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■有馬記念・短評

2011年の有馬記念を制したのは、1番人気に支持された3冠馬・オルフェーヴル。
4分の3馬身という着差以上の、実にインパクトがある“強い勝ち方”を見せてくれました。

『予習』で書いたように、このレースでの課題は「古馬のトップクラスが相手でも菊花賞と同じ競馬ができるかどうか」。しかし、終わってみれば、今回もまた「1頭だけ次元の違う競馬をした」という印象が強く残りました。
超スローの流れで道中後方2番手(普通ならば届かない危険性のあるポジション)に位置しながら、3コーナーから動いて、直線では馬群を一気に抜き去るレース。瞬発力と持続力、そして、レースへの対応力のすべてにおいて、高い能力の持ち主であることを証明したと言えるでしょう。完璧なレースだったと思います。
来年は凱旋門賞挑戦も視野に入れているとのことですが、いずれにしても、今後の活躍が非常に楽しみな馬。競馬界の中心的存在になり得る資質を大いに感じることができた一戦でした。

2着は昨年のダービー馬・エイシンフラッシュ。
『予習』の中で「個人的に見直したい馬」と書きましたが、この馬の“一瞬のキレ味”を活かせる展開になったことが一番の好走要因だったと言えるでしょう。内でじっくり脚を溜めて直線で勝負に出たルメール騎手の乗り方も光りました。
追い比べの決め手勝負になると厳しいところもあるでしょうが、今回のように中団につけてスッと抜け出す展開がイメージできるレースでは、これからも十分狙える馬だと思います。

3着は昨年と同じくトゥザグローリー。
JCの内容が案外だったため、完調手前という判断から評価を下げましたが、最後はこの馬らしいキレの良い走りを見せてくれました。序盤は若干行きたがっているようにも見えましたが、向正面ではしっかり折り合って少し下げた位置での競馬。このあたりはペースを読んで脚を温存させた福永騎手の好騎乗だったと思います。
ルーラーシップも含めて、最強世代と呼ばれた4歳馬たちが2~4着に好走したことは嬉しい限り。オルフェーヴル中心の図式になるかもしれませんが、今後も熱い戦いが期待できそうです。

引退レースのブエナビスタは7着。
心情的には花道を飾らせてあげたかったのですが、『予習』でもふれた通り、やはり中山の最内枠という条件面での厳しさがあったように思います。
好スタートを決めて3~4番手での競馬。普通ならばベストのポジションでしょうが、ブエナの脚質を考えると前過ぎた感は否めません。事実、松田博調教師も「内枠が災いして掛かり気味になった」とコメントしています。2度目の3コーナーから馬群が動き出した時点で、すでに追走するのがやっとの状態。自分から動くことを得意とするタイプではないので、直線ではもう脚が残っていませんでした。

レースで好走できるかどうかのポイントは“自分の競馬ができるか否か”。
特に、今回の有馬記念のように“自分の勝ちパターン”を持った能力の高い馬たちが揃った場合は、その差がはっきりと結果につながるように思いました。
自分の競馬をして勝ったオルフェーヴルと、本来の自分の競馬ができなかったブエナビスタ。
エイシンフラッシュとトゥザグローリーは、好騎乗の後押しによって、自分の持ち味を発揮できました。
先行策をとったトーセンジョーダン、ヴィクトワールピサ、アーネストリーは、もっと速いペースで逃げ馬をマークする競馬が“自分の勝ちパターン”だったはずです。前が有利な超スローペースでも馬券圏内に残れなかったのはそのためでしょう。

「予想とは強い馬ではなくそのレースで最も能力を発揮できる馬をさがすこと」
これは、拙著『競馬のツボ』の中で何度も書いたことです。
強い馬だからこそ、強さを発揮できないレースでは負けてしまう。
競馬の基本を改めて学ばせてもらったように思います。

オルフェーヴルの優勝とブエナビスタの引退。
主役交代のバトンタッチの舞台となった今年の有馬記念。
オルフェーヴルが勝ったことによって、ブエナビスタが築き上げた競馬の一時代が、“強さ”という形で受け継がれたようにも思えます。
テレビ中継で映し出された、輪乗りの中で1頭だけ静かに佇んでいたブエナビスタの姿は、自分がラストランになることを知っているかのようにも見えました。
それは、雪が舞い降りたレース後の引退式よりも感動的でした。

ありがとう、ブエナビスタ。

2011年の有馬記念は、いつまでも記憶に残ることでしょう。



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■コメント

■今年もお世話になりました。 [うに]

こんばんは。
『短評』を読んで、有馬記念の様々なシーンが、色鮮やかに思い起こされました。
輪乗りに加わらず静かに佇んでいる姿は、確かに印象的でしたね。

安東さん、感動的に締めくくって頂いて、ありがとうございます。(ちょっとクサかったですけど・笑)

安東さんの買い目は、潔いですね。
私なんか、「ブエナビスタが勝つ」とか言っておきながら、1着固定にせずマルチですもん。

来年も、予想がもっと上手くなるように頑張ります。引き続きよろしくお願いします。

それでは、よいお年をお迎えくださいませ。

■おかげさまで [電気羊]

結果から申しますと、“フトコロから暖かく”なっちゃいました(笑)
エイシンフラッシュ、トゥザグローリー2頭の複勝+ワイド3点!
エイシン-トゥザの人気薄同士のワイドは余計かなと思いつつ、買わずに後悔するよりはと購入してよかったです。

引退レースのブエナビスタ。巻き返し微妙なウ"ィクトワールピサ(単穴の期待は捨て切れませんでしたが)。調教時計に今一つの感を持ったアーネストリーとトーセンジョーダン──。
人気薄2頭の食い込む余地はあると考えました。
安東さんも何度かご指摘の通り、エイシンは内枠が狙い目。トゥザの一変は確かに半信半疑でしたが、冬は走るという声とデキの良さで。
正直、今回は血統面での差別化は難しかったので、それ以外の要素の占める割合が大きかったですね。もちろん、当日の芝レースの結果をある程度参考にはしましたが。

それにしても、有馬記念を的中させて終えるのは気分がいい!
オルフェーブルという新星が、紛れもない実力の持ち主であることを示してくれたのも頼もしい限りです。

■うにさんへ [安東 裕章]

こちらこそ、1年間ありがとうございました。
有馬の短評は・・・やっぱりクサかったですか!?(笑)
でもまあ、1年の締めくくりとして、感動的なフィナーレはアリじゃないかと。

来年もよろしくおねがいします。
良いお年をお迎えください。

■電気羊さんへ [安東 裕章]

的中、おめでとうございます!!
有馬を当てて1年を終えるなんて、本当に最高ですね!
来年もぜひいいスタートを切ってください!

コメントをいただきありがとうございました。
良いお年をお迎えください。
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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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