったはずが8番から購入。で、気がついて慌てて5番から買い足したら1番、13番が抜け、9番と11番を買っている……。

リアルは、調教後の馬体重が重すぎるのが気に入らず評価を下げたんです。でも当初の“リアルは強い”とのイメージがこびりついていたのでしょうか。
今思うとGボス、マルセリーナが直前に急浮上してきて、頭の中が整理しきれなくなっていた気もします。
今後は購入前に深呼吸でもして、頭と気持ちをいったん鎮めるようにします。

久しぶりのコメントがこんなお恥ずかしいもので、本当に情けないです。
それにしても今回はショックが大きい。いまだに配当を確かめる気になりません(笑)


■うにさんへ [安東 裕章]

コメント、ありがとうございます。
毎週、留守番、本当にすみません。

マイルCSのテーマは、「マイラー貫けばいいじゃないか」。
おっしゃる通りでしたね。
で、考えてみると、フィフスペトルもスプリンターズを使ったマイラーだったということで・・・、終わってみれば「ああ!そうか!」って感じですよね。
競馬って、本当に奥が深い!(笑)

今週はジャパンカップ。
個人的には「日本馬がんばれ!」です。
これだけのメンバーが揃ったのですから、いいレースを期待したいですね!

がんばってください!



■電気羊さんへ [安東 裕章]

お久しぶりです。
お元気でしたか?

コメントを何度も読み返させていただきましたが・・・、いやあ~、もったいない!!(笑)
それにしても、狙いはズバリでしたね!
フィフスペトルに関しては、ブログを更新した後になって、「最内枠を巧く回って来られたら怖いかも」と思った次第です。
リアルインパクトは経験不足、リディルは外枠からではスワンSと同じ競馬はできない。そこまで予想していたのですから、伏兵陣にもっと細かく注意を払えばよかったと思います。(私的反省)

今回も勉強になるコメントありがとうございました。
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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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