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■フェブラリーS・短評

GⅠ・フェブラリーSを制したのは、7番人気のテスタマッタでした。
4コーナー後方3番手の大外から一気の差し切り。ゴール前で先行馬をギリギリ捉えたのではなく、抜け出してからさらに後続を2馬身突きはなす強い勝ち方を見せてくれました。

一番の勝因は、やはり、後方で折り合って脚を溜められたことでしょう。
『展望ブログ』の中で「岩田騎手が一旦後方まで下げるようなレースをすると、追い込んでくる可能性がある」と書きましたが、壁の作りにくい大外枠からのスタートでありながら、すぐにライブコンサートの後ろに潜り込んで折り合いに専念した岩田騎手の好騎乗だったと思います。
前半3F34秒7という近年の良馬場では最も速い流れになり、差し・追込馬に有利な展開ではありましたが、それを差し引いても最後の伸び脚は見事。道中で折り合えばという条件はつくものの、GⅠを勝てるだけの能力の持ち主と評価できるのではないでしょうか。
岩田騎手の「馬がひと回りもふた回りも良くなっていた」というコメントの通り、最終追い切りで初の併せ馬を試みるなどの陣営の工夫・努力も見逃せません。大一番で馬が能力を発揮できる状態を作り上げた、陣営の仕上げ方と騎手の乗り方が勝利に結びついたと言えるでしょう。

2着はシルクフォーチュン。
この馬なりにベストの競馬ができたとは思いますが、1400m戦と比べると最後のキレ味がいくぶん鈍るように思えます。さらに、今回はスタート後の芝の部分で置かれたこともあって、根岸Sの時ほど楽な追走ができなかった分、伸び脚に影響したとも考えられます。
それでも、異なる条件で連続好走を果したことは評価できるでしょう。
追い込み馬には“不発に終わるイメージ”がつきまとうため、この馬に関しても以前は“展開次第”“ハマれば”などの条件下で狙えるタイプに見えました。しかし、ここ2戦の内容から「確実に脚を使える馬」という印象も強くなったようにも思えます。充実期を迎えたと判断していいかもしれません。

3着は2番人気のワンダーアキュート。
道中は中団やや後ろを追走。『展望ブログ』に書いた通り、JCダートで見せた後方からの追い込みは窮余の策と判断していたので、ポジション的には問題なかったと思います(和田騎手も「いい位置に付けられた」とコメント)。
それでも、最後にキレ味の差が出たのは、久々のマイル戦で流れに戸惑った部分があったのかもしれません。4つのコーナーで息を入れながら、ゆったりとしたペースで脚を溜めた方がこの馬向きのように思えます。
もっとも(これはシルクフォーチュンにも言えることですが)、ベストの条件ではなくても、それなりの結果を残せたことは、地力の証明とも言えるでしょう。

圧倒的な1番人気に支持されたトランセンドは7着に敗れました。
この馬の不安材料については『展望ブログ』に書いた通りですが、結局のところ、自分の競馬が出来ないまま馬群に沈んだように見えました。今年のタイムは、昨年のトランセンドの勝ち時計よりも1秒早いもの。自分のペースでなかったことは明確です。

それにしても、今回の行きっぷりの悪さは、懸念していた以上のものでした。
1400mまでの短距離馬2頭(セイクリムズン、トウショウカズン)と芝で行き脚のついたグランプリボスがハイペースで引っ張ったとはいえ、向正面では一時は9番手まで後退。そこから盛り返しはしたものの、4コーナーは外を回らされる形になり、直線で内目に潜り込んだところでこの馬のレースは終了。まったく見せ場のない惨敗でした。
藤田騎手は「全然行けなかった」とコメントしていますが、行けなくなった根本的な原因については不明。距離なのか展開(ペース)なのか、あるいは体調面なのか、現時点ではわからないままです。近走の走りから“敗戦の予兆”が見えていたことを思えば、もしかしたら脚質的な限界なのかもしれません。いずれにしても、何らかの形で立て直しが必要なように思えました。

3番人気のエスポワールシチーは5着。
鞍上が武豊騎手に替わったことで、トランセンドを制してハナを奪いにいくのでは?とも思っていましたが、実際にはトランセンドをマークする競馬に徹していたように見えました。
マークする相手が脱落してしまうと、そこからギアを入れ直すのは至難の業。結果的には、“強い馬をマークする”という常套手段が、逆にこの馬の持ち味を消してしまったようにも思えます。乗り替わりのせいもあるのでしょうが、武豊騎手が慎重すぎた点が、少しばかり残念にも思えます。

今回のレース、波乱の結果と見る向きもあるかもしれませんが、「能力を発揮できた馬が勝ち、そうでない馬が負ける」という点では、順当だったのではないでしょうか。
それゆえ、テスタマッタの能力をレースで引き出した岩田騎手と陣営の努力は、賞賛されるべきものでしょうし、ベストの条件ではないレースで結果を残した2・3着馬についても、その力量を評価したいと思います。


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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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